失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「ビー・マイ・ベイビー」 ニニア 1989年

2008-05-09 | 
"BE MY BABY" Nina 1989

オリジナルはザ・ロネッツ。1963年に作られた、ポップ・ミュージックのひとつの到達点。「エヴァー・グリーン」ってこういうのを指すんだろう。

そんな大名曲の、どうにもならない駄カヴァーを。

①BE MY BABY
(Phil Spector-Ellie Greenwich-Jeff Barry)
クズ。と、ひとことで終わりでもいいのだが、さらに字数を稼ぐのならば、品のないアレンジと、魅力に乏しいヴォーカルが哀れを誘う。昔、電話ボックスに山ほど貼りつけられていた、風俗系ビラを思わせるジャケどおりの内容。ライナーも最悪で、「今までのリバイバルの中でも、最高峰に位置する物」なんてぬかしてる。いや、本気でそう思ってるならまだ救いがあるけど、この「六本木ダンシングカフェ ザ・リージェンシーDJ. PaPa」さんは、そんなこと露ほども思ってないくせに商売で褒めているのが見えてしまうのでげっそりする。あ、スペインのお嬢さんらしいっす。

②SYMPOSIUM 9
(J. Fremond)
よくわからないけど、どう聴いても①のカラオケなのにオリジナルであるかのようなタイトルとクレジット。収録曲を間違えたのかも。

定価937円、中古で50円。
「NINA」がどうして「ニニア」になるんだろ。心底どーでもいいけど。

ああ、またくだらないレビューを書いてしまった…口直しにあがたさん聴こ。

ソノシートは初登場か。
「MoMo」という雑誌のNo.5「特集*新少女読本」(1986年)付録が、あがた森魚「BE MY BABY」の透明ソノシート(見えるかな?)。いかにも80年代後期的な、細い線使いまくりの紙面に、DTP黎明期を感じる。雑誌も薄い(32頁)が、内容も相当薄い。でもソノシートのほうは、やっぱりあがた森魚!としか言いようのない、独自の世界に引きずり込まれる傑作日本語カヴァー。
アルバム『24時の惑星』(1995)に収録されているようだ。持ってないので、同じ録音かどうかはわからない。

ただでさえ儚いソノシートが、透明だとさらに存在感が希薄だ。こんなペラペラから、あがた世界が現出してくるというロマン!


最新の画像もっと見る

コメントを投稿