失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「残酷な天使のテーゼ」 高橋洋子 1995年

2006-02-10 | アニメ・特撮
アキバ系シリーズ?「新世紀エヴァンゲリオン」で3枚。大人になってから、アニメをこんなに真剣に見ることになろうとは、思ってもみなかった。

いわゆる巨大ロボットもの。庵野秀明監督の異常なまでの熱意が全編に漲っている力作。ああ、思い出しただけで息苦しくなる。私は劇場版第1作公開前に深夜枠で毎週4本ずつ(いや6本だったか?)再放送したのを見たのが最初。なんか巷で盛り上がってる、というのは聞いていて、アニメなんて見るの久しぶりだなあ、とか言いつつ途中から見始めたのだが、あっという間にハマった。最初の方は後からビデオ借りて補完。綾波をとるか、アスカにするか真剣に悩んだ(ウソ)。問題の最終回まで見て、毎週予告編を繰り返し刷り込まれていた映画を見にいかない訳がない。

左の縦型が、オリジナル・テレビシリーズの主題歌。

①残酷な天使のテーゼ テレビ東京アニメ新世紀エヴァンゲリオン・オープニングテーマ
作詞:及川眠子、作曲:佐藤英敏、編曲:大森俊之
これはもう、冷静に聴けない。初めて深夜に見ていたときの興奮が甦る。曲としては、いかにもアニメ主題歌的なアレンジと歌唱なのだが、詞が確信犯的に難解。ドラマに則して考えれば、綾波(そのオリジナル)目線でシンちゃんのことを歌っているんだろうね。なお、この曲には綾波レイ(林原めぐみ)によるカヴァーが存在するらしい。聴いてみたいけど、聴くには「綾波レイ・バースデイアルバム」に手を出さなければならない…ちょっと素人には敷居が高いぜ…

②FLY ME TO THE MOON
作詞・作曲:Bart Howard、編曲:大森俊之
こちらはエンディング・テーマ。スタンダードナンバーを歌うのはCLAIREという女性ヴォーカリスト。裸の綾波が水中でユラユラしてる映像をどうしても思い出す。

定価918円、中古で200円。
一応解説しておくと、真中の少年が主人公・シンちゃんこと碇シンジ。右が「綾波萌え~」でおなじみ綾波レイ。左が宮村優子が演じた惣流・アスカ・ラングレー。上に見える恐ろしげなロボットは敵ではなく、主人公が乗る汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオン(初号機)だっ!なんだかカミングアウト的な雰囲気に…

右上、劇場版第一作「シト新生」の主題歌、「魂のルフラン」高橋洋子 1997年。

①魂のルフラン
作詞:及川眠子、作曲・編曲:大森俊之
上記のTVシリーズ再放送で、いやと言うほど見せられた、無闇にシリアスな映画の予告編。そのバックにいつも流れていたのがこの曲だった。アニメ主題歌的な匂いも残しつつ、微妙にJポップ寄りな(?)アプローチを見せている。当時のヒットチャートにも顔を出していたな。「私に還りなさい」と、「残酷な…」よりもさらに一歩踏み込んだ、母性についての曲。

②心よ原始に戻れ
作詞:及川眠子、作曲:佐藤英敏、編曲:大森俊之
原始って感じのパーカッションから始まる曲。これって、映画で使われてたかな?…記憶にない。

③④カラオケ

定価1000円、中古で100円。

そして右下、劇場版第二作「THE END OF EVANGELION 」の、[使用楽曲3曲入りシングル](背中の表示)。

エヴァ、完結編。サブタイトルは「Air/まごころを、君に」。

①THANATOS -IF I CAN'T BE YOURS
作詞:MASH、作・編曲:鷺巣詩郎、歌:LOREN & MASH
エヴァ最終作は高橋洋子を離れ、英語曲路線へ。70'sレディソウル~ブラコンチックなスローナンバー。これ、とっても音がいいです。

②Komm, süsser Tod (甘き死よ、来れ)
日本語原詞:庵野秀明、訳詞:WYZGOWSKI、作・編曲:鷺巣詩郎、歌:ARIANNE
庵野監督自ら詞を書いた、映画の主題歌とも言える魂救済系の一曲。タイトルはドイツ語だけど、歌詞は英語。そういえばエヴァの世界では「ネルフ」「ゼーレ」などドイツ語の響きがある種の禍禍しさを演出する重要な小道具として機能していた。この曲は一聴すれば分かるとおり、「HEY JUDE」を下敷きにしている。特に終盤のコーラスはカヴァーと言ってもいいくらい。でも、よくできてるよコレ。

③Ⅱ Air [ORCHESTRAL SUIT No.3 in D Major, BWV. 1068]
作曲:J.S.BACH、編曲:鷺巣詩郎
通称「G線上のアリア」。

定価1000円、中古で100円。
ジャケは、「セカンド・インパクト」だったっけ?既に記憶があやふや。

私にとっては忘れかけていたアニメの世界に再び目を向けさせてくれた重要な作品。
で、今見てるのは「蟲師」(これは原作の漫画が好きだったので)と、安野モヨコ原作の「シュガシュガルーン」。後者は音楽を小西康陽が担当している。最近変わったエンディングテーマは小西さん得意の小悪魔系ミニマル・ポップ。確か絵コンテを庵野&安野夫妻が描いていて、これも超キュート。鈴木さえ子の「ケロロ軍曹」までは手が回っていないのが現状。



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20 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
うわははは! (moonlightdrive)
2006-02-10 15:45:12
師匠!「インチキ」でも「広義」でも何でもないじゃないですか!(大笑)



>ああ、思い出しただけで息苦しくなる。

>これはもう、冷静に聴けない。初めて深夜に見ていたときの興奮が甦る。

うわははは、思い切り取り乱してる…いつもの冷静な分析眼はどこいったんすか!(笑)



>綾波(そのオリジナル)目線でシンちゃんのことを歌っているんだろうね

ギャー、何のことを言ってるのかさっぱりわかんない~、おもしろすぎ!



スミマセン、楽しんじゃいました…。いや、本編のこと何も知らなくても、このnakamura8cmさんの様子見ただけで、このアニメがいかにすごいかわかりますわ~(笑)。あーお腹痛い…。私も見たらハマるのかなあ?
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ば、ばれたか・・・(笑) (nakamura8cm)
2006-02-10 19:00:28
いやいや、この世界のディープさはこんなもんじゃないですぞ、多分。まあ、湾岸で言えば、「きいてアロエリーナ」とか「座頭市」くらいのレベルですよ、多分。浅瀬です、浅瀬。多分ね(笑)。なんだかよく分からない比喩だな…



それはいいとして。音楽的には上の2枚はいかにもお子様向けって感じであまりお薦めはできませんが、アニメはハマると思うけど…どうでしょうね。免疫がないと最初の2,3話はつらいかもしれません。そこを越えれば新たな世界が見えてくるかも。お子さんがもう少し大きくなったら一緒に見てみるのもよいのでは…いや、ファミリーで和やかに見るハナシじゃないな…やっぱ、こっそり一人で見てください。
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いやーこれは (石ばし)
2006-02-10 22:25:40
僕も深夜の再放送でハマったクチですよー。

このテーマ曲もインパクトがあったなぁ。



確かにファミリー向けではないですよね、後半は特に。

なんだか伏線の張りすぎで凄いことになってますから。



ちなみに僕は密かに次回予告が好きでした(笑)

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Unknown (yoiko)
2006-02-11 00:18:39
ど~しよ~(笑)師匠と同じく

>大人になってから、アニメをこんなに真剣に見るこ とになろうとは

でしたよ!!!!まさに。と言うか生まれて初めてマニメにハマったです。でも過去恥部として密かに胸に閉まっておこうと思ったら2人いた(笑)よかったよかった。劇場版ももちろん行きましたよ。「残酷な天使~」も「魂のルフラン」も余裕で歌えます…やばい。アスカと綾波さんどっちにするか迷ったってのなら、こっちはシンジとカヲル君で迷った(わわわ)カミングアウト的。
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ご報告 (yoiko)
2006-02-11 00:56:52
あぁダメだ。突然のエヴァ攻撃に胸がしめつけられています。
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ふふふ (nakamura8cm)
2006-02-11 01:28:58
何やらカミングアウト大会に(笑)



●石ばしさん

自分も含め、日頃音楽のことしか考えてないんじゃないかって勢いの人たちがやっぱ見てたんだ、と思うと妙にウレシイです。私はギリで20代だったのかな、当時。予告編ね、私も楽しみでした。あ、昨年は「鋼の錬金術師」を遅ればせながらDVDで見て、勢いで映画館にも行きましたね。これもなかなかよかったけど、漫画のほうが優れてるかな。



●yoikoさん

>胸がしめつけられています

大丈夫~?そうですね、まさに胸締めつけられ系の話ですよね。後半どんどんダークになってく展開は、様々なメディアの作品に影響を与えまくった、という点でもスゴイ。私の場合は「過去恥部」というには最近過ぎるという気持ちです(笑)



moonlightdriveさん、やっぱ見て!(急に自信がついた)できれば夜中にひとりで(笑)
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Unknown ()
2006-02-11 06:00:40
師匠!石ばしさん!yoikoさん!

全くもって意味わからんよ~(汗汗)。

いや、すごい世界があるというのは知っていたんだけれど私の中でカイ・シデンの恋の終り、初代ガンダム三部作の終りと共にアニメ愛が薄れてしまったのでね。男友達は猛烈に燃えてました。それが余計に私を燃えさせなかったのかも…でもここ見たら好きな三人がこんなにも熱く語ってる…moonlightdriveさん、一緒にこれから見ちゃおっか?(笑)もしかしたらこの歳にして見てもオッケーかも。何しろ透明の下敷きにカイ・シデンの切り抜きだけを両面に入れてた時代もありましたのでね。…アホだ。しかしyoiko嬢、凄いな。心配(笑)。
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おー (nakamura8cm)
2006-02-11 09:28:43
エヴァ見てない少数派の人だ(笑)

>カイ・シデンの恋の終り

ははは、そこでおしまいじゃ、早すぎるっしょ!

しかし、アニメ(駿以外)はまだまだ遠巻きに見てる人も多いんだろうな、と改めて感じましたよ。

今頃エヴァ見てる人はあんまりいないでしょうから、レンタル屋でラクに借りられるはず。よかったらどーぞ。ちなみにTVシリーズは全26話。がんばれば一日で終わります!翌日発熱するかもしれませんが(笑)。
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Unknown (yoiko)
2006-02-11 12:53:11
やばいコメントがとまらない。

>様々なメディアの作品に影響を与えまくった

ほんとそう、あの頃テレビ見てても雑誌見ててもあのゴシックを使ったりやたら14歳がキーワードになったりね。そしてみんなが語ろうとした(笑)私も「深夜の再放送の途中から派」だけど普段見ない人達はこのパターンが多いすよね。劇場版で完結しても冷めなくてコミック版見ようとしてたけど、それはどーも長続きしなかった…。

祥さん大丈夫よ!(笑)アニメは駿すら知らん。これは流行りもんみたいな。
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そうそう (nakamura8cm)
2006-02-11 22:45:02
今思い出したけど、見始めたきっかけは、当時よく読んでたスタジオボイスのエヴァ特集号だった。まさにエポックメイキング、というのが相応しい作品ですね。

>コミック版見ようとしてたけど、それはどーも長続きしなかった…。

私も全く同じ(笑)3巻くらいまでは買ったかな。ムーンライダーズの引用など、ちょっとくすぐられてたんだけど。連載まだやってるのかな?

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