失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「ロックの好きなベイビー抱いて」 SHEENA & THE ROKKETS 1994年

2015-02-18 | 
シーナ&ザ・ロケッツの15thシングル。

①ロックの好きなベイビー抱いて
作詞:阿久悠、作曲:鮎川誠、編曲:SHEENA & THE ROKKETS
鮎川夫妻の依頼で阿久悠が全作詞を手掛けたアルバム『ROCK ON BABY』からの先行シングル。鮎川誠のギターのみをバックにしてワンフレーズをゆったり歌ったあと、リズムが入ってスピードアップ。いつものシナロケスタイルのロックンロールが転がり出す。タイトルの「ベイビー」は(多くのロックでそうであるように)若い女性を指しているのかと思いきや、本当にベイビー=赤ちゃんのことを歌っていて意外。阿久悠が「あまり売れなかったがなせか愛しい歌」というコラムでこの曲を取り上げている。阿久自身の言葉を借りれば「未婚の母のロッカーがベイビーひっかついで、未来に向かって生きている歌」。シンプルなロックサウンドに乗せ、お世辞にも美声とは言い難いシーナの声が生命力の塊のような女性像を描き出す。「いろいろあれこれ言われたけれど」なんてサラッと歌われるフレーズに、隠されたストーリーの重みを感じるのは、シーナさんのキャラに負うところが大きい。阿久悠の文章はこう結ばれている。「これから先、何かがあると、大きく売れる可能性をもった歌だとも思っている」

②魔法使いの娘
作詞:阿久悠、作曲:鮎川誠、編曲:SHEENA & THE ROKKETS
こちらももちろんロックンロール!鮎川誠がほとんどメインで歌っている。サビに魔法使いの娘役のシーナが「あなたのために魔法を使いたい」と歌い出す。終盤夫婦のハモリも聴ける。アルバムのラストナンバーだった。

定価930円、中古で100円。
シーナの魅力を見事に切りとったBOB GRUENによる写真。デザインはC.T.P.P.(信藤三雄)

シーナさん、安らかに。




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