失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「ひらき直りも芸のうち」 ViVA! 1993年、「お嫁に行きたい」 SAKI 1995年

2011-05-19 | アイドル系
なんでこの曲カヴァー?プロデューサー、BANANA ICEの意向なんだろうけど。

ViVA are; 穴井夕子・八木田麻衣・市井由理

東京パフォーマンスドールのグループ内ユニット「ViVA!」はシングル2枚を残しており、これは2枚目のほう。天井部分のアーティスト名は「ViVA! from 東京パフォーマンスドール」と表記されている。

①ひらき直りも芸のうち
作詞・作曲・編曲:BANANA ICE
アイドルとしての自身の立ち位置(「まだ遊べない ah 売れるまで」「地味なレッスンで土日放課後丸つぶれ」)、業界あるあるネタ(「今でも髪形ビートルズのままの人は社長か専務」「1度会えば次はチャン付け」)が並ぶヒップホップ作品。おそらくここでの市井さんのラップスキルにEAST ENDの皆さんが注目し、ヒップホッパーYURIの誕生につながったのだろう。結論は、いろいろすり減る前に「普通にお嫁に行きたい」。アイドルの自己言及的なリリックも、80年代の小泉今日子ほどのインパクトがあるわけでもなく、なんだか中途半端な印象。しかし「DA.YO.NE」に先立つこと一年、アイドルユニットがラップメインの楽曲をリリースするのは結構冒険だったはず。一枚や二枚おかしなシングル出して、それがたいして売れなくても困らないくらいの勢いがTPDにあったってことか。

②浮気な恋ほど女を磨く
作詞:IRIGA TAK & ViVA!、作曲・編曲:浅倉紀幸
「サティスファクション」のギターリフをローテンションなシンセでなぞる。「♪YO! MAI ちょっと聞いて」なんて前ノリでハマーテイストのラップを繰り広げる3人。咲坂と桃内っぽいとも言う。間奏では男性アナウンサー?によるTPDニューアルバムの告知が入っていたりする。①よりはメロディパートの比重が高い。

定価800円、中古で100円。
上から市井、八木田、穴井。もちろんヒップホップファッションで。裏では3人ともキースへリングのTシャツに、ジーンズをもう下げられないってところまで下げてトランクス見せ。


ViVA!の2年後、ひっそりとタイトルを変えてカヴァー。SAKIっていう女性ラッパーについては、とくに情報なし。どうやらこれがデビューシングルにして最後の作品ぽい。

①お嫁に行きたい(ひらき直りも芸のうち)
作詞・作曲・編曲:BANANA ICE
ViVA!ヴァージョンよりわずかにテンポを落としたカヴァー。バックトラックは作り直しているようだ。ラッパーSAKIは、ちょっとハスキーでアニメの少年役が似合いそうな声。売れそうな雰囲気がまったくないね。歌詞は大筋オリジナルどおりだけど、アイドル前提の部分などで微調整程度の変更あり。地味な存在だったオリジナル曲を、さらに地味にスケールダウン?ラップのキレはSAKIさんのが上だとは思うが、アイドル向けに書いた曲を無理にアダプトした印象は拭えない。「お嫁に行きたい」をタイトルにして、より切実度はアップしてるけど。

②酔っぱらってホテルでH
作詞・作曲・編曲:BANANA ICE
下町兄弟(=BANANA ICE)の1994年作品をカヴァー。これは女性目線(非アイドル)で書かれた曲なので、SAKIさんが歌うべき曲だったのかも。ちょっと生々しすぎる、という意見もあるかもしれないが、①よりいいと思う。

定価930円、レンタル落ち300円。
昼はOLやってます、と言われればそうかも、と思える中庸なルックス。うん、お酒も強そう(すべて勝手な想像)。



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2 コメント

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知らなかったです! (夏の友達)
2011-05-26 22:22:36
お~「ひらき直りも芸のうち」って、カバーなんてされていたんですね。
でもタイトルがそんなことになっちゃいましたか。
これはチェックしてみないと。
YURIのヒップホッパーへの道を切り開いた曲ですね。
YURIもいいけどMAIのラップも案外すきなんですけどね。
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謎です (nakamura8cm)
2011-05-26 23:29:13
新しい曲を書くのが面倒だったんですかね?(笑)
ViVA!のがヒットしてたのなら話は分かるのですが。
しかもタイトル変えてるから、できれば気づかれたくない的な???
そう、MAIも元気でいいですね~
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