逸れ猿・仲間外れの猿

2009年11月29日 | ★ 【 ぶ~ら ぶら 】 

人間社会のイジメの構造を見たような気持にさせられた。


動物園でお猿さんを観てきたが、


今回の「井の頭自然文化園」の中にある【猿の檻】の異様な様子には


涙が出た。



猿山の柱の天辺に


ボス猿がジ~っと、身動きだにしないで


佇んでいる。


その周りにある柱には親子猿が2~3頭群れている。



他の猿は山を囲むようにして在る檻の近くで


子猿同士、母猿と小さな子猿がじゃれ合って


遊んでいる。


ここまでは普通の猿の日常生活だ。


しかし、どうもおかしい。


猿たちの動きにダイナミックさがないのだ。


ココと思えばまたアチラっていう


猿らしい動きが見受けられず、


また、


キャキャと鳴く声すらなく、全く静まり返っているのだ。


コンクリートの山の中腹に目をやると、


ギスギスに痩せた子猿が1頭、柱の下まで


ヨロヨロとしながら近ずいたり、遠のいたりしているのだ。


この猿、明かに悲しそうな、寂しそうな


顔をしている。


毛も抜け落ちて、痛々しいのだ。


食べ物さえ口にできないようだ。


親猿も仲間の猿たちも


このお猿さんには近づこうともしない。


じ~と見届けていると


普通なら、親猿や兄弟か姉妹の猿が近づいてきて、


この可哀想な猿を労わるのに、


その様子も見られない。


どうも苛めに遭っているようなのだ。


誰かが助けて労わってあげられない雰囲気が


静まり返った猿山をつくりだしている。


そう、ボス猿が睨みをきかせているからだ。


誰かが助けようものなら、


このボスに睨まれ、群れから追放されかねない。


飼育員ですら手を拱いているようだ。


何故、仲間から外され、誰にも相手をされなくなったのだろう、



心配になった。


猿山で権力闘争があって、今のボス猿がリーダーになったからなのか。


それとも


ボス猿の餌を失敬して、こてんぱに痛めつけられ、


失意の末に


仲間外れにされたのか。


それとも・・・・・・・


いろいろ思いめぐらしてみたがわからない。


学校の中での苛め、会社の中での苛め、社会の苛め


垣間見ているような光景だ。


そら恐ろしく、逸れ猿の姿と行く末を思うと


思わず


涙目になった。


猿社会のことは判らないが、


人間の社会を映す鏡であることに


変わりはない。


弱肉強食


睨まれても助ける、手を差し伸べられる勇気



私たちの社会は持ち合わせている



断言できるのだろうか。


 


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