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今、自分が出来ること。やれること。それを精一杯やっていかなくちゃ!!

コラム記事【7/19】

2024年07月20日 02時15分26秒 | マリーンズ2024
≪7/19≫


 投じたボールは無情にもレフトスタンドへ吸い込まれていった。鈴木昭汰投手は悔しそうな表情でマウンドに立ち尽くした。6月29日のバファローズ戦(ZOZOマリンスタジアム)の延長十回に浴びた一発は決勝の2ラン。そこまで防御率0・00と快投を続けていた鈴木昭にとってはこれが今季初の自責点となり、負け投手となった。

 「外角のフォーク。相手のちょうどバットが伸びるところに投げてしまったかなあと思います。今年はオープン戦も含めてあのような失敗は初めてだった。ボクのせいで負けた。悔しかったですね」

 鈴木昭はそう振り返る。悔しさはあったが、大事にしていることがあった。それは打たれた次の試合を絶対に抑えるということだ。これは1月の自主トレで弟子入りさせてもらったパドレスの松井裕樹投手から教わっていたことである。

 「誰だって打たれる。どんなピッチャーだって1年間、打たれないことなんてない。大事なのは打たれた次の試合。そこをしっかりと抑えられるか」

 憧れの人の言葉はずっと脳裏に残っていた。だからクヨクヨと落ち込むことなく気持ちを切り替えることに注力し、すぐに次に向けた準備を始めた。

 次の登板は7月3日のファイターズ戦(エスコンフィールド)。リードした場面の4番手として登板すると1回を打者3人でピシャリと仕留めた。「打たれた次の試合でしっかりと抑えられてよかったです」。鈴木昭は今年一番ともいえるような安堵(あんど)の表情を浮かべていたのが印象的だった。そして「打たれた次の試合」は、もう1試合あった。

 それは打たれた相手、バファローズ戦での次回登板。7月12日。舞台は打たれた時と同じ本拠地。わずか1点のリードという緊迫した場面で3番から始まるクリーンアップ3人を前に名前をコールされると、三者凡退に抑えてみせた。こうして師匠から叩き込まれていた打たれた後の二つの大事な試合でしっかりと結果を出した。

 プロ4年目は充実した日々が続く。前半戦、チーム躍進のキーマンともいえる活躍を見せる鈴木昭は監督推薦でオールスターゲーム初出場も決まった。憧れの舞台だ。

 「正直、オールスターに出るという自分の未来の想像はできなかった。もちろん出てみたいとは思っていましたけど、現実的な目標として最初は思い描くことができなかったですね。でも、こうやって夢ってどんどん大きくなるのかなあと思いました。最初はプロに入ることが夢で、次は1軍で投げること。そして結果を出して次の舞台。どんどん夢が大きくなるっていいなあと思いました」と鈴木昭はしみじみと喜びを口にした。

 前半戦だけで30試合以上の登板。キレのあるボールで三振を奪いチームを勝利に導く日々だった。それでも「満足感は全然ないです。毎日が精いっぱい」と話す。夢の祭典を経て、後半戦は次なる夢へ。リーグ優勝のために腕を思いっきり振る。背番号「47」がVの立役者になる。夢はどんどん大きくなる。

(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)

(千葉日報)



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