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拾い読み★2015-201≪コラム記事≫

2015年07月20日 19時06分21秒 | マリーンズ2011~15
【千葉魂】 心一つに、泥くさく きょう後半戦スタート

 全体練習前、京セラドームの三塁側ブルペンに全選手が集まった。7月15日のオリックス戦の試合前。7連敗のチームにあって、キャプテンの鈴木大地内野手を中心にした呼びかけで集合をした。最初は立っていたが、主将は全員に座るよう促した。時間をかけて、しっかりと話し合いたかった。だから、みんなで輪になって座った。そして意見を交わした。若手もベテランも意見をした。クルーズも思いを口にした。選手だけで集まってのミーティングは今年初めて。それは10分間以上、続いた。いろいろな意見や考え方、感情が現れた中で、導き出された答えは一つだった。

 「伊東監督を男にしようじゃないかと。みんなで気持ちを一つにして、そのために戦おう。監督の熱い思いに選手たちで応えようと。まだまだ、諦めないし、そのためには闘争心むき出しにやっていく必要がある」

 今もミーティングの事は鮮明に覚えている。一人一人の発言。表情。球宴休みを終え、グラウンドに出てきた鈴木は、なおも顔を引き締めながら振り返った。

 あの日、男たちの誓いが乗り移ったかのように連敗中は1試合平均2得点の打線が、今季最多の19安打を重ね10得点し、勝利した。みんなの思いを確認し、一つの目標に向かった打線がオリックス投手陣に襲い掛かった。追撃してくる相手を、さらに突き放した。投手陣も必死のリレーを見せた。熱く、勇ましく、泥くさく戦った。それは本来、マリーンズが今年一年、戦おうとしていた姿勢そのものだった。

   □    ■    □

 選手たちが自主的にミーティングを行った前日の14日に指揮官は全員を集め、熱く語った。語気を強め、選手たちを見渡しながら、今、マリーンズが必要としている姿勢を語った。それは就任1年目から言い続けている事でもあった。ガムシャラなプレー、泥くさいプレー、熱いプレーの追求だった。

 「みんな、高校生の時、甲子園を目指していたと思う。一戦必勝で、大きな目標に向かってチーム一丸で戦っていた。今のウチに必要なそういう姿勢。一つの勝利、いや一つのプレーにみんなで喜び、悔しがり、熱い気持ちを持って野球をすること。闘争心を持つことだけではなくて、それを表に出す事が今のマリーンズには必要だ。オレは負けるのが悔しい。本当に悔しい。一緒に勝って、喜ぼう。だから泥くさくやろう」

 鈴木は伊東監督の気持ちのこもった熱いげきが胸に響いた。こみ上げる感情を抑えるのに必死だった。それは若手もベテランも助っ人もみんな同じだった。しかし、それでも、その試合に敗れ、7連敗となった。それぞれが宿泊先のホテルで自分に何が足りないのかを自問自答した。指揮官の思いに応えるためにはどうすればいいのかと天を仰いだ。キャプテンである鈴木は、その思いを一つの空間に集める事が必要なのではないのかという結論に至った。だから、ベテラン選手たちと相談をして、選手たちで練習前に会合を持った。「伊東監督を男にしよう」。試合前に男たちが、思いを一つにした。

   □    ■    □

 球宴休みを大阪から千葉への移動日休みの一日で終え、17日、マリーンズは後半戦に向けた練習を開始した。台風が過ぎ去った後の夕焼け空の下で伊東監督はあらためて選手に伝えた。「心技体とあるが、マリーンズに一番必要なのは心だ。心が大事。みんな、チーム一丸となって闘っていこう」。左胸をポンと力強くたたいた。全員がうなずいた。

 20日、海の日。プロ野球の後半戦が始まる。マリーンズは敵地でホークスと相対する。3月27日の開幕戦では全員野球で倒した相手。そのホークスが今、首位に君臨し、マリーンズは4位と苦しんでいる。なにが足りなかったのか。どうすべきだったのか。それらを悔い改め、もう一度、全員野球で挑む。あの日のミーティング。みんなで心を一つにした思いをぶつける。ここからマリーンズのプライドと、勝利への飽くなき思いをぶつける。残すは63試合。まだまだ諦めない。

 (千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)
(千葉日報)






3強がハイレベルでしのぎ合うパ 前半戦の数字で振り返る各球団の戦いと後半戦展望



内容的にも強い3強

 パ・リーグはセ・リーグとは対照的に、早い段階から3球団が強さを見せてきた。得失点差でもプラスの3球団とマイナスの3球団にはっきりと分かれている。

 得点でも失点でもリーグをリードするソフトバンク、それに得点力でリードをつくっている日本ハムと西武が続く。

 得点力をつくり出している要素は三者三様だ。出塁力、長打力ともにバランスよく高いのがソフトバンク。それを長打力では上回るが、出塁力でやや劣るのが西武。共に及ばないが両チームに30個以上の差をつけてリーグトップの85盗塁などで埋め合わせている日本ハムとなる。盗塁成功率もトップだ。

 失点抑止では三振奪取と与四球の制御に優れているソフトバンクが抜けている。


得点が失点を上回り続けているソフトバンク

 さらに細かく戦いぶりを精査するために、10試合目以降より、各試合を終えた時点での直近10試合ごとの平均得失点を算出し、その変動をグラフにする。得点をどう奪い、失点をどう喫しているかを可視化した。

○前半戦1位・ソフトバンク

 平均失点を表す赤い線が、5月以降ずっと青い線の下で推移している。獲得した得点が喫した失点よりも大きい状況が続いていたことを意味し、堅調な戦いぶりだ。

 ただ平均失点は平均前後を行き来しており、圧倒的なものではなかった。これは狭く本塁打の出やすくなった本拠地球場の影響もあるが、攝津正などいまひとつだった先発投手の調子も反映していると見られる。

 温存状態にあったリック・バンデンハークや、先発も救援も務めてきた寺原隼人の踏ん張りで大幅に失点が増える事態は引き起こしていないが、先発投手の補充はそろそろ限界が見えてきた。失点抑止の安定感が失われれば、ここまでのような堅調な戦いは難しくなる。補強、配置転換、若手の抜擢などの準備が必要になる可能性もゼロではない。


得点力に伸びしろある日本ハム

○2位・日本ハム

 貯金15という結果には強さを感じたが、得失点の推移を見ると、春先以外はかなり上下動が見られる。5月半ばより計3回平均失点が吹き上がっており、投手陣の出来に波があったことがうかがえる。それでも得点力は底堅く、1度目は10試合で4勝程度、2度目は打線の好調でカバーし6勝程度で切り抜けた。3度目はカバーしきれず貯金を減らしたが、トータルでは失点がかさむ状況でも試合をよく拾えていたようだ。

 ここから、投手陣はパフォーマンス向上より現状維持が現実的な目標だろう。後半戦期待できる上積みは、陽岱鋼が復帰したセンターとDHの攻撃力向上による得点力アップか。今季は打撃ではいまひとつの大谷翔平だが、打棒復活が日本ハムの順位を左右する可能性もある。


攻撃力に安定感、岸らの活躍による失点減に期待
○3位・西武

 栗山巧やエルネスト・メヒアのエンジンのかかりは悪かったが、野手の目立った故障者がおらず、また秋山翔吾や森友哉の好調もあり、攻撃面での安定感を感じた。それはグラフにも表れている。

 5月に負けが込んでいるが、菊池雄星や郭俊麟、ウェイド・ルブランら先発投手が失点を喫しがちで、さらに救援失敗が繰り返される中で、打線がやや勢いを失った結果だ。その後打線が得点力を回復すると、同時に失点も制御され始めた。

 日本ハムとは逆に、6月に復帰した岸孝之らの活躍による失点減が後半戦期待できる上積み要素か。


得点力は高まったが、失点がかさむロッテ



○4位・ロッテ

 昨年は得点力でリーグ最低レベルだったが、今年はやや改善されている。昨年は限られた出場機会しかなかったアルフレド・デスパイネ、清田育宏らの貢献が支えている。5月から6月にかけてリーグ平均を越えていった期間があるが、この期間両者は特によく打ち、得点を生み出していた。しかし、その局面も6月には終わり再び平均レベルに戻っている。

 平均失点はほとんどの時期で平均を超えて推移しており苦しい。三振が獲れず、フライを打たれがちな投手陣と、打球をうまくアウトにできていない守備が影響していると見られる。ロッテのゴロを処理してアウトにする割合は68.1%(パの平均は72.6%)、外野フライを処理してアウトにする割合は62.5%(パの平均は66.0%)でいずれもリーグで最も悪い。


僅差の試合で勝ちを拾っていった楽天

○5位・楽天

 唯一といってよい平均得点が平均失点を上回っている6月に勝利を稼いでいる。この時期は復帰した辛島航や救援陣が好調だった。しかし、嶋基宏と藤田一也の離脱で、その局面が終了したのがわかる。

 この期間以外で相対的に勝ちが稼げているのは、春先と5月の半ばということになるが、いずれも得点よりも失点が多い時期で、僅差の試合で勝ちを拾い集めていた。それでも10試合で4?6勝程度のペースでしかなく、貯金をつくったり借金を返していくのは難しかったと見られる。失点をもう一段階少なく抑えるか、得点力を上げるかをしないと、状況は動かせそうにない。


春先以降は得失点差が拮抗、勝ちを拾いたかったオリックス

○6位・オリックス

 めまぐるしい前半戦だった。主力選手の調子が上がらず大きく出遅れると、フランシスコ・カラバイヨを起用し得点力を改善。さらに出遅れた主力救援陣に替えて塚原頌平ら未活用だった戦力を生かし打開を図り、最悪の状況は脱した。

 5月は得点力をリーグ平均レベルに戻していたが、後半よりカラバイヨの当たりが止まり、糸井嘉男がコンディションを悪化させ再び急激に低下し負けが込んだ。金子千尋が復帰し、佐藤達也や平野佳寿、岸田護らが調子を取り戻し失点を減らしていたため、この局面で勝ちを稼ぎたいところだった。

 借金の多さが際立つが内容はそこまで悪くない。得失点が拮抗していた時期にもう少し勝ちを拾えていれば状況は違ったはずだ。後半戦は先発投手陣が、コンディションはともかくメンバー的にはそろいそうだ。そこにトニ・ブランコ、T-岡田らの長打力が戻れば、復調はあるかもしれない。

 先発投手陣にこれ以上大きな問題が生じなければ、後半戦もソフトバンクが有利に戦うだろう。しかし日本ハムが得点力を上げ、西武が失点を減らしていければ、隙を突いて一気に差を詰める展開もありえる。

 下位3球団は、何らかのアクシデントが生じて3強から脱落したチームをかわすというのが現実的な目標だろう。現状、改善の余地はオリックスが最もあるように見えるが、借金が多過ぎるか。


DELTA●文 text by DELTA

DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える セイバーメトリクス・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『Delta's Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。最新刊『セイバーメトリクス・リポート4』を3月27日に発売。http://www.deltacreative.jp

DELTA●文 text by DELTA






今年のプロ野球はなぜバッテリーエラーが目立つのか

 今季のプロ野球は、セ、パ共にキャッチャーのパスボールや、ピッチャーのワイルドピッチと言ったバッテリーエラーが、勝敗を左右しているケースが目立つ。

 7月9日の阪神―中日戦(甲子園)では、2-2の同点の延長11回一死満塁から福谷がマートンに投じたストレートを捕手の桂がミットに当てながらも後逸して、珍しい捕逸サヨナラ劇となった。ラッキーな勝ち方をした阪神も11日の巨人戦では0-1で迎えた3回一死一、三塁で、打者・坂本の場面、捕手の鶴岡が藤浪の外のスライダーに対して体で止めるブロッキングをせず、ミットで捕球にいって後逸(記録は暴投)し、0-2とリードを広げられた。勝敗には関係なかったが、13日のオリックスーロッテ戦でも、2-5で迎えた9回二死一、三塁から完投目前の金子の後を継いだ平野が暴投で3点目を失った。根元を中飛に打ち取ったが、一発が出れば同点にされるようなミスだった。

 7月11日時点で、最も捕逸の多いのは巨人の「9」。實松が一人で「5」を記録してしまっているのが大きいが、阿部を緊急出戻りコンバートさせるなど、なかなか捕手を固定できなかった実情を示している。

1000試合以上出場選手で、捕逸「20」の最小記録を持つ元千葉ロッテの里崎智也氏も「確かにキャッチャーのミスが目立つシーズンですね」と、顔を曇らせる。

「阪神―中日戦のサヨナラ捕逸は、外に構えてインハイへの逆球でしたね。パスボールした原因は、反応の悪さと遅れです。目、脳、体と伝達され反応するわけですが、伝達力が鈍い場合は準備でサポートできます。福谷はこの日、制球が定まっていませんでした。今季、何度か重要な局面で制球を乱すケースのあったピッチャーです。傾向を考えれば当然桂は、『ひょっっとしたら』というボールを頭に置いておかねばなりませんでした。
僕も捕手時代は、外国人選手の場合、高めに抜けるボールを『ひょっとしたら』とケアしていました。そのボールを半々なのか、6-4なのか、9-1なのか、割合を変えながら準備をしておくことが必要で、それがあれば対応できたでしょう。また、そのボールが来たときに対応できる基本技術があるのかという問題もあります。
阪神―巨人戦の鶴岡の場合はスローイングに不安があるので、走者が出て盗塁をケアする場合は、左膝を入れてほぼ半身になっています。一、三塁でしたから走者を気にしていた構えに原因があるでしょう。あの構えならば、当然ブロッキングにリスクは生まれます。藤浪のワンバウンドを予期しておき、三塁走者を帰さないことへの準備をしておくべきでした」

 横浜DeNAも、今季のバッテリーエラーは53(暴投が48、捕逸が5)を数えている。暴投数は12球団の中で飛びぬけて悪い(ワースト2位で日ハムの25個)。井納、三嶋がそろって7個の暴投を記録していて、捕逸は、黒羽根が3、高城が2。バッテリー間のミスの多さがチームの大きな問題点となっている。

「キャッチャーのパスボールが増えると、ピッチャーが落ちるボールを使うことに不安を抱き、ゾーンが少し上へ浮きます。そうなってボールも甘くなるという悪循環を引き起こします。横浜DeNAがその典型でしょう」

 里崎氏曰く、ベースを超えてワンバウンドした投球、バッターボックスラインからキャッチャー寄りに内側のボールは、7、8割方は、暴投と記録されてもキャッチャーの責任。それ以外のボールと、アクシデントで肩より上に弾んだボールについては、キャッチャーに責任はないというから、記録は暴投でもほとんどが捕逸と言っていい。

「セのチームにミスが目立つのは、キャッチャーの後ろのファウルグラウンドが札幌ドームやヤクオクドームのような広いところでやっていないことで、切羽詰ったものがキャッチャーにないのかもしれません。しかし、つまるところパスボールが多い原因は、捕手の能力(技術)不足、コーチの指導力不足の2点しかないんです」

 里崎氏が続ける。

「失敗したら、改善していくしかない。ブロッキング技術と、準備に対する考え方です。1日、2日で直るものでなく、正しい理論を教え、根気強く技術向上の努力を続けていくしかありません。ブルペンで真剣に受けるのが一番のトレーニングですが、そういう練習をキャンプから積み重ねてきていなかったということですね」

 後半戦に向けて、パスボール撲滅が勝敗を分ける鍵になりそうだ。
(文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)
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