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箱根駅伝・往路 ≪ 朝刊記事2≫

2022年01月03日 11時17分45秒 | スポーツあれこれ

青学大に“若の神”降臨!往路V 原監督采配ズバリ1年生2人快走

第98回東京箱根間往復大学駅伝 往路 ( 2022年1月2日    東京・大手町~神奈川・箱根町 5区間107・5キロ )

 青学大が5時間22分6秒で2年ぶり5度目の往路優勝を飾った。原晋監督(54)の積極采配がさえ渡り、3区(21・4キロ)で太田蒼生(あおい)が首位を奪うと、5区(20・8キロ)の若林宏樹が区間3位の走りで逃げ切るなど、起用した2人の1年生の快走がチームに勢いを与えた。2位の帝京大とは2分37秒差。3日午前8時スタートの復路にも1万メートル28分台のエース級選手を残す盤石の布陣で、2年ぶりの王座奪回がはっきりと見えてきた。

 山の神ならぬ“若の神”が5区山上りで躍動した。往路の「パワフル大作戦パート1」を締めくくる、1年生・若林の力強い足取り。出雲駅伝4区6位、全日本は6区12位と精彩を欠いたホープは、ゴールに飛び込むと「出雲、全日本と(チームは)2位。やったぞという達成感がある」と初々しい笑顔を浮かべた。

 区間新ペースで飛ばしたものの、頂上付近では猛烈な向かい風を受けペースダウンした。「心を折られかけた」というが、結果的に2位に2分37秒差をつける区間3位の快走。高校時代に“3代目山の神”神野大地に憧れていた若林の登坂力を見込み、原監督自ら「青学じゃないと山の神になっても意味ないよ」と口説き落とした逸材が真価を発揮し「若の神の名前を与えられるかな。来年は4代目山の神を目指してほしい」と喜んだ。

 1年生を積極的に起用する「パワフル采配」がズバリ的中した。若林だけではない。3区にもルーキーの太田を抜てきすると、日本人区間最高を更新した東京国際大のエース丹所を競り落とし、首位との1分2秒差を逆転して奪首。タイム自体もこの日の2区で区間賞を獲得した駒大・田沢の1年時を上回り「自分より強い選手がいて、追いついてくるというのは予想通り。自分の中では思った以上の走りができた」と涼しい顔を浮かべた。

 采配成功の裏側には育成データを基にした強化プログラム「青山メソッド」の存在がある。蓄積したデータを基に選手の完成度を客観的に判断。往路は一人も区間賞は獲得できなかったが、全員が区間7位以内と安定した走りを披露した。1年生2人も強化メソッドの水準をクリアしていたとあって「何ら不安なくスタートラインに立たせられた」と自慢げに話した。

 ちょうど1年前は首位と7分35秒差の往路12位に沈んだ。指揮官自ら「ゲームオーバー」を宣言したが、今年は貯金を持って復路に挑む。「油断せず、復路も攻めの走りでパワフル大作戦パート2を進行していきます」。登録16人全員が1万メートル28分台という驚異の選手層を誇るチームの指揮官は、まるで“ゲームクリア”といわんばかりの充実感を漂わせていた。

 

青学大「青山メソッド」×タイムトライアルで底上げ往路V

 青学大は原監督が指揮を執り始めた04年以来、蓄積してきたデータを基にした必勝法が「青山メソッド」と呼ばれる強化方法だ。箱根駅伝優勝時のメンバーの5000メートルや1万メートルの記録や、夏合宿などの練習消化率を現部員と比較することで選手の成長度合いを「見える化」したもの。指揮官は「このくらいの練習をしたら、これだけの選手になるという方程式が出来上がった」と自信を持っている。

 それに加え、前回大会の惨敗から巻き返しを期した今季、原監督は「タイムトライアルこそが究極の練習」との思いで「絆記録挑戦会」や「MARCH対抗戦」と呼ばれる他大学を含めた大会を新設。春先からインターバル走のタイムを速めに設定した成果が、記録会での自己ベスト更新につながった。

 

青学大・原監督がたすきで区間配置予告!? スタート前にツイッター掲載

 青学大は復路でもリードを広げる必勝プランで総合Vを狙っている。往路のスタート前に原監督が自身のツイッターに掲載したたすきの写真には、この日のメンバー5人に続き、復路のオーダーと思われる名前も入っており、6区は下りのスペシャリスト高橋(4年)。7区に岸本(3年)、8区に佐藤(2年)と事前オーダーとは異なる名前も入り、9区中村、10区中倉(ともに3年)と続く。SNS上では「これ区間配置?」など話題を呼んでいた。

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金哲彦氏 青学大は分厚い選手層で復路逃げ切りの公算大

【金哲彦氏の目】青学大にとっては思い描いていた通りのパーフェクトなレースだったに違いない。ハイペースになった1区で大きく離されず、2区も近藤が実力通りの走りを見せた。3区の太田は東京国際大の丹所に追いつかれたものの、逆に後ろにつくことで自分のリズムをつくり、最後に突き放した。

 さらに4区で飯田が2位との差を広げたことで、5区の若林は最初の3キロを無理せず楽に入ることができた。若林は地をはうような足の運びをするので、上りにも下りにも向いている。5区は向かい風だったので区間記録には届かなかったが、文句なしの素晴らしい走りだった。昨年は総合4位だったとはいえ、元々、箱根に合わせる調整力と分厚い選手層では群を抜いている。それがパーフェクトに発揮されたのだから、往路Vも当然だろう。

 対照的にライバルの駒大は3区がブレーキ気味になってしまったのが痛かった。3分28秒差を考えると、復路では6、7区で青学大の背中が見えるところまで詰めないと苦しいだろう。青学大は復路にも岸本や佐藤などの有力選手を残しており、多少詰められても後半にペースアップして突き放す「復路の必勝パターン」でいけば逃げ切る公算が大きい。(駅伝マラソン解説者)

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帝京大 過去最高の往路2位 5区細谷2年連続区間賞 「世界一諦めの悪いチーム」体現

 “天下の険”を制した帝京大が、過去最高の往路2位に入った。山上りの5区(20・8キロ)で細谷翔馬(4年)が2年連続の区間賞。4位から2つ順位を上げ、00年大会の3位を上回った。細谷は「初の2位でうれしい部分もある」とする一方で、「往路優勝を目指していたので悔しい部分もある」と振り返った。

 メンバーが掲げる「世界一諦めの悪いチーム」というスローガンを体現する走りだった。後半、強烈な向かい風が襲ったが、「自分だけに吹いているわけじゃない」と歯を食いしばって力走。中野監督も、「世界一諦めの悪い人間だなと思った」と独特の表現で称えた。

 卒業後は地元の山形で公務員ランナーになるが、まだ帝京大の一員としての仕事が残っている。「復路をサポートして、総合3位に貢献していけるようにしたい」と細谷。青学大とは2分37秒差で復路を迎える。中野監督は「ベストパフォーマンスを出して、ゴールまでたすきを運びたい。その先に、何かが見えるかもしれない」と不敵に笑った。

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駒大 総合連覇へ往路3位 エース田沢が2区で区間賞 昨年7位から成長

 優しい声掛けに違和感を覚えつつも、駒大の田沢廉(3年)はのせられていた。運営管理車の大八木監督から「今回はいいぞ、のってるよ!」との声が何度も飛ぶ。同じ2区で7位だった前回は「男だろ!ぶっ倒れてもいいから、やれ!」と叱咤(しった)され続けただけに「いつも厳しい言葉ばかりだけど、今回は違った。監督も楽しそうだった」と解説。後押しを受け「きつ過ぎた」という終盤も粘った。

 トップと39秒差の2位でたすきを受けると、7キロすぎで中大を抜き去った。エースが集う花の2区で区間記録保持者イエゴン・ビンセント(東京国際大)らを抑え、1時間6分13秒で区間賞。区間記録からは24秒遅れたが、区間歴代4位の好タイムだった。駒大の2区区間賞は86年の大八木監督以来、36年ぶり。レース3日前に大八木監督から「俺、2区で区間賞獲ってるんだ」と冗談交じりにプレッシャーをかけられる中、尊敬する指揮官に肩を並べた。

 今季は主将に就任。21年春から始めた練習日誌には自身だけでなく他の部員の様子もつづる。チーム全体に気を配る中、前回大会アンカーで総合優勝に貢献した4年生が昨年5月に、県青少年保護育成条例違反などの疑いで神奈川県警に逮捕された。田沢は「いろいろ問題があったけど、言葉よりも背中で引っ張ってきた」とチームをまとめ上げた。

 約1カ月前にトラックの1万メートルで7月の世界選手権の参加標準記録を突破する日本歴代2位の27分23秒44をマーク。その実力を発揮したが「ここはただの通過点。監督には世界で記録を出した時に“やりましたよ!”と言いたい」と満足はしていない。首位・青学大と3分28秒差の3位。エースの激走で、2年連続8回目の優勝が視野に入る位置をキープした。

 ◇田沢 廉(たざわ・れん)2000年(平12)11月11日生まれ、青森県八戸市出身の21歳。青森山田高3年時にアジアジュニア選手権5000メートルに出場し、銀メダル。3大駅伝デビューとなった1年時の出雲駅伝は3区で区間2位と好走した。箱根は1年時に3区で区間3位、2年時に2区で区間7位。昨年12月の日体大長距離競技会の1万メートルで日本歴代2位の27分23秒44をマークした。1メートル80、60キロ。

 ▼駒大・大八木監督 復路の3分28秒、ちょっと厳しい部分はある。何が起こるか分からない。6、7、8区はしっかり走ってくれれば。9区に経験者の山野がいるんで。9区の時には1分差(以内)でいないと厳しいかなと思う。

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国学院大 5区・殿地が勢い欠き往路4位 「ラスト10キロが本当に動かなかった」

 国学院大は往路Vを狙ったが5区殿地琢朗(4年)が勢いを欠いた。“仮想5区”として行われた激坂最速王決定戦では学生トップに輝いていたが「注目されていたので、それなりの走りをしようとしたが、ラスト10キロが本当に動かなかった」と悔しさをにじませた。

 今大会で陸上を引退するだけに、決意を持って山上りに挑んだ。「順位を下げたのは申し訳ないが、後半に向けて粘り切れたと思う」とさばさばとした様子だった。

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順大・三浦が区間11位と不発… 3区・伊予田から総合力で巻き返し往路5位

当日のエントリー変更で2区に投入された順大の三浦龍司(2年)は不完全燃焼に終わった。トップと3分12秒差の18位でたすきを受け、1時間7分44秒で区間11位と低迷。4分4秒差の17位で3区へつないだ。昨年は1区10位。今回も東京五輪3000メートル障害で7位入賞した爆発力を発揮できなかった。

 2区を言い渡されたのは昨年12月中旬。「1区でリベンジしたい思いがあり、なかなか気持ちが切り替わらなかった」と反省した上で「足りないものが見えた。脚づくりはトラックにつながる。収穫はあった」と前を向いた。チームは序盤で出遅れたが、3区の伊予田が区間3位、4区の石井が区間2位、5区の四釜が区間5位と追い上げ、往路5位。長門監督は「1区で出遅れたが、しっかり盛り返す力がついていた」と総合力を評価した。

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中大・吉居が1区で区間新!最古の記録15年ぶり更新 シード奪還見えた往路6位

 箱根駅伝最古の区間記録をついに破った。中大の1区、吉居大和(2年)が序盤で先頭に立ち、5・6キロ付近から独走。1時間0分40秒の区間新記録で、07年に東海大の佐藤悠基(現SGホールディングス)がマークした1時間1分6秒を15年ぶりに26秒更新した。

 3分33秒と超スローペースだった昨年と違い、最初の1キロを2分50秒で通過。それでも「遅かったので自分のペースでいった。先輩方に楽してもらうにはできるだけ差をつけようと」と飛び出した。10キロ通過は27分57秒と1万メートルの自己ベスト28分3秒90より速く「ビックリしたけど、余裕があるのでいけると思った」と振り返った。

 1年生だった昨年は5000メートルのU20日本記録を更新も、箱根駅伝は3区で区間15位。「力を発揮できなかった」と涙を流した。直後に藤原正和監督から1年後の1区を言い渡され、昨年2月から約3カ月間の米国遠征で海外選手の実力も体感。練習量増加を決意し、夏合宿では一日の走行距離を従来の25キロから30キロに延ばした。11月の全日本大学駅伝は1区で区間2位に入っていた。

 歴代最多優勝14回を誇る名門は今年も予選会からの出場。昨年9月には50~60年代の黄金期の主力だった碓井哲雄さんが79歳で亡くなった。だが、吉居の快走に引っ張られ、往路6位と「10年ぶりのシード奪還が見えてきた」と藤原監督。「天国で碓井さんも見ているのでは」と問われた吉居は「中央大学のユニホームで先頭を走れて凄くうれしく思っている」と誇らしげだった。

 ◇吉居 大和(よしい・やまと)2002年(平14)2月14日生まれ、愛知県田原市出身の19歳。宮城・仙台育英高3年時にインターハイの5000メートルで3位。全国高校駅伝は3区8位で、双子の弟・駿恭(現中京大)とともに優勝に貢献した。中大では20年の日本選手権5000メートルで自らのU20日本記録を更新する13分25秒87で3位。身長1メートル68。自己ベストは1万メートルが28分3秒90、ハーフマラソンが1時間1分47秒。

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V候補の東京国際大が往路7位…3区の丹所が日本人最高記録で区間賞もビンセント不調

 前回10位の東京国際大は、往路7位でフィニッシュした。2区で区間記録を持つイエゴン・ビンセント(3年)が序盤に左足首付近の痛みに見舞われて区間5位。思うように順位を上げられなかった。それでも、4位でたすきを受けた3区の日本人エース・丹所健(3年)が日本人最高記録の1時間0分55秒で区間賞を獲得。ビンセントの不調に「ビックリした」と振り返ったが「自分が一番かっこよく映る見せ場だと思った」と奮闘した。

 10月の出雲駅伝は初出場で優勝し、箱根も初の総合Vを狙えるとの前評判だった。鍵を握る往路で一時2位に浮上したものの、ずるずると順位を下げて貯金はつくれず。ビンセントは「期待に応えられなかった」と悔しさをにじませた。

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昨年往路Vの創価大8位 4区・嶋津6人抜きで区間賞も…

 前回往路Vの創価大は8位と出遅れた。11位で受けた4区で嶋津雄大(4年)が6人抜きの力走を見せ5位でリレー。前回2位の区間で1時間1分8秒の区間賞を獲得した。

 生まれつき暗いところが見えづらい目の難病「網膜色素変性症」を克服したエースは「自分のペースを意識して走った。一番いい目標が1時間1分、最低目標が1時間2分。予想通りで来られた」と振り返った。

 それでも嶋津と2区2位のフィリップ・ムルワ(3年)以外は2桁順位と思うように順位を上げられなかった。トップの青学大とは5分38秒差。前回ゴール直前の逆転で逃した総合優勝は厳しい情勢となったが、巻き返しを期す。

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東洋大 往路9位から巻き返しへ スーパールーキー石田が起爆剤

 昨年総合3位の東洋大は往路9位だった。2区で松山和希(2年)が1時間7分2秒の区間5位と好走したものの、4区の木本大地(3年)が区間18位の大誤算。山上り5区の主将・宮下隼人(4年)は12位でたすきを受けて懸命に前を追ったが、自身が保持する区間記録に1分57秒及ばない区間8位。「苦しい場面も多かったが、楽しかった面もあったかな」と振り返った。

 3位の駒大と3分差で迎える復路で、どこまで巻き返せるか。起爆剤になり得るのが、5000メートルの前高校記録保持者で出雲、全日本と連続区間賞のスーパールーキー・石田洸介(1年)だ。エントリーは補欠だが、当日変更での投入は決定的。箱根デビューで快走を披露し、チームを上位に押し上げる。

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往路10位の東海大・本間主将「まだ終わっていない」 シード争い大混戦

3年前の総合王者、東海大は往路10位だった。当日変更で入った1区の市村朋樹(4年)は区間3位と好スタートを切ったが、2区の松崎咲人(3年)が区間17位で苦しい展開に。ただ、山上りの5区で吉田響(1年)が区間2位と好走し、チームを17位から10位に押し上げた。

 今季は出雲駅伝で9位、全日本大学駅伝で12位と自信につながる結果を残せずに大一番を迎えた。4区で区間13位だった主将の本間敬大(4年)は、「準備はできていたので自信もあったけど、うまく流れに乗れなかった」とうなだれた。シードぎりぎりの東海大から14位・国士舘大まで、35秒にひしめく大混戦。本間は「まだ終わっていない。最後まで応援したい」と懸命に前を向いた。

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早大 往路11位も相楽監督「復路に自信」 シード圏内の10位・東海大に1秒差

 早大は超攻撃的布陣が不発に終わり、往路11位に沈んだ。当日変更で1区に井川龍人(3年)、2区に中谷雄飛(4年)を投入し、3区の太田直希(4年)まで1万メートル27分台トリオを並べたが、井川が区間16位とまさかのブレーキ。中谷も区間14位で浮上できず、3区を終えて13位と厳しい状況に陥った。

 相楽監督が「1区で流れに乗れず、後手後手になった」と言えば、日本陸連副会長で早大OBの瀬古氏も「1区の出遅れがねぇ…」と寂しそうに話した。ただ、シード圏内の10位・東海大とは1秒差、9位の東洋大も41秒差と浮上の余地はある。相楽監督は「復路に自信を持っている。コツコツと前を狙うしかない」と逆襲を誓っていた。

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神奈川大 5区・山崎で3つ順位上げて往路12位 シード圏射程

神奈川大はシードを射程にとらえた。10位の東海大とは12秒差で3日の復路へ。立役者は山上り5区の山崎(3年)だ。4区までのランナーが区間2桁順位に沈む中、1時間11分59秒で区間7位の力走。4区終了時点の15位から3つ順位を上げて芦ノ湖のゴールに飛び込んだ。

 1万メートル28分台の自己ベストを持つランナーを2人補欠に残しており、5大会ぶりのシードを狙う。

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法大 シード圏内に22秒差の往路13位 4区・河田「後半粘り切れた」

 法大はシード圏内となる10位・東海大と22秒差につけた。1区から各ランナーが自らの力を発揮。5区の細迫(2年)は区間16位だったが、悪くないレース運びだった。

 4区で区間8位だった河田(3年)は「後半、粘り切れたかなと思う」とし、「復路もみんないい状態で、誰が走ってもいいくらい。期待しながら明日(3日)は見られる」と明るい希望を口にした。

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国士舘大 往路14位も“花の2区”でビンセント対決制した!区間2位タイ

 エースが集う“花の2区”で国士舘大のビンセント(4年)が好レースを演出した。東京国際大の区間記録保持者、ビンセントに追いついて最後は突き放し、1時間6分41秒の区間2位タイ。

 昨年より28秒タイムを縮めて“ビンセント対決”を制し、「昨年よりも走りやすい天気だった。いいペースでいけた。今日の走りは良かった」と胸を張った。

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山梨学院大 オニエゴ区間4位も往路15位 復路の4年生に期待

 山梨学院大は今季からユニホームを伝統のプルシアンブルーからスカイブルーに変更して心機一転挑んだ箱根だったが、15位に沈んだ。2区でエースのオニエゴ(4年)が区間4位と健闘したが、それ以外の区間は2桁順位と苦戦。

 復路は4年生が多くエントリーしているだけに、飯島監督は「4年生が力を発揮して、その場その場の勝負に勝つことが大事。シード権獲得は悲観していない」と前を向いた。

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日体大 1区高津出遅れて苦戦…往路16位 復路で巻き返す

 日体大は出遅れを挽回できないまま終わった。1区の高津(3年)が区間19位と苦しいスタート。3区の大畑(4年)以外は区間2桁順位で終始、下位に沈んだままのレースとなった。シード圏内の10位・東海大とは2分53秒差。

 復路は当日変更で5区間全て1万メートルの自己ベスト28分台のオーダーを組むことが可能。シード圏を見据え、巻き返しを図る。

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明大 4区・小沢が力走も…前半波に乗れず往路17位

 明大は1~3区が全て区間2桁順位と前半から全く波に乗れず。4区の小沢(3年)が1時間2分23秒の区間7位と力走して2つ順位を上げたが、5区の下條(3年)が区間18位と沈んだ。

 「1時間1分台に入りたかったが、ダメだった。前半突っ込みすぎた。後半の上りがきつかった」と小沢。シード圏内の10位・東海大とは3分6秒差で復路に臨む。

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中央学院大 遠いシード圏…往路18位 4区・伊藤、区間19位に「悔いが残る」

 中央学院大は2年ぶりに箱根路に帰ってきたが、1区のエース・栗原(4年)が序盤から集団につけず、区間最下位。その後も浮上のきっかけをつかめなかった。

 4区の伊藤(2年)も区間19位に終わり、「シード争いに加わる期待で選出してもらったにもかかわらず、(区間)19位でシード圏に加われない走りになって悔いが残る」と険しい表情を浮かべた。

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専大 1区4位発進も2区で大失速の往路19位 長谷川監督、春先の故障者続出を悔やむ

 専大は1区の木村(2年)が区間4位と好スタートを切ったが、後続が踏ん張りきれなかった。

 専大にとって出場70回目の節目で結果を残したかったが、2区で日本人エース高瀬(3年)が区間最下位と大失速。長谷川監督は「春先は故障者が続出して足並みがそろわず、主要大会にチームとして成績を残せなかったところが苦しかった」とチーム事情を説明した。

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駿河台大の31歳・今井 教え子につないだ涙のたすき 教員休職し編入…最初で最後の夢舞台で

 箱根駅伝の歴史に新たな一ページが刻まれた。史上44校目の初出場となった駿河台大は最下位に沈んだが、4区を走った31歳の今井隆生(4年)は涙を流しながら充実感に浸った。「すがすがしい気持ち。まさか、本当に箱根駅伝に出られるとは思っていなかった」。中学校の保健体育の教員を休職し、目指してきた夢舞台を駆け抜けた。

 先生から、生徒への“師弟リレー”はギリギリで実現した。18位でたすきを受け取った今井は20位に順位を落とし、小田原中継所で教え子の永井竜二(3年)につないだのは繰り上げスタートのわずか2分8秒前。2人で目標としていたリレーを完結させ、永井は「うれしかったし、貴重な経験になった」と振り返り、今井は「一生忘れられない自分の一ページになった」と喜びをかみしめた。

 今井は20年、心理学を学ぶため、自己啓発等休業制度を利用して駿河台大3年に編入。2年間、一回りも年の離れた仲間たちと夢を追いかけてきた。当初は年齢だけでなく、「同じ目標に対しても見方が違っていた」と温度差もあったという。それでも、教師としての経験を伝えながら積極的に会話を重ね、ここまでたどり着いた。

 今井にとっては最初で最後の箱根路。この4月から、再び教壇に戻る。「これが自分のラスト舞台。新しい歴史の一ページを刻めたことは光栄。胸を張りたい」。涙を拭った31歳の4年生が、2年間の挑戦に終止符を打った。

 ◆今井 隆生(いまい・たかお)1990年(平2)8月31日生まれ、東京都出身の31歳。大泉高では陸上部だったが、日体大でトライアスロン転向。その後、トライアスロンの実業団選手として活動し、16年の現役引退後に埼玉県で教員に。指導科目は保健体育。中学教師を休職し、20年4月、自己啓発等休業制度を利用して駿河台大心理学部3年に編入。尊敬するアスリートはソフトボールの上野由岐子投手。1メートル65、53キロ。

 ▼駿河台大 1918年に開設された東京高等受験講習会が前身で駿河台学園を母体に1987年に駿河台大として設立。埼玉県飯能市にキャンパスを構え、法学部、経済経営学部など5学部を持つ。駿台グループとして駿台予備学校などがある。主なOBに18年平昌五輪カーリング男子日本代表の清水徹郎、お笑い芸人のアキラ100%。
 ≪帰ってきた法大の爆走王・徳本監督「甘くなかった」≫法大時代の爆走王として知られる、駿河台大の徳本監督=写真=が箱根路に帰ってきた。最下位で往路をフィニッシュし「やっぱり甘くなかった」と肩を落としたが、今井と永井による師弟リレーを実現させるなど見せ場はつくった。伴走車からは4区の今井へ「腕を死ぬ気で振れ!」と“徳本節”全開でエール。復路へ向け「繰り上げなく、たすきを渡すのが目標」と誓った。

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関東学生連合 日本薬科大・中山が奮闘“区間7位” 往路15位相当のタイム

 関東学生連合は往路15位相当のタイムでフィニッシュした。1区の日本薬科大・中山(3年)が、中大・吉居が演出するハイペースに惑わされず冷静に集団で追走。1時間1分41秒の好タイムで区間7位相当と踏ん張った。

 復路には東大大学院の古川が当日変更で投入される可能性もある。チーム、個人の成績は参考となるが、箱根路で完全燃焼する。

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【箱根駅伝】応援自粛要請も沿道には多くの人が…

 体調不良者などが出た場合を考慮し、当日変更できる選手の人数を4人から6人に拡大するなど、昨年に引き続き新型コロナ対策で特別ルールが施された箱根駅伝。出場校の関係者、保護者、地域住民による沿道での応援は自粛を求めた上で、大学新聞の配布、大学名や個人名の入ったのぼりの掲出も禁止された。それでも、スタート地点には多くの人が詰めかけ、沿道でも応援する姿が見られた。

 

(以上 スポニチ)

 

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