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今、自分が出来ること。やれること。それを精一杯やっていかなくちゃ!!

コラム記事【6/8~6/11】

2024年06月12日 01時22分08秒 | マリーンズ2024
≪6/8≫


ストレートとカットボール

 ロッテの唐川侑己は4月16日の西武戦で6回1安打無失点に抑えた登板以降、ファームで2試合に登板している。

 6月1日のヤクルト二軍戦では1-0の5回から登板し、3回・37球を投げ、3被安打、2奪三振、無失点に抑えた。3イニング目となった1-0の7回二死一塁で鈴木叶に1ボール2ストライクから見逃し三振に仕留めた外角143キロのストレートが良かった。

 唐川はストレートとカットボールを投げているが、4月16日の西武戦ではストレートを1球も投げなかった。カットボールを多く投げる日はZOZOマリンスタジアムの風を味方にできることも関係しているのだろうかーー。 

 「それは確かにそうですね。一軍で投げた時はカットボールと風の相性が良かったので、カットボールが多くなりましたけど、じゃあ、まっすぐをいつ投げるのかと言われたら、フィーリングです」。

 また、同日のヤクルト戦では1-0の6回一死一塁で宮本丈に1ボール1ストライクから投げた3球目の130キロ空振りを奪ったチェンジアップが良い抜けだった。チェンジアップを投げているが、昨年シーズン終盤から投げていたスプリットをシーズン始まってからほとんど投げていない。それはチェンジアップが良いからスプリットを投げていないのか訊くと、唐川は「そうっすね、はい。そんな感じです」とし、「優先順位が低いというか…」ということも関係しているそうだ。だから前回登板のヤクルト戦では優先度が高かったカットボール、カーブが中心だったのだ。 

フライアウト

 6回を1安打無失点に抑えた4月16日の西武戦の翌日に行った取材で「カットボールのホップ成分をあげたいので、ポップフライのアウトの方が僕的には嬉しい」と話していたが、6月1日のヤクルト二軍戦では9つのアウトのうち5つがフライアウト。

 ただ本人は「前回のヤクルト戦はバッターに捉えられてのアウトがあったのでそこは物足りないところではあったんですけど、僕が目指しているフライアウトとは違うかなと思いますね」と納得がいっていない。

 では唐川が理想とするフライアウトはどんなフライアウトなのだろうかーー。

 「ちょっと高く上がるポップフライ。バッターがとらえたと思ってフライアウトになるのが一番です」。

 現在はファームで投げている。「先発なのでまずは役目としてゲームを進めていくことが大事」と唐川。再び一軍のマウンドで投げるため準備を進めていく。

取材・文=岩下雄太 

(ベースボールキング)

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≪6/10≫


「ソト先生」

 今年からマリーンズに加わったネフタリ・ソト内野手のことを、チームメートは敬意と親しみを込めそう呼ぶ。ベイスターズ時代には本塁打王を2度獲得した強打者。チームに与えている影響は非常に大きい。

実はファッションリーダー

「めちゃくちゃいい人。優しい。日本語もうまい。通訳さんがいなくても普通に会話が出来ますから」と話すのはプロ3年目の期待株・池田来翔内野手だ。

 二人を結びつけたキッカケになったのは、ファッションだった。シーズンに入って、同じブランドのアパレルが好きであることがわかり、意気投合。それ以降、色々と話をするようになったという。池田は言う。

「ソトさんはおしゃれ。ボクがよく着ているブランドがあって、それをソトさんも着ていて、そこから話が弾むようになったんです。打撃も教えてもらうし、服とか靴とかも教えてもらう。この着こなしはこうだぞとか。この服にあう靴はこれだぞとか」

「ナイスボイス」と褒められて

 球場のロッカールームに入ると、「これ、どう?」とソトから私服の感想を求められることもある。そうやって少しずつ打ち解けていき、今ではすっかり心酔。もちろん打撃に関する教えも聞く。

「ソトさんは右打者として“右の軸”を大切にしている。ボクも右投げ右打ちで、少し前に突っ込んだりする癖があって、パワーがボールに伝わらなかったりする。そうならないようにどういった練習を試合前にするのか。そういうドリルを教えてもらいました」と池田は話す。

 チーム内でソトと一番仲がいいのは、マリーンズの元気印・大下誠一郎内野手だろう。大下がバファローズに在籍していた頃から面識があったのだという。

「オレ、ベンチから、めっちゃ声を出すから、(ベイスターズの)大和さんとかが、『オマエ、いい声出すなあ。こっちのベンチにも聞こえてるぞ』って。その流れでソトさんも『ナイスボイス』と話しかけてくれたのがキッカケです。マリーンズに来てからはもっと仲良くなりましたね」

「日本語もうますぎる!」

 ロッカーは隣同士。グラウンドだけではなくプライベートでも交流を深め、よく焼肉を食べに行くという。

「“先生”の野球理論は本当にヤバいです。聞いたらなんでも答えてくれるし、必ず答えを持っているんです。オレがよく言われるのは、打つ時にあまり前に流れすぎないように、腰が残るようにしろ、ということ。『ステイバック!』というワードを使って教えてくれて、それが出来ていなかったら、ソトさんから『ステイバックだよ』と声をかけられる。凄い人だし、人間性も尊敬しています。日本語もうますぎる!」

 大下もすっかり心酔している様子だ。

「普通にオフの日もLINEで連絡を取り合います。今度、どこにご飯に行こうかとか。多分、ソトさんと通訳の人よりも連絡を取り合っているかもしれないですね」

 基本的には簡単な英語でのやりとりだが、分からない時は通訳アプリを使って、うまくコミュニケーションを続けている。ソトと大下。ともに今シーズンのチームを盛り上げる存在だ。

38歳荻野も“先生”の門下生

 チーム最年長、38歳の荻野貴司外野手も“ソト先生”からアドバイスをもらっている選手の一人だ。

「バットの出し方を聞いたのがキッカケですかね。ボクから『先生はどうやってバットを出すイメージですか?』と聞きました。ジェスチャーを交えながら、色々と教えてもらいました。基本的には自分の考え方、イメージと似ていたので考え方の再確認になりました。ボールの内を叩く。全部、その意識が見えるんですよ。打撃の基本というか、お手本のような存在です」

 毎試合、なにか迷いがあるとソトと打撃理論を話し合い、修正を行う。プロ15年目のベテランにとっても大きな存在だ。

開幕投手・小島には打者心理を

 その打撃理論は、打者だけでなく投手陣からも頼りにされている。特に2年連続で開幕投手を務めた小島和哉投手は困った時は“ソト先生”にアドバイスを求める。特に参考にしているのは打者心理だという。どんな配球が嫌なのか、どんな状況でのどういうボールが打ちづらいのか。日本球界を代表するソトは的確かつ分かりやすく解説してくれる。

 小島が開幕投手を務めた3月29日のファイターズ戦の登板は5回3失点で負け投手になった。試合後には、ソトから打者からの見え方のアドバイスをもらい次回登板に生かした。1週間後の4月5日のバファローズ戦では被安打4の1対0の完封勝利。「“ソト先生”のアドバイスのおかげですよ」と喜んでいた。

マウンドの輪の中で…

 交流戦ではこんなこともあった。雨が降りしきる神宮球場で行われた5月28日のスワローズ戦。3点リードの3回1死二塁の場面で打席に主砲の村上宗隆内野手を迎えた。ゲームの流れを左右する正念場。内野手がマウンドに集まった輪の中で、小島は一塁を守っていたソトに尋ねた。

「この場面、どうすればいいと思いますか?」 

 ソトは素直だった。

「ウ~ン。メッチャ、ムズカシイ。ワカラナイ」

 予想外の回答に小島は笑いそうになってしまったという。しかし、これで力みが抜けた。「まあ、それはそうだよな。自分でなんとかしないといけないなあと思いました」

「先生と呼ばせてもらっています」

 強気の投球を取り戻し、村上を見逃し三振に仕留めると後続も抑え、無失点で切り抜けた。結果的に今季4勝目を挙げ、頼りになる存在に感謝の言葉を口にした。

「本当に“ソト先生”の存在は大きいです。いつも敬意を込めて先生と呼ばせてもらっています。色々な事に気づかせてもらったりアドバイスをもらったりしています」

 新天地でチームメートに頼られているソトだが、そんな“先生”にも日本での師匠がいる。来日した際にベイスターズの監督を務めていたアレックス・ラミレス氏だ。

 アメリカでのマイナー時代、ソトは試合出場の機会を求めて色々なポジションに挑戦していた。スタートはショートだったが、外野にも挑戦し、試合に出ることができるならと捕手を務めたこともある。そんな時にエージェントを通じて「日本野球にチャレンジしないか」との提案があり、来日を決めた。

師匠・ラミレス前監督への思い

 ベイスターズの指揮官が現役時代に通算2000安打を達成したラミレス氏だったことはソトにとって幸運だったといえる。日本の野球について色々なアドバイスを受けた。異国の地での成功を支えた恩師である。だから今でも親しみを込めてソトはラミレス氏を「ラミちゃん」と呼ぶ。

「ラミちゃんはデータが凄かった。よく言われたのはタイミングが大事だということ。アメリカと日本の投手のタイミングの違いを毎日のように教えてもらいました」とソトは懐かしそうに振り返る。現在、ホームランを打った後に行う「ゲッツ」のポーズはラミレス氏が現役時代にダンディ坂野の持ちネタを元に行っていたことにちなんでいる。今では仲のいい大下とベンチに戻ってから「ゲッツ」のポーズを決めるのが定番だ。

 6月5日のジャイアンツ戦は偶然にもそのラミレス氏とダンディ坂野が試合前の始球式などのゲストとして訪れていた。恩師の前でソトは高めのストレートを振り抜き、ライトスタンドに消えていく6号先制3ランを放った。

古巣との初対戦を前に

「ラミちゃんと本物のゲッツをされる方(ダンディ坂野)が一緒にいて、その前で自分がホームランを打って、ベンチで(ポーズを)やることができた。本当に面白い出来事でした。ラミちゃんは来日したばかりの自分が毎日試合に出られるようにポジションを探してくれて、チャンスを与えてくれた。打撃のタイミングについても大切なアドバイスをくれました。目の前でホームランを打つことが出来て本当に嬉しかったです」

 ソトは心の底から喜んでいた。

 マリーンズは5月から6月にかけて11連勝。その中心にはソトがいた。自分のバッティングだけでなく、チームメートに様々なアドバイスをおくり、いいムードを作り出すことでチームを良い方向へ導いた。

 6月11日からは本拠地のZOZOマリンスタジアムにベイスターズを迎え3連戦を行う。オープン戦で対戦した時はまだ二軍調整中だったため、ソトは古巣と初対戦となる。

「皆さんと会えるのはとても楽しみ。お互いが全力を出し合っていい試合になると思います」

 新天地で頼もしい存在感を築き上げる“ソト先生”は、その対戦に胸ときめかせている。

梶原紀章(ロッテ広報)

(Number)

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≪6/11≫


 そこは少年時代に憧れのマウンドだった。鈴木昭汰投手は6月6日、東京ドームのマウンドに上がった。ジャイアンツ相手に1回を無失点。これで22試合に登板して防御率0・00(自責点0。失点は1)とした。

 子供の時、父親の運転する車で茨城から何度も東京ドームに観戦に訪れた。2009年、ジャイアンツ対ファイターズの日本シリーズを見に行ったこともある。当時、小学生だった。九回、亀井善行(現1軍外野守備兼走塁コーチ)が同点ソロを放ち、その後、阿部慎之助(現監督)がサヨナラ本塁打を放った。童心ながら二つの劇的アーチは今でも鮮烈に脳裏に残る。

 人生とは不思議なものだ。その二人は今、敵チームのベンチにいた。そして対戦相手の投手としてあの時の小学生はマウンドに上がった。家族と一緒に野球観戦を楽しんだ思い出の未来は、まさかまさかの同じフィールドへとつながっていた。

 「子供の時、入場ゲートをくぐって、グラウンドが見える瞬間のドキドキが大好きでした。走っていきたくなるような感覚。今はそのマウンドに自分が立っていて多くの人がスタンドから見てくれている。東京ドームは自分にとって大事な原点を思い出させてくれる場所です」と鈴木はしみじみと振り返った。

 先頭打者を見逃し三振。続く打者はこの試合でホームランを打つなど当たっている大城卓三捕手だったが、空振り三振。3アウト目は三ゴロに抑えた。

 もう一つ、東京ドームに思い出がある。中学3年生の時。全日本中学野球選手権大会ジャイアンツカップに出場。決勝まで行けば東京ドームで試合ができたが無念の準決勝敗退。決勝はスタンドから観戦することになった。試合後、グラウンドで閉会式が行われ、そこで初めてグラウンドに降りた。当時、ジャイアンツ監督だった原辰徳氏と集合写真を撮った際、隣にいたこともあり、撮影後、握手を求められ「何年か後にプロ野球の世界で会おう」と声をかけられた。忘れられない言葉だ。

 鈴木は20年ドラフト1位でマリーンズに入団。今や試合の重要な場面を任せられる貴重なサウスポーとしてマリーンズの快進撃の立役者となっている。東京ドームでは昨年のライオンズ戦、今年はオープン戦で投げたことはあってもジャイアンツとの交流戦では初めて。その舞台で150キロを超えるスピードボールとスライダーを中心とした変化球で4万人の大観衆に存在感を見せつけ、あっと言わせた。

 「特別な思い出がある場所で結果を出せてよかったです。小さい頃にここで野球を見てプロに憧れた。そして今、こうやって投げることができた。子供の時に感じたワクワク感というか初心を忘れずにこれからも頑張って投げたいと思います」と鈴木。少年時代、目を輝かせて見つめた華やかな光と声援を浴びるマウンドにいることの幸せをこれからも忘れない。背番号「47」がスタンドから見つめるファンにかけがえのない思い出を提供していく。

(千葉ロッテマリーンズ広報・梶原紀章) 

(千葉日報)

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≪6/11


横浜への想い
 
 ロッテは11日から本拠地・ZOZOマリンスタジアムでDeNAと3連戦だ。21年途中にDeNAからトレードでロッテに加入した国吉佑樹にとっては古巣との対戦になる。

 国吉は09年育成ドラフト1位で横浜に入団し、2年目の11年7月に支配下選手登録となり、同年の10月4日の巨人戦でプロ初勝利、14年にプロ初セーブ、初ホールドをマークするなど49試合に登板、19年にはシーズン自己最多の53試合に登板した。在籍した11年半で238試合に登板。


 「育成から入ってすごいお世話になっているチーム。プロ野球の最初のいろんなことを教わりましたし、初勝利もいろんなことを経験させてもらった。特別な思いはあります」と、DeNA球団に感謝の想いはもちろん、今も持っている。 

登板となれば初の古巣戦

 ロッテ加入4年目の国吉は移籍後、ファームでDeNA戦に5試合に登板しているが、実は一軍での古巣対戦が1度もない。

 登板となれば、一軍で初めて古巣との対戦になるが、「楽しみではありますけど、特に意識することもなく普通の試合の1カードだと思って、登板があればしっかり自分の役割をしたいなと思って上がります」と、あくまで対戦相手の1球団として見ている。

 ただ、同学年で同じ09年ドラフトで横浜にドラフト1位で入団した筒香嘉智との対戦を心待ちにしている。

 「同期の筒香が(日本に)戻ってきた。一緒にやっていたので対戦経験がない。同期入団なので、意識するところはありますけど、もし対戦する機会があったら抑えたいなという気持ちはあります」。

ここまでの投球を振り返る

 今季は開幕一軍を掴み、ここまで18試合・18回2/3を投げ、2勝0敗6ホールド、1セーブ、防御率2.41の成績を残す。勝ち試合、ビハインド、同点の場面など様々な役割をこなしチームに貢献する。

 フォークに関しては5月6日の取材で「1ヶ月の間に色々試したり握り変えたり、握り幅とか変化量を試合で投げているボールを見ながら、試していたんですけど、ここ最近また良いものが見つかったので、より良い形になってきているかなと思います」と話していたが、「26日のホークス戦の時はあまり良くなかったですけど、しっかり修正できているので、結果もそれに伴ってついているのかなと思います」と手応え十分だ。

 シーズンが開幕してからのここまでの投球については「少なからず多少なりとは貢献できているかなとは思うので、これに満足することなくシーズン終わりという日まで最後まで頑張れたら、それが一番いいかなと思います」と自己分析。移籍4年目にして初めて一軍の公式戦でDeNA戦の登板があるか注目だ。

取材・文=岩下雄太 

(ベースボールキング)

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