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今、自分が出来ること。やれること。それを精一杯やっていかなくちゃ!!

拾い読み★2010-322≪鴎目線@朝刊記事≫①

2010年11月08日 05時35分41秒 | マリーンズ2007~10


史上最大下克上舞い!ロッテ連夜の死闘制し日本一
日本シリーズ第7戦は7日にナゴヤドームで行われ、ロッテが8-7で中日を下し対戦成績を4勝2敗1分けとし、5年ぶり4度目の日本一に輝いた。今シリーズ3度目の延長戦に終止符を打ったのは12回、伏兵・岡田幸文外野手(26)が放った勝ち越し打。胴上げでは就任1年目の西村徳文監督(50)が、力強いナインの手で3度、宙を舞った。MVPは今江敏晃内野手(27)が受賞。「史上最大の下克上」レギュラーシーズン3位からロッテが頂点を極めた。
万感の思いがこみ上げる。粘りに粘ってつかんだ5年ぶり日本一。就任1年目の西村監督は歓喜の抱擁を繰り返すと、そのままナインの手に身を委ね、3度宙を舞った。
「最初から選手を信じてやってきました。スローガン“和”の通り、一つになれたということ。その力が凄く大きかったですね。選手が強い気持ちを持って戦ってくれた結果です」
今シリーズ3度目の延長戦。決着をつけたのは西村野球の申し子・岡田だった。12回2死二塁。50メートル走5秒6の快足を買われて今季途中に1軍初昇格した2年目の26歳が浅尾の直球を右中間にはじき返した。勝ち越しの三塁打。育成選手出身では初となるシリーズ決勝打に「とにかく思い切り振ろうという強い気持ちでした。正直、信じられないですね」と戸惑い交じりの笑みを浮かべた。
ただ打つだけでは勝てない。西村監督がこだわったのは機動力と守備。自らの意思で獲得した新人・荻野貴の活躍が開幕ダッシュにつながった。荻野貴、早坂が負傷離脱しても代役には岡田、清田と同じ俊足タイプを起用。徐々に試合慣れした清田は今ポストシーズンで大ブレークし、最後は岡田が試合を決めた。
一つにまとまれば絶対に勝てる。昨年10月8日の監督就任と同時に取り組んだ意識改革。スローガンに「和」を掲げたのは、選手個々の能力は他球団に引けを取っていないにもかかわらず、まとまりを欠いてチームとして機能していなかったからだった。
「人間は1人では弱いけど、何十人と結集すれば強くなる」。原点となったのは宮崎・福島高1年の冬。厳しい練習に嫌気がさし、野球部を退部しようと思った時期だ。バイクに夢中になり1週間練習に出なかったが、チームメートが連日、自宅の前で待ち構えて両親の前で説得された。「周りに感謝です。人とのかかわり合いは大事。あれがなければ今はない」。強い信頼関係で結ばれた仲間と野球を続け翌76年夏の甲子園に出場。プロへの扉は開いていった。
ロッテ一筋29年。チームのことは誰より理解できる。日替わりオーダーを撤廃して個々の役割を強く意識させた。自由だったユニホームの着こなしや髪形も指導。バレンタイン前監督のメジャー流調整法も一掃して猛練習を課した。戸惑う選手から不満の声が出るのは覚悟の上。グラウンドを動き回ってコミュニケーションを図り、食事に誘っては自らの考えを伝えた。控え選手、裏方とも食事会を開催。一丸となる重要性はチーム全体に広がり、その中から俊足が武器の岡田や清田ら若手が台頭した。
シーズン終盤からミラクル劇の連続で上り詰めた頂点。指揮官は「本当によくここまでたどり着いた。全員の力が一つになった勝利だと思う」と言った。王手をかけてから2試合27イニング、10時間39分を和の野球で戦い抜き、かつて同じロッテのユニホームを着た落合監督率いる中日を撃破。「史上最大の下克上」をテーマに掲げて臨んだ日本シリーズで、西村ロッテが歴史に名を刻んだ。
≪1年目監督のVは9人目≫
ロッテの西村監督は就任1年目でシリーズ制覇。新人監督の日本一は08年渡辺監督(西)以来9人目。チームでは50年湯浅監督以来60年ぶり2人目の快挙になった。ロッテは昨年5位に終わったが、新人監督が前年5位以下のチームを日本一に導いたのは前記渡辺監督(前年5位)に次いで2人目だ。


西村監督「和」の中心で3度舞う!ロッテ史上初3位から日本一!!
「和」が「俺」を退けた。ロッテが2試合連続3度目の延長戦を制して、4勝2敗1分けで05年以来4度目(前身の毎日時代を含む)の日本一に輝いた。4回にシリーズ初打点を挙げた岡田が12回2死二塁、今季最長の4イニング目に入った中日・浅尾をとらえ、右中間へ決勝三塁打を放った。リーグ3位チームの日本シリーズ制覇は史上初。就任1年目の西村監督は、日本一を達成した史上9人目の新人監督となった。
喜びをかみしめるようにグラウンドに踏み出し、西村監督は歓喜の輪に飛び込んだ。「シーズン終盤から負けたら終わりという状況が続いた。勝つことしか考えてなかった。よくここまでたどり着けた」。史上初となるリーグ3位からの日本シリーズ制覇。就任1年目でチームを日本一に導いた史上9人目の指揮官は、ナインの“和”の中心で3度、宙に舞った。
粘りに粘って「和」が「俺」を退けた。1点リードの9回、守護神の小林宏が同点とされた。延長10回にも2死一、二塁とされたが、続投させた。ブレない信頼感で持ち込んだ12回、育成からはい上がった岡田が右中間へ決勝の適時三塁打。“負けたら4位”のシーズン最終3試合から勝利をもぎ取り続け、セ王者の中日に「実力のパ」を証明した。
ロッテ一筋29年。現役時代は閑古鳥が鳴いていた川崎球場で泥にまみれた。敵地でも観客席がチームカラーの黒一色に染まる現在では考えられない不人気。だから「ファンあってのプロ野球。ずっとユニホームを脱がずに、お世話になっている球団にも感謝の気持ちを常に持っている」という。
バレンタイン前監督から政権を引き継いだ今年1月、つぶやいた。「去年までのチームは選手の力を見ると、優勝する力はあった。何が足りなかったのか。気持ちを一つにする。心を一つにして優勝しようというのが欠けていたんじゃないか」。ヘッドコーチとしてボビーを支えながら、選手の自主性を尊重するあまり、一体感が薄れていると感じていた。だからスローガンを「和」に決めた。「選手を信じる」と言い続け、2軍から上げた若手も積極的に起用。清田、岡田、内、古谷…。開幕時にいなかった新顔たちが、故障者続出のチームを救った。
「和」の心の原点は、宮崎・福島高野球部時代にある。厳しい練習が嫌になって、バイクに逃げた。1週間、グラウンドに顔を出さなかった。さぼって8日目、帰宅するとユニホーム姿の仲間が待っていた。「やばいと思って逃げた」が、両親が見ている前で「もう1回、一緒にやろう」と説得され、チームに戻った。翌年、甲子園に出場した。「人に助けられた。人間は1人では弱い。でも力が結集すれば強くなる。一つにまとまれば、勝ち進んでいける」。17歳で確信した信念は、50歳になった今でも人生のモットーだ。
快進撃の裏で心身は痛んでいた。千葉マリンの監督室に焼酎を並べるほどの酒好きだが「疲れて酔うのが早くなった。12時を過ぎて飲むことがなくなった」。現役時代、70キロだった体重は82キロに増えた。「ストレスかな。こんなにおなかが出たのは初めて」。シーズン中、ユニホームは1サイズ大きくなった。
今季初の7連敗を喫した8月5日の楽天戦(Kスタ)では2度の微妙な判定に激高し、審判への暴力行為で人生初の退場処分を食らった。「暴力行為は反省しないと。でも、あれでチームが息を吹き返したのは間違ってなかった。チームや選手を守るのが仕事だから」。そこからチームは3連勝し、上位争いに踏みとどまった。「コーチや選手と接するとき、指揮官が弱いところを見せるわけにいかない」。笑顔の裏で歯を食いしばった。
日本シリーズ最長の5時間43分で引き分けた第6戦と合わせ、10時間39分の激闘を戦い抜いての栄冠。「最初から選手を信じるだけでした。“和”で一つになれた」。昨年10月、就任あいさつで「やるからには優勝を狙いたい」と所信表明した。ブレないリーダーは公約を果たしてみせた。
◆千葉ロッテマリーンズ
1950年、「毎日オリオンズ」としてパ・リーグに参加。初代監督は湯浅禎夫。同年、81勝34敗5分けでパ初代王者。第1回日本シリーズで松竹を4勝2敗で下した。57年11月、映画会社の大映と合併し、「大毎オリオンズ」に。60年に“ミサイル打線”で2度目のリーグ優勝。64年「東京オリオンズ」に改称。69年に岸信介元首相の仲介でロッテと業務提携し、「ロッテオリオンズ」となる。70年、3度目のパ制覇。金田正一監督のもと74年に中日を破り、24年ぶり2度目の日本一。91年に川崎から千葉へ本拠地移転を決定、「千葉ロッテマリーンズ」に名称変更。バレンタイン監督が指揮した05年に31年ぶり3度目の日本一、初代アジアシリーズ王者に輝く。




ロッテ5年ぶり日本一!球史に残る下克上
ミラクル日本一! 史上最大の下克上がついに達成された。王手をかけていたロッテ(パ・リーグ3位)が日本シリーズ第7戦で、延長十二回の末に8-7で中日(セ・リーグ優勝)に勝利。4勝2敗1分けで2005年以来4度目(前身の毎日時代を含む)のシリーズ制覇を果たした。リーグ3位チームの日本一は史上初。就任1年目の西村徳文監督(50)は、日本一に導いた史上9人目の新人監督となった。
その瞬間、西村監督の険しかった顔が一転、柔和になった。指揮官が喜びを爆発させる選手の輪にゆっくりと向かう。2試合で10時間39分の死闘。日本シリーズ進出を決めたときと同じ、3度宙に舞った。2008年の西武・渡辺監督以来、就任1年目での快挙。応援してくれたロッテファンに何度も頭を下げた。
「よくここまでたどり着けました。みんなの力ですね。最初から選手を信じただけ。チームスローガンの和のとおり、みんなが一つになれた」
「信は力なり」。帽子のつばにもこの言葉を書き記していた。指揮官が尊敬する高校ラグビーの名将・伏見工高の山口良治総監督(67)の言葉だ。無名の公立高校を、全国制覇の常連校にまで育てたあげた苦労人。事あるごとに携帯電話で連絡を取り合い、この言葉の重みを再認識してきた。
何度も訪れたがけっぷちにも負けなかった。開幕後スタートダッシュに成功したが、5月には唐川ら主力選手の故障が続出。夏場には7連敗を喫し、シーズン残り3試合は1試合でも負ければ4位の危機だった。それでも窮地に追い込まれるたび繰り返したのは「選手を信じて戦います」。この言葉だった。
遠征先ではホテルの部屋で一人、食事を済ませることが多くなった。1日に何杯も飲んでいた大好きな焼酎が、1杯しか飲めない日が続いた。ストレスだった。そんな指揮官を支えたのは、周囲の人たちだ。
宮崎・福島高1年のころ、たった一度だけ野球をやめようと思ったことがある。練習を休んで1週間。遊んで家に帰ると、ユニホーム姿のチームメートが自宅の玄関前にいた。辞めないよう説得された。「あの時みんながいなかったら、私は今ここにいないね。人に感謝することを初めて知った」と振り返る。当時の同級生たちとは今でも親交があり、地元・宮崎で行った直前合宿では、練習場を手配してもらうなど陰ながら支えてもらった。そんな周りの人たちがいたからこそ、辛いことにも耐えられた。
「1カ月前、負けたら終わりの状況からよく選手たちはやってくれました。日本一は強い気持ちを持ってプレーしてくれた結果です」
選手を信じ、人に感謝し続け迎えた最高のフィナーレ。リーグ3位から史上初の日本一へ。自ら掲げたチームスローガンの“和”が、結実した瞬間だった。


愚直なまでの「つなぎ」5回同点劇が今季を象徴!
試合の流れを引き寄せた5回の同点劇が、ロッテ打線の今シーズンを象徴していた。
3点を追う5回に4安打で3点を挙げ同点。3回までに投手陣が6失点する劣勢をはね返したシーンに、「冷静な観察力」と「打法」「つなぎ」の3つがミックスされていた。
中日のマウンドは2番手の河原。1死から6人続いた右打者への投球は極端な傾向が出ていた。内角を突いたのは1死走者なしからの清田の2球目と、死球を与えた6番・金泰均への4球目の計5球だけ。右打者6人に対して25球中20球が真ん中から外寄りの球だった。
金森打撃兼野手チーフコーチは「シュートもあるでしょ」としたが、河原の軸となった球種は直球、スライダー、フォーク。内角への恐怖心はなく対応しやすかった。これが「観察力」。そして1点を返しなお2死満塁から同点の中前2点打を放った里崎をはじめ、清田、サブロー、今江のすべてが中堅から逆方向への打球。今季のチームに植え付けられた、ポイントを体に近づけて直球と変化球に対応する「打法」でコンパクトにはじき返した結果だった。
「この攻撃は今年1年の原点とも言える攻撃だった」と里崎。日本一に輝く最後まで、打線は愚直なまでに「つなぎ」に徹した。




 

今江 史上初の初出場からの連続MVP!
高々と両手を掲げると、さらにVサイン。ロッテの今江はナインからのせん望のまなざしの中、お立ち台に向かった。05年に続くMVP受賞。初出場からの連続受賞はシリーズ史上初の快挙となった。
「2回目もMVPを獲れるなんて本当にうれしい。こんな経験めったにできない。でも日本一にならないとMVPにもなれない。みんなに感謝したい」。3点を追う5回2死一、三塁で中前適時打を放つなど4安打。勝ち越した延長12回も先頭で四球を選び、日本一を決めるホームを踏んだ。27打数12安打、打率・444、6打点。5番としてチームを引っ張った。
天性の打撃センスで中日を震え上がらせた。今江は直球を待って、変化球にもタイミングを合わせてしまう。狙い球やコースを絞ることもしない。「僕みたいなバッターはデータが通用しない。谷繁さんも困った感じでした」。シリーズ序盤。ファウルを打った際、悔しがるそぶりも見せずに笑った。すると谷繁から「お前、本当に楽しそうやな」とあきれ顔で言われたという。中日の頭脳を困惑させていた。
2つの誓い。1つは亡き母にささげた。05年シリーズの活躍を見守ってくれた母・寿美子さんは昨年2月25日にすい臓がんで死去(享年50)。節目の儀式。シリーズ前に遺影に向かって手を合わせた。「おかん、産んでくれてありがとう」。天国から応援してくれる母のためにも、スタンドで見守った幸子夫人と長男・陸斗くん(5)のためにも打った。
もう1つは障害を抱える子供たちにささげた。07年から養護施設への訪問や寄付を続けており、シリーズ中には子供たちから激励のメッセージが書かれた色紙がたくさん届けられた。「注目される場所で活躍すれば、その子たちにいい影響を与えられる。僕も励みになる」。夢を与えると同時に勇気をもらった。そんな姿も大舞台で強さを発揮できる理由である。
シーズン3位からの日本一に今江は言った。「パの代表としてパの選手に恥をかかせないように試合に臨んだ。ロッテはみんなが1つになって最後まであきらめないで戦うチーム。だからきょうみたいな試合ができた」。シリーズMVP男はプレッシャーをはねのけ、シリーズを楽しみ、またMVP男となった。
≪シリーズMVP回数1位は長嶋さん≫
今江(ロ)が05年に続き2度目のMVPを獲得した。シリーズMVP2度以上の受賞者は(1)4回・長嶋茂雄(巨人)、(2)2回・別所毅彦(巨人)堀内恒夫(巨 人)工藤公康(西武)秋山幸二(ダ、西)古田敦也(03ヤクルト)今江敏晃(ロッテ)で、今江は7人目。初出場からの連続受賞は史上初の快挙となった。また、今江はシリーズ最多タイ記録の1試合4安打。05年の第1、2戦に続き自身通算3度目で、黒江透修(巨)駒田徳広(巨、横)の各2度を抜く最多記録。これでシリーズ通算打率は・524(42打数22安打)。40打数以上の打者では、大塚光二(西)の・397を大幅に上回る新記録だ。


05年に続きまた!シリーズ男・今江がMVP…ロッテ
最高の笑顔で今江はホームベースを駆け抜けた。三塁ベンチ前に飛び出した仲間たちと、ハイタッチで感激を分かち合う。「日本一にならないとMVPにはなれない。日本一になれてよかった」。延長12回、“シリーズ男”が踏みしめたホームは、日本一を決める1点をスコアボードに刻み、長かったシリーズに終止符を打った。
最高の働きで、05年に続く2度目のシリーズMVPに輝いた。第7戦は3点を追う5回2死一、三塁から中前適時打を放ち、里崎の同点打へつなげた。そして延長12回、先頭打者で四球を選ぶと岡田の右中間適時三塁打で決勝のホームを踏んだ。1、7、9回にも安打を放ち4安打。今シリーズ通算27打数12安打、6打点の活躍でチームを日本一へと導いた。
05年の第1、2戦に続く3度目の日本シリーズ4安打は、61年目を迎えた頂上決戦では史上初の快挙。2度の日本シリーズで計42打数22安打とした。「けがで苦しんだ時期もあったし、本当にうれしい。大舞台は注目される。ワクワクしながら臨みました」と顔をくしゃくしゃにした。
勝ちたい理由があった。07年から千葉県内の児童養護施設の子供たちと交流を続けてきた。施設を訪れ子供たちと遊んだ翌日は、不思議とヒーローになることが多かった。シリーズがはじまる前には、子どもたちから激励のメッセージを集めた色紙が届いた。幸子夫人と家で見て、「頑張らないといけないね」と話した。グラウンドでの活躍が、恩返しになると信じていた。
シリーズ中には、あまりの笑顔に谷繁から「お前、楽しそうだな」とつぶやかれた。誰よりも大舞台を楽しみ、シーズン3位から一気に、自身2度目の日本一へと駆け上がった。
◆今江 敏晃(いまえ・としあき)
1983年8月26日、京都府生まれ。27歳。幼稚園から軟式野球を始め、中学時代に京都田辺ボーイズで全国制覇。00年、PL学園高2年夏に甲子園出場。01年ドラフト3位でロッテに入団。05年にレギュラーを獲得し日本一に貢献。06年の第1回WBCに日本代表として出場し世界一に。ベストナイン1度、ゴールデングラブ賞を4度獲得。年俸1億500万円(推定)。180センチ、88キロ。右投右打。


シリーズ男!ロッテ今江、ミラクルMVP
オイシイところは、またもこの男が持っていった。延長十二回に四球で出塁し、満面の笑みで決勝のホームを踏んだ今江が、打率・444でMVP。2005年に続く2度目の受賞に、誇らしげにお立ち台に上がった。
「またMVPをもらえて、本当にうれしい。日本一にならないとMVPにはなれないので、チームメートに感謝です」
第7戦を4安打で締めくくり、今シリーズ通算12安打。6打点もサブロー、清田と並ぶトップタイで、第1戦の決勝適時打に始まり、第5戦にも決勝の逆転適時打と勝負強さは際だっていた。
福祉活動に力を入れる今江は、毎年、千葉県内の養護施設や病院を訪問し、恵まれない子供たちを勇気づけている。その子供たちが、シリーズ中の千葉マリンで激励のメッセージが入った色紙をプレゼントしてくれた。「活躍すればみんなが見てくれる。日本シリーズくらいしか地上波の放送はないから」。このMVPは、逆に勇気をくれた子供たちへのささやかな恩返しだ。
「05年から納得のいく年はなかったけど、今季は西村監督の1年目で、自分も一からスタートのつもりだった。充実したシーズンが過ごせた」
レギュラーシーズンで自己最高の打率・331をマークするなど、飛躍の1年を最高のかたちで締めくくった今江。有藤氏の背番号8を受け継いだ男は、もう立派な“ミスターロッテ”だ。




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