朝鮮について知りたい

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団結を!!

2011年12月12日 | 在日朝鮮人
  共同通信によると、東京都の石原慎太郎知事は8日の都議会で、都内の朝鮮学校に対する補助金について「来年度予算には計上しないことも含めて、国民全員が納得するような判断をしたい」と述べ、12年度予算に盛り込まない可能性があるとの見方を示した。

 都議の質問に答えた。知事は朝鮮学校の授業内容について、「(調査に)行くと違う教科書を見せる。都職員が張り付いて実態を調査したらいい。それが嫌なら学校を閉鎖したらいい」と批判。その上で「そういうことを許容できない相手に国民の税金を使って補助する必要は毛頭ないと思う」と述べた。
 都は都内10校に対する10年度の補助金約2300万円を執行せず、11年度についても執行を保留している


石原の発言は矛盾をいくつも孕んでいる。

①国民全員が納得するような判断。
かれの発言は、その「国民全員」というのは、誰をさしているのか?ということを前提としていない。日本の新自由主義的な国家戦略の中で、労働階級をはじめとする被雇用者を大々的に犠牲にしたうえで日本の「再建」を図ろうとする政策の中、300万に及ぶワーキングプアが出ている。ひいては、「自らの意志」でニートやフリーターを選んだ、という青年たちに対し、「彼らが決めたこと」、「自己責任」という曖昧で横暴な言葉を持って、福祉厚生をないがしろにしている。そのような青年たちや浮浪者、労働階級の不満のはきだめこそ、まさに日本が「誇る」サブカルチャーであり、ネット社会であり、また在日朝鮮人問題であり、「北朝鮮」問題ではないのか。幾十年もの歳月をかけ、育成し、完成してきた不公平、不平等な社会。富と貧困の差が歴然であり、それらが過去のアジア人民たちの犠牲によって成り立っていることすらもつゆ知らず、「経済大国」の名前のもと、「日の丸」、「君が代」を公言し、「誇り」を持つ日本の国民。
 「戦後」という概念、日本がアジアの諸国に対して戦争責任という十字架を背負わなければならない、現状のもと、「震災後」という表現を持って、「元気な日本」を「再建」しよう!と。そして、過去も全てひっくるめて、やり直そうとする姿勢は許せるものではない。このような状況の中で、日本の世論は創り上げられたし、また、彼がいう国民「全員」には、自由な主体であるはずの善良な日本人民たちは入っていない。朝鮮学校を排除することで得をする輩。そしてその大々的な報道にのまれている人たちのみを対象としているのではないであろうか。

②「(調査に)行くと違う教科書を見せる。都職員が張り付いて実態を調査したらいい。」
 
 張り付いて実態を調査すればいい。違う教科書などは皆無である。民族教育下での、教科書は学友書房を通して作られており、そのような教科書は作っていない。現に、公務員の見守る中、北海道では「拉致問題」に対して授業が行われたことをしらないはずもない。
 上記の文章は百歩譲っての言葉だ。そもそも「拉致に関して『北朝鮮』が全部悪いと言え」というスタンスで教育現場に指示する権限を政府は持っていないはず。要は、日本と朝鮮両国の過去を真摯に見つめ、これからの自主的な未来を切り開こうとする人材を育てるのが嫌なだけだ。そう言えばいい。彼は公人の発言を鵜呑みにし、現実とかけ離れた単なる「イメージ」を持って、ウソばかりをいっているのだが、それが報道されるという現状をわかりきった上で発言している。悪意しか感じられない。

 言えばいいさ。「三国人に出す金はない」と。正直にいいなさい。自分の間違った解釈を持って政論をかざそうとするものの論理は恐ろしくおろそかなものである。日本の知性の恥とも知らず、公然と人種差別、民族差別を言ってのけるこのような政治家に身震いし、日本の未来を憂うだけである。

③「それが嫌なら学校を閉鎖したらいい」

 いや、「それが嫌なら」ではない。
 無償化、補助金の対象から外すから、これからは学校を閉鎖する方向で考えてください。と言い換えなさい。石原のおやじ。あんたが言わんとすることは分かった。
 また1940年代のあの忌まわしい「過去」を繰り返そうとするのであるのならば、繰り返すがいい。しかし、抑圧のあるところでは反抗があり、反抗があるところで、正義は勝利するものである。在日朝鮮人とその擁護者たちを、そして、れっきとした主権国家であり、民族教育における最大の功労者、そしてほう助者である朝鮮を、ののしり、侮り、弾圧するのならばすればいい。
 日本はまた、その歴史の1ページに世界の中で最も恥ずべき行動を記載することになるであろう。
 われわれはこの闘いにて必ず勝つ。現に石原は日本国家が辿るべき道、過去来たファシズムへの道へど歩き出した。マルクスの言葉を借りるのならば、かれこそ、日本ファシズムの墓掘り人である。
 

 我々は必ず勝利する。自らの運命開拓のため、そして健全な日本国家の繁栄のため。
 「現実的なものは合理的であり、合理的なものは現実的である」。ヘーゲルのこの言葉通り、社会歴史は、真理と正義の名の下に少しずつ、そして急激に前進するであろう。
 
 石原よ。在日朝鮮人の団結、友好的な日本人民の闘争に怖れ慄くがいい。

 かれに、今を生きる在日子弟たちの顔は見えない。子供たちの未来のため、民族教育の発展のため、難しい今を生きるわれわれは、立ち上がり、最後まで、闘う。そして勝利する。不当にもらえない権利は勝ち取るまで。

 同胞たちよ!団結せよ!夜明け前は一番暗いもの。夜明けは近い。


 石原にコブシは使えなくとも、「団結」という鉄拳を!