朝鮮について知りたい

朝鮮について知りたいこと、書いていきます。

朝米関係の現住所と朝鮮の決意-2019年11月

2019年11月01日 | 現代朝鮮、朝鮮半島
2019年10月5日、ストックホルムにて朝米実務者たちによる協議が行われた。板門店での朝・南・米の首脳たちの集い以降、「やっと」成就された流れであろう。
 この結果は、「決裂」というものであった。
 ベトナム・ハノイでの首脳会談以降、膠着状態に陥った朝・米関係。その基本的な枠組みはおおよそ以下のようなものであると言える。

① これまで朝鮮にたいして行ってきた米国による「核脅威」という現実が終わった。
② 朝鮮は強力な核戦争抑止力としての軍事力を持つことにより、一つの戦略国家としてアメリカとの対話に臨み、これからの朝鮮半島ひいては東アジアの平和繁栄について議論を始めた。
③ トランプ大統領はこれを歓迎し、朝米間の敵対的関係を清算し、平和的な関係を築いていけるよう、相互行動を始めることを決断した。
④ 朝鮮は上記合意に基づいて、各施設を廃棄し、アメリカ側は東海で行われていた軍事訓練を凍結。
⑤ このように培った信頼関係に基づき、戦争状態を終結させ、新たな平和・統一・繁栄のプロセスに入っていこうと、ハノイで第二次朝米首脳会談が行われた。
⑥ 決裂。なぜか?アメリカは、今になって「相互行動と信頼構築」のプロセスを無視して、一方的な核放棄を要求した。朝鮮は一蹴。
⑦ これに対し、金正恩国務委員長は、現在情勢を見渡しながら国家建設および対外建設に関しての施政演説を行った。
⑧ その中心内容は「自力更生」であり、アメリカの朝鮮にたいする「計算方式」を改めるまで年末までとの猶予を与えた。
⑨ このようなやり取りの中で開催された朝米間の実務者協議。朝鮮は、アメリカがどのような計算方式で朝米関係を解決しようとするかを見定めた。
⑩ 結果は、「同じもの」であった。
⑪ 朝鮮側は、年末までの時限をまた区画し、大統領との親密な関係をアピールしつつ、対話のルートは閉ざさないとしている。
⑫ 今に至る。

さて、朝米関係というものは、もちろん歴史的にひも解いていかねばならない問題であるが、重要な観点は、朝米間においては「戦争状態が強制終了させられた」という認識である。
朝鮮が何のために1995年以降、「苦難の行軍」という路上をあるき、2012年以降もアメリカとの全面戦争状態を甘受しながら、人類史上最大最強の「経済制裁」の中、ブレずに生きてきたのか。すべては、「核をもって恐喝してくる帝国主義への反逆」を夢物語にしないためであった。
そして、その「夢物語」は、厳然とした現実として我々の目の前にある。
2019年10月16日の労働新聞は、「駿馬行軍の道のり」として金正恩委員長が、白頭から開拓されたチュチェ偉業の最終勝利のための構想を練ったと報道した。
白頭のふもとにある三池淵郡を現地指導しながら、年末までアメリカが答えを出せなかった場合に進む、「新しい道(2019年新年の辞)」から見える未来を見定めていたに違いない。
白頭から「元帥の決意」がとどろく。これは、朝鮮の常である。
2015年には、朝鮮人民軍飛行士たちと白頭に登り、2年までにチュチェの兵器を完成させようと鼓舞し、2017年11月29日には核武力完成の歴史的大業を成し遂げ、12月にはこれに基づいて、2018年4月には、新しい並進路線の歴史的勝利を宣言し、北南方針の大転換を促した。
朝鮮において、これから我々の想像を絶するような「変」が起こるであろう。しかも、それは勝利へのシグナルである。