朝鮮について知りたい

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すべての難関を正面突破で!-2020年1月

2020年01月06日 | 現代朝鮮、朝鮮半島
 昨年12月末、朝鮮にて党中央委員会総会(全員会議:第7期第5回会議)が催された。
 
 党中央委員会総会は、朝鮮における社会主義建設路線を定める最重要会議の一つである。

※ 2013年3月には「新しい並進路線」を定め、2018年4月には「並進路線の歴史的使命完了に関する総括と経済建設に総力を尽くす新たな路線」が提示され、2019年4月には「自力更生の旗印を高くあげていくことについて」が採択された

 今回行われた第5回会議では、主に第4回会議以降8か月の間に自力更生の旗のもと社会主義建設をしてきた経験を誇らしげに総括し、この闘いを新しい勝利へとつなげていくため、現情勢の推移と朝鮮が抱える課題が現実に対する冷徹な判断に基づく的確かつ果敢な対策が立てられた。

現実に対する冷徹な判断

 2019年4月、金正恩委員長は、アメリカが対朝鮮政策における計算法を改め平和的で建設的な対話による受け答えをする期限を年末までと区切り、アメリカ主導の厳酷な「制裁」を無効にするためにも自力更生の旗を掲げ、三池淵地区の建設を核とする建設事業を推し進めようと促した。

 「数か月の間、われわれの前に封着した挑戦は他国であれば一日も持ちこたえられず引き下がるような残酷で危険極まりない激難であった…」(第5回会議での報告)という文章は、どれほどの過酷な状況が朝鮮に到来したのかということをわれわれに如実に示してくれる。

 このような人類歴史上類例を見ない激難の中、朝鮮は闘っていたのだということを、思い知らされる。この状況のなか、自力自強のスローガンを掲げ国家建設を推し進めてきたのである。

 現在、朝鮮半島情勢は危険で厳重な段階に達した。これが、現実に対する冷徹な判断である。

 朝鮮は2018年以降、朝米の信頼構築のため、核試験も大陸間弾頭ロケット発射試験発射も中断し、核試験場も廃棄した。

 先制的な重大措置にもかかわらず、アメリカはというと大統領が公約した大小の合同軍事演習を数十回繰り返し、最新戦争装備を南朝鮮に搬入することで軍事的圧迫を繰り返した。のみならず、十余の単独制裁措置をとり経済的圧殺に乗り出した。


 このような状況で一方的に公約に縛られる筋合いはない。これが朝鮮の言い分であろう。

 朝米間の膠着状態が長期化され、宙ぶらりんの朝鮮半島情勢を自国や自身の利得のためにただ消費せんとするアメリカの本心。 このようなことから、アメリカが制裁を解除してくれることを期待する必要もない。

 世紀を紡いできた朝米対決は今日、自力更生と制裁の対決に圧縮され明白な対立軸となっている。

 このような冷徹な情勢分析から出る朝鮮の答えはこうである。

 「われわれの前進を阻害するすべての難関を正面突破戦で突き進んでいこう」。

 アメリカが時間稼ぎをすればするほど、朝米関係の決算を躊躇すればするほど、予測不能に強大となる朝鮮民主主義人民共和国の威力のまえに無策でいることしかできず、より困難な状況に陥ることとなる。 そのために、今朝鮮は何をするべきか。

 それが議論されたのである。

客観的要因がわれわれに支配されるようにせよ

 アメリカがわれわれを楽にしてくれるという夢を見るな。自分の力でつかみとれ。自力更生の力で正面突破あるのみ。これが、今を生きる朝鮮の精神である。

 具体的に示されてはいないが、今会議の特徴は「正面突破戦」というスローガンが生きた言葉になるよう、具体的な計画と科学的方法論をたて実践的対策を組んだというところにあるだろう。4日間という会議の中途、「研究に入った」という文面がメディアで出されたのはかなり新鮮であった。

 全体会議が招集された昨年12月3日。この日、金正恩委員長は人民軍の指揮官たちを引き連れ軍馬で白頭山に登っていた。
 
 今年、朝鮮は経済建設において正面突破戦を拡大するだろう。

 会議決定には、「国の経済土台を再整備し、可能な生産潜在力を総発動し経済発展と人民生活に必要な需要を十分に保障する」とある。具体的なものは示されていないが、国家経済発展5か年戦略が終了する今年、朝鮮は自力更生の名のもと、「三池淵の奇跡」のような全党・全国家・全人民の闘争によって万里馬時代を確約することと思われる。

 さらに、「強力な政治外交的・軍事的攻勢によって正面突破戦の勝利を担保する」とある。
 今日、明白な対立項としてある自力更生VS制裁の構図を打ち破る「正面突破戦」の勝利を担保するものとして、外交と軍事をあげているとうかがえる。
 
 アメリカの本心は、対話と協商の看板だけひっさげ、やるやると言いながら時間を稼ぎ、一方では制裁を維持し消耗弱体化させるところにある。
 
 このような冷徹な判断から、金正恩委員長は、報告で「アメリカが対朝鮮敵視政策を最後まで追求するならば朝鮮半島非核化は永遠にない」・「衝撃的な実際行動に移る」・「遠からず、世界は朝鮮が保有する新しい戦略武器を目撃することになる」と明言した。

 2017年9月21日、国務委員会委員長の名義で発表された談話がある。トランプ大統領の「完全破壊」発言(9月20日)にたいしての答え、「国と人民を守るため…狂った老いぼれを必ず火で、火で抑え込む」。

 アメリカ側からの要請により2018年、劇的に朝米対話が開始されたが、対話の意味も意義も見いだせなくなり、「完全終了した」2019年末、金正恩委員長は、その決意を具体化して提示した。

 朝鮮は、2019年末には低高度活動跳躍ミサイルと600mm大口径長距離放射砲の実験に成功している。朝鮮を侵略しようとする帝国主義に対しての備えは万全である。

 さて、このような正面突破戦を勝ち抜くための戦略とタスクと対策が研究しつくされ、確固とした結論を持って朝鮮は2019年の幕を閉じ、2020年をスタートさせた。
 
 「われわれは、経済制裁を受けず生きてきたことがない。やりたければすればいい。」、金日成主席の遺訓が思い出される。

 いま、制裁は朝鮮人民を苦しめる装置ではなく、「怒りのバロメーター」を高める増幅ブースターとなっている。

 朝鮮人民の真の解放のため、進む道は険しいだろう。しかし、この道を超え出たその時、客観的要因は
われわれの支配下にある。

  クライマックスステージが、いま始まった。

最後通牒と「新しい道」-2019年12月

2019年12月01日 | 現代朝鮮、朝鮮半島
11月は本当に朝米関係構築において多様なアプローチがあったと思われる。しかし朝鮮の政策はブレない。

 金正恩国務委員長は、2019年の4月に施政演説をしたのだが、そこで明確に2019年末を最後にアメリカとの関係を決着づけると述べた。アメリカが計算法を改め関係改善をするのか、あるいは朝鮮が「新しい道」を行くのか。

 この「新しい道」というものにはとても興味があるが、おそらく朝米関係が正常化されるための前提がアメリカ側の傲慢な態度の転換から始まるのが、朝鮮民族にとっては望ましいものであろうことは間違いない。

 2019年末を控えた11月、朝鮮は対米攻勢に一気に乗り出した。(すでにミサイルや砲撃訓練などはトランプから言わせると「当然のこと」となった)

 日本が言う「瀬戸際外交」のために国費を浪費しながら軍事訓練に励むという意味ではない。
 朝鮮側は11月に朝鮮外務省のキムゲグァン顧問、同じく外務省キムミョンギル巡回大使、朝鮮アジア太平洋平和委員会キムヨンチョル委員長の談話を連続的に発表し、アメリカに答えを迫った。
 
トランプ大統領がTwitterを通じて首脳会談をほのめかしたことは理解する。しかし、この「時間稼ぎのような余興」を楽しむ気がない。時はすでに、アメリカが対朝鮮政策を転換するか、否かの二択を迫っているのだと、強調した。(キムゲグァン顧問)

 一方、キムミョンギル巡回大使は、アメリカ側がスウェーデンとの協議を詰めながら実務協議の準備を進めようとする動きを見ながら、これまで会談場所をスウェーデンが準備してくれたことに関しては感謝すると述べながら、すでに問題は第三国を中継してやる段階ではない。やるなら直接だ。連絡通路の問題や仲介者の問題ではない。スウェーデンは出しゃばらずともよい。さあ、アメリカどう出る?と伝えている。

 そして、とどめにキムヨンチョル委員長が結論を与えた。「アメリカは対朝鮮敵視政策を撤回する前までは非核化協議については夢にも思うな」と。現在、アメリカが延期したという米・南の連合空中訓練は「善意」や「配慮」などではない。これから手を携えていこうとするもの同士、当たり前の措置であるし、それについて見返りを求めるなど毛頭ない。すでにこちら(朝鮮側)は余りあるものを与えている、と。

 このような朝鮮側の反応は11月17日トランプ大統領が国務委員長に言及しながら「すぐに会おう!(see you soon!)」と、Twitterにつぶやいたことに端を発している。

 朝鮮側の主張として一致しているのは、トランプ大統領の手柄のために朝米関係があるのではないということ。譲歩はなさそうである。なぜならばすべての談話に共通項として浮かび上がるのは、「非核化の議論の前提」だからである。それはすなわち、アメリカの対朝鮮敵視政策の転換である。これまで、朝鮮がアメリカにたいして「計算法を改めよ」と伝えてきたのだが、どうやらアメリカの方々にはよく伝わらなかったらしい。もう教えてやるよ。敵視政策、やめなさい。そこから議論しましょうとでもいうように、といった感覚である。

 さて、来年アメリカでは大統領選挙が催される。対話のための対話、この手柄をもって選挙に臨むことがトランプ大統領には必要かもしれないが、朝鮮には必要ない。
朝鮮には急ぐ理由がない。アメリカがNO!といえば、「新しい道」を行くのみである。
現在チェソニ第一副相がロシアにて、具体的な協議を進めているように、年末まで結論が出ねば、朝鮮は自力更生のスローガンのもと、自国の力を駆使しつつロシアや中国、ひいてはインドなどと手を結びながら、新しい国際秩序を生み出していこうとする遠大なプランを提案する可能性がある。
ロシアや中国との摩擦、アメリカ帝国主義が国際社会で猛威を振るうために摩擦は避けられない。しかし、行き過ぎるとすべてを失う可能性もあるのだ。この闘い、年末までどうなるか、見届けていこう。


朝米関係の現住所と朝鮮の決意-2019年11月

2019年11月01日 | 現代朝鮮、朝鮮半島
2019年10月5日、ストックホルムにて朝米実務者たちによる協議が行われた。板門店での朝・南・米の首脳たちの集い以降、「やっと」成就された流れであろう。
 この結果は、「決裂」というものであった。
 ベトナム・ハノイでの首脳会談以降、膠着状態に陥った朝・米関係。その基本的な枠組みはおおよそ以下のようなものであると言える。

① これまで朝鮮にたいして行ってきた米国による「核脅威」という現実が終わった。
② 朝鮮は強力な核戦争抑止力としての軍事力を持つことにより、一つの戦略国家としてアメリカとの対話に臨み、これからの朝鮮半島ひいては東アジアの平和繁栄について議論を始めた。
③ トランプ大統領はこれを歓迎し、朝米間の敵対的関係を清算し、平和的な関係を築いていけるよう、相互行動を始めることを決断した。
④ 朝鮮は上記合意に基づいて、各施設を廃棄し、アメリカ側は東海で行われていた軍事訓練を凍結。
⑤ このように培った信頼関係に基づき、戦争状態を終結させ、新たな平和・統一・繁栄のプロセスに入っていこうと、ハノイで第二次朝米首脳会談が行われた。
⑥ 決裂。なぜか?アメリカは、今になって「相互行動と信頼構築」のプロセスを無視して、一方的な核放棄を要求した。朝鮮は一蹴。
⑦ これに対し、金正恩国務委員長は、現在情勢を見渡しながら国家建設および対外建設に関しての施政演説を行った。
⑧ その中心内容は「自力更生」であり、アメリカの朝鮮にたいする「計算方式」を改めるまで年末までとの猶予を与えた。
⑨ このようなやり取りの中で開催された朝米間の実務者協議。朝鮮は、アメリカがどのような計算方式で朝米関係を解決しようとするかを見定めた。
⑩ 結果は、「同じもの」であった。
⑪ 朝鮮側は、年末までの時限をまた区画し、大統領との親密な関係をアピールしつつ、対話のルートは閉ざさないとしている。
⑫ 今に至る。

さて、朝米関係というものは、もちろん歴史的にひも解いていかねばならない問題であるが、重要な観点は、朝米間においては「戦争状態が強制終了させられた」という認識である。
朝鮮が何のために1995年以降、「苦難の行軍」という路上をあるき、2012年以降もアメリカとの全面戦争状態を甘受しながら、人類史上最大最強の「経済制裁」の中、ブレずに生きてきたのか。すべては、「核をもって恐喝してくる帝国主義への反逆」を夢物語にしないためであった。
そして、その「夢物語」は、厳然とした現実として我々の目の前にある。
2019年10月16日の労働新聞は、「駿馬行軍の道のり」として金正恩委員長が、白頭から開拓されたチュチェ偉業の最終勝利のための構想を練ったと報道した。
白頭のふもとにある三池淵郡を現地指導しながら、年末までアメリカが答えを出せなかった場合に進む、「新しい道(2019年新年の辞)」から見える未来を見定めていたに違いない。
白頭から「元帥の決意」がとどろく。これは、朝鮮の常である。
2015年には、朝鮮人民軍飛行士たちと白頭に登り、2年までにチュチェの兵器を完成させようと鼓舞し、2017年11月29日には核武力完成の歴史的大業を成し遂げ、12月にはこれに基づいて、2018年4月には、新しい並進路線の歴史的勝利を宣言し、北南方針の大転換を促した。
朝鮮において、これから我々の想像を絶するような「変」が起こるであろう。しかも、それは勝利へのシグナルである。

決意表明

2019年08月27日 | 現代朝鮮、朝鮮半島
これから、また更新していきます。

朝鮮 「17時報道モランボン楽団インタビュー KCTV 2017/10/10 日本語字幕付き

2017年10月11日 | 現代朝鮮、朝鮮半島
リュジナ失脚説唱えていた、南の言論界よ! 懺悔しなさい。そして、もう二度とその問題を「専門とする」ということを言わないことを祈る。(そうしないであろうが)

モランボン楽団の舞台裏、インタビュー、なかなかこれ、貴重である。

北朝鮮 「17時報道モランボン楽団インタビュー (17시보도 모란봉악단 인터뷰)」 KCTV 2017/10/10 日本語字幕付き