朝鮮について知りたい

朝鮮について知りたいこと、書いていきます。

『2012年に行われる慶祝大会の<試演会>』

2009年04月28日 | 現代朝鮮、朝鮮半島
昨今のマスコミの朝鮮に対する報道をみながら思うことが多々ありますが。

2009年4月14日、朝鮮では異例の行事が行われた。

『強盛大国の火吹雪』

朝鮮は党機関紙において、この行事を『2012年に行われる慶祝大会の<試演会>』と位置付けた。PSTVにおいて、映像も見れる(見れた)が、この行事、想像を絶するものである。
日本の花火師が見たら、必ず、腕がなるような行事であろう。

朝鮮は2012年を『強盛大国の大門』を開くことを公言している。
さて、2012年の4月、どのような規模で、どのような行事が行われるのか。
なんにせよ、日本のマスコミが言っている『全体体制の中で苦しんでいる人民』は、14日、最高指導者とともにピョンヤンにおいて、ただ、うれしそうに自信にあふれ、花火をみていた。

彼らの見た花火は朝鮮の明るい未来だったのであろうか。



朝鮮は米国の主導の下、『採択されたUN議長声明』を受けて、すぐさま、6者会談を断念し、核抑止力を最大限強化する決定を下した。奇しくも、時を同じくして朝鮮では『祝砲』が上がっていた。

朝鮮の決断は早かった。

何が早かったのか。 これもまた日本の口癖である『瀬戸際外交』なのか。
それはあまりにも安易であろう。

まず、確認することは朝鮮半島の核問題廃止のための6者会談の意義と現段階である。

6者会談は『朝鮮半島の核廃止と平和』をその目標としている。決して『北朝鮮の核廃止』ではないということ。
また、すでに6者間では、2005年9月19日、会談国間において自主権を尊重し、関係正常化を目指し段階的に朝鮮半島を非核化することが合意されているということ。

さて、この6者会談。前進が見えないのが現実である。
はたして、この状況は朝鮮に不利なのか。敢えて言うのであれば、『瀬戸際外交』をせざるを得ない状況に朝鮮が立たされているのであろうか。

日本のいう『瀬戸際外交』。一応確認しておこう。
瀬戸際とは、安惧・成敗・生死のわかれる、さしせまった場合、運命の分かれ目。を意味する。(広辞苑によれば)

この『瀬戸際』。いつまで続くのか。しぶといものだ。(笑)

『議長声明』とは予想された結果なのか、予期せぬ事態であったのか。

9.19は6者間、特に米国と朝鮮が『テロ支援国名簿』からの朝鮮の削除と、核施設の無力化及び各申告書の提出という『行動対行動』の原則に則り、2段階の段階的課題が解決していこうとしている、情況のなか、『有関国』は『検証問題』を提示し、日本は『核解決とは別枠で討議されなければならない拉致』を口実に、エネルギー支援を怠慢した。(ここについては、また違う場所を設けよう。)

米国は一貫して朝鮮と、そして日本と南に対する違う見解を提出していた。
朝鮮とのやりとりの中で、『一致』されているはずの決定が施行されない。もしくは、日本においてその『翻訳』が違っている。

現に『会談の重要性』を認めているすべての国が、その見解においては『現状維持』を打ち出しながらも、行動の一致をとれていないのは周知の事実である。

特に、6者会談は確認したように『朝鮮と米国との平和条約』を結ぶものでも、『日本との関係改善のため』だけのものでもない。
すべての悪循環の原因である、『朝鮮半島全域における核問題の解決』のために6者がこぞって参加しているのが、そもそもの6者会談であろう。


朝鮮新報によると、次のような見方もあると、伺える。(要旨で)
『息苦しい』協議所を震撼さして、今回の衛星打ち上げであった。行動の保留で存在感を誇示しようとした日本の『悪い癖』により、自ら6者会談の参加資格を失った国もあれば、12月まで継続していた協議においても、実際問題として6者による『路程』が無効化されたということは明らかである…

『議長声明』という名の下に採択された『避難勧告』には『ロケット』、『衛星』という明記は何もない。自ら、常任理事国の見解が一致できなかったことを露呈するものであった。

さて、これからが問題である。

これまで、米国とその追従勢力による『追い込み』、また日本のような『独自的暴走』によって、得られたものは『朝鮮半島の非核化』ではなく、堂々とした核保有国としての朝鮮の地位であった。

朝鮮は今まで、『対話と圧力』に『対話と盾』で対抗すると、明示したこともある。

さ、『北朝鮮は規律を違反した分、処罰を受けるべき』という避難、『発射』(ミサイルでも名声でも、まして『テポドン』でもない)を批判するという形の『議長声明』、これらがもたらす、また日本が独自的に施行する『圧力』によって得る結果はどのようなものなのであろうか。

朝鮮の一貫した立場は『我々が核武装するのは米国との関係正常化や経済支援などを望んでではなく、米国の核脅威から自身を守るためである。』

朝鮮半島の非核化、全世界共通の認識であるはずの『平和』というものは、これからはこれらを解決しうる能力を持っている国が担当していかなければならない。

6者会談という枠組みが現実的に崩壊した今、朝鮮は衛星と『火吹雪』という武器を持って、これからの外交前進に先手を打った。
会談担当国の整理である。


日本のマスコミはもう少し、朝鮮という国、朝鮮という国が施行する政策に敷かれた政治哲学をわかるべきである。
朝鮮の一貫した立場は極めて簡単明瞭である。朝鮮の命は自主であり、先代指導者の遺訓とする、朝鮮半島における核廃棄のため、すべての努力をなげうつ。



北の打ち上げは違反、南の打ち上げは平和利用。4月15日付の朝日新聞では、「韓国、同国初の人工衛星打ち上げ 7月末」という記事があったが、そこではロケットという表現を用いている。よく辻褄が合うものだ。感心する。笑

いわゆる『北朝鮮の専門家』たちの意見は何度覆されても、『専門家』としての確固としての地位を守る。
日本の政治的レヴェルの低下を自らが露呈するものである。

朝鮮の「自主」という概念を日本式、米国式の「自由」ととらえているうちは、また「グローバリズム」という「アメリカ化」の中での「国際的意見」を述べているうちは彼らの弁論、評論活動はひたひた完全に否定されその内容は覆されるのみであろう。

 

アジアでの確固とした地位、『グローバリズム遂行の盟主としての地位』を築き上げようとする努力を傾ければ傾けるほど、『瀬戸際』においこまれ、手探りで解決法を探さなければならないのはむしろ、日本であるのではないか。


人間の行動も国家も同じである。 やりたく、やらなければならず、またできる。
この3カ条がそろわなければ、何もできないのが現実である。
日本はまず、やりたいことをしっかりと整理し、やらなければならないものは何で、自分たちができることの範囲がどれほどなのかを見定めなければならない。

日本は『アジアにおいての強力な友好国』とならなければいけない。
日本が仮に将来、アジアの各国にとって、『本当の友好国』になったとき、すなわち『いい未来』が実現したとき、彼(彼女)らは今の日本を恥じるときが必ず来るであろう。