人の世は、滞在期間の定め無き、今日一日の旅の宿

 時 人を待たず、光陰 惜しむべし
 古より有道の人、国城 男女 七宝 百物を 惜しまず
 唯 光陰のみ、之を惜しむ

修 行

2019-09-28 | 日記


無 為

2019-09-12 | 日記

方剤:茯苓飲合半夏厚朴湯

2019-09-02 | 日記


次は茯苓飲合半夏厚朴湯です。
これは使いでのある薬なのでよく覚えてください。
茯苓飲も今まで話をしました。半夏厚朴湯も今まで話をしました。

どちらもいい薬なのですが、茯苓飲だけの人だったら四君子湯等と同じで、
ほとんど軽い胃腸の虚弱ということだけなので、今だったらあれやこれやと
考えながら、家でせっせとサプリメントを摂取しているでしょうね。

半夏厚朴湯
だけの人なら、ときどきヒステリー発作を起こすだけです。
そういうときに行きつけの心療内科や精神科でちょっと抗不安薬等をもらって、
頓服的に飲んでいる例が多いと思います。ところがこの両方が合併すると、
結構心と体のバランスを取れない日常的な症状を出してしまうのです。

面白いことにこれは血が絡まないのですね。
茯苓飲合半夏厚朴湯気と水だけが阻害されます
だから、水も巡りが悪くなると体が重く、おなかが重く、
気が滞るとやっぱりつらいわけで、
しばしばいわゆる不安神経症みたいな症状を引き起こします。
過呼吸とか、おなかが変に痛みだすとかします。
でも血が絡まないのです。

血が絡まないということは意外と、変な言い方だけれど
要するに発作性の症状がしょっちゅう起きます。
血が絡んでいたらずっと、常にどこかで変な症状があるのですが、
気と水だけのときだったら普段は本人は忘れていて、
意識しないでいるときもあるのです。

そして半夏厚朴湯だけだったら、本当に思い出したときに突然です。
でも茯苓飲合半夏厚朴湯ちょこちょこ起こしますが
でもずっと持続ではないという変な症状になっていますね。
それぞれ茯苓飲や半夏厚朴湯における、そういうおなかの症状や
精神症状というのを来します。
だから結構、本人にとっては悩ましいのです。
茯苓飲合半夏厚朴湯の人は、だいたい本人が「自分は自律神経で」と言ってきます。

意外と抑肝散の人は「自律神経で」と言わないのですね。
ストレスですかと言ったら納得するのです。

この茯苓飲合半夏厚朴湯の人は何となく自分はどこが悪いわけじやないけど、
1人で神経がおかしくなって病気になるのだなと、本人が思うみたいです。
結構、自律神経でと言ってくる人は多いですね。
「自律神経と言われました」というのは、これは医原病の事が多くて違うのです。
暗示にかかっているのです。本人が自律神経だと言ってくるときは、
一所懸命物の本を見て、これは自律神経の症状だなと思うので、
本人が何とかして欲しいと言ってくることが多いのです。

これはもちろん太陰の方ですね。太陰のの場合もありますし、
太陰のの場合もあります。耳穴では区別をすることができます。
脈診でももちろん区別できます。でもだいたい大まかに見て
太陰か厥陰か少陰かを診断します。そして太陰の人で、
滅入ってくると本当にうつ的になっていくのだろうなと思う方です。

切診では一番簡単なのは腹診で、おなかに手を置いた途端に解ります。
ただし、最初のうちは一所懸命やらないと解りません。
術者の気の力がないと解りません。茯苓飲のときは手を置くと水が動きます。
術者の気の力がないときは、案じているとそのうち水が動くのが解ります。

茯苓飲合半夏厚朴湯はもっとドラマチックですね 
気と水が一緒に動きますから、私などは手を青いた途端に
ぐるぐるとおなかが動きその瞬間に診断がついてしまうのです。

当然、茯苓飲ぐらいの人だとおなかの力がありません
これがうんと冷えていて、
何も動かないで綿みたいに柔らかかったら真武湯
なのです。
腹力が逆にばんとあれば防已黄耆湯なのです。
防已黄耆湯と真武湯の中間ぐらいの腹力で、人参湯だったら
逆にたいていはおなかがやせてぺったんこですが、

茯苓飲合半夏厚朴湯は、おなかは結構防已黄耆湯ほどでないけれど
ぽってりとしていますそして力がないのです。
芍薬甘草湯なんかと違って腹直筋は張っていません
芍薬甘草湯を含む処方は、柴胡桂枝湯にせよ、桂枝加芍薬湯にせよ
必ず腹直筋が張っているのですね。
そしてお腹が柔らかくて、でも真武湯みたいにぐちゃぐちゃでもない
そんなに変な所見がないのに手を置いた途端にぐるぐると水と気が動くのです。

だからこの茯苓飲合半夏厚朴湯というのは手を置いた瞬間に診断がついてしまいます。
そして、この処方の診断をしたときに、私はいつも逆に聞いているのです。
こうして手を置いた後に、胸の付近につかえがありませんかと聞くのです。
そうしたら必ずあると言います。本人は聞かれるまで言わないのですが、
ちゃんと半夏厚朴湯の証があるのです。
先に聞かなくても手を置いた腹証で判ります。
逆に言えば茯苓飲だけの状態ではめったに来ないわけですから、
この状態だったらほとんど茯苓飲合半夏厚朴湯だなということで、一発診断です。

こういうのも繰り返しおなかを触るのです。触ることで術者の気は亢まります。
一臓診断も繰り返しやるのです。脈診もとにかくやってください。
望聞問切の中の切診はとにかく繰り返してやるのです。
頭で覚えようとしても絶対できません。もう繰り返し、繰り返し脈を取り、
おなかを触り、皮膚も気になるなら触り、舌診も
本当に相手のつばが飛んでくるぐらいに近づいてでも
-SARSがはやりだしたらちょっと怖いですが、ぜひそうでない限り
一所懸命近づいて見てください。
それぐらいやり続けることで診断能力というのは上がってきます。

第17回「さっぽろ下田塾」講義録
http://potato.hokkai.net/~acorn/sa_shimoda17.htm


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