これまでにも幾つか認知症についての記事を書いてきた。
「認知症と漢方」
「認知症と漢方2」
「痴呆症 脳萎縮」
そこで繰り返し取り上げたのは、病位は“脳”かもしれないが 関与する臓器は「腎と脾」で、病理は「痰濁と淤血」であるとの主張でした。
脳といえばすぐに腎とのつながりばかりを注目しやすいが、いくら腎虚を補っても 認知症を食い止めることは出来ません。
高齢者は五臓六腑の中でも脾腎の功能の衰退が最も大きい。
腎虚になれば制水が不能となり,脾虚になれば水湿の運化が不能になる。
水湿が内停して,聚って液化すれば痰と成る;
また腎陰が不足して,虚火が内擾し,津液を灼傷すれば,煉液して痰に変わる。
或いは肥甘厚味を過食し,労倦や内傷から,脾陽を損傷すれば,
中気は不足となり,運化は失司し,痰濁内停になり,清竅を上擾し,
髄海は渾濁し,神機が失用し,痴呆や神志異常の症状が出現する。
中医では“久病には必ず淤血が伴う”という。
王清任は 呆病とは“気血が凝滞して脳気と臓腑の気が繋がらなくなった”ためで
あるとして,《医林改錯》の中でも“凡そ淤血が有れば人をして善忘ならしむ。”
といっている。
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