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無教会全国集会2014

2014年度 無教会全国集会ブログ

第2分科会「韓国キリスト者と共に生かされて」

2015-03-08 13:39:52 | -2 韓国キリスト…



出席者10名  司会者のお祈りの後、自己紹介があり、その中で出された4つの問題について話し合いました。

1 韓国と北朝鮮の統一について  
2 従軍慰安婦問題  
3 ヘイトスピーチについて    
4 関東大震災時の朝鮮人差別について

1 韓国と北朝鮮の統一について

・統一はどちらにしても悲願。統一はしたいがこれを進めて行くには、いろいろな事情があるようで難しいようだ。

・友和会の読書会で読んだ本「東アジアの危機」の中に書かれていることであるが、統一を望むかの問いかけに今の若者は「望まない」と。その理由は、今でも就職が難しい、特に中小企業では厳しい。統一したら韓国の経済が持たないであろう。開城工業団地へ進出しようと考える人は多いし、これまでのように情報が遮断できなくなれば、それらが交流の地ならしにならないかと。民衆レベルの交流を進めていくのが大事で、韓国と日本の民衆の力がどのように連携していくか考えなければいけない。 

・日本の全国愛農会と韓国の正農会は30年来交流があるが、そこにおいても南北の統一は悲願である。北→北朝鮮が一番困っている食料事情については、日本が持っている技術力、生産力を吸い上げてうまく届けられないか話題になる。しかし北→北朝鮮側の政府の管理、チェック下におかれるという状況があり、政府レベルでは難しく壁がある。

・日韓青年友和の会に関わってきた。南北の人たちの願いは一つになることだが、三代目になったいま、若い人たちはそのように考えていないようだ。主な理由は経済。ドイツ方式でやったら韓国の経済は潰れてしまうと。政治的には、2000年に金大中が北→北朝鮮へ行って話をした。38度線で対立はしているが、もうかつての朝鮮戦争のようなことはしない。いますぐ統一する必要はないと考えている。

 政治的には、中国の現体制は、北朝鮮はそのままでいてほしいと考えている。北朝鮮が核開発をするのはアメリカに話し合いの場に出てきてほしいためで、願いは平和条約を結び国家として認めてほしいと。心情的、血族的には早く一緒になりたいとの思いがあるが、こうした国際政治と南北の違いがある。50年、100年先をみてお互いを認め合いながら、長い視点で見て行く事が大切ではないか。

・北朝鮮は体制維持のため圧政を敷き国民は疲弊していると言われている。長くは持たないのではないか。

・そう簡単にはいかない。戦前の日本がどういうものであったか考えると今の北朝鮮がわかる。徹底した教育をして生活は苦しいが大多数の人はその中で結婚し、勉強し生活している。飢餓や列車襲撃事件などもあると聞くが、2500万の人たちが立ち上がらないのは洗脳されているからである。

・一方に中国の一党独裁体制が、いつまで持つかという問題がある。デモが信じられない件数で起きている。韓国では愛の米運動で北→北朝鮮へ米を贈っている。日本は理解を得る難しさはあるが、北→北朝鮮へミルクを贈る運動をしている。如何に交流をどんどん進めていくかが大事である。 

・私の友人は、「言葉が通じ合わなくなって来ている、だから交流しなくてはいけない」と憂えていた。8月に会った高校の先生は、統一がいつ実現しても良いように準備しておきたいと。小学校の先生は、朝鮮半島に住んでいることで昔から何度も攻められてきた。朝鮮半島の位置が、朝鮮半島にいることが悩ましい、と話されていた。具体的には、北朝鮮の立ち行かなくなること。中国のこともあるが、統一は神様の力によって成されると思う。その動きに祈りを合わせたい。平和的そして自主的に統一が成されると良い。

・北朝鮮のキリスト者はどのくらいいるのか。→数字では10,000人と。隠れたクリスチャンはいるであろうが数は分からない。             

・統一が叶えば、将来東アジアに一つの経済圏ができる。これは世界的希望となる。

・統一して初めて日本人として罪責の思いが、少し軽減されると感じる。

2 従軍慰安婦問題について

・キリスト教矯風会に長年属している。政府も国会においても政治家はこの問題を小さく見て、日本に責任がないような表現をしている。この事は恥ずかしい。ドイツの政治家はアウシュヴィッツの前で頭を垂れ、大統領はその演説をしている。同じ敗戦国でも違う。その国の政治は主権者の民度によるというが、日本はそれが低い。慰安婦問題を戦後処理の問題として完結させなければ、世界から信頼されなくなる。国際機関では議決されている。日本の政治に表れている、そして民意に表れる状態を一市民として一主権者として嘆かわしく思う。

・戦争責任ということで日本は政治的に償いをしているのに、なぜ慰安婦問題が出てくるのかずっと理解できないでいる。双方の受け止め方が違ってきている。国として、国民としてこのことをどう償っていくといいのか、この思いを持ち続けている。

・ドイツや韓国と比べてキリスト者の力が弱いのも一つの責任と思う。

・謝罪し続けること、そうして教育の場できちんと教えることが大事。この問題の根本は人権を無視したままその責任を負うことをしないところに問題がある。

・河野談話があったのに、朝日新聞の取消しを利用し国の責任がなかったごとくマスコミに流す。またマスコミも悪く、それに乗って弱者のために頑張るということが少なくなっている。日本の上の方にいる人の責任の取り方が問題。謝るだけ謝る、それだけではだめで国の責任を認めた上で謝罪しなければいけない。

 ――国家賠償と女子挺身隊について――

・日本が戦争に負け、朝鮮半島は独立を回復したが結果的には南と北に分かれた。その後20年経て漸く韓国と国交が回復して1965年日韓条約が結ばれた。これは韓国国民の大多数の反対を押し切って結ばれ、屈辱外交と言われている。日本は5億ドルの補償金を20年遅れたが、韓国独立の祝い金として出している。この時点で日本は植民地支配に関しては済んだとした。

 朴正煕政権はそれで経済の基盤作りをした。以後日本と韓国の経済が、がっちりと組み合わなければやって行けないようになった。このような状況下では、かつて慰安婦であった人はとてもじゃないけど言い出せない。政権が倒れた後、90年代に入って漸く声を挙げ始めた。何で今ごろというのには、このような背景があった。この時点で、日本は知らなかった申し訳なかったと政府が対処していれば問題は無かったと思う。しかし1965年の条約で解決済みとしてそれに応じなかった。ところが韓国の人たちは条約を結んだ時点では、これについての話し合いは何もなされていないではないかというかたちで出てきた。日本政府はこの時点で対応を間違えたと思う。

 女子挺身隊は、日本の労働力として働かされた。挺身隊と従軍慰安婦と同一視するから30万という数字になってしまう。この数には疑問符がつく。もう少し厳密に韓国で報道されるとよかったが、それがなされないまま問題化し政治、社会の問題となって今に至っている。

・戦場で軍が関与していなければあのような施設はなかった。また、戦争が終わったあたりでずいぶん書類を焼いている。従軍慰安婦と言われる人がすべてそうであったかという問題は、もっと厳密に考えなければいけないが、しかし自分の意思に反して強制された事実はあった。そのことを無かったことのように言う逆の動きが出て来ている。これは日本側の問題である。

・朝日新聞が、吉田清治さんの発言の裏づけが取れなかったと書いたことをもって、そういうことがなかったとの言論が横行しているのは憂うべきことである。もし日本政府が河野談話を撤回したら、それは東京裁判の否定にも連なり、日本は戦争で侵略した側だということを否定する歴史の始まりだと言うことになる、と藤原帰一氏は言っている。

3 ヘイトスピーチについて

・新大久保で住民が聞いている。若い人が嬉々として聞いていたようだ。

・若い人だけでなく中年の女性も多いと。

・この報道で気になるのは、人種差別と言っているが民族差別である。

・社会的に恵まれていない人が標的を作りいじめて、憂さ晴らしをしているのではないか。

・ネットの力も大きい。

・教育の問題で中学、高校の歴史教育に問題があると思う。

・八重山では教科書問題があった。本屋にいくと中国脅威論や“韓国人に馬鹿にされてはだめだ”とか“日本人としての気概をもて”とかこうした言葉が見られる。若い人はなぜこうした世論についていくのか。教育の問題と思う。竹富町は小さい単位だから自分たちのお金を出して“東京出版”の教科書を使うことができたが、あれでは済まない。これから本格的に公民化教育→(文脈上、「皇民化教育」が正しい?)をどうすすめるか、文部科学省は考えてくると思う。

・私教育が大事になってきますね。

・月2回無教会で聖書を学ぶ機会があり、あとは教会に行っている。ここでは心を育てる教育を教会がしていかなくてはと、指導する先生が信仰をもって献身的にやっている。小さな営みではあるが、公教育に任せられないということで教会の中から種播きをしている。このような教会がもっと出来てほしいと子どもたちにも言っている。終戦後はアメリカの宣教師がきて教会へ行く人がいたが、その宣教師も引き上げていった。教団の教会も無牧になったり、信徒も少なくなった。高齢化の問題もある。今は心を満たすものがあるから教会に行かなくても間に合っているというか、生活に支障がない。そういう社会になっている。

・「幸福の科学」は日本が戦争をしたおかげでアジアは解放されたなどと言って、そうした物を配る。そのバックにはすごい資金がある。ヘイトスピーチはそれをしている人たちではなく、その背後にものすごい資金をもつ闇の勢力があることに我々は危機感をもたなくてはいけない。

・議員会館のまえで座り込みをしていた時、“あんたいくらもらっているの?”と女の人たちの中から聞こえてきた。雇われてやっている。お金のある人たちのグループなのでしょう。

・先進国では、ヘイトスピーチなどが一番糾弾される事。かつてのナチスドイツの例を引いてあのような事をしないためには、そうした差別をしてはいけないと安倍首相が国会ではっきり言うとよい。

4 関東大震災について

・91年前の関東大震災では多くの朝鮮人が殺されている。最近の震災の後でも朝鮮の人たちを卑下し、口にするのも嫌な言葉が週刊誌にも見られる。なぜこうしたことが続くのか。

・日清、日露戦争以降日本は極東アジアの人たちを人間以下と見下し、一般の人たちもそう考えた。

 関東大震災の時なぜ朝鮮人の虐殺が起きたかと言うと、1919年に朝鮮で独立運動が半年くらいあったがそれに対して暴徒が……という言葉で報道され、日本は独立運動とは言わなかった。一般の人たちにも何と怖い人たちだという思いが根底にあった。震災のパニックの時に、毒を投げ込むとか暴動を起こすとかデマを流されれば、多くの人が信じてしまった。政府や軍の一部からも流れた。自警団を止めるどころか、逆に警察が黙認したり留置場にいれた。

 阪神淡路大地震の時、もう一度あのような事件が起きるのではと心配したが、現地ではかってのようなことはなく、寧ろお互いが助け合うことができた。日本の社会は変わってきたと感じた。

 歴史を教える立場であるが、平和教育というと広島、長崎の被害ばかりであったが、ある時から加害のことも教えるようになってきた。今は戦後60数年の民主教育がどこまで国民の力になっているか、それが試される。しかし最近の右寄りの動きを見ていくと、こうした加害の歴史をよく知らないというか社会にたいする不満があるように思う。

 以上、発題者の感謝のお祈りがあり散会となりました。

おわりに

 前日の発題者の話を受けて、参加者が今思うことを自由に話し合いました。

 韓国が身近な国であることを改めて知らされ、友好を結んでいくことの大切さに思いを寄せつつ、日本が抱える課題も明らかされた話し合いでした。