トーキング・マイノリティ

読書、歴史、映画の話を主に書き綴る電子随想

フェルメールと17世紀オランダ絵画展

2022-11-20 21:40:36 | 展示会鑑賞
 宮城県美術館の特別展「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」を鑑賞してきた。宮城県美術館は11年前にもフェルメールの特別展「フェルメールからのラブレター展」を開催していたが、この時公開されたフェルメール作品は3点のみだった。 それが今回の特別展は「窓辺で手紙を読む女」1作だけ。元から作品数が少ないにせよ、特別展名からはフェルメールの絵が他にも展示されているのでは……と . . . 本文を読む

ネットにみる宗教活動 その二

2022-11-17 21:10:04 | マスコミ、ネット
その一の続き 改行全くなしの見辛い長文だが、一応敬語は使っているので、さい氏には以下のレスをした。 コメント、ありがとうございます (mugi)2007-04-26 22:21:17さいさん、初めまして。>学会員の中には良い人も沢山いると思いますもちろんそのその通りですが、その理屈ならばゲシュタポや特高の中にも良い人も沢山いるとなりますね。個人では善人であれ、組織に忠実に従うならば、上部に命令さ . . . 本文を読む

ネットにみる宗教活動 その一

2022-11-16 21:30:14 | マスコミ、ネット
 7月に安倍晋三元首相が凶弾に倒れてから今日に至るまで、メディアが統一教会を取り上げない日はない。選挙対策のために統一教会の悪行長年放置してきた自民党の責任は極めて重いが、連日統一教会問題を取り上げるТVや野党の姿勢も異常としか見えない。 そして統一教会よりも巨大な宗教団体・創価学会の政党・公明党も政権与党だが、こちらは殆ど追及されない。実は2006年10月、3回に亘り池田会長を批判した記事をアッ . . . 本文を読む

第二次世界大戦下のトルコ社会

2022-11-10 21:10:30 | 読書/中東史
『一冊でわかるトルコ史』(関 眞興 著、河出書房新社)を読了した。図書館の新刊コーナーにこの本が展示されていたので借りて見た。私は“一冊でわかる○○”を謳った書はイージーすぎるイメージがあるので、まず見たことがなかった。 にも関わらず今回借りたのは、表紙や本中のイラストが可愛かったため。イラストを見て決めるというのもアバウトだが、イラストの影響は大きい。読んでみて思ったより . . . 本文を読む

学習塾について

2022-11-07 22:01:00 | 世相(日本)
 先日、「「家にテレビがない」という子は国語力が低い…塾講師が「子供にはテレビをどんどん見せて」と訴えるワケ」というネット記事を読み、学習塾について考えさせられてしまった。今の日本の子供たちは学習塾に行くのが当たり前になっているのか?少なくとも教育熱心な親であれば、我が子を学習塾に入れるのが普通になっているのだろうか……  実は私(1960年代前半生れ) . . . 本文を読む

動物農園

2022-11-04 21:10:08 | 読書/小説
 やっと『動物農園』(ジョージ・オーウェル著、中央公論新社)を読了した。ジョージ・オーウェルといえば、全体主義国家による支配を描いたディストピア小説『1984年』が有名だが、この作品を私は未だに読んでいない。本作もオーウェルの代表作として知られるが、タイトルだけは知っていても未読だった。 マスコミで結構『1984年』のストーリーは解説されていたが、1984年時点でこのような社会は実現しそうもないよ . . . 本文を読む

「家にテレビがない」という子は国語力が低い?その二

2022-10-31 21:15:09 | マスコミ、ネット
その一の続き 久松由理氏には『国語の成績は観察力で必ず伸びる』(かんき出版)という著書があり、今年4月に発売され、Amazonレビューは高評価ばかりだった。この本は未読なので、氏の観察力のレベルは不明。 しかし、ネット記事「「家にテレビがない」という子は国語力が低い…塾講師が「子供にはテレビをどんどん見せて」と訴えるワケ」に目を通しただけで、想像力に乏しい人という印象を受けた。或いは . . . 本文を読む

「家にテレビがない」という子は国語力が低い?その一

2022-10-30 21:15:19 | マスコミ、ネット
 先日見たイスラム思想研究者・飯山陽氏のツイートには驚いた。このツイートで初めて久松由理なる塾講師がいたことを知ったが、こんな異常な主張をする者が塾講師をしているのか。「noteマガジン:テレビを見ない子は国語力が低い!だからテレビを見せろ!という塾講師の主張がヘンである件について書きました。それってテレビがない時代の人間の営みを思いっきり否定していますが、あなた、国語のプロを名乗っててそれで大丈 . . . 本文を読む

NHKスペシャル 新・幕末史

2022-10-27 21:10:09 | 音楽、TV、観劇
 録画していたNHKスペシャル 新・幕末史を見た。新・幕末史は「第1集 幕府vs列強 全面戦争の危機」(10月16日放送)、「第2集 戊辰戦争 狙われた日本」(10月23日放送)と2回に亘り放送されている。NHKの番組HPには詳細な内容が載っており、なかなか見ごたえのある特集だった。第1集のHPは次の文章で始まる。 ―これまで、日本史の転換点として語られてきた「幕末」。今、海外で幕末に関する発見 . . . 本文を読む

「覇権」で読み解けば世界史がわかる その三

2022-10-24 21:41:27 | 読書/ノンフィクション
その一、その二の続き“ご都合主義”むき出しのキリスト教徒と対照的に、信仰には極めて敬虔で真摯なのがムスリム。もちろんムスリムの中にも戒律破りはいるし、世俗的な信者もいる。それでもコーランの教義は絶対であり、棄教は今でも許されない。 イスラム圏は現代でも、コーランの教えが政治・経済・法律・軍事・文化・学問の隅々まで浸透した社会であり、近代化の際、「キリスト教的価値観の中から生 . . . 本文を読む

「覇権」で読み解けば世界史がわかる その二

2022-10-23 21:30:13 | 読書/中東史
その一の続き 中東の超大国だったオスマン帝国も衰退していくが、その理由を著者はこう述べる。「長い平和と繁栄が、政治・社会を腐敗させ、制度を硬直化させ、軍隊を弱体化させたため」(171頁)  以下は理由の前の説明文。「歴史を紐解けば、平和というものは半世紀続くことすら稀です。しかし、オスマン帝国はスレイマン大帝のころから100年という長期にわたって平和を甘受しました。 この「あまりにも長すぎる平和 . . . 本文を読む

「覇権」で読み解けば世界史がわかる その一

2022-10-22 21:10:11 | 読書/中東史
『「覇権」で読み解けば世界史がわかる』(神野正史 著、祥伝社)を読了した。2年ほど前、河北新報で本書の文庫版が紹介されていたので、何時か読んでみようと思っていた。行きつけの図書館でそのソフトカバー版を見かけたため、借りて読んだが、思った以上に面白かった。本書の表紙裏にはこんな内容説明がある。「ローマ帝国、中華帝国、イスラーム帝国、大英帝国、アメリカ合衆国―歴史上、覇を唱えた「世界帝国」。それらの国 . . . 本文を読む

ハレム―女官と宦官たちの世界 その四

2022-10-17 21:30:17 | 読書/中東史
その一、その二、その三の続き 第七章「ハレムと文化」では、ハレムが文化の担い手だった実態が描かれている。特にハレムでは音楽と芸能が重んじられていたという。イスラムでは原則として、歌舞音曲は好ましからざるものということになっているが、実際にはムスリム諸王朝の君主や高官らは歌舞音曲を楽しんでいた。 当然オスマン帝国の宮廷においても、音楽や芸能は一般的だった。小姓の中でも才能を持つ者が芸を磨き、ハレムの . . . 本文を読む

ハレム―女官と宦官たちの世界 その三

2022-10-16 21:30:21 | 読書/中東史
その一、その二の続き 本書にはテーマにちなんだ11編のコラムが載っており、私的にはコラム7「キラー・カドゥンたち――ハレムに出入りしたユダヤ教徒の女性商人」が最も興味深かった。ユダヤ人はイスラム圏でも学才と商才を活かして活躍していたのだ。 レコンキスタ完了後、迫害を逃れるため多数のユダヤ教徒がオスマン帝国に亡命する。彼らはそのネットワークを生かし、オスマン帝国において商業や医療に携わり活躍した。1 . . . 本文を読む

ハレム―女官と宦官たちの世界 その二

2022-10-14 21:30:31 | 読書/中東史
その一の続き 本書で最も興味深かったのは、第六章「内廷の住民たち」の三部「啞者―静謐の担い手」。内廷とはスルタンの生活の場で、ここの住民はスルタン、スルタンの身の回りの世話をする小姓、小姓を監督する白人宦官に加え、小人や啞者もいた。基本的にはスルタンが私的生活を送る場が内廷であり、そのため内廷も広義では「ハレム」と呼ばれることがあるそうだ。「古今東西の王宮で小人が活躍していることに比べて、啞者を抜 . . . 本文を読む