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ラエリアン・ムーブメント
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■毎朝すっきりと目覚めるために、大事なことを専門家に聞いてみた
毎朝、ベッドから元気よく飛びだす人もあれば、やっとの思いでのろのろ起きだす人もいる。朝型の人をうらやましく感じる私たちが、もっと楽に起床できる方法はないのだろうか。
朝になると、脳は睡眠から覚醒状態に移行しなければならない。「起きてから脳がいわばオンライン状態になるまでに、少し時間がかかるのです」と、米オレゴン健康科学大学の睡眠・時間生物学・健康研究所のアンドリュー・マックヒル所長は説明する。脳の起動中は、頭がもうろうとして混乱を感じることがある。
マックヒル氏によれば、これは「睡眠慣性」または「睡眠酩酊(めいてい)」として知られる極めて正常な感覚で、通常は起床後20~30分間続く。だが、それ以上長く続くなら何らかの理由があるかもしれないとマックヒル氏は言う。考えられるのは、睡眠の時間が足りない、睡眠の質が悪い、目覚めた時の睡眠の段階、まれに睡眠障害などだ。
ナショナル ジオグラフィックは、目覚めの悪さの対策について専門家に話を聞いた。最高の気分で目覚める、あるいは少なくとも気分よく起床するためにできることを紹介しよう。
安定した睡眠スケジュールと十分な睡眠時間を維持しよう -
実行は容易ではないが、目覚めの悪さを改善する最良の方法は十分な睡眠をとることだとマックヒル氏は話す。一般に睡眠の専門家が勧めるのは7~9時間の睡眠だが、必要な睡眠時間は人によって異なる。
米ミシガン大学の精神医学教授で睡眠・概日研究所の共同所長であるヘレン・バージェス氏は、大まかな目安として、目覚まし時計が鳴る前にいつも自然に目覚める程度の睡眠時間を勧めている。
また、専門家は、安定性も重要だと述べている。週末を含めて毎日一定の時間に就寝・起床すれば、よりスムーズな入眠と起床ができる。
「概日リズムにしたがう体内のシステムは、1日24時間の規則的な変化に生理機能を最適化させるべく、常にその変化を予測しようとしています」とバージェス氏は言う。たとえば、起床前には、日中の活動に備えて、ストレス・覚醒ホルモンであるコルチゾールやそのほかのホルモンが大量に分泌される。「睡眠スケジュールにばらつきがあると、概日リズムのシステムは起床時刻を予測できなくなってしまうのです」
適切な時間に就寝しよう -
就寝時間も重要なポイントだ。しかし、人によって適切な就寝時間も異なるので、注意が必要だ。
睡眠の研究では、通常、夜型と朝型の2つのクロノタイプ(朝型・夜型の傾向)に人々を分類する。夜型の人は夜更かしして朝は遅く起きる。朝型の人は早寝早起きを好む。近年の研究では、この2つの型はむしろスペクトラム(連続した範囲)であり、だれでも、そのどこかに該当することが確認されている。
朝型、夜型はどう考える?
私たちの社会では朝型が高く評価されているので、早起きを勧めるアドバイスが圧倒的に多い。早起きと精神状態の改善や業務成績との関連を裏づける研究も確かにある。2021年に発表されたある論文では、1時間早起きするだけで抑うつ症状が軽減されると示唆された。一方、夜型の生活パターンと気分障害やそのほかの疾患との関連性を示す論文もある。
しかしながら、夜型のクロノタイプの人が生活パターンを変更すべきかどうかは、睡眠研究分野でも意見が分かれている。バージェス氏によると、夜型の人が体調不良に陥るのは、その人の生まれ持った睡眠パターンのせいではない。社会が朝型向けにできているので、仕事や付き合いに合わせて自分の睡眠を犠牲にしなければならないからだという。
米ジョンズ・ホプキンス大学の精神医学・行動科学助教、モリー・アトウッド氏は、就寝時間に関する生来の好みはほぼ変えられないと話す。私たちのクロノタイプは遺伝子によるものであり、細胞レベルで組みこまれている体質だからだ。
したがって、アトウッド氏は、それぞれが自分の体の声に耳を傾けて、生まれ持ったクロノタイプに合う生活パターンを送るよう勧めている。「自分の体に合わない時間に就寝すると、必ず健康を損なうという研究結果が増えているのです」
クロノタイプに合わないような生活パターンに変更する必要があるときは、1日に15分以上ずらさないように少しずつ変えることを、バージェス氏は提案する。「最悪なのは、急に1時間以上の早起きを始めることです」
夜は暗く、朝は明るく -
私たちの脳は、主に明るさに基づく24時間周期で睡眠と覚醒をコントロールするシステムを発達させてきた。この概日リズムは、最も古い脳領域の1つである視床下部の神経単位のネットワーク「視交叉上核(SCN)」(しこうさじょうかく)が監督している。SCNの細胞は光に敏感で、周囲が暗くなると睡眠調節ホルモン「メラトニン」の分泌を開始し、明るくなると分泌を停止する。
安定した健全な概日リズムの確立には光が不可欠であることは、研究で示されている。目が覚めてすぐの光は覚醒を促し、高い抗うつ作用をもたらす。「朝の光は体内の概日リズムに強力な合図を送ります」とバージェス氏は言う。「多分、私たちが日中に受ける最も有益な光でしょう」
しかし、寝る前の光は私たちの概日リズムを混乱させ、寝つきを悪くすることがある。そこで専門家が勧めるのは、夜には携帯電話の画面を見ないで照明も暗くすることだ。夜型の人は人工光の影響を受けやすいことが確認されているので、こうした人々が夜更かしがちになるのは、遺伝子だけでなく周囲の光も関与しているのかもしれない。
スヌーズ機能に頼らない優しい朝を -
専門家によれば、もう少し眠りたいために目覚まし時計のスヌーズボタンに頼りすぎると、目覚めが悪くなる可能性がある。浅い眠りを繰り返して睡眠の断片化の原因になるからだと、アトウッド氏は言う。
健全な睡眠では、深い睡眠(徐波睡眠)を含む複数のノンレム睡眠や、夢を見やすいレム睡眠など、一晩にいくつもの睡眠段階を通過する。頻繁に覚醒すると、この睡眠サイクルが妨げられて睡眠の断片化に陥り、日中の疲労感や認知能力の低下を引き起こす。
運動は有効、アルコールとカフェインの影響は
覚醒した時の睡眠段階も目覚めに影響する。マックヒル氏によれば、深い睡眠の間に起こされると、浅いレム睡眠の段階よりも強い睡眠慣性が生じる原因になる。
スヌーズ機能ではなく、徐々に起こしてくれる目覚まし時計を利用すると、気持ちよく起床できる可能性がある。少しずつ明るくなる光目覚まし時計はどうだろうか。
日光の代用になる光はないとしても、目が覚めてすぐに人工の光を浴びるだけで気分が向上して睡眠慣性が緩和できることを複数の研究が明らかにしている。寝室にほとんど朝の日射しが入らない場合、光目覚まし時計で明るさを補うと、効果があるかもしれない。
運動は有効、アルコールとカフェインは避けて -
すっきりと目覚めるために、ライフスタイルを少し変えてみるのも手だ。
「運動は、睡眠の改善に最適です」とバージェス氏は言う。運動の結果、回復効果が高い周期的な深い睡眠の質が向上するので、翌朝に熟睡感が感じられるのだ。運動がスムーズな入眠と不眠症の改善を促すことも、複数の研究で裏づけられている。
しかし、夜に通常より激しい運動をすると不眠につながることがあるので、就寝直前の過度の運動は逆効果だと、専門家たちはクギを刺している。「運動によりますが、激しい有酸素運動などをした場合、体が落ち着くまでに時間がかかるのです」とバージェス氏は説明する。
また、朝のコーヒーが欠かせない多くの人には残念なことだが、1杯のコーヒーが貴重な徐波睡眠を損なうこともある。「朝7時頃にコーヒーを1杯飲んだだけでも影響があります」とバージェス氏。カフェイン入りの飲物をやめるのは簡単ではないので、せめて正午以降は飲まないように、とバージェス氏は提案している。
アルコール飲料を控えることも、睡眠の改善を促す。アルコールを摂取すると寝つきは良くなるが睡眠の質は低下することが研究で示されている。「アルコールは強力な睡眠導入剤ですが、睡眠の後半に悪影響が生じるのです。だから、アルコールは勧められません」とバージェス氏は話す。
そして最後に -
十分な睡眠をとっても疲労感が消えないならば、睡眠障害がないことを確認するため、睡眠専門医の診察を受けるようアトウッド氏は助言する。「私たちのような専門医はたくさんいますし、睡眠の質を改善させたり、すっきりと朝を迎えるための有効な治療法もあります」
【元記事】
https://natgeo .nikkei bp.co.j p/atcl/ news/24 /011900 038/
●「平和のための1分間瞑想」
https://www.ra elianja pan.jp/ 1m4peac e
●日本ラエリアン・ムーブメント
https://www.uf olove.j p
●無限堂出版
http://www.mug endo.co .jp/ind ex.html
最後までお読みいただきありがとうございました。
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