面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

研究者が研究のことだけを考えていられる幸せな時代は終わった

2023-05-11 19:17:33 | 政治
~~引用ここから~~
「私は使い捨て」雇い止めの東大助教 50代で直面した研究界の現実:朝日新聞デジタル

「私は使い捨て」雇い止めの東大助教 50代で直面した研究界の現実:朝日新聞デジタル

■A-stories 研究者を「使い捨て」にする国 3月31日朝、東京大学の生命科学系講座の助教だった50代の男性は、研究室の郵便受けに入っていた最後の辞令を手にした。 「令和...

朝日新聞デジタル

 


A-stories 研究者を「使い捨て」にする国

 3月31日朝、東京大学の生命科学系講座の助教だった50代の男性は、研究室の郵便受けに入っていた最後の辞令を手にした。

 「令和5年3月31日限り任期満了退職」

 片付けの終わらない自席で、ため息をついた。

 「自分の研究は、大学にはいらなかったんだな。これって、使い捨てされたのと一緒じゃないか」

 有期雇用が通算10年を超える直前に契約を打ち切られる「雇い止め」の通告だった。

 この1年間、研究のかたわら、死にものぐるいで研究職への応募を続けてきた。

 履歴書や研究業績書を送った地方大学や研究機関は約15にのぼったが、どこにも採用されなかった。

 子ども2人の教育費もかかるなか、共働きの妻には心配をかけられない。家族に相談もできず、ストレスのせいか、年末には全身が見たことのない湿疹でいっぱいになった。

 世界の食糧危機を救えればと、東大で研究を始めてから15年。この間、必死に頑張ってきたのに……。

 明日から、自分が打ち込むべき仕事はない。

 「自分で言うのも何ですが、研究業績には自信がありました」

 英ネイチャー系の有名誌や国…(以下有料)
~~引用ここまで~~


大学の研究者が雇い止めに合い放り出される実態を書いた朝日新聞の記事だ。朝日新聞は大学が研究者を「使い捨て」にしている実態を報道するだけマシかもしれないが、このような日本を作り出したのは財務省であり、財務省の犬になり下がった新聞なのである。

つまりこういうことだ。別に東大も研究者を使い捨てにしたくてしているわけではない。金がないのだ。つまらない話だが、財務省が国立大学への補助金を削減したからだ。その結果である。

金がなければどうするか。個人であれ組織であれ収入を増やすか支出を減らすかあるいはその両方しかない。

だが国立大学が学生の入学金と授業料を上げるには限度がある。私立大学に比べて安いのが国立大学なのだからあまり上げられないのだ。それでもそれなりに高くなっているが。

そうなれば支出を減らすしかない。人員削減だ。正規研究者を非正規研究者に。非正規研究者を正規雇用を義務付けられたから10年で「雇い止め」に。

もはや40代以下の若手研究者の7割が非正規雇用だという。大学への補助金を削減した当然の帰結である。

朝日新聞は研究者を使い捨てにすることを批判しているようだし、それは全く正しいが、財務省の犬になり緊縮財政を主張してきた朝日新聞にその資格はあるのか。

大学への補助金削減は小泉純一郎内閣からだが、そのときに反対するべきだった。私も朝日新聞もこの雇い止めに合い使い捨てられた東大助教もだ。

国立大学を独立行政法人化して毎年1%大学への補助金を削減した結果だ。大学への補助金を削減することは國の科学技術力を落とす愚策なのだが、そのときは気づけなかった。

それどころか私は小泉純一郎と竹中平蔵の構造改革を支持してしまったのだ。痛恨の極みだ。

かつての自民党は「研究者は研究のことだけ考えていれば良い。待遇も金も用意する」という鷹揚かつ頼もしい政党であったが、今は世襲の愚図ばかり。財務省の傀儡になり緊縮財政を実行するどうしようもない政党だ。

もちろん野党が良いわけではない。民主党は菅直人と野田佳彦が財務省に洗脳され一丁目一番地の公約を破り消費税を増税したのだから。

れいわ新選組など積極財政を主張している政党もあるが力ある政党になるまであと10年は掛かる。雇い止めされた研究者を救うことはできない。

もはや研究者も研究のことだけ考えていれば良い幸せな時代は終わったと考えるしかない。政治だ。政治に関与するしかない。

東大にも労働組合のようなものはあるだろう。それに積極的に参加し、大学に金がなくとも「雇い止め」を可能な限り止めさせるのだ。

それだけではない。原因の根幹である財務省の緊縮財政を止めさせるしかない。財務省の官僚は東大法学部が主流を占める。東大助教が陳情できるかわからないが、東大出身者の財務省に緊縮財政を止めるよう働き掛けなければならない。

研究者の研究の時間や私的な時間を費やさざるを得ないが、研究者が研究のことだけを考えていられる幸せな時代は終わったのだ。政治に参加しないで研究者の身分は守れない。

東大には伊藤元重、伊藤隆敏、吉川洋という財務省の犬の経済学部(名誉)教授がいる。彼らに面会を申し込んで大学への補助金を削減するのを止めるよう財務省に逆に働き掛けさせねばならない。

財務省の犬の3人にそんなことをさせるのは至難の技なのだが、それでもやるしかないのだ。研究者の身分を守るためには政治に参加するしかないからだ。

国立大学協会などは大学への補助金を増やすよう発言しているがそれだけでは弱すぎる。東大の総長(学長)が読売新聞か朝日新聞に大学の窮状とそれによる科学技術力の低下について寄稿して世の中に大学予算を増やすよう訴えるべきだ。

他に自民党の国会議員に陳情したり、財務省に陳情したりやることやれることはいくらでもある。

だが例えばLGBTや同性婚などに関して進歩的あるいは保守的な考えを持っていてもそれを出してはならない。一般国民が引いてしまうからだ。研究者が関わる政治は教育費・科学技術費の増減に限るべきだ。それの一点突破しかない。

だからアカの巣窟である日本学術会議は何の役にも立たない。雇い止めされて使い捨てにされる研究者のことなどこれっぽっちも考えていないではないか。

全ての原因は財務省の緊縮財政にある。緊縮財政を止めさせて積極財政に転換することしか解決策はない。それを研究者も政治に参加して実現させねばならない。研究に打ち込んでも成果を出しても研究のことだけを考えていられる幸せな時代は終わってしまったからだ。政治に参加しないで研究者ではいられない。

大学を所管する文部科学省には何の力もない。自民党と財務省に働き掛けて大学への補助金を増やすしかないのだ。

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