面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

ロシアを追い詰めすぎてはいけないのか?

2023-05-23 18:23:52 | 外交・安全保障・国際
G7サミットで日本は岸田文雄はウクライナのゼレンスキーを招待し、ウクライナへの支援を改めて宣言した。私はそれは正しいと考える。

ロシアのウクライナ侵略はロシア版満州事変のようなものと以前書いた。NATOの東方拡大がロシアを追い詰め、目と鼻の先のウクライナにまで米国の工作で親米政権を樹立したことがウクライナ侵略の引き金となったのだ。

それはわかる。鈴木宗男はあまりにロシアの代弁者過ぎて相手にされていないが、ウクライナ侵略もロシアにはロシアの主張と正義と国益があるのだ。それまで否定することはウェストファリア条約の否定で中世の「正義の戦争」に戻ってしまう。

ウェストファリア条約により戦争には善も悪もない。ただ国益があるのみということになった。正義の戦争ということになれば相手を滅ぼすまで終わらせられないからである。

ただこれも第一次世界大戦と第二次世界大戦を経てさらに「修正」され、「侵略戦争」はしてはいけないことになった。「自衛戦争」のみ許されることになった。何をもって「侵略」とするか何をもって「自衛」とするかは各国に任せられる形だったのだが。

だからブッシュのイラク戦争は許されない戦争なのである。明らかに自衛戦争ではないからだ。大義名分はなく、後から付け足した「大量破壊兵器」もイラクは保有していなかった。イラク戦争は不法な侵略戦争と断罪するほかない。

当時私は高校生で小泉純一郎の「北朝鮮に侵略されたら米国に守って貰うしかない(からイラク戦争を支持するほかない)」という話を信じてしまったのだ。若いとはいえ痛恨だ。

産経新聞など戦争に大義などないなどとするイラク戦争を支持する社説まで書いた。今じゃ触れたくない過去らしく頬かむりだが。朝日新聞はイラク戦争に反対までいってたか覚えていないが、少なくとも支持はしていなかった。イラク戦争に関しては朝日新聞が正しかったと認めざるを得ないのだ。

だから大東亜戦争における日本の主張と正義と国益まで否定する韓国にはうんざりなのである。ウェストファリア条約を持ち出しても戦争に敗北すればその「正義」は否定され、「侵略者」として断罪されるのが世界の厳然たる掟ではある。負け犬は正義を語ることは許されぬのだ。

だが韓国がいかにも正義面して日本を断罪するのが憎らしい。北朝鮮より憎く思える。その韓国の考えを引用しよう。

~~引用ここから~~
【コラム】文明国の日本が抜け出すべき「被害者意識」

【コラム】文明国の日本が抜け出すべき「被害者意識」

中央日報 - 韓国の最新ニュースを日本語でサービスします

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韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が徴用問題で大きく譲歩した後、岸田首相も前向きな姿勢を見せている。主要7カ国首脳会議(G7サミット)開催地の広島で韓日首脳は韓国人原爆犠牲者慰霊碑を初めて共に参拝した。大きな慰労になった。しかし日本では「原爆加害国・米国」のバイデン大統領が謝罪をすべきだという声も出てきた。

強制徴用と慰安婦動員の加害者である第2次世界大戦の戦犯国・日本が被害者に転換される場面だ。戦後日本の「被害者意識」は謝罪と反省をためらわせた。こうした奇妙な心理構造をつくったのは戦勝国の米国だった。裕仁天皇を退位させれば日本社会が崩壊すると判断し、免罪符を与えた。

東京戦犯裁判はナチを断罪したニュルンベルク戦犯裁判とは異なる状況だった。『敗北を抱きしめて(Embracing Defeat)』の著者ジョン・ダワー米マサチューセッツ工科大学(MIT)名誉教授は「『勝者の証拠』を操作して敗戦国の首長を救済する形態」と批判した。「A級戦犯」は団結して天皇を保護したが、一つ失敗があった。首相として戦時内閣を率いた東条英機が「天皇の意に反する行動をすることは考えられない」と述べたのだ。

すると首席検事のジョセフ・キーナンは天皇補佐担当機関を通して証言を撤回すべきだと懐柔し、東条は受け入れた。マッカーサー連合国最高司令部の歴史歪曲だった。責任者の天皇が責任を負わないため国民は言うまでもなかった。そこに広島と長崎が人類最初の核爆弾攻撃を受けたという事実が重なった。

アジア全体を戦場にした日本は自国憐憫のアリバイを発見した。残酷な被害を与えながらも省察はなく、責任も負わなかった。ただ、占領国の米国の良き友になることを至上課題として疾走した。村山、小渕、菅首相の植民支配に対する反省・お詫びがあったが、政治家の妄言で色あせた。世界3位の経済大国であり文明国の日本がアジア統合の障害になった理由だ。

「被害者意識」を克服した巨人もいた。中曽根元首相は保守だったが、1984年に共産中国を訪問して数百億ドルの援助を提供した。その資金で北京と上海に空港と地下鉄が建設された。中曽根氏は「戦争時に苦難をもたらしたことに遺憾を表明するため援助金額を増やそう」とし、頑固な官僚を説得した。趙紫陽に「中国は北朝鮮から、日本は韓国から密書を受け、南北対話を仲裁しよう」と述べた。日本首相として初めて1983年に韓国を訪問した当時は外務省の官僚にも諮問しなかった。

明仁天皇も『逮捕されて帰って来ることができない』という右派の反対を退け、1992年に中国を訪問した。「中国国民に対し多大の苦難を与えた」と認めて「深い悲しみ」を述べた。小泉元首相は2002年に平壌(ピョンヤン)を訪問し、植民統治について謝罪した。金正日(キム・ジョンイル)総書記は日本人拉致事件について謝罪した。北朝鮮訪問を終えた時、外務省審議官の家に「反逆者」というメモと共に爆発物が設置されたが、揺らぐことはなかった。

尹大統領が決断したが、「日本の植民侵略に対する免罪符」という韓国国内の批判は相変わらずだ。心情は理解するが、日本の侵略戦争で1000万人以上が死傷した中国の対処方式を見れば考えが変わるだろう。中国は自分たちが参戦した韓国戦争(朝鮮戦争)中の1951年にも、貿易を再開しようと「米国の兵たん基地」の日本に要求した。翌年、貿易協定が締結された。

中国専門家サイモン・リースは首相として中国外交を指揮した周恩来について「実用主義者の前では実用主義者、哲学者の前では哲学者、キッシンジャーに会えばキッシンジャーになった」とし「カメレオン」と表現した。1961年に日本社会党代表と合った毛沢東は「中国を侵略してくれて感謝する」と語った。日本軍が触発した混乱のため共産党が執権したということだ。我々も抽象的な理念と感情よりも現実的な国益と戦略を重視する必要がある。

ジャレド・ダイアモンドは著書『銃・病原菌・鉄』で「(韓日は)同じ血を分けて成長期を共に送った一卵性双子の兄弟のようだ」とした。笑いながら不意打ちを食らわせる「相互依存性の武器化(Weaponization of interdependence)」を破らなければいけない。「過去に留まる者は片目を失い、過去を忘れた者は両目を失う」というロシアの格言がある。韓日国交正常化60周年の2025年を目標に両国は歴史和解プロセスに入るのがよい。

両国が率先して中国と手を握れば、アジア特有の躍動的なエネルギーと数千年にわたり蓄積された文明の力が発揮されるだろう。欧州が羨むアジア平和・経済共同体を築くことができる。米国との健康な同盟関係構築にもプラスとなる。日本も尹錫悦式の決断を出す時だ。過去を直視し、新しい時代を開く尹錫悦-岸田宣言を期待する。

李夏慶(イ・ハギョン)/論説委員
~~引用ここまで~~


本筋ではないので多くは語るまい。しかしこんな國と友好など不可能だとわかる。日本人全国民に読ませたいほどだ。

ともかく大東亜戦争に日本には日本の主張と正義と国益があったように、ロシアウクライナ戦争にもロシアにはロシアの主張と正義と国益があるのだ。

その上で日本は日本の国益を追求する。それだけだ。ロシアにウクライナ侵略を成功させるわけにはいかない。そうすれば次は支那の台湾侵略でシーレーンが断たれてしまう。

バイデンなどは始めはロシアのウクライナ侵略を容認するかのごとき発言をしていたのだが。「米軍はウクライナでは戦わない」だ。つまりロシアがウクライナを侵略しても米軍を派兵しないと宣言したも同然だった。

他のG7首脳も似たり寄ったり。ロシアがウクライナを侵略してもロシアと戦争はしない、したくないと意味合いの発言をしていた。日本はいつも通り沈黙。こうした場合はいつもノーコメントで逃げるだけだ。

ウクライナがロシアの侵略に耐えたからこそG7はウクライナ支援を打ち出したのだ。侵略にはまず自国で立ち向かわなければ誰も助けてくれないのだ。未だに日本が防衛費を増やすことに反対の左翼を支那に侵略されたらどうするつもりかと一喝してやりたいほどだ。もちろん財源は国債しかなく増税は間違いだが。

そしてようやく本題だが、ロシアウクライナ戦争はバフムトで膠着している。ウクライナも攻勢に出たいのだが兵力が足りない。ロシアは西側の制裁と国民の徴兵忌避で手足を縛られているようなものだ。

そこに広島G7サミットでさらなるウクライナ支援を打ち出したのだが、ロシアを追い詰めすぎると核兵器の使用に至らないか、そういう懸念が米国ではあるようだ。日本ではマスコミが「報道しない自由」だからその意見があることさえ(一般)国民は知らない。







グーグルによる翻訳

これら 14 人の軍事安全保障専門家が、私が何か月も言い続けてきたこと、つまり「米国は世界の平和のための力となるべきである」を肯定しているのを読んで、とてもうれしく思います。米国の悲惨な対ウクライナ政策に対する彼らの批判は注目に値する。 #ケネディ24

ケネディジュニアの主張をツイッターから探してはいないのだが、それは藤井聡は信用したい。つまり米国はウクライナ支援を打ち切りロシアと和平交渉すべきということだ。

米国は兵士が一人足りとも戦死してはいないが、朝鮮戦争に似ている。当事者の韓国を無視して米国は北朝鮮と支那と停戦合意したのだ。ケネディジュニアの主張に従えばウクライナを無視して米国はロシアと和平交渉をすることになる。

領土はどうなるのかわからないが、少なくともクリミアはウクライナに戻るまい。ロシアはプーチンの面子を立てる必要があるし、米国は他国の領土を取り返してやるほど親切ではない。

ウクライナを全力で支援して少なくともウクライナ本土を完全に奪還させるのが正しいと考えていた。クリミアまで奪還させるべきなのかはわからない。だがそれにしてもロシアを滅ぼすまで戦争させるわけではない。

「落としどころ」が必要だ。そのためにはロシアと外交チャンネルを維持する必要がある。G7はどの国もロシアと国交は断絶していないし、大使もまだいる。

だがもはや完全にG7はウクライナ支援で軍を派遣しないこと以外は何でもやる勢いだ。外交チャンネルは機能していない。

しかしG7首脳もロシアを滅ぼすまで戦争するつもりではあるまい。プーチンを政権から逐うことも考えていないように思う。ゼレンスキーはどこまで戦争したいのかわからないが。

それには戦争と「外交」の両論が必要だ。今回のG7首脳会議でそのことも議論すべきではなかったか。

G7がウクライナを全力で支援してもウクライナが勝つと決まったわけではないのだが。

それにロシアを滅ぼすまで戦争するとなればプーチンは核兵器の使用が選択肢に上がる。核兵器を打てば戦争に勝つというものでもないが、どうなるか私には予測がつかない。ウクライナが激怒にして猛烈に反撃するのか、それとも戦力の大半を喪い敗北するのか。

そこまで考えるのが国家だ。米国国防省はいくらかは考えているとは思うが、日本は出たとこ勝負だろう。国家戦略なき我が日本国だから。何より岸田文雄にそんな器量はあるまい。外務省が考えているとも思えない。もちろん防衛省もだ。

G7がウクライナを全力で支援するのは良い。しかしロシアを滅ぼすわけではないのだ。追い詰めすぎると核兵器の使用があり得るからだ。どこかで外交決着を探る必要がある。それを岸田文雄以下政府は考えているのか不安で仕方ない。

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