面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

読売新聞社説を読んで毎日新聞のオフレコ破りについてもう少し考えた

2023-02-10 19:58:43 | マスコミ
更迭された荒井秘書官の問題発言について全国紙の社説を一通り読んだ中で、読売新聞が毎日新聞のオフレコ破りに疑問を呈していた。オフレコ破りが常態化すれば取材する側が口を紡ぎそれこそ国民の知る権利が阻害される、と。

毎日新聞のオフレコ破りについてネットでは当然賛否両論でオフレコ破りについて否定的な意見も多いのだ。私も毎日新聞の勝手な判断で破って良いものか疑問に思うのだ。

~~引用ここから~~
首相秘書官更迭 重責を担う自覚を欠いていた

首相秘書官更迭 重責を担う自覚を欠いていた

【読売新聞】 国の重要な政策決定の中枢にいる、という自覚を欠いていたと言わざるを得ないだろう。 岸田首相が、性的少数者(LGBT)や同性婚カップルを差別する発言を...

読売新聞オンライン

 


 国の重要な政策決定の中枢にいる、という自覚を欠いていたと言わざるを得ないだろう。

 岸田首相が、性的少数者(LGBT)や同性婚カップルを差別する発言をした荒井勝喜首相秘書官を更迭した。首相秘書官が失言で更迭されるのは、極めて異例だ。

 荒井氏は首相官邸で記者団に「(同性婚カップルが)隣に住んでいたら嫌だ。見るのも嫌だ」と述べた。同性婚の法制化についても、「認めたら、日本を捨てる人も出てくる」と語った。

 取材源を明らかにしないオフレコを前提とした取材だったが、まず毎日新聞が報じ、その後、本紙を含む報道各社が続いた。

 同性婚について、個人がどのような考え方を持とうと自由だ。「広く認めるべきだ」と主張する人もいれば、「不快だ」と思う人もいるに違いない。

 だが、首相秘書官は、政策決定や権力行使に関与する立場だ。しかも荒井氏の場合、首相のスピーチライターも務めていた。

 そうした重責を考えれば、荒井氏の発言は、個人の印象を語っただけ、ではすまなくなる。

 荒井氏の発言の2日前、首相は国会で、同性婚の法制化について「社会が変わってしまう課題だ」と述べていた。荒井氏には、首相の答弁を補う狙いがあったのだろうが、発言は度を越している。

 海外では、同性婚を認める国が増えているという。日本ではまだ、同性婚の法制化に社会的な合意があるとは言えない。

 だからといって、「日本が遅れている」という言説には違和感を覚える。各国にはそれぞれ歴史や文化の違いがある。それを認め合うのも、多様性の尊重だろう。

 社会の意識や時代の変化を踏まえつつ、冷静に、また慎重に議論を進めるべき問題だ。

 一方、オフレコを条件にした発言が報じられ、要人の更迭人事に発展したことは気がかりだ。

 オフレコ取材には、政策決定の背景などを知る狙いがある。

 毎日新聞は5日付朝刊で、今回の経緯について、荒井氏の発言を「重大な問題だと判断し」、「荒井氏に実名で報道する旨を事前に伝えたうえで」、記事をニュースサイトに載せた、と説明した。

 本人に伝えれば、オフレコも一方的に「オン」にして構わないというなら、オフレコの意味がなくなる。取材される側が口をつぐんでしまえば、情報の入手は困難になり、かえって国民の知る権利を阻害することになりかねない。
~~引用ここまで~~


何歳くらいまでそうだったか忘れたが、警察は犯人を逮捕する組織だと思っていた。つまり誤認逮捕や冤罪という言葉とそんなことがあることさえ知らないほど幼かった時分のことだ。政治について関心などなかったが、政府のやることに疑いなど持っていなかったし、ジャーナリズムという言葉も知らなかった。

少し長じて政治に関心を持つようになると政府のやることにマスコミが「粗探し」をするべきではないと考えるようになった。政府がやることは全て国民のためと思っていたのだ。まだまだ若いわけだ。だからジャーナリズムの意義について理解はなかった。戦後の一大事件「西山事件」は政府に「逆らった」毎日新聞が悪いと考えていた。

しかし長じて物事についてそれなりに知るようになると、警察や検察は無謬の組織ではないとわかってくるし、政治家のくだらなさが嫌でも目に入る。かなり長じてからだが西山事件について考え直すとジャーナリズムの側に立てば政府が隠す秘密をマスコミが暴くことは、あり得るとようやく考えられるようになった。

西山事件について知らない人はウィキペディアを参照して欲しい。

~~引用ここから~~
西山事件 - Wikipedia

西山事件(にしやまじけん)は、1971年の沖縄返還協定について、新聞記者らが取材で知り得た機密情報を国会議員に漏洩し、国家公務員法違反により最高裁判所で有罪判決が確定した事件である。別名、沖縄密約事件(おきなわみつやくじけん)、外務省機密漏洩事件(がいむしょうきみつろうえいじけん)。

(略)

概要

第3次佐藤内閣当時、リチャード・ニクソンアメリカ合衆国大統領との沖縄返還協定に際し、公式発表では地権者に対する土地原状回復費400万米ドルをアメリカ合衆国連邦政府が支払うことになっていたが、実際には日本国政府が肩代わりしてアメリカ合衆国に支払うという密約をしているとの情報を掴み、毎日新聞社政治部記者の西山太吉が、日本社会党議員に情報を漏洩した。

日本国政府は密約を否定。東京地検特捜部は、西山が情報目当てに既婚の外務省事務官に近づき、酒を飲ませ泥酔させた上で性交渉を結んだとして、情報源の事務官を国家公務員法(機密漏洩の罪)、西山を国家公務員法(教唆の罪)で逮捕した。これにより、報道の自由を盾に取材活動の正当性を主張していた毎日新聞は、世論から一斉に倫理的非難を浴びた。

起訴理由が「国家機密の漏洩行為」であるため、審理は機密資料の入手方法に終始し、密約の真相究明は東京地検側からは行われなかった。西山が逮捕されて社会で注目される中、密約自体の追及は完全に色褪せてた。取材で得た情報を自社の報道媒体で報道する前に、国会議員に当該情報を提供し国会における政府追及材料とさせたこと、情報源の秘匿が不完全だったため、情報提供者の逮捕を招いたこともジャーナリズム上問題となった。現在は女性事務官の名前を秘匿する者も散見されるが、当時は本人が自ら各種マスメディアに登壇して多くの発言を重ねており、澤地久枝は著書『密約 外務省機密漏洩事件』に実名で記している。

(略)
~~引用ここまで~~


西山太吉は女性事務官を酒を飲ませ泥酔させた上で性的関係を持ち機密情報を持ち出させた。『ゴルゴ13』にはいくらでも出てくる話だが、現実に女性と関係を持ち利用して捨てたということは許されるのか。

せめて情報源の秘匿さえしていれば女性事務官に罪が及ぶことはなかった。しかも西山太吉は機密を得るやもう用はないとばかりに女性事務官と連絡を断った。利用するだけ利用して捨てたのである。人として許される行為なのか。

福島瑞穂社民党党首に問いたい。今ネットで炎上している「Colabo」代表の仁藤夢乃にも女性に対する尊厳を著しく侵害していないか聞きたい。女性でジャーナリストでもある江川紹子にも見解も問いたいものだ。閣僚一人一人にこの件に対する考えを訊きたいし、当事者である毎日新聞を含めた全国紙5紙に社の意見を訊きたいものだ。

西山太吉の行為は女性の尊厳を著しく傷つける行為ではなかったか、と。

今で言う「ハニートラップ」か。男女平等という観点に立てば男性が女性を性的関係を持ち利用することだけが許されないわけではないだろうが、世間はそちらばかりを非難する。

また毎日新聞で報道する前に社会党議員に情報を提供して国会で政府追及の材料とさせたことは西山太吉がジャーナリストではないことを意味する。自民党政府を打倒してやろうという助平根性がそうさせたのではないか。

密約を先に毎日新聞一面で特報していれば西山太吉は毎日新聞を逐われずこの功績で後に社長になっていたかもしれないが、毎日新聞は政府に破れ倒産という憂き目にあっている。そうならなかったのは西山太吉がジャーナリストとしても人としても落第だったからだ。

今回の荒井勝喜秘書官の発言も毎日新聞は「情報源の秘匿」をすべきではなかったか。社内でどういう話し合いが持たれたか分からないが、オフレコ破りに道理があるのか。情報源の公開は今後毎日新聞に限らず日本のマスコミが政府関係者からオフレコ取材をする上で障害にならないか。

今回の毎日新聞のオフレコ破りは私には西山事件と重なって見えるのだ。

毎日新聞に限らずマスコミが「国民の知る権利」を持ち出すなら毎日新聞変態新聞事件も報道するべきだろうが。虫酸が走る。



~~引用ここから~~
毎日デイリーニューズWaiWai問題 - Wikipedia

毎日新聞デイリーニューズWaiWai問題(まいにちデイリーニューズワイワイもんだい)とは、毎日新聞社の英語報道メディア Mainichi Daily News(「毎日デイリーニューズ」; 以下 「MDN」)で、コラム「WaiWai」において、主に毎日新聞記者であるライアン・コネルが、低俗な内容、誇張や虚構に基づき、特に女性を貶める内容の記事を書き、掲載・配信していた問題である。WaiWaiは、日刊紙時代の1989年(平成元年)10月に連載が始まり、2001年(平成13年)春の公式サイト移行時にも継承されていた。なお、ライアン・コネルは休職3カ月の懲戒処分を受けた。

2008年(平成20年)に表面化し、同コラムの閉鎖、担当記者や上司の昇進、公式ウェブサイト配信分に関する「毎日新聞社社内調査結果の公表」などに発展した。

問題となった記事

7月20日に公表された社内調査結果によると

事実の裏づけ無く、異常な性的嗜好を話題にした記事である
事実の裏づけ無く、日本の伝統的な祭りを性的な話題に結びつけた記事
事実の裏づけ無く、海外で日本人観光客が「奴隷を買う」・「現地の子供をハンティングする」という違法ツアーに参加しているとする記事
未成年者の性に関する話題を不適切に取り上げた記事。日本国内では違法とされている少女買春の勧め。
出典内容に記載されている数字を、算出根拠などを明確にしないまま使用した記事
出典では数人の女性のコメントから成る内容を、「日本人女性の間で」と表現して一般化した記事
サイゾーの美少女キャラクターが登場する漫画による防衛省の防衛政策紹介を扱った話題を取り上げた際、内容に加筆した記事などが配信されていた。
毎日新聞では、最終的に自社の公式ウェブサイト上に掲載されていた謝罪文において、改変や創作、捏造があったと公式に認めている。また、問題記事は毎日新聞の英文記事として公開されており、購読対象が主に日本人以外であるため、長期間に渡り、多くの日本人には知られることはなく、ウェブサイト上・紙媒体を通して配信され続けていた。米州機構 (OAS) の反人身売買レポートの中にMainichi Daily のライアン・コネルの署名記事が、日本の人身売買に関する資料の出典としてあげられている(もっとも引用された内容は、青森の住宅金融公庫からの使い込み事件に関連するアニータ・アルバラードのインタビュー内容である)。

(略)
~~引用ここまで~~



(参考記事)
「LGBT見るのも嫌」で更迭された荒井秘書官 SNS上は毎日新聞“禁断のオフレコ破り”に賛否 | デイリー新潮

「LGBT見るのも嫌」で更迭された荒井秘書官 SNS上は毎日新聞“禁断のオフレコ破り”に賛否 | デイリー新潮

《非公式取材での発言を報じたメディアの対応に疑問を示す投稿もあったが「オフレコだから許されるものではない」との意見も出た》──これは東京新聞の2月4日夕刊に掲載され...

デイリー新潮

 



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