面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

アフガニスタン政権崩壊

2021-08-16 21:28:45 | 外交・安全保障・国際
アフガニスタン政権が崩壊し、タリバンが権力を掌握した。米軍が完全撤退する以上それは時間の問題だと考えていたが、根拠はないが私はそれに数年は掛かると考えていたが、甘すぎた。バイデンの米軍撤退発表からわずか4か月での政権崩壊だ。米軍はまだ撤退しきっていないのだ。

バイデンアフガニスタンからの米軍の完全撤退を正式発表 - 面白く、そして下らない

しかし傀儡政権の軍隊は弱いのが相場だが、アフガニスタン軍は弱すぎた。まともに戦闘さえしない。米軍がアフガニスタン軍を育成したが無意味だった。傀儡政権の軍隊は上層部は腐敗にまみれ、兵士は命懸けで戦わない。新生イラク軍もそうだし、南ベトナム軍もそうだった。

20年掛けた米国史上最長の戦争は水泡に帰した。2400人の米兵の戦死者を出し、6兆ドル(日経新聞調べ)の巨額の戦費は無駄になった。その間米国経済は好調だったが。

私はバイデンが支那潰しに注力するためにアフガニスタンを放棄した、と見る。帝国陸軍が泥沼に陥った支那事変から保身と面子から撤退できなかったのとは違う、米国の「損切り」できる合理性と見るのだ。

しかしアフガニスタンから完全撤退する必要はなかったとする分析もある。米軍を2500人だけでも駐留させていればアフガニスタン政権は崩壊することはなかったとするものだ。

アフガニスタン政権崩壊をベトナム戦争の最後「サイゴン陥落」に例える記事は少なくない。アフガニスタンでの失敗はベトナム戦争の敗北に酷似しているからだ。

アフガニスタンに米国の力を注力していればタリバンが権力を掌握することはなかっただろう。アフガニスタンは支那の西にあるから包囲網を築く上でも役に立つ。

アフガニスタンでの敗北は何より米国の威信を傷つける。どのような未来が訪れるか正直想像できないが、支那が冒険主義に出るかもしれない。

だがそれは日本には必ずしも損ではない。米国が日本の助けを必要とし、日本を大切に扱うようになるからだ。それを日米地位協定改定などに繋げる政治家がいないのが残念だ。菅義偉では無理だ。考えてもいまい。

アフガニスタン政権が崩壊したというのに日本は国会さえ開いていない。新型コロナウイルスのことばかりだ。いやそれも大切なことではあるのだが、内向きに過ぎよう。バイデンも夏休みの最中だが。

日本は米国の同盟国であるが、アフガニスタンに自衛隊を派遣せずに済んで良かった。戦死者が出ていただろう。NATO諸国は派遣させられ、犠牲を強いられた。それも無駄になった。

また日本はアフガニスタンの復興に何兆円拠出させられたかはよくわからない。小泉純一郎はイラクに陸上自衛隊の派遣までした。

しかしブッシュジュニアのその礼は「北朝鮮のテロ支援国家解除」であり、米国下院は「慰安婦非難決議」である。全くありがたくて涙が出る。

だが米国は信用できないことがよくわかった。米国頼りは危険なのだ。

アフガニスタンは「帝国の墓場」とはよく言ったものだ。大英帝国、ソ連、そして米国。アフガニスタン支配を試みてどれも失敗した。アフガニスタンは支配できないのだ。

タリバンの支配がアフガニスタン一国に止まれば問題はないが、アルカイダが世界にテロを「輸出」すると問題だ。

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