わたしたちの住処をつくる記録

いえづくりについて、できごとと考えたことを記録しておきます

ワークショップ「き」組に出会う

2015-02-22 21:58:18 | 依頼先決定まで
 「刻み」はすでに進んでいますが、これまでの経緯を思い出しながら書いています。

 2013年の3月のこと、アトリエ○○○さんの完成見学会で「自然素材」という考えを知って以来、依頼先についてはいろいろな可能性を検討する必要があると感じた私たちは、「住まいNET信州」という雑誌を見たりして、資料請求を片っ端から行っていました。コストをかければいい家ができるのは当たり前なので、どうすれば予算の範囲内で良い家ができるのかも調べたりしました。分離発注方式とかそんな選択肢も勉強したりしました。また、独立した建築家にお願いするのも、意外とコスト管理できるということも知りました。インターネットでも様々な情報に触れ、見ては資料請求の繰り返しでした。
 そんな中、出会ったのがワークショップ「き」組でした。
 サイトを見てもさっぱりわかりませんでした。「ワークショップ」の意味が。独立した工務店でもないし、一人の建築家でもない。ただ、建てている家はちょっといいかも、と思えるものでした。決して主張しすぎないデザイン。やや和風。そして目についたのはあの街並みにマッチする「越屋根」でした。昔の「民家」に学んでいる、ということがよく分かったのです。東京に事務局を置きながら、上田や東御での実績がいくつかあり、一つの候補になると思いました。そして、なんといっても金物に頼らない「木組み」という職人技を売りにしている、というのにも心惹かれるものがありました。

 2013年3月16日に、資料請求。10日後に事務局Tさんより電話。仕事中だったため、あまりうまくお話しができず、「○○万円でどの程度できるのか」という質問に終始してしまいました。Tさんの答えの雰囲気はなんとも歯切れの悪いもので、要約すれば「予算にあわせてつくります」というもの。そりゃそうだけど、予算に合わせて、いったいどの程度のものができるのかが知りたいところだったわけで、なんとも要領を得ない会話になってしまいました。いま考えればTさんのお話は当然で、その頃は私が全く勉強不足でした。

 実は資料請求の日からお電話をいただくまでの10日間に、「き」組のことを様々調べていました。そして、ある建て主さんのブログに行きついていました。そのブログを拝見し、一言でいえば「感動」していました。木が主役でありながら陰影のある室内、柔らかく傷のつきやすい杉のフローリングのあたたかい質感、都内でありながら大きな窓から見える森の木々の美しさ、宙に張り出したウッドデッキを駆けまわりながら落ち葉や雪に触れるお子さんたちの笑顔。ああ、こんな家があるんだ、と一人ほんわかしていました。豪華な最新設備とか、「メンテナンスフリー」の新建材とか、そういったものとは別世界の、穏やかで健康的でかっこつけすぎない「住処」を見た気がしました。
 その方のブログで『住宅建築』誌を知りました。建てられた家が掲載されているということなので、アマゾンですぐに古本を注文。届いた本からは現代棟梁田中文男さんのことなど、多くを学びました。
 

 そんなことを学んでいたつもりだったのに、電話で予算の話ばかりになってしまいいけなかったな、と思った私は、家に帰りメールしました。
「…たてものを拝見させていただければと思います。」
「き」組に興味を持った理由として、
「…どうせなら、ちゃんとした“本物の家”に住みたい」云々。
すると主宰のM先生よりメールが来ました。
「…ご希望日を何日かお知らせください。こちらで日時を調整したいと思います。」
このようにして、ワークショップ「き」組との関わりが生まれていったのです。


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