芋焼酎のつぶやき、バラとの戯れ & HbA1c・血糖値を下げる新しい糖尿病食事療法『糖質制限食』実践記録

A Days of Wine and Roses.酒とバラとイバラの日々。芋焼酎好きアラ還-バラ栽培と糖質制限に挑戦です

東日本大震災(平成の大地震) - その124 備忘録

2011年12月18日 | 大地震

■12月18日(日、283日目)

16日野田首相は『原発事故収束』を宣言した。『発電事故そのものは収束』『冷温停止』ではなく『冷温停止状態』と言葉を選びながら。これに対して内外メディアからの批判が噴出している。いくら『発電事故そのもの』といっても誰も収束との実感を持つ人はいないだろう。細野大臣が『事故収束は極めて難しいと考えていた。日本が瀬戸際でとどまった大きな日と思う』と胸を張ったとのことだが、それこそ『瀬戸際でとどまっている』だけで危機が去ったとは言えないのではないか。『瀬戸際でとどまれなかった』ら日本はどうなっていたのだろうか。

・東京web---『【社説】事故収束宣言 幕引きとはあきれ返る』
『福島第一原発の「事故収束」を野田佳彦首相が宣言した。放射性物質の放出や汚染水の懸念も残り、絶対安全の保証はどこにもない。廃炉までの長き道のりを考えれば、幕引きとはあきれ返る。
「原子炉は冷温停止状態に達し、事故そのものが収束に至った」と述べた野田首相の言葉に誰もが耳を疑ったことだろう。
原発建屋内ではいまだに高い放射線量が計測され、人が立ち入れない場所もある。さっそく現場作業員から「政府はウソばかり」と批判の声が上がったほどだ。
そもそも「冷温停止」という言葉は正常運転する原発で用いられる。「状態」というあいまいな文字を付けて宣言にこだわる姿勢は、幕引きありきの政治的な思惑からだろう。
廃炉へ進める節目とすることや、「いつ戻れるのか」という避難住民を少しでも安心させようという狙いがあろう。全国の原発の再稼働はむろん、世界へ原発輸出を進める底意もうかがえる。
だが、福島第一原発は「収束」どころか、溶け出した核燃料が格納容器内でどうなっているかもつかめず、ただ水を注ぎ込み、冷却しているにすぎない。
循環注水冷却システムが正常に機能すればいいが、大きな地震が襲えば、再び不安定化する心配はつきまとう。綱渡り状態なのが現状ではなかろうか。
放射能汚染水処理も難題だ。建屋への一日四百トンもの地下水流入は続いており、保管タンクはいずれ満杯になる。むろん海への放出など、漁業者や国際的反発などから安易に考えるべきでない。
廃炉となると、核燃料取り出しに「十年以内」、炉の解体など最終的に「三十年以上」かかる見通しだ。その過程で放射能漏れなどの事故が起きる可能性もある。要するに課題山積なのだ。
原発から半径二十キロ圏内の警戒区域と北西に延びる計画的避難区域を新たに三つの区域に再編する予定だ。年間放射線量が二〇ミリシーベルト未満を「解除準備区域」、二〇ミリシーベルトから五〇ミリシーベルトを「居住制限区域」、五〇ミリシーベルト以上を「長期帰還困難区域」に分ける。
「解除準備区域」では除染とともに住民が戻れるようにするというが、子育て世代が安心して帰還できるだろうか。社会インフラの機能回復も見通せないままだ。
収束宣言の内実は、原発事故の未知領域に足を踏み入れる「幕開け」といった方がいい。』


■12月17日(土、282日目)

・東京web---『福島第一原発 「事故収束」首相が宣言』
『野田佳彦首相は十六日、政府の原子力災害対策本部の会合で、東京電力福島第一原発で原子炉を安定して冷却する「冷温停止状態」を達成し、事故収束に向けた工程表「ステップ2」が完了できたとして「事故そのものは収束に至った」と宣言した。
三月十一日の事故発生から九カ月余り。記者会見した細野豪志原発事故担当相は、今後は住民の帰還に向けた対策に政府を挙げて取り組む方針を示した。
しかし、今月四日には敷地内の放射能汚染水の海への流出が確認され、溶けた核燃料の状態も分からない。そんな中で早々と「事故収束」を宣言したことには、住民や専門家から批判が出ている。
事故対応に当たってきた国と東京電力の統合対策室は十六日に解散し、新たに「政府・東京電力中長期対策会議」を設置した。近くとりまとめる中長期の工程表をもとに、三十年以上かかるとされる同原発1~4号機の廃炉に向けた作業に取り組む。周辺住民の帰還に向け、避難区域の見直しに向けた考えも示す方針。
対策室は四月に工程表を発表。三カ月程度を目標にした「ステップ1」で、原子炉から漏れ出した汚染水を浄化して再び炉内の冷却に使う循環式冷却を実現した。続くステップ2では、原子炉内の温度を一〇〇度以下に保つとともに、放射性物質の外部への放出を抑える「冷温停止状態」の実現を目指した。
その結果、炉心溶融を起こした1~3号機の原子炉内の温度が三〇~七〇度程度に落ち着き、安定的に冷却できる状態になった。放出が続く放射性物質による被ばく線量は、敷地の境界で年〇・一ミリシーベルトと一般人の限度の十分の一にとどまっているとされる。
さらに、東電や経済産業省原子力安全・保安院は、東日本大震災と同規模の地震や津波に襲われても安全性が保たれると確認。国として安全が確保できたと判断したという。
記者会見で、細野担当相は「事故収束は極めて難しいと考えていた。日本が瀬戸際でとどまった大きな日と思う」と述べた。東電の西沢俊夫社長は「福島県、社会に迷惑を掛け、深くおわびする。今後は中長期の対策にしっかり取り組む」とあらためて謝罪した。』


・産経web---『「原発事故収束」住民なお不安 安全な帰宅、いつ実現』
『政府が福島第1原発の冷温停止状態を16日、宣言した。「事故そのものは収束に至った」と野田佳彦首相。だが地元は「関係ない」と冷ややかだ。住民らが何よりも求めているのは「安全な帰宅」。今後、検討が始まる避難区域の見直しにも、「本当に帰れる状態になるのか」と、期待と不安が錯綜(さくそう)する。
▼「帰りたい」
「帰りたい。帰りたいよお」。福島県浪江町から二本松市の仮設住宅に避難している無職、菊地ナミ子さん(74)は話すうちに涙が止まらなくなった。
避難区域の見直し作業では、放射性物質の自然減衰や除染の効果を慎重に見極めることになるが、長期間にわたり人が住めない地域も出るとみられる。仮に帰宅が現実味を帯びてきたとしても、地震で損壊した道路や学校、水道などのインフラ整備も大きな課題となる。
菊地さんは、「原発がどうなったって関係ない。帰りたいけど、どうせ帰れない」と、帰郷への思いに揺れる胸の内を語った。
年間被曝(ひばく)量が現状でも20ミリシーベルト未満の地域が大半と、落ち着きつつある楢葉町出身の無職、佐竹和夫さん(73)は「除染が終わるのはいつのことになるのか。3年くらいしたら帰れるのかな」と話す。だが、政府の発表をにわかには信じられない。「宣言は嘘で、放射能はまだ漏れてるんじゃないか?」。避難先の会津若松市は、楢葉町より雪が多い。「遠くに来てしまったなあ」
やはり楢葉町から会津若松市の仮設住宅に避難している主婦、坂本美香子さん(37)は「放射能もあるし、子供の学校もこっちに慣れたから帰れない」と話す。避難区域の指定が解除されたとしても避難を続けるつもりだ。
▼不信の言葉 
地元行政側も、これまでの政府の対応に振り回されてきただけに、不信の言葉が出る。
「本当に収束したのか。大気に放射性物質は出ていないのか。余震や津波が来たときの構えはどうなっているのか」。浪江町の馬場有(たもつ)町長は宣言に対して、立て続けに疑問を投げかけた。
町長は、最悪、帰還実現が困難となった場合の対応も考え始めている。町外に住民や企業を集める集積地を確保して、そこで生活をするという。
大熊町の渡辺利綱町長は「放射性物質の放出も抑制されて安定が続いている」と事態が落ち着いてきたことに安堵(あんど)する。その上で「『事故収束』とは、冷温停止のことではなくて、町民が戻って安心して生活できる状態のこと。今回の宣言は一里塚にすぎない。除染、廃炉などこれからが大事だ」と話した。
避難区域の見直しについては「戻るか戻らないかで、町が分断される不安が現実に起きてくる」と新たな課題を指摘した。
福島県の佐藤雄平知事は冷温停止宣言について、「故郷帰還の思いが実現する新たな一歩と期待しているが、事故収束に向けた道のりは長く、険しい。完全収束の道半ば」と厳しい表情。「県民は汚染水などの放射性廃棄物が増え続けることに不安を感じている」とも指摘した。福島県では、今後の具体的な工程の情報開示と、避難区域の設定見直しについての方針を示すよう国に求めた。』

・東京web---『作業員「政府ウソばかり」』
『「冷温停止状態」を通り越し「事故収束」にまで踏み込んだ首相発言に、福島第一原発の現場で働く作業員たちからは、「言っている意味が理解できない」「ろくに建屋にも入れず、どう核燃料を取り出すかも分からないのに」などと、あきれと憤りの入り交じった声が上がった。
作業を終え、首相会見をテレビで見た男性作業員は「俺は日本語の意味がわからなくなったのか。言っていることがわからない。毎日見ている原発の状態からみてあり得ない。これから何十年もかかるのに、何を焦って年内にこだわったのか」とあきれ返った。
汚染水の浄化システムを担当してきた作業員は「本当かよ、と思った。収束のわけがない。今は大量の汚染水を生みだしながら、核燃料を冷やしているから温度が保たれているだけ。安定状態とは程遠い」と話した。
ベテラン作業員も「どう理解していいのか分からない。収束作業はこれから。今も被ばくと闘いながら作業をしている」。
原子炉が冷えたとはいえ、そのシステムは応急処置的なもの。このベテランは「また地震が起きたり、冷やせなくなったら終わり。核燃料が取り出せる状況でもない。大量のゴミはどうするのか。状況を軽く見ているとしか思えない」と憤った。
別の作業員も「政府はウソばっかりだ。誰が核燃料を取り出しに行くのか。被害は甚大なのに、たいしたことないように言って。本当の状況をなぜ言わないのか」と話した。』

・東京web---『達成強弁 実態は道半ば』
『本来の「冷温停止」と似て非なる「冷温停止状態」という用語を事故収束に向けたキーワードに用い、批判を浴びてきた政府。この日は、その達成を理由に「事故収束」宣言にまで突き進んだ。
苦しい避難生活を迫られる人たちに配慮してか、サイト(福島第一の敷地)内の出来事に限っては「収束」とし、サイト外は「収束していない」という論法を持ち出した。
確かに福島第一の周辺は、除染もほとんど手つかずで、放射性物質を含んだがれきの中間貯蔵施設の設置も具体化しておらず、収束どころではない。
一方、福島第一の中も、とても収束とは言えないのが現状だ。日々原発を見ている現場の作業員たちは「収束などとんでもない」と口をそろえる。
「冷温停止状態」かどうかも怪しい。そもそも「冷温停止」は、単に原子炉が冷えているだけでなく、放射性物質を密封できて初めていえること。その定義は東電の保安規定に明記されている。
「冷温停止状態」の定義の一つは「圧力容器底部の温度が一〇〇度以下」。それは達成したが、炉内の別の場所は今も一〇〇度を上回るところがある。
圧力容器の底が抜けて、溶けた燃料が落下しているが、実際にどんな状態なのかも分からない。最後の“壁”である建屋も損傷。地下水の流入が止まらないが、海への流出を阻む遮水壁もできていない。高濃度汚染水は、いつ外部に漏れてもおかしくない状態だ。
実際、四日には放射性ストロンチウムを含む水が海に漏れたと判明。すると、政府の担当者は「水は関係ない」と抑制する対象ではないと言う。
収束と言いながら、原子力緊急事態宣言は解除されない矛盾も。「収束宣言」は政治的な節目にすぎず、実態は収束への道半ばだ。 (原発事故取材班)』

・産経web---『首相の原発収束宣言 各国メディア懐疑的反応』
『野田佳彦首相が16日、東京電力福島第1原発の事故収束への工程表の「ステップ2」完了を宣言したことについて、各国のメディアは首相の記者会見を中継するなど関心の高さを示す一方、「日本政府は画期的な出来事としようとしているが、現実は違う。過去、約半年間の原発の安全性に関する状況は基本的に変わっていない」(米CNNテレビ電子版)などと懐疑的な見方を伝えた。
記事本文の続き 福島の事故を受けて2022年末までの脱原発を決めたドイツの公共放送ZDFは「危機が存在しないというような言い方は間違いだ」とする専門家の話を紹介。DPA通信は、別の専門家が「冷温停止を宣言するのはごまかしに等しい」と批判したと報じた。
中国国営通信新華社は、日本メディアの見方として「広範囲の除染や被災者の帰宅など多くの課題を抱え、(日本政府は)社会の批判にさらされるだろう」と指摘、日本政府の姿勢に疑問を投げ掛けた。(共同)』


■12月16日(金、281日目)

・asahi.com---『首相、原発事故「収束」宣言へ 冷温停止達成を認定』
『野田政権は16日午後、原子力災害対策本部(本部長・野田佳彦首相)を開き、東京電力福島第一原発事故収束に向けた工程表ステップ2(冷温停止状態の達成)終了を確認し、事故の収束を宣言する。「事故の収束」という踏み込んだ表現をすることで、内外に安全をアピールする狙いだ。住民帰還のめどが立たない中での収束宣言には、避難住民から反発が出そうだ。
ステップ2の終了確認を受けて、野田首相は同日夕に記者会見する。政権が今夕公表予定の宣言文案は、事故で放射能を拡散させた原発について「冷温停止状態に達し、万一事故が発生した場合も、(原発の)敷地境界線における被曝(ひばく)線量が十分低い状態を維持することができるようになった」と認定。さらに「安定状態を達成し、事故の収束に至ったと判断される」と踏み込んだ。
政権は「冷温停止状態」について、1~3号機の圧力容器底部を安定的に100度以下に保ち、放射性物質の拡散を抑制する――などと定義している。
これを「事故の収束」という、より強い表現に置き換えることで、風評被害など国内外に根強い原発事故への不安を払拭(ふっしょく)したいという狙いがある。政権は今後、放射性物質の除染を進めていく方針。避難区域の縮小も行い、住民の帰還へとつなげたい考えだ。
ただ、溶融した炉心は場所の特定すらできていない。放射性物質の大気への放出も続いている。
政府の原子力委員会が30年以上かかると見解を示した廃炉についても、政権は「中長期的課題」と位置付け、「事故の収束」とは切り分けた。
政権は当初、ステップ2の達成目標について来年1月中旬までと示していた。その後、細野豪志原発相が9月の国際原子力機関(IAEA)総会で、目標を前倒しし、冷温停止状態の年内実現を宣言した。
「事故収束」に絡み、細野豪志原発相は16日午前、東京都内で開かれた「アジア原子力協力フォーラム」閣僚級会合で「今日午後には冷温停止状態を報告することができる。オンサイト(原発敷地内)の事故は収束になる」とあいさつした。』

・東京web---『保安院 海への汚染水 ゼロ扱い』
『福島第一原発事故で、何度も放射性物質を含む汚染水が海に漏出したが、経済産業省原子力安全・保安院は「緊急事態」を理由に、法的には流出量は「ゼロ」と扱ってきたことが本紙の取材で分かった。今後、漏出や意図的な放出があってもゼロ扱いするという。政府は十六日に「冷温停止状態」を宣言する予定だが、重要な条件である放射性物質の放出抑制をないがしろにするような姿勢は疑念を持たれる。
原子炉等規制法により、電力事業者は、原発ごとに海に出る放射性物質の上限量を定めるよう決められている(総量規制)。福島第一の場合、セシウムなどは年間二二〇〇億ベクレルで、年度が変わるとゼロから計算される。
しかし、四月二日に2号機取水口近くで高濃度汚染水が漏出しているのが見つかり、同四日には汚染水の保管場所を確保するため、東京電力は建屋内のタンクに入っていた低濃度汚染水を意図的に海洋に放出した。
これら二件の漏出と放出だけで、原発外に出た放射性物質の総量は四七〇〇兆ベクレル(東電の試算)に達し、既に上限値の二万倍を超える。
試算に対しては、国内外の研究機関から「過小評価」との異論も出ている。
今月四日には、処理済みの汚染水を蒸発濃縮させる装置から、二六〇億ベクレルの放射性ストロンチウムを含む水が海に漏れ出した。
さらには、敷地内に設置した処理水タンクが来年前半にも満杯になる見込み。この水にもストロンチウムが含まれている。東電はできるだけ浄化して海洋放出することを検討している。漁業団体の抗議を受け、当面は放出を見送る方針だ。
保安院は本紙の取材に対し、事故への対応が最優先で、福島第一は損傷で漏出を止められる状態にない「緊急事態」だった点を強調し、総量規制を適用せず、四七〇〇兆ベクレルの漏出をゼロ扱いする理由を説明した。
「緊急事態」に伴う特例扱いは「事故収束まで」続くとも説明したが、具体的な期間は「これからの議論」とあいまい。
今後、仮に放射性物質を含んだ処理水を放出したとしても、ゼロ扱いを続けるという。』
→何のためか全く理解できない。某大国が同じようなことをやったら国をあげての大騒動になるだろうな……。

・共同通信---『IAEAが「深刻な懸念」 日本の報告漏れ核物質』
『国際原子力機関(IAEA)が今年2月、査察対象となっている日本の原子力関連施設の核物質報告漏れについて、日本側に「深刻な懸念」を伝え、通常は査察の対象にしない廃棄物を検査したいと異例の申し入れをしていたことが15日、分かった。政府関係者が明らかにした。
これが発端となって文部科学省が全国262施設の一斉調査に踏み切り、さらに大量の報告漏れが見つかった。
関係者によると、昨年10月に政府系研究施設で廃棄物から報告漏れの核物質が見つかり、IAEAに報告。今年2月のIAEAと日本政府の会議で、この問題が取り上げられた』


■12月15日(木、280日目)

・日経ビジネスオンラインより
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御厨:もうひとつ、自衛隊のマネジメント力を象徴する話があります。震災対応のような非常事態の最中で仕事をしていると、いわゆる「働き蜂症候群」になって、みんな寝ずに仕事をし続けてしまう。特に日本の官僚はその傾向が強い。調子がどんどん悪くなっていっているのに、机から絶対に離れないと粘る人間も出てくるわけです。今回の震災の対策本部でも同じような状況が起きた。すると、自衛隊の若手が命令するわけです。「すぐに隣の仮眠室に行って寝てください」と。命令された官僚が、「私はまだ大丈夫です、頑張ります」とみんな反論する。と、自衛官が官僚たちを一喝したそうです。「大丈夫じゃない! いま、あなたが倒れたら、次にやってくれる人がいるとは限らないんだ。非常事態だからこそ休まなきゃダメだ。今はとにかく寝て、それから戻ってきなさい」と。結局、彼の一喝で、みんなが寝たそうです。非常事態だからこそ、チームの人員は無理してはいけない。順番に仮眠室で寝て戻るサイクルをつくって、チームを動かし続けることが大切だ、ということを自衛隊は知っているわけです。うちの卒業生の官僚が「先生、自衛隊はすごいですよ」とつくづく感心していました。
池上:昔の日本軍の悪しき根性主義から一番きちんと脱却していた役所が、なんと自衛隊だったわけですね。非常事態だからこそ無理をしない、というのは、災害報道の現場も同じです。現場に大量に記者を送り込んで、徹底的に取材させてくたびれ果てるまで使い倒します。でも、それだと途中で記者が疲弊して、長期間の取材に耐えられなくなってしまう。NHKでの経験ですが、名指揮官がいると、こうした無理を絶対にさせないんですね。まず第一陣が、宿泊や移動手段、食事などのロジスティクスを整備します。そのうえで、第二陣、第三陣の取材チームを送り込む。取材現場でも名デスクは「お前はまず休め」と記者を順番に休ませる。ダメなデスクは「ひたすら頑張れ」と指示してしまう。長期戦を乗り切るためには、ロジスティクスと順番に休むことが大切、というのは、私もかつて経験しました。
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→どっちの気持ちも良く解るが、精神力だけでは何もできない。

・日経web---『福島原発、廃炉完了に最長40年 政府・東電が最終案 プール燃料の搬出、14年から』
『政府と東京電力がまとめる福島第1原子力発電所1~4号機の廃炉に向けた工程表の最終案が15日、明らかになった。20~25年後に原子炉の解体に着手し、廃炉完了は最長で40年後とする。危険性が指摘される4号機の使用済み核燃料プールは2014年から燃料取り出しを開始。放射線の影響を軽減するため原子炉格納容器を水で満たす冠水状態による作業も盛り込む。野田佳彦首相は16日に記者会見し、事故を起こした原発の冷温停止を宣言。来週20日にも廃炉への工程表を公表する。
工程表案では工期を3年後までの中期、4~10年後の中長期、10~40年後の長期の3段階に設定。中期では、原子炉建屋内の放射線量が低い4号機のプールから燃料の取り出しを始める。4号機は水素爆発で建屋が激しく損傷し、プール倒壊の恐れがあった。次に3号機、1~2号機の順にプールから取り出す。
中長期では原子炉の損傷部分を修理し、放射線の影響を抑えるため原子炉格納容器を水で満たした冠水状態にする。並行して原子炉内を遠隔操作で調査するロボットなど、廃炉に必要な機材を準備する。
長期では炉心溶融(メルトダウン)により原子炉格納容器に大半が溶け落ちたとみられる1~3号機の核燃料取り出しを開始。20~25年後にも核燃料の回収を終え、原子炉の解体を始める。30~40年後をメドに原子炉建屋を更地に戻す計画だ。
政府は16日の原子力災害対策本部(本部長・野田首相)会合で、福島第1原発が冷温停止状態になり、事故収束に向けた工程表の第2段階(ステップ2)を達成したと確認。その後、中長期の廃炉計画や避難区域の見直し方針を月内にも公表する。
1~4号機の廃炉費用については、東京電力に関する経営・財務調査委員会(委員長・下河辺和彦弁護士)が1兆1510億円と算定している。費用が膨らむと経営を圧迫するとして、工程表に盛り込む項目は最終調整している。
枝野幸男経済産業相と細野豪志原発事故担当相が11月に東京電力、経済産業省資源エネルギー庁、原子力安全・保安院に廃炉に向けた工程表の作成を指示。原子力委員会の専門部会は既に、廃炉に必要となるロボットや除染技術などをまとめた中長期の研究開発計画を決定した。これを土台に、東電と資源エネルギー庁、保安院が具体的な手順や期限を盛り込んだ工程表案をまとめた。』


・福島民友news---『双葉郡候補の中間貯蔵施設、佐藤知事受け入れ検討へ』
『佐藤雄平知事は14日の12月県議会代表質問で、除染で生じる汚染土壌など放射性廃棄物の中間貯蔵施設の県内設置について、「仮置き場の確保に向け、住民理解を促進するためにも重要な役割を果たす」との認識を示した。県は中間貯蔵施設の県内設置を求める政府に対し、施設の規模や立地条件を示すことを要請しており、政府から回答を受けて中間貯蔵施設の受け入れを検討するとみられる。
渡部譲議員(会津若松市、民主・県民連合)の質問に答えた。東京電力福島第1原発事故に伴う除染をめぐっては、各市町村で汚染土壌などの仮置き場の設置が進まず、本格的な除染実施に至っていない。佐藤知事は答弁で、仮置き場の確保が除染推進の最大課題との認識を示した。』
→消去法でいくとこの地域しかないのではないか……。


■12月14日(水、279日目)


■12月13日(火、278日目)

・東京web---『最悪の条件で浸水予測 津波防災の基本指針案』
『臨時国会で成立した「津波防災地域づくり法」に基づき、全国で津波対策を進めるための国土交通省の基本指針案が12日、明らかになった。都道府県が浸水エリアや深さを予測する場合には、最大級の津波で堤防が倒壊するなど「最悪の条件」を想定するのが原則と明記。「なんとしても人命を守る」を基本に、被害防止の推進計画などの具体的な対策は、地域の実情を最もよく知る市町村が主導するのが重要としている。
東日本大震災では港の沖合にあった防波堤や、海岸、河川の堤防が相次いで壊れて被害が拡大しており、考えられる悪条件を考慮して対策を強化する。』
→だれもが油断していたとはいえ、これまで最悪の条件を前提にしていなかったこと自体驚きだ。朝のニュースで神奈川県が津波予想を見直し1000年に一度の大津波を想定。鎌倉で15m、横浜駅で5mとの発表を行った。現在避難場所に指定されている鎌倉大仏にも津波の記録が残されているという。東北沿岸でもここから下には家を建てるなとの古い石碑が多くあるという。地震の専門家も含め過去の事象を前提に緻密な想定作業をしてなっかたということか。1000年に一度だから大丈夫と思ったのか。その危険を訴えたであろうごく少数の人たちは異端児扱いされたということなのか。
今さらいってもしょうがないがスマトラ沖地震など、見直す機会はいくらでもあったのではなかろうか・・。1000年に一度のリスクに横浜駅を利用する人々はどう対処したらいいのか。1000年に一度といっても、2000年後かも知れないし、100年後かも知れないし、明日かも知れない。

10/6の記事だが
・読売online---『年間1~20ミリシーベルトに緩和…放射線審案』
『国内の被曝線量の基準などを検討する文部科学省の放射線審議会の基本部会は6日、東京電力福島第一原子力発電所事故で放射性物質が拡散した状況下の一般住民の被曝線量について、「年間1~20ミリ・シーベルトの範囲で可能な限り低い値を段階的に設定する」とする見解案をまとめた。
国際放射線防護委員会(ICRP)の2007年の勧告を国内にも適用した。
一般住民の平常時の被曝線量限度は、年間1ミリ・シーベルトとされている。しかし、同部会は放射性物質の汚染が広がる現状を線源が計画的に管理されていない「現存被ばく状況」と判断、基準を緩和して「年間1~20ミリ・シーベルト」のICRP勧告を国内に導入するかどうか検討していた。
見解案は「汚染された土地からの強制移住や、食物摂取制限、過度の防護方策を課して短期間に年間1ミリ・シーベルト以下の線量に低減することは適切ではない」と指摘。被曝による害と、経済的、社会的便益とのバランスを考慮して計画的に線量低減を達成するためには、ICRPの勧告の考え方を取り入れ、段階的に対応することが妥当だとした。』


・毎日jp---『<外部被ばく線量>3町村の住民、4カ月の推計発表…福島県』
『福島県は13日、警戒区域などに指定されている浪江、川俣、飯舘の3町村の一部住民1727人が事故発生から4カ月間で受けた外部被ばく線量を推計したところ、約40%が一般人の年間被ばく基準値の1ミリシーベルト以上だったと発表した。一般住民の最高は14.5ミリシーベルト、放射線業務経験者では東京電力福島第1原発作業員の37.4ミリシーベルトが最も高かった。年内をめどに本人に通知する。
◇40%が1ミリシーベルト以上
県は「これまでの疫学調査では100ミリシーベルト以下での健康影響は確認されておらず、今回の結果から健康に影響があるとは考えにくいが、今後も健康管理を進める」としている。
先行調査の3町村(川俣町は山木屋地区のみ)の対象者の内訳は一般住民1589人、放射線業務経験者138人。このうち一般住民では、1ミリシーベルト未満998人(62.8%)▽1ミリシーベルト以上~5ミリシーベルト未満549人(34.6%)▽5ミリシーベルト以上~10ミリシーベルト未満38人(2.4%)▽10ミリシーベルト超は4人(0.3%)で、14.5ミリシーベルトが1人いた。
20歳未満(311人)に限ると、1ミリシーベルト未満193人(62.1%)▽1ミリシーベルト以上~3ミリシーベルト未満100人(32.2%)▽3ミリシーベルト以上~5ミリシーベルト未満11人(3.5%)▽5ミリシーベルト以上10ミリシーベルト未満7人(2.3%)で全員が10ミリシーベルト未満だった。
県民健康管理調査は原発事故時の全県民約200万人が対象。先行地域の3町村の住民計約2万9000人については6月から始め、今回は、うち1727人分について住民の行動記録などを基に放射線医学総合研究所(千葉市)が推計した。
この日は、警戒区域と計画的避難区域の住民の事故後4カ月間の外部被ばく線量について、避難行動のモデルケースに基づき試算した結果も公表された。最も高かったのは、飯舘村で線量が一番高い地区に住み6月21日に福島市に避難した場合で19ミリシーベルト。早期に避難した警戒区域内では0.2~2ミリシーベルトだった。
また、18歳以下(4月1日時点)の子供約36万人全員を対象とする甲状腺検査の先行実施分は9日現在、対象者1万9459人の約6割の1万1534人が受診した。検査を担当する福島県立医大の鈴木真一教授は「しこりが見つかり、2次検査が必要な人は極めて少ない」と述べた。
チェルノブイリ原発事故の例では、子供の甲状腺がんは4~5年後から増えており、1回目の検査は元々しこりがあるかを調べ、2回目以降に向けた基礎データとするのが目的という。【佐々木洋、乾達、吉川雄策】』


■12月12日(月、277日目)

福島民友ニュース---『セシウム飛散は県全域に 文科省が詳細地図作製』
『文部科学省は10日までに、東京電力福島第1原発事故による広範囲な放射能汚染の状況を、従来よりも詳細に表した地図を作製した。外部被ばくや農産物の栽培などに長期的に影響するとみられる地表の放射性セシウム量を見ると、原発から北東方向の汚染地帯にとどまらず、中通りの全域、さらに会津地域にまで広く放射性セシウムが降下した状況が分かる。
文科省の原子力損害賠償審査会は自主避難と精神的損害の賠償指針で、県南や会津地域を除外したが、これら地域も汚染が無視できない状況だ。
地図は、文科省のホームページに公開している。地上1メートルの放射線量の概要なども分かる。地区名が分かる範囲にまで拡大できるのが大きな特徴。』

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