思いつくまま

思いついたことを書いています。

岡本太郎著『自分の中に毒を持て~あなたは“常識人間”を捨てられるか』(青春文庫)を読む。

2009年07月03日 22時00分00秒 | 読書
「芸術は爆発だ」というあの岡本太郎氏が書いた本で、NHK「だんだん」の石橋役の山チャンこと山口翔悟クンが愛読書にしているという本を読んでみた。
なかなか面白かったし、山チャンが愛読書だという理由はよくわかった。差込の数々のイラストも良かった。
たとえば、有名な臨済禅師の言葉に「道で仏逢えば、仏を殺せ」というものがあるが、岡本氏は「道で仏に本当に逢えると思いますか、逢えっこないんだ、逢えるのは自分自身だ、だから己を殺せ」って、なかなか良いねぇ~~~。
もっと若い頃・学生時代ならばチャレンジもできただろうし、たとえ自分1人が孤立無援でも自己主張をし続けるということができたかもしれないが、今の自分にこういうふうに生きてみろと言われても、それは絶対にムリ。 
岡本氏は、小学生の頃から、先生の言っていることが気に食わなければ、一切妥協をせずに生きてきた。自分は従順すぎた。
芸術についても語っているが、いわゆる職業芸術屋が商品として作った作品なんか本当の芸術ではないとのこと、まぁそうだなぁ。
ここであの「芸術は爆発だ」につながって行くのだが、「爆発」というのもドカンと大きな音が響いて物が飛び散るようなものではなくて、岡本氏のは音も物も飛び散らない、「全身全霊が宇宙に向かって無条件にパッ~と開くこと」、人生は瞬間瞬間に、無償・無目的にこの爆発をし続けるべきで、これが命の本当のあり方なのだそうだ。
自分の作品の前で「あら、いいわね」と言ってくれる人よりも、「いやな感じ」と言って立ち去られるほうが嬉しい、とうのも納得だ。「あら、いいわね」と言われるのは「どうでもいいわね」と同義語ということなのだ。

大阪万博の「太陽の塔」(似たようなものが犬山にもある。)の時は、まだ子供だったのでよくわからなかったが、昨年12月に渋谷で「明日の神話」の壁画を見た時は、何か惹きつけられるものがあった。

たまにはケチくさい考えを捨てて、パッ~~~と行ってみようか。


関根友実著『アレルギー・マーチと向き合って』(朝日新聞出版)を読む。

2009年05月23日 22時43分49秒 | 読書
たまたま、4月に新聞の書評でこの本が取り上げられていたので、興味を持って読んだ。
アレルギー・マーチとは、アレルギーが行進曲のように次から次へとやってくるという怖いものだ。この体験を赤裸々に綴ったものだった。
自分も、花粉症とはもう25年以上の長い付き合い、それも最初のうちはヒノキくらいだったが、そのうちにスギ、そしてイネ科の植物など、次から次へとアレルゲンが増えていった。
そして、何が原因なのか全くわからないのだが、4~5年位前から蕁麻疹も出てくるようになった。
だから、本当はお酒やチョコレートなどは控えたほうが良かったりするのだが、これはなかなかむずかしいし、また、ストレスも無いほうが良いのだが、仕事をしている以上はこれも無くすことは無理だ。
それから大好きなサッカーの試合観戦、強くなったグランパス戦を毎試合でも現地に見に行きたかったりするのだが、どうしてもクシャミや鼻水が止まらなくなってしまったり、目がクシャクシャ、のどもイガイガしてきて観戦どころではなくなってしまうので、なんとなく足が遠のいてしまっている。
関根友実さん、大阪の朝日放送のアナウンサーだったらしいが、自分は全く知らなかった。画像を検索するとアナウンサー時代の写真が次々に出てきたが、この本に掲載されている昔の写真とは全く似ても似つかない素敵な女性である。こんな素敵な人がこれまでに壮絶なアレルギーの経験をしてきたなんて、にわかには信じられない。
小さい頃は、アトピー性皮膚炎、それが収まって来た頃にアレルギー性鼻炎、大学生でアトピー性の白内障・眼内レンズを入れる手術、ステロイド外用剤の塗りすぎによる副作用、アナウンサーになってからも臭覚障害、副鼻腔炎・鼻茸除去手術、アレルギー性気管支喘息・疲労性の肋骨骨折、アスピリン喘息、蕁麻疹、大人になってからかかると重症になる水疱瘡など、アレルギーを次から次へと経験してきた。
自分ならばとても耐えられないと思われる状態が次々にやってきたのに、それを乗り越えて、お茶の水女子大に入学、朝日放送のアナウンサーに採用され、結婚・出産までされている。
すごかったのは、気管支喘息の発作を繰り返して、肋骨にか所もの疲労性のヒビが入ってしまって、それでも咳が出て、脳天に激痛が突き抜けるとか、夜も眠られず、横にもなれずに気を失うように眠りに落ちるとか、歯科医の治療でもらった子供用頓服でアスピリン喘息になって、呼吸困難に陥って酸欠になりながらも必死で息を吸ったとか、1つでも大変なことをいくつもいくつも体験して来ている。
そんな辛い状況でも、明るく前向きに一生懸命頑張っている。
電車の中でこの本を読んでいて、思わず涙がでてきそうになったところも何か所かあった。
この本を読んで、自分のアレルギーなんかまだまだ序の口だと思った。多少痛いのかゆいの、あるいは辛いことがあっても、この人のように頑張って前向きに生きていきたいと思った。

香山リカ著『雅子さまと「新型うつ」』(朝日新書)を読む。

2009年05月08日 23時00分11秒 | 読書
また、香山リカさんの書いた本を読んでしまった。
しかも今度は、皇太子妃の雅子様の病気についてであり、これも非常によく売れている本だった。
何で皇室関係にそんなに世間の注目が集まるのかはよくわからないが、外務省のスーパーエリート・キャリアウーマンだった雅子様が、なぜ皇室に入ってから病気になってしまったのか、また、あれだけニコニコしながら一体どのように悪いのか、などなどが知りたくてついつい買ってしまった。
雅子様が「適応障害」と発表されて久しいが、自分としては、男の子(お世継ぎ)を産めないのが最大の原因だと思っていた。
だから、2006年に秋篠宮妃・紀子様が悠仁(ひさひと)様を産んだ際には、雅子様もようやく苦悩から解放されて良くなるだろうと思っていた。
しかし、一向に快復されていないようである。
このことに、『私は若者が嫌いだ!』(この本は読んでないが)とおっしゃる精神科医のリカ先生が切り込んだものだ。
雅子様がこんな症状になってしまったのは、別に皇室のしきたりが大変だとか、育児や皇室行事への参加が大変で仕事を減らして欲しいと言いたいのではなく、もっと仕事をさせて欲しいと言いたかった、国際親善を通じて自己実現をしたかったのにそれをさせてもらえなかったからだ、とリカ先生は分析している。
雅子様の病状は現在では「適応障害」などというものではなく、「新型うつ」と考えるのが妥当ということのようだ。別に病名は違っていてもたいした意味は無いらしいが。
途中、双極Ⅱ型障害とか、気分循環性障害とか、さらにはディスチミア親和型うつとかの説明も出てくるが、なかなか素人の自分にはよくわからない部分もある。
それはともかく、この「新型うつ」、上司のせい・配置換えのせいなどでうつ病になったと言って休んでいるのに、気分転換でボランティア活動なら率先してできる・海外旅行へは元気に行けるという、あの何とも自分の常識では全く理解不能なタイプのうつである。
ブログを書いている人の中にも、こういう人を見かけることがある。
リカ先生も生身の人間、こういう患者を診ると、プロの精神科医であるにもかかわらず、独身で一生懸命働く「40代後半の働く女」としての自分が出てきてしまって立ち位置がぐらぐらと揺れるのを感じてしまう、電波に操られて---と言っている患者よりも扱いが難しい、という非常に厄介なもののようである。
だから逆に、リカ先生自身がこういうネガティブな感情が刺激され抑えられない・普段の自分が出てプロとしての態度を取り続けるのが難しいという患者には、「新型うつ」という診断を下しているとのこと。
そして、この「新型うつ」になかなか効果的な治療は見当たらないらしい。
リカ先生は、天皇家のお妃である雅子様が心の問題でお苦しみになっているのは、ある意味でまさに象徴的であるように思われるとおっしゃっているが、本当に的を射ていると思う。
では、雅子様はどうすれば良くなるのか。
それは、リハビリのための公務に出る、時には励ます、トライ・アンド・エラーを繰り返すということが必要であるとのこと。
雅子様、皇室関係者やマスコミ・国民から文句を言われてもいい、大恥をかいてもいいから、勇気を出して、とにかく自分のやりたいことを我がままにやってみて欲しい。

町山智浩著『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』(文藝春秋)を読む。

2009年03月15日 21時43分33秒 | 読書
そういえば最近、読書記録を書いていなかった。
もう1か月くらい前にこの本は読んだ。
この本は昨年の10月に出た本で、ブッシュ政権を批判する内容になっていたが、もうオバマ政権に交代してしまって、今さらって感じがしないわけでもなかった。
どれもアメリカの極端な事例ばかり書かれているように思ったが、この本の売れ行きのすごさ、まんざら極端ではなさそうだった。(タイトルは直接本の内容とは関係ない。)
まずは暴走する宗教、キリスト教の神は絶対で、それを冒瀆するような進化や遺伝の研究がご法度だったり、避妊や中絶も絶対に許されないという教育も一部では行われているらしい。
次に戦争、大量破壊兵器が見つからなかったイラク戦争だけでなく、何のために行われているのやら全くわからないものが次から次へ、戦争をやるための株式会社があったり、アメリカ軍がアウトソーシングだったり。
バブル経済の崩壊、日本とは違う全く役に立たない医療保険、ウソだらけのメディア、女性に選挙権を与えるなという女性政治評論家、これでもかというほど今のアメリカのおかしな部分が取り上げられている。
こんなアメリカに対して、日本はたまにはNoと言って欲しい。
それでもアメリカにはあこがれるなぁ。

のり・たまみ著、ワンカップPイラスト『日本一へんな地図帳』(白夜書房)を読む。

2009年01月30日 23時06分07秒 | 読書
つボイ楽耳王2008年9月の番組プレゼントでもらった本をようやく読んだ。仕事帰りの電車の中で読むにはちょうど気分転換になって良かった。
あのつボイノリオ大先生が推薦する本だから、「金太待つ 神田で」とか出てくるかと思ったが、そういうH系はほとんど出て来なかった。
って、先に出版された『世界一へんな地図帳』を読んだ時に書いたことと同じじゃんか。
http://blog.goo.ne.jp/ms1229jp/e/396eb645a3792c8a74c953ce836f50a4

日本というのは、島国で土地も狭いことから、特に境界についてはあれこれ諍(いさか)いが起きているようだ。それで県境が決まっていないところも多々あった。もちろん富士山の山頂も。
過去からの経緯で埼玉県の中に東京都の飛び地があったり、南大阪市とか東京都久留米市など、たった1日だけ存在した市があったり、東京都の青ヶ島村は町名とか番地とかが無かったり。
市町村の平成の大合併、「北名古屋市」は何の問題もなかったが、「南セントレア市」はダメだったなぁ。
町が市になるには「映画館」がないとダメなのか。
同じ名前の市もむずかしいらしい。それでも府中市と伊達市は全国につもある。この本には書いてないけど、じゃあ、愛知県西加茂郡三好町がそのままの名前で三好市になれるかといったら、もう一つの徳島県三好市が大反対でむずかしいらしい。
第6章の「へんな名古屋」、中区と東区の境界のギザギザなことといったらスゴイし、今も昔も将来もず~~っと工事中の島があったりなんかして、大変だなぁ、と言っても当事者はあまり大変とは思っていないのか。
日光の華厳の滝、いつか無くなってしまうのか。
この本に差し込まれているイラスト、姉妹が微妙な名古屋弁&三河弁で盛り上げている。
今回も、いろいろ勉強になったなぁ。

吉田修一著『元職員』(講談社)を読む。

2009年01月18日 05時55分55秒 | 読書
昨年末に某新聞の小さな記事を読んで興味を惹かれて読んでみた。
新聞には、「公金を横領、使い込み。 発覚を恐れた主人公がタイへ逃亡し、現地の女性と日々をすごす(「過ごす」くらい漢字で書けよ~)が、虚無感は消えず帰国を決意する ---。人生を投げ出した男の愚かしさと哀しみがまざまざと迫ってくる。」って書いてあったけど、しっかり内容を読んで紹介しているのかはなはだ疑問。 とばし読みで適当に書いただけの記事でデタラメとは言わないが、実際に読んでみるとちょっと違うんだよな~~。
この著者って、2002年に茶川賞(ならぬ芥川賞)を受賞していたのか、知らなかったなぁ。

帰りの電車の中で、たぶんニヤケながら(別にHな場面が出てくるという意味では無いが)読んだが、160ページそこそこの書き下ろし、異国・タイで働く日本人青年(彼はペナルティのワッキー みたいにタイ語がペラペラ)に紹介してもらった現地女性のミント(名前があのミントキャンディのミントというのもイイねぇ)とのアバンチュール、なんだか自分のできそうもない願望を次々に実現している感じで、自分をこの主人公に置き換えて、頭に映像を浮かべながら、アユタヤにも行ったりしながら、一気に読んでしまった。 面白かった。
主人公は公金発覚を恐れて逃亡したわけではなく、横領したカネで遊ぶために休暇を取って妻と一緒に旅行でタイに来る予定だったのが、妻が公金横領を認識して、旅行に行きたくないと言い出した(ドタキャンした)から、しかたなく1人で来ただけ。たまたまそこで出合ったワッキーがミントを紹介してくれたから、そこから楽しく遊んだだけで、虚無感から帰国を決意したわけではなくて、楽しかったけど(最後はムエタイファイターに殴られたけど)予定の滞在期間が過ぎたから帰るだけなのに----、現時点では人生を投げ出したわけではなくて、公金横領もまだ妻以外にバレたわけでもなくて(でも新人を採用することになったのでいずれバレそうだけど)、元・職員ではなくまだ職員なわけで、最初に書いた新聞記事の内容がデタラメに思えてくるくらいな感じだった。

ただ現実には、たとえば自分が敏腕な会計担当者で、いくらボンクラ上司がメクラ判ばかり押していても(おいおいコンピューターで処理しろよ)、何千万円もの横領はできない(そんなマヌケな遅れた公社でそんな資金が捻出できるとは思えないが、頭のいい○知○職員ならそれくらいウラガネで歌え君が代を捻出できるかも。)し、また、タイのように外はクソ暑くて建物の中はガンガンに冷房を効かせているところでは、すぐに温度差でバテてくたばるし、食べ物も辛いものばかりでは胃腸がもたないな。
ワッキーのようにタイ語がペラペラならいいけど、「コップン カム」(英語でテンキュー)くらいしか言えない自分では会話ができなくて、ミントとの意思疎通もむずかしいしなぁ。

あ~あ、やっぱり夢の中だけの世界だなぁ。でも、それくらい本当にタイでの生活、 よく書けていたよ。


某新聞の記事よりも、こちらの琉球新報の記事のほうがよっぽどか的を射ている。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-139613-storytopic-137.html

山本一郎著『情報革命バブルの崩壊』(文春新書)を読む。

2009年01月12日 03時30分30秒 | 読書
この本は12月の日経か中日新聞にほんのちょこっとだけ取り上げられていた。こういう内容では、新聞社は取り上げにくいだろうに、よく紹介してくれたものだ。

これまでに、『ウェブ進化論』など、インターネットの無限の可能性について書かれたものは多かったし、自分も仕事で帰りが遅くなっても、風呂に入ったり夕飯を食べたりするよりも前に、まずはパソコンの電源を入れてネットにアクセスするくらい、もはやネット依存症(幸いなことにさすがにケータイには全く依存していないが)なので、この本はそのバブルに警鐘を鳴らす意味で刺激的な内容だった。

ネットは広告収入で成り立っており、自分たちのような庶民は、それを無料であれこれ(このweb logもそうだが)利用させてもらっているだけなのだが、本当に広告だけでやっていけるのかと前々から疑問に思っていた。
自分は新聞を、スポーツ紙も含めて3紙も購読しているけど、年々購読者は減っているという。新聞社もHPで記事を公開したりしていて、そのせいで新聞の必要性が無くなって購読者が減っていると思っているようだが、本当にそうなのかどうか、新聞社自体が全く把握していないらしい。
それから、ネット空間、こちらは理想郷とはほど遠い、荒れ放題の貧民がいがみあう楽園だそうで、声の大きい人たちの勝ち、勝つためにはサクラを大量動員して、煽動しているらしい。 だから悪いほうに傾けば、すぐにバッシング~~、HPやweb logが炎上する ことになるし、製品の不買騒動に発展してしまう。
向精神薬などを常用している攻撃性の高い人間が、往々にして在宅だったり、ネットカフェに常駐していて、ネットにしょっちゅうアクセスしているのも一因らしい。

ライブドアーのホリエモンの実刑についても書かれていた。ああいうIT産業、ものすごく勢いがよく儲けているように思えるが、実はそれは見せかけだけで、実際にIT、あるいは広告収入だけではほとんど儲かっていないことがわかる。儲けているのは関連会社間で転がし合って値段を吊り上げているだけのこと、ホリエモンや村上ショージ似(村上世彰)は、出る杭は打たれるといったところで、実は新興市場ではそんな虚構な会社がうようよしているらしい。
自分は株をやっていないが、やっていたらボロボロになること間違いなし。
仮想空間の「セカンドライフ」も住人はガラガラとか。

ケータイでJフォン・ボーダーフォンを買収し、価格破壊し勢いのあるように見えるソフトバンク、これもケータイ需要が飽和状態になりつつある今、もう崖っぷち・ヤバい感じらしい。利益を先食いして価格を下げてユーザーを増やして、後から収益性の高いサービスに転換していく手法を取ったが、ユーザーの質が低すぎて思うように収益が伸びず、iPhoneも起爆剤にはならず、その結果が大自転車操業、運転資金の枯渇で経営破たんといシナリオが見えるらしい。まあ、そうなる前に値上げの嵐が来るに決まっている。
結局は電話線を引いている元の電話会社&国際電話会社に集約されてしまうらしい。

最後の章の「ネットの中立性」、中立性の意味はよく理解できなかったが、ともかくこのままいけば、ネットバブルは崩壊、宴は終わるらしい。
これがもし本当ならば、この著者に一度うちの会社の財務状況を判定してもらいたいよ。
うまく本の内容は要約できないけど、衝撃的な内容だった。

ビートたけし著『貧格ニッポン新記録』(小学館101新書)を読む。

2008年12月28日 23時37分55秒 | 読書
この本は、前回のビートたけちゃんの本と同じで10月に出て、11月中には読み終えていたんだけど、なかなか記事を書く余裕が無かった。
内容は、「週刊ポスト」誌上に連載中の「21世紀毒談」の2007年~2008年8月の記事の中から抜粋してまとめたもの。
ビートたけちゃん、最近はTV番組に出ていてもどうも聞き役に徹しているようで、あまり毒舌を吐くことがなくなってきて、良識のあるおとっつあんになってしまったようでちょっと寂しかった。
しかし、この本を読んだらそんなことは全く無いことがよくわかった。 たけちゃんはこうでなくっちゃね。
安倍政権、スロー○○○、自民&民主大連立構想、中東の笛、朝青龍、メタボ健診、新銀行東京、食品偽装事件、船場吉兆の使い回し、居酒屋タクシー、発掘あるあるの納豆ダイエット、ぶリーズびートキャンプ、「いつまでもデブと思うなよ」、ミシュラン、裁判員制度、○○の品格などをたけちゃんらしく、オモシロおかしくブッタ切っている。
また、山本モナの復帰策や団塊世代の救済策についても考えている。
最後の特別付録の宮崎県・東国原知事との師弟対談も面白かった。そのまんま東も師匠の前ではたじたじかと思ったら、結構しっかり応答しているじゃんか。ハニートラップをかけられることもあるのか。

たけちゃん、これからも世相を独自の視点でオモシロおかしく切ってくださいっつ~の。ジャンジャン!

ビートたけし著『たけしの「オイラが東スポ編集長!』(宝島SUGOI文庫)を読む。

2008年12月07日 23時30分00秒 | 読書
1991年~1996年まで東京スポーツ新聞に連載されたビートたけしが書いた記事を本にしたものを、さらに文庫にしたもの。
10年以上前の記事なので、時代を感じるものや全く記憶にないものもあった。
一番記憶に残っているのは、ビートたけちゃんがバイクで生死にかかわる大事故を起こして顔面麻痺になっちゃったことだけど、それ以外にも、オウム・麻原・上祐・サリン事件・江川紹子だったり、宮沢りえさんがガリガリになっちゃったり、統一教会だったり、悪魔くんだったり、志村けん死亡説があったり。
また、「あの人は今」に出てきそうな若人あきら・なべやかん・大林雅子・貴乃花・真木蔵人・高岡早紀・ルビーモレノ・故勝新太郎など、今となっては全く名前を聞かなくなった人の話題も多かった。
東スポ映画大賞ってのも毎年やっていたのかって感じ。

ともかく、やはりちょっと今とは違うので、あまりおもしろくは無かった(同じ10月に発売されたビートたけちゃん本なら、もう一冊のほうが断然おもしろい。)が、小柳ルミ子がオッパイ出して踊ればこれは客が入るだろ、というのは今でも使えるよな。 ちゃんちゃん。

陳舜臣著『ものがたり 水滸伝』(中公文庫)を読む。

2008年10月13日 21時33分04秒 | 読書
「水滸伝」、小さい頃に親戚の家に行った時にこれが漫画本で何巻も置いてあって、少し読んだら面白そうだった。これまでにも何度か読んでみたいとは思ったが、漫画ではない普通の本でも何巻にもなっていたりして、その分量の多さに結局読むこともなく今に至った。
たまたまこの秋に本屋で見て、400ページの文庫だったので、これなら読めるかなと思って読んでみた。
パチンコのCMにもなっているアウトローの「梁山泊」の物語だと思っていたが、そうではなくて、汚職高官たちがはびこる腐敗した社会の不正の犠牲になった108人の好漢・豪傑たちが自然の要塞「梁山泊」に集まり悪徳高官を倒していく叛逆の物語だった。
中国・北宋時代(960年~1127年)は、何事もうまく事を運ぶためには賄賂を贈るのが常識だったり、金銀財宝の力がものをいったり、相手を簡単に殺してしまったり、またその殺し方が豪快だったり、殺した人間の心臓などの臓器を見せびらかしたり、休憩所といえば酒だったり、酒がしびれ薬になっていたり、情に非常にもろかったりして、そんな中にも知恵を絞った戦略が考えられたりしていて、なかなか面白かった。
ものがたりは、どんどん読み進めていくことができ、あっという間に進んでしまったのだが、何せ108人が中国名やニックネームなどで次から次へと出てくるので、人物のキャラクターを把握する間が無かった。