最近、野田総理が「人々の絆が試される」とかいって、
各自治体にガレキ処理をなんとかやらせようと大急ぎですね。
マスコミもやたらに「日本人の絆はなくなったのか?」と、
ガレキ処理を罪悪感でなんとかしようとしたり。
正直、原発関係はいろんな立場の方がいらっしゃるので、
気軽に話したくない部分が大きいんですが、
ガレキ引き取りを拒否したら、人間として疑われるなんて、
なんかもうなんだかなぁの世界になっちゃったな、って感じです。
ガレキを日本中に分散するという事は、核廃棄物を仲良く分かち合うって事ですよね。
そしてそのガレキからはみ出したりしみこんだりして、各地に散らばった放射性物質で、
今度は広範囲に渡って汚染物質が出来上がるわけです。
日本中に放射性物質が拡散したら、安全に暮らせる場所も、
安全に農作物や海産物を作る場所もなくなってしまうので、
結果、全ての人が安全な食べ物を手に入れることが出来なくなってくるんですよね。
これは自分達だけの問題じゃなく、被災地の方にだって安全な食物は必要ですし、
ベラルーシの子達がそうしてるように、たまにでも線量の低い場所に
ホームステイしたりってことも出来なくなったりして、
被災地の人を救うどころか、逃げ場の無い状況に追い込むだけになっちゃうわけです。
個人的には、放射性物質が含まれたガレキ(そうでなくてもいいんですが)は、
深さ1万メートルくらいの日本海溝の深海に沈めちゃえばいいと思ってます。
この言い分は私の想像以上にかなり批判の対象になってますが、
ポイントは深海ってとこなんです。
海に沈める=海洋汚染と思われてる方も多くいらっしゃいますが、
ある一定以上の水圧がある場所においては、その圧力によって、
海底に自然に沈むだけとなるでしょう。
またこの手法を使う場合、核物質を容器に密閉する必要があり、
その容器は水圧にも腐食にも耐えられるものでなければならないと
いう話もありますが、そこまでのものを用意する必要もまた無いと思います。
なぜなら容器が破裂するほどの圧力がかかる場所では、
放射性物質が拡散することが考えにくく、どのような形状でも
そのまま海底に沈むことになるでしょう。
現在見かける深海への投棄案は2000m~3000mというものが多い気がしますが、
この深さではやはり反対されてる方の不安もごもっともだと思います。
何より、ロンドン条約では最低でも4000m以下という事になってますし、
日本海溝という、とにかく深い最適な場所があるのですから、
ここでなら大丈夫なのではと思っています。
海底の生物に対して悪影響がある、結局自分たちの口に戻ってくる、
そのように心配されてる方も多かったです。
しかし、私が提案する1万メートル以上の深海となりますと、
私達が知ってる生物の生存環境とは全く異なるものとなります。
この辺はもう少し具体的に調べたいところではありますが、
この領域の魚を採って食べることもまずありません。
というか、それだけ深い海の底であれば、むしろかなりの高温となり、
私達の知ってる範囲では、生物は生存することが不可能ということにもなります。
ここでひとつ疑問があります。
確かに、海底1万メートルの深海に生物がいないと断定することは出来ません。
しかし、各自治体がガレキをひきとったとしても、
そのガレキを集めた場所にも、いろんな生物がいます。
陸上だったり、土の中だったり、地下水路が行き着く先の河川だったり。
ひとつはっきりさせておかなければいけないことは、
どんな場所でガレキの処理が行われることになったとしても、
それはあくまで地球上のどこで処理がなされるかの違いに過ぎない、
という視点が必要になるということです。
海に捨てたら海洋汚染、山に捨てたらもっとあちこちが汚染、
結局どこに運んだところで環境が無事なままでいられる場所はほぼ無いんです。
大きな土地を持ってる方が、ご自身の敷地内でガレキを引き受けたとしても、
それで他の場所が無事でいられるという事はまずありません。
発火すれば放射性物質が拡散、何十年後には地下水路に浸透して、
あたり一帯の水が汚染されてしまいます。生態系にも影響があるでしょう。
それにもうひとつ、大きな土地を持ってる方と言っても、
その人がいくら土地の所有権を持っていても、結局地球の一部です。
それを勝手に自分の所有物だからという視点で判断していては、
この問題が根本から解決することは無いでしょう。
そして何より大きいのは、地上で大気に触れたまま処理するということは、
核物質が何万年もその場にとどまり、広範囲に拡散し続けるという点です。
ほぼ永遠に収束を向かえる事はありません。
しかし深海1万メートルの日本海溝の海底であれば、
プレートが核物質を地球内部に引きずり込んで行く為、処分が可能になります。
大気に接触しておらず、水圧で海底から動くことは出来ないので、
どこにも拡散することなく、いずれ大きな自然処理場に運ばれていきます。
この方法で行けば、文字通り収束を向かえる事が出来るのです。
この方法でもっと問題になるのは、技術面よりも人の精神的な部分でしょう。
この方法は良心と細心の注意を持って事に当たらなければ、
海洋汚染の可能性が残る海域に投棄してしまうこともあるでしょうし、
何でも飲み込んでくれる自然の処理施設は、悪用することも可能です。
この場所があるからいいと、今までの状況を省みることなく、
不完全な核開発を続ける方も必ず出てくるでしょう。
それを考えたら、理由は違えど批判の多い今はまだいいのかもしれません。
しかし、ガレキ処理については、少なくとも方法の議論が急がれる状態です。
また、この方法をとると世界が黙っていないという方も多く見かけましたが、
先ほども申し上げたように、地球のどこに廃棄するかという違いだけで、
元々世界はTOKIOが食べて応援なんてCMを、ものすごく厳しい目で見ています。
日本国内の土地で処分出来ればいいとか、輸出すればいいとかっていうのは、
100年後、200年後がどうなってもいい、またはそこまで考えてない発想に過ぎません。
外国から観光客を誘致するにも、グローバルな社会が展開されていくにしても、
(個人的にはグローバル反対ですが)何かを輸出するにしても、
いろんな形で世界に放射能をばら撒き続ける結果になるだけです。
その時、世界が世論がどうのこうの、黙ってればなんとかなるの世界で済むのでしょうか?
それに、世界の海洋投棄は日本のものよりもっと雑で、
いろんな国が揃ってしたたかに放置し続けているのが現状です。
特に中韓露に言う権利は無いというほど、いろいろ捨ててくださってます。
ロシアは日本海にぼこぼこ核燃料捨ててますし、
韓国なんざ世界一の不法投棄国として、核物質だって何度もうっかり捨ててます。
以前こちらで扱ったエントリには、海洋投棄の規制をするにも、
そのシステムが整っていないため、企業から反対されたということもあります。
中国にいたっては言う必要がないほどでしょう。
その中で日本は確実に安全な方法を採るっていう話なんですし、
それにこれは、未曾有の大事故を起こした国の日本が、
これから世界で起こりうる事故の雛形として、
新しい安全なシステムを確立するという大きな役割を果たすことにもなります。
他所の国で同じことが起こっても、陸上で処分されれば汚染が広がりますし、
それなら海底で、と言ってもそのシステムが整ってなければ、
多くの方が心配されている海洋汚染が現実のものとなります。
しかも各原発の老朽化を考えると、それが世界規模で展開される事もあり得るので、
今システムを作っておけば、未熟な技術と精神で核開発に手を出さない限り
少なくとも核の廃棄に関しては、未来永劫無事が守られる事にも繋がります。
これが日本での話だからこそ、この提案が出来るのです。
というか、今でも実際は福一で海洋投棄が続いてるんですよね。
早いところどうにかしないと、心配のタネの海洋汚染がもっとひどくなるんです。
仮に福一で投棄をやめたところで、大雨や高波がきたらもう流れ放題です。
作業員や現場の人のやり方がどうのという問題ではありません。
今の現状ではこれしか手が無いからこうなってるんです。
だからガレキは一旦福一周辺に集め、処理場を作ってそこから日本海溝にどんどん送る。
やはりこれしか無いと思います。地元の方には大変申し訳ない発言ではありますが、
この先開発される技術次第では、やがて本当に安心して住める日が来るかもしれません。
でもそれにはまず、現存の原子力施設やガレキを全撤去する事が必須です。
施設の耐久年数やいろんな事を考えても、今の原子力は全廃する事が望ましいです。
そうすれば停止しても再臨界を迎える事なく、本当の意味で安全な脱原発が出来ます。
一旦とにかくほとんど資料無しで書きたいだけ書かせていただきました。
後ほど自分でも内容を精査いたしますが、その点ご了承いただけますと幸いです。
以前も紹介させていただいた、ネイティブインディアン、ホピ族の言葉です。
母なる大地から心臓をえぐり出してはならない、もしえぐり取ったならば、それは灰のつまった瓢箪と化し、空から降り、やがて世界を破滅に導く。この瓢箪の灰は、恐ろしい破壊力を持ち、川を煮えたぎらせ、大地を焼き尽くし、生命が育たなくなる。そして人々は不治の奇病に苦しむのだ。
カワク・ワ ロロマニ(ありがとう。未来に良きことが起こりますように)