思う・学ぶ・発達支援 心のケア サイト

特別支援教育の実践情報など。また,日々の喜びを見つけ、よくする手立てはないか考える、成長・教育のサイトです。

多動で授業中も教室から出てしまう小2の児童

2019年04月18日 | 教育
1 主訴

・多動傾向で授業中も教室から出てしまう。やりたくないことは怒って暴言を吐く。

2 家庭

・生まれたときから祖父母が養育している。祖母が熱心に勉強を教える。

3 学校

・通常学級在籍で,支援学級に国・数の時間に行く。教室に1時間はいられず,
 出ていったり,途中から粘土遊びをしたりしている。

・絵を描くことは苦手。生き物が大好き。休み時間も虫取りをする。

・支援員がついて,教室から出ていくときや,支援級に行くときについていく。

・学校の門から出ようとするときもある。

・池で魚を掴むのが好きで,小1の頃,玄関前の池に何度か飛び込んだ。

・学習はプリント一枚も時間内には終わらない。分からない,やりたくないという。

4 様子

・WISCの検査をがんばった。割りと素直に応じ,1時間20分間行った。途中,
 30分の頃トイレに行った。1位間立った頃,ソファーに寝転がり,カゲロウ
 の幼虫を取りに行った。戻って見せてくれてから,また再開した。

・その後は教室に行かず,支援員さんと陽炎の幼虫を取ったり,トカゲを探したりした。
 
・給食は友だちとしりとりをしながら楽しそうに食べていた。

・休み時間は友達と,キックベースボールを校庭で行った。ルールが曖昧ながらも,
 一緒に楽しんでいた。

・掃除は階段を自在箒でよく掃いていた。終わるとふざけ始め,怒られた。

・5校時は支援学級でで学習。2年生の国語テストだったがやらず,粘土遊びをした。

・帰りの会は時々席を離れるが,最後の頃は座っていた。連絡帳はみんなが終わ
 っても書いており,途中省いて終わりにした。

・朝から裸足で過ごす。外に行くときには靴を履く。靴下はすぐに脱いでしまう。

5 今後の対応


・検査から見ると,知識と理解が標準で,後はすべて低い。能力は追いつかないが,
 祖母が何とか日常のことを教えて頑張っている様子がうかがえる。

・本人は学年相当の学習は難しいように感じる。分からないし,うまく早く書けな
 いのに何とかやろうとしている姿が見える。

・支援級での学習を大切にし,

①パズルの学習で構成力を付ける
②大好きな読み聞かせ,暗唱直写スキルで運筆の練習と共に画くことに自信を付ける
③低年齢の「うつしまるくん」(東京教育技術研究所)で字の練習を行う

など取り入れていくとよいことを提案した。

・支援員の支援の仕方,担任と支援員と支援学級担任の連携について,校長先生も交え,
 相談した。
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先生や友達にほおずりしたり,キスしようとしたりする小4の自閉症の子

2019年04月17日 | 教育
1 主訴

・担任や支援員,クラスの隣の席の児童に頬ずりしたり,キスしようとしたりする。
 6年生くらいの体の大きさもあり,今後2次性徴を迎えるにあたってもどの様に
 対応していくことがよいか。

2 今後の対応

・いけないことはいけないと厳しく叱るということで,職員間の共通理解となって
 いる。いけないことは注意するものとして,それだけではなく,どのように行動
 することがよいか教えていってほしい。

・ただ叱って,押さえるのでは,今後思春期になって,問題行動が大きく表れる恐
 れがある。

・自閉症の子は社会スキルが身に付きにくい。口で説明するだけでなく,必要に応
 じて,やって見せて,やらせてみて,できれば誉めるという形で具体的に教えて
 いってほしい。

・今後社会自立のために,どれだけ社会スキルと身に付けられるかが大事になって
 くる。


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3学期から支援学級で国・数の授業を受けている児童の対応(小4)

2019年04月15日 | 教育
<様子と今後の対応>

1 体育の授業から

・「お腹と背中に力を入れる」といった具体的な指示があり,「どこにマット
 があったらかしこい?」と思考しやすい発問,「10回跳んだら座ります」
 と明確な発問などがされ,片付けでは班ごとに時間差をつけて動かすなど,
 たいへん授業の流し方に配慮がなされていた。

・本児は集団活動に乗って,よくゲームに参加できていた。

・言葉での指示がほとんどだったので,ホワイトボードを使う,画用紙を使う
 などして,視覚的な指示を加えておくと,本児が一つ一つ聞きに来なくて済
 み,先生もたびたび説明しなくてスムーズに授業が流れると思うので,その
 ような配慮をしてはどうかと話した。

2 負担を減らした効果

・年度末に大きなパニックがあり,服が破れるということがあったらしい。
 母親が家庭で勉強を熱心にさせるあまり,間違えると何度も消してやり直さ
 せるなど続いたことがストレスとなっていたようである。

・面談をして,母親があまり無理をさせることをやめ,学校でも負担を減らす
 ようにすることで,一気に落ち着いて表情が明るくなり,パニックは一切な
 くなったとのことである。

3 調理の授業から


・スケジュールが黒板に提示してありよかった。

・作成表の文の中で,ポイントの言葉(「ゆっくり混ぜる」など)が赤で書か
 れていたり,下線が太く引いてあったりしてとても分かりやすかった。

・時計の図で始まりと終わりが掲示されていてよかった。

・調理の終わりでは,きちんとエプロンをたたみ,机の右上においていた。
 日頃の学習のしつけがよくできていた。

・身支度も自分できちんとすることや,作る手順をイラストや写真で並べて,
 自分一人で進められたり,分からないところだけ聞いたりできるようになると
 キャリア教育につながるのではないかと話した。

・3学期より支援学級で国・算を中心に行っている。本人は伸び伸びしている
 ようである。姉も支援級におり,2人で学習を受ける形である。

・周りの掲示物が多く,広々しすぎている部屋でもあったので,集中するため
 にセパレートできるボードなどもあるとよいと話した。

・横長の細い線しかはいっていないプリントだったので,字の大きさがまちま
 ちで見づらくなっていた。まだ,字の大きさを安定して書けない様子だった
 ので,ますを入れたり,マスの入ったノートを使った方がよいと話した。
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学習の遅れへの対応(小4)

2019年04月14日 | 教育
1 話合いの結果,環境調整がよくされていた。

・座席が一番前になっていた。全体指示の後,個別の声かけがしやすくてよい。

・黒板右の棚が整理され,目につくものが取り除かれていた。気を散らす状況の
 改善が図られていた。

・黒板左の棚に覆いがされた。※絵がついていてやや気になったのでよりシンプルにできるとよい。

2 クラスの雰囲気がよい。

・担任と児童の関係がよく,クラスが温かい。本児にとって好ましい環境である。


3 気になる点

・特別な配慮の必要な児童にとって,ついていくのに難しい作業,ノートの取らせ
 方など感じた。

・問題文を書いて授業を始めるが,本児が書き終わるまで,3分近く他の子を待た
 せることとなった。

・さらに説明が始まっても本児は問題文を書いており,説明が聞けず,そこから完
 全に遅れ始めた。

4 今後の対応

・一番前の中央の席で,先生の目が届きやすいと思う。全体に指示してから,周り
 の子が作業を始めたら個別の声かけをさりげなく行って支援してほしい。

・黒板左の覆いはよかったのだが,できれば白や無地のものにできると,より集中
 の妨げを減らせると思う。

・長い問題文の場合,貼り付けるようにして,他の子ども達の授業の保障,本児の
 「問題文を解く」という学習に専念させてもよいと思う。※算数なので。

・問題文と式,答えの間は一行か,指一本分空けるなど,見やすいノート作りを心
 がけて,本児が見やすいノートにしてほしい。

・マス目ノートを使っており,書き写す抵抗が軽減されている。高学年でもマス目
 ノートを使ってほしい。

・〇付けに座席を回っていたが,全部回るのは難しいので,持ってこさせて,素早
 く○×を付けて返すやり方も取り入れるとよい。(※列をつくらない配慮をして)
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読み書きに遅れのある小1の子の指導

2019年04月13日 | 教育
1 指導の様子

・読みの場面では,先生が一文字一文字指さし,それを本児が一文字一文字
 読んでいた。

・黒板の写しでは長いものは先生が赤鉛筆で書いてあげていた。

・漢字の空書きで,左手で師範しながら子どもたちに書かせていた。

・題の脇に○を10個書かせて,読むたびに塗りつぶす指導を取り入れていた。

・若干,黒板の問題を解答して先生の所に持ってこさせる流れ,言葉かけ,
 子どもたちに黒板に解答を書かせる位置や段取りがよくなかった。

2 見立て

・指導に高い「技術」を感じた。TOSSの指導など,熱心で勉強していることが伺えた。

・「技術」は知っているが,我流になっていて流れの悪いところがある。
 「技能」を磨く必要性を感じた。

3 今後の対応

・赤鉛筆で写させて,褒めていくということを継続し,自信を高めたい。

・1年生用のうつしまるくん,直写スキルなどの教材を使用し,自信を高めながら
 字の練習をできるとよい。

・赤鉛筆指導は本児に合っている。以前黒板を写せなかった子が,ノートを2冊用意
 して,あらかじめ1冊に赤鉛筆で書いておき,それを子どもに写させると半年くらいで
 ずいぶんで写せるようになった話をすると,ぜひやりたいといっていた。

・問題文には番号を振る。子どもたちが書く場所には点を打つなど,配慮の必要な子に
 分かりやすい手立てを細かく取り入れるとよい。 
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