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離席が多いアスペルガーの児童(小2)

2019年04月24日 | 教育
1 主訴

・落ち着いて授業を受けることができず,支援学級でも10分くらいで離席してし
 まう。一般学級での授業も多く,どのように対応したらよいか。

2 学習の様子


<支援級>

・漢字の学習では,やりたくない様子を見せ,2つ漢字を書いて音読の後,15分
 くらいで教室の後ろに行った。支援員と室内バトミントンを始めた。

・休み時間は支援級の友だちとサッカーゴールの所でシュート練習をした。

・3時間目九九の練習では,やりたくない様子が見えたが,支援員に抱きついたり
 かくれんぼをしたりする場面もあったが,最後は着席して取り組んだ。

<一般学級>

・体育では縄跳びを行った。前跳びはできるが後ろ跳びは難しい。
 長縄跳びでは,一人だけ跳べなかったが,頑張っていた。

3 環境や指導について

<環境面>

・前の本棚を白カーテンで覆っていることがよかった。子どもたちの気を散らさな
 い工夫。
・別な学年の子と学習の場を分けているパーテーションがよかった。
・学習の流れを黒板に書いてあるのが分かりやすくてよかった。

<指導面>

・「あと○分です。時計を見てください。」と時間の経過を言ったり,時計を指さ
 して注目させたりしているのがよい。

・どうしても学習に乗れないとき,「室内バトミントン」「かくれんぼ」など,楽
 しい学習が途中にありよい。

・かけ算,引き算の繰り上がりをしっかり書いてあるのが分かりやすくてよい。

・室内バトミントンは,方向のコントロールするなど力の調整力が付き,とてもよ
 い。

4 課題

・IQ62である。認知的には,幼稚園の年中さんと小2の子が同じクラスで勉強し
 ている状態である。相当配慮しないと,学習についていけない。

・全体に話をして,みんながやり始めたら個別に声をかけてフォーローすることが
 必要。全体に向けた話は聞きもらしたり,よく分からないでいることが予想され
 る。

・今後,社会や理科の学習に入ると思考する,話合うといった学習も多くなり,つ
 いていけないことが予想される。ここだけは写す,どうしてもわからないとき,
 追いつかないときには,資料集を見ていてよい,書かれたものを貼りつけるなど
 負担をかけないよう配慮することが必要となる。

・IQ62の結果は,一人で精いっぱい集中した場合の値なので,実際,集団のなか
 では,それよりもさらに少し下がる値の学習が達成感を生み,意欲につながっていくの
 で,配慮していってほしい。
コメント
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