何故死んでしまったの…祥一郎の生きた証

私は2015年12月28日、20数年共に暮らした伴侶である祥一郎を突然喪いました。このブログは彼の生きた証です。

おっちゃんは壊れてみたい・・・お前のために・・・・・

2016年03月15日 | 死別体験
祥一郎・・・・・・・・

外出する度に思う・・・・・・・・・


絶えず下を向いて、アスファルトの冷たい感触を確かめるように歩いているのに、どうしても

幸せそうな家族、仲の良さそうなカップルが目についてしまう・・・・・・・


見るまい、或いは視線を遠ざけようとするのだけれど、俯き加減でのろのろと歩いていても、どうしても視界に入ってきてしまうんだ。


そんなとき思うんだ・・・・

「なぜ、お前たちはそんなに幸せそうなんだ?なんでそんなに笑っていられる?俺の、俺の最愛の人はもう居ないんだぞ!それなのになぜお前たちは・・・・・・・」

そう言いながら詰めよって、相手の襟首を掴みながら激昂したら少しは気が晴れるんだろうかと。

いや、家族連れやカップルだけじゃない。

一人で歩いている人にでも、楽しそうな人が居たら、「祥一郎はもう死んだんだぞ!」と言っていきなり殴ってやったらどういう気持ちになるだろう・・・そんなことも想像したりする。

・・・・・・・・・・・・・

実際そんなことが出来るわけも無く、それほど自分を壊すほどの勇気もなく・・・
ひたすら俯きながら、そんな幸せそうな人々を横目で、上目遣いでやり過ごすしかないんだ。


いや人間だけじゃないんだ。

道端の歳ふりた野良ネコにさえ、「なんでお前はそんなに長く生きてるんだ!」なんて感情を抱くことも有る。

野良ネコだけじゃない、散歩中の飼い犬にも、公園の鳩にも、スズメ達にも、小うるさいカラスにも、梅の花にも、桜の蕾にも・・・・・・


この世の生きとし生けるもの全てが妬ましく、すべからず滅べばいいのにと思ってしまう・・・・・・


何故なら、私の最愛の、たった一人の最愛の家族伴侶パートナーで有った祥一郎は、もうこの世に居ないから・・・・・・・・・
この世で命を燃やすことは、祥一郎にはもうできないから・・・・・


祥一郎・・・・・・・・

おっちゃんの精神は、心は、こうやってどす黒く邪悪になっていくんだろうか。

それは確かに恐ろしいことではある。


でも、でもね、祥一郎。

そうやって自分が粉々に壊れて行ったとしたら、それはお前への愛がそれほど大きく深かったからなんだろう。

お前がそんなおっちゃんを決して望まないにしても、不器用なおっちゃんはそうすることでお前への愛を表現したい・・・・・・・そうせざるを得ない状況に自分を追い詰めてみたい・・・・・・

そんなことも思うんだ。

それはやっぱり不幸なことなんだろうか・・・・・・・

おっちゃんにとって、お前の死よりも不幸なことなんだろうか・・・・・・・

四九日、二日目の法要 祥一郎の為に

2016年03月15日 | 死別体験



(※ これは去る2月15日、四九日法要の二日目に書き溜めたものです)

祥一郎…………

お前の仏壇が、お花でいっぱいになったよ。



きょうはお前の四九日法要の二日目だよ。


狭い部屋に五人も集まってくれた。

お前が亡くなった当日、遠方からおっちゃんを慰めにきてくれたお二人。
おひとりは洗たく機もらったときにちょっと逢ったよね。

そしてもう一人は、今度お前の法要を提案してくれた人だよ。ちゃんとお坊さん呼んでお経もあげてくれるんだ。奥さんも御一緒に来てくれたよ。

そして、おっちゃんが悲しみの極致に居た時に、家に呼んで慰めてくれた人。

そして、お前がおっちゃんの紹介で、何ヶ月かアルバイトした居酒屋のマスターも来てくれたよ。

賑やかに、お前の想い出話しに華が咲いた。


みんな、みんなおっちゃんの大切な人たちだ。

その人たちが、お前の為に集まってくれたんだよ。

同じゲイの人は居ないけど、あっ、ビアンの人は一人居るけど、でも皆仕事や悩みを抱えながらも、きょう集まってくれた。


おっちゃんのお前を亡くした巨大な悲しみを理解して、少しでもおっちゃんの助けになるのならと
集まってくれたんだ。

よかったね。


お前のことを、お前の生きた証を証明してくれる人たちがここに居るんだ。

おっちゃんはこの人たちの協力を得て、これからまたお前の生きた証を紡いでいくんだ。


そしてこの人たちの心の中にも、お前の存在は引き継がれていくんだよ。


お前が残したかった生きた証というのが、どういうものかは今となってはわからない。


でも、おっちゃんはおっちゃんなりに、それを、証を残していくつもりだ。


祥一郎…………

そこで見ててくれるよね?


悲しいよ………悲しいよ……とてもとても悲しくて寂しくて辛いよ…………


でも、おっちゃんできるだけ頑張るから…………


だってそれだけが、これから先のおっちゃんの人生の意味だから…………