■マーケット
フィンテック投資に日本が出遅れ?
日銀はきょうフィンテック(=金融にかかわる技術)の関連企業を集めた会合を初めて開催しました。この会合で黒田総裁は「金融サービスの利便性向上や経済活動の活性化に結びついていくよう、中央銀行の立場からなし得る最大限の貢献をしていく」と話しました。この発言の背景には、フィンテック関連企業への投資に日本が出遅れている現状があります。去年の日本のフィンテック関連企業への投資額は、およそ65億円です。この額は、アメリカの200分の1、中国の30分の1と、はるかに小さい規模です。日本では起業すること自体が少ないことも背景にあるとみられていますが、日銀は今後も継続的に会合を開いて、企業間の連携を促していく考えです。
米 新学期商戦が好調
米国では9月から新学期が始まり、夏休み期間中に学用品を買い揃えるのが一般的です。これはバック・トウ・スクールと呼ばれる商戦で年末商戦につぐ大きな商戦です。全米小売業協会の調査によりますと、子供のいる1世帯当たりの支出は去年の630ドルから今年は670ドルと増える見通しです。全体では273億ドルと前年比9.6%増の見通しで4年ぶりの高い水準となります。高校生までは衣類が一番、2番目がコンピューターや計算機、ノートや鉛筆、鞄など。大学生になるとコンピューターの家電、学生寮に入る場合には家具なども上位に入ります。新学期セールが順調なため、今年年末にかけての米個人消費にも期待できそうです。
中継担当:ニューヨーク支局進藤隆富記者
■特集 英“EU離脱”で日本企業に動きアリ!?
イギリスのEU離脱を受けたセミナーには200人以上の企業関係者が殺到した。一方、イギリスから“脱出”する企業の動きを“チャンス”と捉える国がある。アイルランドで人材を探す外国企業が急激に増えているのだという。アイルランド政府は、今こそ、企業の誘致を進めたい考えだ。日本企業に目立った動きはないが専門家は…「密かに動き始めている」「よく検討されているのはスコットランド」と指摘。スコットランドはイギリスだが独立派が多い。政府関係者も「EU市場に留まるため必要ならば、英国からの独立は当然の選択肢になる」と話す。スコットランドで不動産業界も生産拠点をつくりたいという外国企業からの問い合わせが増えているという。日本企業も例外ではなく、近く生産拠点をつくる契約がまとまると言う。「脱イギリス」へ動きだした日本企業。その受け皿をめぐる駆け引きが始まっている。
取材先・アシャースト法律事務所・日本機械輸出組合ブラッセル事務所・人材紹介会社シグマ・アイルランド政府産業開発庁・ジャパン・コア・コンピタンス・マネジメント・スコットランド自治政府・PIPアセットマネジメント
東京・港区で開かれた英国EU離脱を受けた緊急セミナーには200人以上が参加した。そこでアシャースト法律事務所の岩村浩幸氏は「関税を日本からEUに輸出するときに払い、EUから英国に送るときにも払うことになる可能性がる」とのべた。また日本機械輸出組合部ブラッセル事務所の福永哲郎所長は「ぜひ今のうちに行動を」と述べた。英国のEU離脱を巡っては、すでにボーダフォンなどが本社を国外に移す可能性を表明し、日本企業も対応を迫られている。
一方、EU加盟国のアイルランドは英国から脱出する企業の動きをチャンスと捉えている。アイルランドでは人材を探す外国企業が急激に増えているという。ダブリンの人材紹介会社シグマのロバートマクギラフォードリック氏は「企業から人材の問い合わせが急増している。英国の離脱でアイルランドはEUで英語を話す唯一の国となるため、ヨーロッパ中の人材や企業を引きつけている」という。またアイルランドの法人税率は12.5%と、法人税がEU主要国の中では最も低いため、既にフェイスブックやグーグルなど多くのグローバル企業の拠点もある。アイルランド政府は今こそ企業の誘致を進めたい考えだ。アイルランド政府産業開発庁のキーランド・ノヒュー氏は「多くの企業はEUへのアクセスを維持したいと考え、アイルランドが有力な選択肢になり始めている」という。アイルランド政府は既にPR動画を作成している。ただ英国からの撤退は従業員の解雇などに直結するデリケートな問題のため、英国に進出する日本企業の多くは表向き方針を明確にしていない。
専門家は日本企業はスコットランドを検討しているという。
《ロンドン在住のジャパン・コアコンピタンス・マネジメント/戸田洋正氏》
「日本企業は様子見に見えるが目に見えないところで行動。日本企業が検討しているのはスコットランドだ。」
スコットランド自治政府のウィルハウス商業エネルギー相は「EU市場に留まるためには独立が唯一の道」という。戸田氏は「日本企業はスコットランドの支店を現地法人に変えておくと、そこを使える」という。不動産開発会社PIPアセットマネジメント・ケビンフォーセットは、生産拠点を作りたいという外国企業からの問い合わせが増加していて、「日本企業からの問い合わせも何件もある」と言い、近く日本企業の生産拠点を作る契約がまとまるという。脱英国へ動き出した日本企業。その受け皿を巡る駆け引きが始まっている。
■ニュース特集
“イケア”の新戦略 新しい家具は日本のニーズつかむか?
きょう、イケア・ジャパンの事業戦略発表会がありました。今月1日に就任したヘレン・フォン・ライス社長はそこで相次ぐ商品回収について謝罪。今年で日本進出10周年を迎えるイケアが巻き返しのためにとった新戦略は、世界13都市での意識調査です。世界の各都市と比べ、東京では「一人で過ごしたい」「物を減らしたい」という答えが半数以上でした。イケアは個人宅を訪問して聞き取り調査を行っています。今は夫婦で一緒の部屋にいながらも、別々のことをしたいという傾向があるといいます。日本人の住まいの悩みを解決するために、イケアは限られたスペースを有効活用する“マイクロリビング”を提案します。新商品の一人掛けソファは、並べて組み合わせることができますが、背中合わせにすることなどで、同じリビングにいながら一人のスペースを作れます。部屋の空いているスペースに置くことのできる箱型の収納も販売します。
なぜ?三越伊勢丹が大規模運動会
企業が実施する社内運動会の数は年々増え続け、今年は200を超える見込みです。このうち4分の1は大企業です。こうした中、大手百貨店の三越伊勢丹ホールディングスが社内運動会を開催しました。去年21年ぶりに復活した運動会を今年は大規模化。参加者は去年より1,500人増え、およそ5,000人になりました。首都圏の店舗9店舗は、運動会のために、一斉休業。そこまでして、大規模な運動会を開催する理由とは、様々な所属の従業員たちのチームワークを高めるためです。そこで今年は三越伊勢丹に入居するテナントスタッフにも参加を呼びかけました。三越銀座店で働く4,000人のスタッフのうち、社員はわずか700人ほどで、外部スタッフとのコミュニケーションの強化が大きな課題となっていたからです。社員と外部社員が一緒に汗を流すことで、店に一体感を生むことが狙いです。
独仏伊 「離脱ドミノ」防止へ結束
イギリスがEU離脱を決めてから2ヵ月が経ち「イギリスなきEU」を見据えた動きが本格化してきています。ドイツ、フランス、そしてイタリアの3ヵ国の首脳は22日、イタリアで会談し、イギリスに次ぐ「離脱ドミノ」が起こらないよう結束して対応する方針を確認しました。イタリアのレンツィ首相は会見で「多くの人が『イギリスの離脱で欧州は終わる』と考えているが、事実ではない」と強調しました。
■ニュース
日中韓 あす外相会談 首脳会談の年内実現へ協議
日本、中国、韓国の3ヵ国による外相会談があす開かれるのを前に、岸田外務大臣は、両国の外相との晩餐会に出席しました。中国の外相の日本訪問は、4年前に習近平体制が発足して以降、初めてです。あすの会談で日本側は、核実験や弾道ミサイルの発射を強行する北朝鮮への対応のほか、日中韓FTA=自由貿易協定の早期締結に向けた協力を確認し、日中韓首脳会談の年内開催につなげたい考えです。また、岸田大臣は、晩餐会のあと中国側と個別会談に臨み、沖縄県・尖閣諸島周辺で続く挑発行為などをめぐり意見を交わしたものとみられます。
尖閣周辺「警戒監視に万全を」 稲田防衛大臣
稲田防衛大臣は、神奈川県の海上自衛隊横須賀基地を視察し、沖縄県・尖閣諸島周辺で領海侵入を繰り返す中国の活動に対して警戒監視に万全を期すよう指示しました。また、アメリカ軍が南シナ海で続ける警戒監視活動で、作戦拠点の1つとなっている原子力空母「ロナルド・レーガン」に乗艦し、強固な日米同盟をアピールしました。
最低賃金 平均25円上げで決着
今年度の地域別最低賃金の見直し額が出そろい、時給は全国平均で25円増の823円と、2002年度以降で最大の上げ幅となりました。厚生労働省がきょう発表したもので、地域別の最高額は東京都の932円、最低額は宮崎県と沖縄県の714円です。最低賃金は10月1日以降、各地で順次、改定されます。
ルノー 排ガス不正操作か
フランスの自動車大手ルノーに、排ガス規制逃れの疑いが浮上しました。フィナンシャル・タイムズが22日報じたもので、スポーツ用多目的車、SUV「キャプチャー」が排ガス試験の際通常の走行よりも窒素酸化物を5倍浄化できるように設定していた可能性があると指摘しています。ルノー社の株を20%保有する筆頭株主のフランス政府は、こうした事実を把握しながら公表していなかったということです。
両陛下 長野県で製糸場を視察
静養のため長野県に滞在している天皇・皇后両陛下は、国の重要文化財に指定されている「製糸場」を視察されました。天皇・皇后両陛下は、1900年に創業した長野県上田市の「旧常田館製糸場施設」を訪ね、1905年に造られた国内最高層の5階建ての繭倉庫や最盛期の製糸場の模型を見学されました。天皇陛下は「娯楽室には何があったのですか」などと質問され、当時の従業員の暮らしに思いを巡らせていました。皇后さまは、皇居内で皇室の伝統行事の養蚕に毎年欠かさず取り組まれています。両陛下は「古いものを残すのは大変だけれど、今後も残してください」と担当者に声をかけられていました。
■【ロングセラー研究所】キャンパスノート
発売から41年。日本人の9割が使ったことがあるというキャンパスノートは、滋賀県にあるコクヨの工場で作られています。1975年の発売から今までで、28億冊のノートを製造しています。キャンパスノートの特徴は背の部分。のりで紙をとめる『無線とじ』という方法で作られています。コクヨがノート事業に参入した1950年代、ノートの主流は糸で紙をとめる『糸とじ』でした。しかし、ばらばらになりやすいと不満の声もあったため、後発のコクヨは無線とじノートの開発に乗り出したのです。開発から16年、初代キャンパスノートは、丈夫さや表紙の鮮やかさがうけて大ヒットとなります。さらにキャンパスノートがブレイクしたきっかけは、東大生のノート。通常の罫線の上にドットを入れることで、ノートに文字や図を書きやすくしました。こうした新しい機能性ノートを開発し続けることが、ロングセラーの秘訣だといいます。
取材先・コクヨ工業滋賀・コクヨステーショナリー事業本部
■【トレたま】すべらないクッション
トマルクッションカバーの裏面にはシリコン粒の加工を施し、上にタブレット端末や雑誌を乗せても滑らない。インターネットで販売する。
《イケックス工業/宮崎佑也さん》
「軍手は物を持つ時に滑らないようになっているのでヒントにした。」
【商品名】トマルクッションカバー
【商品の特徴】裏面にシリコンのすべり止めがついたクッション。タブレットや雑誌をのせることができる。
【企業名】イケックス工業SOLCION
【住所】愛知県名古屋市中区錦3-4-6桜通大津第一生命ビル3F
【価格】3,240円
【発売日】発売中
【トレたまキャスター】北村まあさ
■【コメンテーター】熊谷亮丸氏(大和総研執行役員経済分析室長チーフエコノミスト)
・日本市場なぜ難しい?
--イケアは知名度はそんなに低くないと思うんですが、なかなか伸びないということで、その要因をどうご覧になりますか。
「典型的なグローバル企業なので、世界共通の商品のラインナップがあって、その中で売れそうな物を日本に供給するということですから、これがあまり日本人の好みに合わなかったということがあります。」
--ということはグローバル企業にとって、日本市場はそれだけ難しいんですか。
「やはり世界で一番目が肥えている消費者たちですから、例えばウォールマートも日本では苦戦していますし、それから小売りのフランスのカルフールも4年余で撤退していますから、みな辛酸をなめているわけですね。」
--(相内キャスター) そんななかでイケアはそうはならないようにということで、いろいろな調査をしていました。VTRにもありましたように、イケアは世界13都市でライフスタイルについて調査をしていました。『家族と一緒にいても、一人に時間を大切にしたい』『できるだけ物を減らしたい』といったニーズに合わせて、ソファーや収納を提案してきた。そんな狭い空間に住む東京のの人たちは『自宅が最も落ち着く場所』と67%が答えた。これは世界13都市の中で最も多いという結果になった。こうしたマイクロリビングという考え方もありましたが、日本に合わせた提案で、もっとイケアは日本市場で伸ばしていけると考えているようですね。
--提案次第ということはこういう日本の住宅事情を踏まえた商品開発が行われる可能性がありますね。
「ライバルはニトリですね。ニトリはもう徹底的にローカル化しているわけですから、日本人向けにカスタマイズしているわけですね。ただこういうやり方をしていると普通はコストが高くなってしまうので、これからのイケアの課題というのは、本当に日本人に気にいられる物を作れるかどうか。その上でコストを抑える事ができるかどうか。このグローバル化とローカル化の戦いが始まるということになりますね。」
・運動会は“コスパ”がいい、チームワークで生産性増
--皆さん真剣でかなりの盛り上がりでいまだに私は耳鳴りがしているぐらいの歓声だったんですけど、やっぱり団体戦というのもポイントみたいですね。リレーも盛り上がっていました。リレーのあと選手の胴上げも行われるという状況でした。そしてお話を聞いたところお店の営業時間が長いので、一日の中でも前半の担当の方と後半の担当の方との顔を合わせることが少なにので、そういう方と会えるだけでも意義深いという話でした。さらに飲み会でスト若い人がどうしても遠慮して楽しくないんだけれども、こういうスポーツですと自分も活躍できるということで参加して楽しかったという声が大きいということで、運動会のイベントはポイントですか。
「これは費用対効果で見ると、例えば社員旅行というのがありますが、これは2日以上使ってしまうわけですね。運動会は1日で済む。それからコストで見ても、運動会の運営をサポートするサービスというのがネットであるんですが、例えば150人でやると、だいたい値段的には80万円ぐらいでできるんですね。これをもし旅行をしたとすれば、一人3万円はかかりますから、3万円で150人だと450万円。5分の1~6分の1でできてしまうんですね。
--そうするとかなりコストパフォーマンスがいいということなんですね。
「加えて労働生産性にも良い影響が出てくる。MITの教授が実証研究を行っているんですが、労働生産性の中で3分の1ぐらいの部分はチームの熱意やお互いの関与というようなチームワークで決まってくるという実証研究がありますから、その意味では、コストもそれほどかからないし、チームワークが良くなって業績が上がる、非常に良い試みだと思いますね。」
・英“EU離脱”の影響
--今日イギリスのEU離脱に備えて日本企業も密かに備えをしているという話をしましたけれども、この離脱の影響について、熊谷さんは試算をされているそうですね。
英国のEU離脱の影響を試算(実質GDP) | ||||
英国で不動産価格が急落 | 世界 | -0.1% | 日本 | -0.1% |
欧州金融システム全体に波及 | 世界 | -2.7% | 日本 | -1.9% |
「これからヨーロッパが悪くなると、どれぐらい世界経済とか日本に影響があるかという試算をしています。上のケースはイギリスで不動産価格が急落する、これは4割ぐらい落ちるケースですが、これは実は世界経済にも日本経済にもそんなに影響は大きくないですね。ただ警戒しないといけないのが、欧州の金融システム全体にこの危機が広がった時には、世界のGDPが最悪のケースだと2.7%、額にすると200兆円ぐらい落ち込む。それから日本もGDPが1.9%、10兆円近く落ちる。これはあくまでもリスクシナリオであるわけですが、やはり頭の片隅にこういう最悪のシナリオもありうべしということを置いておくことがやっぱり必要ですね。」
PS:管理人より
どうしてテレ東はイケアとマクドナルドのニュースが多いのだろうか。こんなものを視聴者が望んでいるのだろうか。何か利害関係があるのだろうか。何かテレ東の宣伝に使われるようで気分が悪いので、これからはこの2つは極力無視していくことにする。