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モーニングサテライト・ウォッチ

2016.7.5 WBS・ワールドビジネスサテライト

2016年07月05日 23時59分59秒 | WBS
■マーケット
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公的年金3~4兆円の損失か
GPIF=年金積立金管理運用独立行政法人が運用する公的年金の、今年4月から6月の損益がマイナスになった可能性が出てきています。GPIFは安部政権の意向を受けて運用比率を見直し、債権の比率を減らして株式の運用比率を倍増させました。今年4月から6月末までの日経平均株価はイギリスのEU離脱決定などが響いて約1,100円も値下がりし、この間の運用で、3兆円から4兆円ほどの損失が発生しているとの試算がされています。しかし、運用開始から15年12月までの運用実績で累積の収益額は50兆円を超えていて、短期間の損失が年金の支給にすぐに影響するわけではありません。マイナス金利政策の影響で長期国債の金利はマイナス0.2%以上にまで低下していて債券中心の運用に戻すことも難しくなっており、足元では株でも債権でも運用するには厳しい環境に直面しています。













■【コメンテーター】木下智夫氏(野村証券チーフ・マーケット・エコノミスト)

・ブラジル経済に明るい兆しも・・・
--リオの治安が悪いということでとても心配なんですが、その背景ともなっているのが、ブラジルの経済状況が良くないということです。一ゴロからブラジル経済は良くないのでしょうか。
「過去2~3年間の間ブラジル経済はアンラッキーな状態にあったと思います。というのはアメリカの利上げの動きの中で、通貨が大幅に下落してしまって、しかも中国経済の減速で資源価格が下がってしまった。通貨が下がったのでインフレがずっと高騰してきたんですが、何もしないわけにはいきませんから金利を次々と引き上げて、景気が冷え込んでしまうと、そういった状況で昨年はマイナス3.8%成長でしたし、今年もまだマイナス成長が続きそうです。」
--悪循環に陥ってしまったんですね。
「ただ明るいところも徐々に見えてきたと思っています。足下で景気の悪化には歯止めがかかってきた。またルセフ大統領が汚職で職務停止になりましたが、金融市場ではこれをむしろ好感をしています。構造改革にそれほど熱心ではなかったし、財政赤字もなかなか難しかったというところがあったんですけれども、好感をして通貨ルピアが2割程度、年初から上がった。10年債の高利回り(12%)の魅力でブラジルにかなり資金が入ってきた。足下では明るいところが見えてきて、来年にはプラス成長に戻っていくんじゃないかなと私たちは考えています。」




・低金利の“効果”は限定的か・経済低体温は続きそう
--GPIFに関してもかなり厳しい運用環境になっているということですが、この長期金利が低下している状況というのは、日本経済にどのような影響を与えそうでしょうか。
「長期金利の低下は金融機関の資金運用という面でも難しさをもたらしている言える。私はこのところ地域金融機関の方々とお話をさせていただく機会が増えたんですが、10年債の利回りもかなりマイナスになってしまいましたし、すぐには問題では無いのですが、長い目で見た場合に運用がかなり難しくなるんじゃないかという懸念の声を非常に多く聞くようになりました。」
--企業にとっては、この低金利というのはどうなんですか。
「企業にとっては、借り入れコストが下がるので設備投資がやりやすいということになるっと思います。あとは住宅ローンの金利も下がっているので、既に住宅市場にはプラスの効果をもたらしている。ただ黒田総裁になって以降、相当長期金利はこれまでずっと下がってきましたから、そういった意味では効果はすでにかなり出てしまっている。追加的プラス効果はかなり限定的ではないかと思います。」
--本当は金融機関は企業への貸し付けや住宅ローンで運用したいんですよね。これがなかなか増えないということですか。
「景気がもっと伸びあがってくれば、需要も増えていくんですが、まだそのに火が点いていないという状況だと思いますね。」
--長期金利が低い状況は続きそうですか。
「これはかなり長く続くんじゃないかなと思います。長期金利というのは経済の体温を表す面があると思うんですけれども、ブレグジットもあって欧米の経済に対する懸念が強くなってきた状況だと思います。欧米経済こそが世界経済を牽引してきた主体だと思いますので、そういった意味では金利も下がりやすいいうところがあると思います。」



・人工知能が起こすイノベーション
--今日は人工知能でのマーケティングを取り上げましたけれども、今後順調に広がって行きそうでしょうか。
「もともと人工知能は大量のデータを解析するのに長けているといったテクノロジーですから、マーケティングの上でもかなりこれから積極的な進展がみられると思います。ただ皆さんは人工知能を使って他社よりも1歩でも先に行こうと切磋琢磨しているが、そうなりますと人工知能を活用できる企業とできない企業にかなり差がついてしまいます。個人でもそういった状況になる可能性があるのですが、そういった格差を広げやすいという面があると思います。」
--格差を広げない方策はあるんでしょうか。
「これは政府が一定の役割を果たして、出来るだけ多くの企業や個人に人工知能による果実を享受できるような環境をつくっていく。こういったことを将来的に考えるべきだと思います。」
--それは例えば教育だったりするんでしょうか。
「さまざまなことが切るような気がしますね。」




■オリンピック目前!経済効果は?
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《2016年07月05日 Newsモーニングサテライト参照》
http://creampan.seesaa.net/article/439726885.html
特集 ブラジル生中継 五輪まで1ヵ月 現状は

リオデジャネイロ・オリンピックの開催まであと1ヵ月となりました。ところがブラジル経済を見てみますと、主要株価指数は2008年のリーマンショックでガクンと落ちまして、持ち直したんですがそこから徐々に右肩下がりとなっています。そして実質GDP成長率は前期比で5四半期連続のマイナス成長となっています。さらに物価の上昇率はグーンと右肩上がり、特に去年の上がり方が顕著だった。非常に厳しい状況にあるんです。またブラジルは、景気の低迷が一段と厳しいほか、治安悪化も懸念されています。五輪開催は本当に大丈夫なのでしょうか。今、リオでは関連施設の工事が急ピッチですすめられています。政府関係者は、五輪が海外からの投資を呼び込んでいると経済効果を強調していますが、リオでは物価高や、高い失業率に抗議するデモが絶えません。特に、貧民街=ファベーラでは、特に不満が高まっているといいます。一方、中間層にあたるフラビオさんは、五輪開催には賛成ですが、ここ数年給料も増えず、ブラジル経済の先行きに不安を感じていると話します。現地には新藤記者が行っています。
取材先・ブラジル三井物産


《中継:リオデジャネイロ/新藤隆富記者》
「リオデジャネイロは現在午前の11時過ぎです。南半球にあるので現在は冬ですが日中は30度近くまで上がり非常に暑いです。そのためビーチにも今の時間でもビーチバレーをする人などたくさんの人が詰めかけています。観光客の数も徐々に増えてきているようです。」

--ところで治安がかなり悪いと聞くんですが、実際どうでしょうか。
「ここは人気の観光地なんですが、昼夜問わず強盗が多いことで知られています。私も腕時計を常にはずしていますし、歩いてスマートフォンを使うのは絶対にするなと言われています。さらに昨日こちらの夕方に中継をしていたところ、刃物を持った男が我々に近づいてくるという場面がありました。幸い現在もガードマンと一緒に中継をしていますので、事なきを得たわけなんですけれども、治安の悪さを実感する一幕でした。その背景にあるのは警察官の数が減っていることです。財政難で警察官の給料が払われていないという状況が続いていましたので、警察官の数が減っていました。ただ今月に入って財政事情も改善してきて、今朝の地元紙一面で、安全面で問題無し、という政府関係者のコメントが載っています。そうしたなか、前向きな動きも出てきています。こちらにありますのがつい先週オープンしたばかりのリオ五輪公式グッズ店『メガストア・リオ2016』です。およそ3000種類の関連商品が売られていまして、公式マスコットのぬいぐるみだそうです。地元市民や観光客でかなりにぎわいを見せていました。ただ市民たちすべてがオリンピックを歓迎しているわけではありません。一か月後の開催は大丈夫なのか地元を取材しました。」

リオで有名なコパカバーナビーチ沿いに現在もまだ工事中なのが、ビーチバレーのコートです。週末にもかかわらずたくさんの人が来ていて、急ピッチで作業が続いています。果たして間に合うのでしょうか。
1万2000人の観客席を備えるビーチバレー用のコートは2週間後の完成を目指して、普段は作業の無い週末も工事が続きます。ただ未だに観客席は骨組みだけ。設置する1万席以上が搬入されたまま地面に置いてありました。リオ市はオリンピック関連施設の約98%が完成したと言うが、実際はあちこちでまだ工事中の場所が残っている。だが焦っている様子は見られない。先月初め日本企業がかかわるLRT(次世代型路面電車)が運行を始めた。空港から市内を結び(3.8レアル、約120円)、オリンピック期間中の主要な移動手段となる。このLRTの建設、運営会社に出資した日本きぎゅが三井物産だ。
《ブラジル三井物産交通プロジェクト部/藤田洋平副部長》
「ブラジルは交通インフラを含め非常に遅れている。チャンスがあればそこに対応していきたと思っている。ブラジルに関してはまだまだ成長すると確信している。そこに対して我々がどうするかというのを考えていきたい。」

《オリンピック経済効果査定担当/ロゲリオ・バーレ氏》
「オリンピックは間違いなく海外から多くの投資を呼び込んでいる。」
では市民はどう思っているのか、市内の商店街を訪ねると、リオ市内の買い物客は「オリンピックのせいで物価が上がっている。早く終わってほしい。」と不満を漏らす。実はオリンピックを直前に控えた今でもリオでは毎週のように抗議デモが起きている。10%を超える高い失業率や物価高に市民の不満が爆発。さらにオリンピックを前にルセフ大統領が不正会計疑惑で職務停止になり、政治は混乱に陥っている。最も不満を抱えているというのが市内の山間に立ち並ぶ貧民街「ファベーラ」の住民だ。入り口には警察官が常駐。犯罪率が極めて高いため、観光客などが迷いこまないようにしているのだ。ここでリオの人口の3分の1に当たる200万人が暮らす。
《ファベーラの住民》「私たちはブラジル政府に忘れられた存在なんだ。」

では中間層の過程は今回のオリンピックをどう思っているのか。
フラビオ・ソウザさんは大学で化学を教える准教授だ。スポーツ観戦が大好きというフラビオさんはオリンピックでボランティアとして働くことが決まっている。妻のモニカさんと娘のレティシアさん(13歳)、そしてミゲル君(8歳)の4人家族、世帯月収8000レアル(約25万円)。オリンピック開催には賛成のフラビオさんもブラジル経済の先行きには不安を感じている。11年前に買った2LDKのマンションのローン完済まであと25年。インフレが進む中、給料はここ数年増えていない。
《フラビオさん》
「財政難で給料が支払われていない教師たちもいる。自分もいつそうなるか分からない。将来が不安だ。」

最新の世論調査では61%のリオ市民が、オリンピックは何とか成功するだろうと答えている。ただブラジルが今後政治の混乱から抜け出して、低迷する経済からどのように脱却していくのか、世界が注目しているのはオリンピックの後ということが言えそうです。以上リオデジャネイロから中継でお伝えいました。





■ニュース

小池氏が自民党に推薦要請
来週14日に告示される東京都知事選挙をめぐって、駆け引きが続いています。出馬の意向を明らかにしている小池百合子・元防衛大臣がきょう、自民党東京都連に正式に推薦を要請しました。自民党は10日の参院選後に結論を先送りしましたが、小池氏は仮に自民党の推薦を得られなくても、出馬に踏み切る意向を表明。早ければあすにも正式な出馬会見を開く方向で準備を進めています。小池氏の“直談判”にもそっけない対応に終始した自民党。増田寛也・元総務大臣の擁立に向けた“小池包囲網”の動きには、根回しをせずに出馬に動いた小池氏への反発に加えて、民進党との相乗りを期待する思惑もあるといいます。その民進党は「自民党が応援する増田氏に対しては同調することができない」として、長島昭久・元防衛副大臣を軸に調整していくことで一致しました。それぞれの思惑が交錯する都知事選。告示日まで駆け引きは続きそうです。





人工知能で“販促”が変わる!
人間が知能を使って行うことをコンピューターによって実現する「人工知能」を販売促進に活用する動きが広がっています。スーツ専門店を展開する、はるやま商事では人工知能を使って、一人一人に異なったダイレクトメール(DM)を送る実験を行いました。通常のDMと比較したところ、人工知能を使ったDMのほうが男性で15%、女性は12%多く来店しました。その人工知能を提供したのが、IT企業のカラフル・ボードです。これまでに買ったシャツの形や色といった「画像情報」と、価格や素材といった「言語情報」を合わせて、客の好みを学習します。そして、その好みにあった商品を選んでくれるというものです。ファッション以外でも、人工知能を取り入れようとしているのは伊勢丹新宿本店。人工知能により客ひとりひとりの味覚の傾向を分析し、その時々にあったワインを客に提案。多様化する消費者ニーズをとらえるため、人工知能を駆使していく方針です。

【一人一人客ごとに異なるDM】
人間が知能を使って行う事をコンピューターによって実現する人工知能。今それを販売促進に活用する動きが広がっている。果たして人工知能に客の好みは分かるのか。

スーツ専門チェーン「パーフェクトスーツファクトリー」を運営する「はるやま商事」は先月、個人の好みに合わせたDM(ダイレクトメール)の実証実験を行った。一枚一枚が異なるDMは人工知能が作る。
《はるやま商事経営企画部/横山健一郎部長》
「現在は客には多様なニーズがあり、それに対してどう応えるかが我々の課題になっている。」
その人工知能を提供したのが東京・渋谷区にあるIT企業の「カラフルボード」。2011年に設立し、2年前には人工知能を使ったスマートフォン向けアプリ・SENSYを開発した。「はるやま商事」のDMにはこの独自の人工知能技術が使われているという。
《カラフルボード/渡辺祐樹社長》
「一人一人のファッションのセンス、好み、価格を捉えて、その人だけに提案をするということを基本としてやっている。もし客に刺さらなかった場合、人工知能はその結果を受けて、『なしなんだ』と自動的に客の行動を学習を深めていく。」
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人工知能は例えばこれまでに購入した服の形や色といった『画像情報』と価格や素材といった服の特徴を表す『言語情報』を合わせてその客の好みを学習し、その好みに合った商品を選んでくれるというものだ。「はるやま商事」は今回、人工知能を利用したDMと通常のDMを会員に投函した。すると人工知能のDMを送った客の方が男性は15%、女性は12%多く来店した。一方、客単価では男性は30%高くなり女性は10%低くなった。今後、女性の客単価を上げる対策が課題と言うが、「はるやま商事」では人工知能を使った販促に手応えを感じている。
《はるやま商事/治山正史社長》
「個人の好みに合ったDMを送っていくことが今後の勝負になる。最初予想していた以上に非常に好評価というか、レスポンス(反応)が高く喜んでいる。他社との差別化ができる。」

【ピッタリのワインを選びます】
人工知能を販促に取り入れようとする動きはファッション以外にも広がろうとしている。カラフルボード・渡辺祐樹社長が向かったのは伊勢丹新宿本店にあるワイン売り場である。ワイン売り場担当の五藤久義マネージャーはカラフルボードの人工知能を客のより良いワイン選びに活かせないかと考えていて、試作機のデモが行われた。まずはワインを試飲し甘味など6つのポイントについて感想を入力する。すると人工知能が客の味覚の傾向を表したグラフを5段階評価で表示。さらに今食べたい料理を選択すると、人工知能が今の客に合ったワインを選ぶ。伊勢丹新宿本店ではワインに限らず、好みが多様化している消費者のニーズを捉える為に人工知能を活用していく方針だ。
《三越伊勢丹ホールディングス情報戦略本部/北川竜也さん》
「人間の力では及ばないようなデータの蓄積や解析の力を上手く活用して、今までなかった提案をしてもらえたと実感をしてもらえるようなサービスにまで成長させていくのが次のフェーズ(局面)だと思う。」





なぜか“スポーツカーの夏”
トヨタがスポーツカー「86(ハチロク)」を発表しました。2012年の発売以来、初の大型改良です。価格は262万3,320円からとスポーツカーとしては値頃感があります。トヨタはスポーツ車のブランド「Gs(ジーズ)」にも力を入れています。またホンダは、NSXを10年ぶりに復活、日産は「GT-R」を改良して発売する予定です。海外メーカーのアウディは、スポーツタイプ最上位の新型「R8」を発売。同時に「アウディスポーツ」ブランドを専門に販売するコーナーも設けました。こうした動きは、国内のスポーツ車販売で先行するライバル社に、スポーツ車のブランドイメージを引き上げて追いつきたいという思いがあります。

【今なぜ?スポーツカー】《大浜キャスター取材》
国内の新車販売が低迷する中、今スポーツカーに注目が集まっている。ドイツの自動車メーカー・メルセデスベンツやBMW、アウディはスポーツタイプのブランドを展開しているが、ここ数年その販売台数が急速に伸びている。当然ノーマル車よりも高額だが、それでも人気だ。そんな中この夏、スポーツタイプのブランドに日本国内のメーカーも力を入れている。燃費の良いエコカーが支持される一方で、何故今改めてスポーツカーなのか。

【トヨタ・日産・ホンダの“ある事情”】
今日、トヨタはスポーツカー「トヨタ86(ハチロク)」を発表した。今回は2012年の発売以来初めての大型改良となる。見た目で大きく変わったのがフロント部分だ。空力特性を高める事でスポーツカーの本質、走行性能を高めているのだ。価格は262万3320円~。トヨタがスポーツカーに力を入れる背景には近年の車離れの流れを変えたいとの思いもある。
《トヨタスポーツ車両統括部/多田哲哉部長》
「スポーツカーは車好きの王道。儲からないとか台数が出ないとかそういう言い訳をして逃げている限りは一生こういう流れは止まらない。」
さらに車の楽しみを伝えるのは純粋なスポーツカーだけではない。トヨタがスポーツ車のブランドとして展開するのが「G’s」。既存のモデルに手を加えてスポーツ性を高めたもので、現在7車種を展開している。
例えば「ヴォクシーG’s」は通常のタイプと比べて40万円ほど価格は高くなるが、目で見てわかる所だけでなく車体強度やブレキー性能も向上させている。
《多田哲哉部長》
「プリウスやアクアなど、沢山台数が売れる車だと個性を出したい客もいると思う。そういう中では意外と将来のあるマーケットのビジネスチャンスの芽があると思う。」
この夏、国内自動車メーカーからスポーツカーが相次いで登場する予定だ。ホンダは2006年に販売を終了した「NSX」を10年ぶりに復活した。新型はエンジンと高効率のモーターを組み合わせたハイブリッドモデルだ。日産自動車もこの夏、2007年に発売した「日産GT-R」を大幅に改良して発売する予定だ。これまでの高性能スポーツカーにはないスムーズな乗り心地と高い静粛性を実現している。

【アウディも販売強化】
一方、海外のメーカーにもスポーツカーに関する新たな動きがある。アウディはスポーツタイプの最上位となる「アウディR8」の新型モデルを今日発売した。5204ccV10のエンジンを積み、レーシングカーと同じ技術が多く採用されている。価格は2456万円~。同時にアウディはスポーツ車のブランドであるアウディスポーツを専門に販売するコーナーを全国24店舗の中にオープンした。さらに「RSパフォーマンス」の3モデルを8月下旬に発表する事も発表した。こうした動きの背景にはアウディのブランドイメージを引き上げたいとの強い思いがあった。メルセデスベンツのスポーツブランド・AMGが去年4600台を売っているのに対し、アウディスポーツは615台に留まっている。アウディはスポーツカーのイメージを浸透させる事でライバルに追いつきたいと考えている。
《アウディジャパン/斎藤徹社長》
「アウディはモータースポーツでのすごく長い歴史があって、リアルなスポーツカーをずっと作ってきたが、ブランドのスポーツイメージを上げていきたい。まだまだ底の部分の取り組みが不十分だった。これからブランドの推進活動を新商品の投入を通じて2020年には倍増させたい。」

《大浜メモ》(スポーツ好きでなくてもスポーツカー)
スポーツカーというとどうしてもカースポーツが好きな人だったり、走るのが好きな人、そういう人たちに向けてアピールする傾向が強かった。これは潜在的にみんなスポーツカーが好きという前提でやっていたと思う。ただ結果的には、現実は一部の人にしか響かなかった。徐々にアピールの仕方が変わってきていて、スポーツカーというのは実は乗っていてストレスがすごく少ないし疲れない車なんです、という売り方をし始めている。実際、走る、止まる、曲がるといった性能をかなり突き詰めているので、いま乗るととても楽だ。おそらく普通のノーマルな車より楽だ。こういうこだわりが通じていかないと、車というのは、移動できればいい、ただの道具でしょ、となりかねないという危機感もあんじゃないかと思う。




テロ犠牲7人 無言の帰国
バングラデシュの首都ダッカで起きたテロ事件で、犠牲となった7人の遺体がけさ、遺族とともに政府専用機で羽田空港に到着しました。駐機場に降ろされたひつぎに、岸田外務大臣やJICA=国際協力機構の北岡理事長らが花を手向け、犠牲者に黙とうをささげました。警察は今後、海外で日本人が事件に巻き込まれた際の刑法の規定に基づき、殺人の疑いで捜査を進めます。一方、事件をうけ外務省はODA=政府開発援助など途上国の支援事業に携わる日本人の安全確保策を検討する会議を近く立ち上げます。会議には外務省やJICA幹部などが参加し、来月中に対策をまとめます。



格安スマホ グーグルと開発
ソフトバンクは格安スマートフォンブランド「ワイモバイル」で、アメリカのグーグルと共同開発した、新シリーズのスマートフォンを発売します。新たに展開する「アンドロイドワン」は、アプリをグーグルのものに絞り込み、使い方をわかりやすくしたのが特徴だといいます。ソフトバンクは、アンドロイドワンの第1弾を今月下旬に発売し、ワイモバイルの主力にしていきたい考えです。



「軍属」の範囲縮小で合意
沖縄で20歳の女性が殺害されアメリカ軍の軍属の男が逮捕された事件を受け、アメリカ側に優先的に裁判権が認められている日米地位協定の適用範囲を縮小することで日米両政府が合意しました。具体的には「軍属」について、「高度な技術・知識を持ち米軍の運用に不可欠な者」などの条件をつけ、これまでより対象者を限定します。ただ、沖縄県が求める地位協定の改定には踏み込みませんでした。



日系自動車3社 中国で過去最高
中国で販売をしている日系自動車メーカー3社、日産自動車・マツダ・ホンダの6月の新車販売台数が、過去最高を更新しました。中国政府による、排気量が少ない車への減税措置や、SUV(スポーツタイプ多目的車)の人気が追い風となりました。各社とも10%以上の増加で、中でもSUVが売れたホンダは31.8%増の9万6,692台でした。



企業家賞 授賞式
優れたベンチャー企業の創業者を表彰する、企業家賞の授賞式が行われました。「ストライプインターナショナル」は、レディースブランド「アースミュージックアンドエコロジー」などを手がけるアパレル企業です。セレクトショップから始まり、その後製造小売り業に進出するなど、路線転換を繰り返し、2014年度にはグループの売上高が1,100億円を超えました。去年の秋からは、月額5,800円(税別)で服が借り放題という、世界初の普段着レンタルサービス「メチャカリ」を展開。今も新たなビジネスに挑戦しています。





■【トレたま】目覚ましカーテン

装置にはモーターが内蔵されていてタイヤがカーテンレールに沿って動きカーテンを開け閉めする。アームをレールの溝にひっかけ装置と連動させたスマホのアプリで時刻を設定すると自動でカーテンが動く。スマホをリモコンとして操作や速度の調整も可能。太陽の光を浴びるとメラトニンという睡眠ホルモンの分泌が抑制されすっきり目覚める。
《ロビット/高橋勇貴社長》
「夜寝る時にカーテンを開けたい時間を設定するだけで自動でカーテンが開き朝日と共に目覚めることが出来る。家を長期空けたい方にも防犯として利用ができる。事前に時刻を設定しておけばまるで中に人がいるように演出できる。この製品で世界中の朝を元気にしたい。」

【商品名】めざましカーテンmornin'
【商品の特徴】スマホと連動させて自動でカーテンを開閉する装置
【企業名】ロビット
【住所】東京都板橋区新河岸1ー5-11
【価格】3,985円
【発売日】7月13日発売予定
【その他】きょうから予約開始
【トレたまキャスター】北村まあさ





2016.7.5 Newsモーニングサテライト

2016年07月05日 07時00分00秒 | MS
■マーケット

NYは休場 欧州は一服
きょうは独立記念日の祝日で株式市場などは休場です。ブレグジットの混乱がひとまず落ち着き、ゆっくりバーベキューを楽しめそうです。ブレグジットに絡んだ政治的な駆け引きを横目に見ながら、市場の目は改めてアメリカの金融政策の行方に向かいそうです。今週はサービス業の景況感や、貿易、雇用指標、さらに6月のFOMCの議事要旨も公表され、アメリカの景気の実体が材料として意識されそうです。一方、取引があったヨーロッパ市場、主要株価はブレグジット後、上昇を続けていただけに一服。イタリアの銀行の不良債権問題などが心理的な重石になった面もあったようです。そのヨーロッパの株価終値確認します。ロシア以外は、5日ぶりに小幅に反落です。ロシアは5日続伸でした。0指標.jpg






【世界の株価】
4日の終値










【為替見通し】注目ポイントは「米債券利回り」
解説はHSBCの花生浩介氏

--ニューヨーク市場を振り返っていかがだったでしょうか。
本日アメリカ市場は独立記念日ということで小動きだった。ドル円は 120円台で、またユーロ円は 114円台前半を中心に膠着していると、そんな感じだと思います。

--今日の予想レンジは、102.00円 - 103.00円です。kw1.JPG
ブレグジットの影響というのは短期的には一巡していると思いますし、特に中央銀行流動性供給というのが金融市場を上手くサポートしているということだと思うんですけれど、一方で債券利回り、特に欧米の債券利回りが続落しているので、これは何となくブレグジットによる中期的な懸念を先取りしたような動きで、結果的に金利差を見ますとドル円・クロス円(ユーロ円とかポンド円ですけど)、どうしても戻りが鈍いという印象が強いです。

--注目ポイントは「米債券利回り」です。
今申し上げましたように、ブレグジット決定後、欧米債券利回りが続落している。それでアメリカにつきましても年内利上げに黄色信号が点滅しつつあるような感じで、その結果として10年債利回りというのは1.5%を下回っている。グラフをご覧いただくと分かりますけれど、1.5%というのは2012年前後の水準で、これはドル円はその当時は80円割れだった。もちろんその間日本の国債の利回りも下げていますので、一概に比較はできないですけど、これを見る限りドル円が戻るためにはやはりアメリカの債券利回りの上昇、つまりはアメリカの経済指標が良くならないと、なかなかドル円の戻りというのは難しいというのが個人的な印象です。イメージとしては例えばどれぐらいかといいますと、アメリカのGDPが今年は2%位の予想なんですけど、やはり去年並の水準つまり2.4~2.5%というところまで行かないとなかなか利上げに期待感が出てこないと思います。0為替.JPG
















【日本株見通し】注目ポイントは「マザーズ指数」
解説は大和証券の木野内栄治氏

--今日の予想レンジは、15500円~15900円です。
いま東京マーケットは閑散に売り無しということで戻ってきましたが、連騰感もありますし、ヨーロッパもコア前ですから、今日は一服となってもおかしくないと思います。

--注目ポイントは「マザーズ指数」です。小型株が物色されていますか。nk1.JPG
マザーズ指数が重要なチャートの節に達してきています。4月には3年来の持ち合いを上っ離れて、これはもう大変強い形になったんですが、ブレグジットもあって少し押されていましたが、今そういった節どころを回復してきています。このまま上昇していきますと再度上っ離れという期待感が出てくる。いいチャートになっています。

--小型株投資の主体である個人投資家がもう積極的になってきているということですか。
個人投資家の中でも富裕層の資金繰りや投資の意欲というのは不動産の市況などにもよく現れるんですが、この不動産の市況がいいんです。こちらの赤いグラフが、首都圏における中古マンションの成約価格なんです。このようにアベノミクスが始まってぐっと上がってから、日経平均や為替は落ちてしまいましたけれども、マザーズ指数と同様に高止まりしていたんです。これが5月にドンと上に抜けてきました。この動きは相続税の対策や銀行の融資姿勢の積極化、こういうことが背景の一つだと思うんですけれども、経済統計を見ましても、住宅着工の貸家などは前年同期比で15%も伸びるほど、積極的な投資が行われているんです。こういった個人のところの投資意欲が積極化しているということですと、早晩マザーズ指数もドンと上に抜けてくるというような動きが期待できると思います。






■【コメンテーター】大和証券/木野内栄治氏

・ブレグジットの余波、欧州各国は・・・
--イギリスでは離脱派が離脱をするという無責任な展開が続きまして、これがイギリスやユーロ圏の景気にどう波及していくのか。
まさに政治家の動きを満ちえると、どろ船から逃げ出していくような感じですね。イギリスの経済は相当悪くなるというIMFの見通しです。ヨーロッパ大陸も無傷ではいられないということです。そうしますとイタリアを中心に不良債権が、スペインを除くPIGSのところに相当溜まっている。イタリアはヨーロッパの不良債権の3分の1ぐらいを抱えている。これは景気が悪くなる前に処理を進めていかないと、景気が悪くなると不良債権が増えてしまいますので、これは影響がどんどん広がってしまうということで、いま慌てているということだと思います。



・三菱自、軽生産を再開
--三菱自動車、本格稼働へ向けて一歩ですね。
今回の問題を受けて、自動車業界はやや再編の動きが強まっていて、三菱自動車に関しては日産とより親密な形で進んでいくということになりました。いまは世界的に環境規制が厳しいんですが、その中で電気自動車などは実は日産も三菱もすごく強いです。こういうところが力を合わせるということですから、今回の危機をバネにして一段と飛躍するきっかけにしてもらえたら、日本にとってはいいんだろうと思います。



・日経朝特急/IT・金融・縮む時価総額
--ブレグジット後の戻りの6日続伸も実はこの動きに現れているんですよね。
「そうですね。例えば昨日よく上がった銘柄は、日本たばこ(食品)、ユニチャーム(ディフェンシブ)に加えて、NTT、ドコモ、KDDIも大変よく上がっている。ディフェンシブ株というと一般的には医薬・食品を言うことが多いですが、実は通信というのもディフェンシブ色が相場の中です極強まって注目されていると、この1年間変わってきたように思います。」
--スマートフォンや携帯電話が身近になって、通話料などが入ってくるということですね。
「そうですね。売り上げが減らないということですね。」



・日経朝特急/マネー潤沢・上がらぬ物価
--金融政策の新たな手段は?
「新たな手段はですね、おそらく新たな手段を研究しているという具体的なものを発表していくということが、一つの方法としてはあると思います。バーナンキさんなどもそういうのがいいんじゃないかとおっしゃっていて、黒田日銀総裁もこの間の講演ではそのようなことをおっしゃっていますので、これからは何をしますというのではなくて、こういうことも考えられますという緩和手段をまずは明らかにしていただく。こういうふうに変わってくると、期待感が回復するかもしれません。」
--なるほど、サプライズではなくて、ということですね。



・日刊モーサテジャーナル/世界で相次ぐテロ、イスラム国思想に危機感
--テロの広がりにどう対処するかですね。
いま暴力的な行動がずいぶん広がっていますが、こうなりますとなかなか企業は進出できないですね。ブレグジットを受けて世界の企業が今進出先の再編を考えているときですから、相当な経済的な損失だということを理解すべきだと思いますね。


・今日の経済視点 「内外景気対策」
日本では秋に景気対策を行うことが表明されていますけれども、なかなか規模、財源、内容が明らかにならないですね。ちょっと選挙前にの関わらずあまり大盤振る舞いなことが言えないということは、少ししょぼいのではないかという不安感も台頭してきて、いま建設株などが少し上値が重くなってきたりしています。やはり必要なものはちゃんとやらないといけないし、加えてG20が9月にあります。このタイミングでは世界でも景気対策の可能性がありますので、内外景気対策がどうなっていくのか、注目していくべきだと思います。
--財政出動というのは期待されますが、ただヨーロッパに関しては温度差がありますね。ドイツはそこはちょっと消極的だったり・・・。
伊勢志摩サミットではドイツ・イギリスは消極的でしたが、もうイギリスはこんな状態ですからやらないといけないかもしれないですね。
--それに対して財政だけではなくて、やはり中央銀行も期待されるところですか。
そうですね。中央銀行もここはしっかりやらないと為替の悪影響を受けてしまっているという状態は変わらないと思いますね。







■【プロの眼】8月に2番底で強い相場へ
ブレグジットを受けて日経平均は史上第9位の暴落をした。歴史的な大暴落を記録した日以降のケースを検証するとこの先の値動きはいくつかのパターンに分けて見ることができる。そうしたパターンを足掛かりに、今後の値動きを考える。1つは全値を回復しつつ半年程度で底割れるパターン。また少し底値圏でもみあい、その後ほとんどが底割れしないパターンがある。今回は後者とみる。8月に発表される経済統計はブレグジットの影響を受けて軒並み悪化すると考えられ、8月にさらに押しがある可能性がある。しかしその場合はその後に強い相場が待っている可能性が高い。8月には2番底があるかも知れないがダブル底のチャート形状になるなら、一段高い上値の可能性もあると考えられる。解説は大和証券の木野内栄治氏。
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--今後の株式相場の見通しについて伺っていきます。「8月に2番底で強い相場へ」と予想されているということです。
先週金曜日に日経平均は史上第9位の大暴落をしました。歴史的な大暴落だったわけで、過去の同じような大暴落の局面を検証しました。を宇しますとわずかな例外を除いて3つのパターンに分かれるので、その動きで将来を予測してみようと思います。

--まずパターン①です。
ドスーンと下がっていま少し戻ったところ。このままスイスイと戻ってしまうようですと、実は半年程度でまた安値を更新していしまうというケースが多いです。ということであんまりここから上がって行くのが良いわけではないということです。

--ではその他のパターンを見ていきますと、パターン②、パターン③とあります。
この2つは目先まだ少し揉みます。こういうようなことになりますと安値を更新する例というのはほとんどないです。ですから少し揉んだほうが良い。なかでも赤い方(パターン③)ですが、2か月後ぐらいにもう一回下値を試すと、その後の上昇がすごくいいです。その後が全然違ってくるので、下値を模索して固めるというのは大変いいことだと言えます。

--木野内さんとしてはパターン③だという予測ですか。
そうですね。一回8~9月ぐらいに下押しがあってもおかしくないと思います。これは今から調査する経済統計は相当悪くなるはずなんです。でもまだ1ヶ月は出てこないです。8月になって7月の統計が出てくると、これはだめだなという感じになりやすいということです。

--ブレグジットの影響がそこの統計に初めて出てくるということですね。pro2.JPG
そうすると大変これは為替などに影響があると思いますので、過去の例を見てみたいと思います。こちらは、青いグラフがアメリカの非農業部門の雇用者の増加数です。2ヵ所ポンポンと下がっていますけれども、これは去年の8月と今年の1月で、人民元安不安が出たところです。そうなりますと、赤いグラフのドル円が落ちてしまう。その結果、日本株は出遅れてしまいました。おそらく今週末の発表の分は多少戻るだろうということなんですが、8月の頭に出てくる7月分の雇用統計あるいはほかの経済統計も相当悪化するでしょうから、ドルがなかなか戻りにくくなるとなると、この夏は少し揉みがあるということです。こんなふうな形(パターン③)になるとその後なんでよく上がるのか。「経済統計が悪くなりました、やっぱりブレグジットって大変だな」となりますと、9月にはG20もありますので、こういうところでは景気対策なども講じられるというと、大変よく上がるということになるんじゃないかと思います。

--なるほど。政策対応期待もあるということですね。









■特集 ブラジル生中継 五輪まで1ヵ月 現状は
ブラジルでの8月5日のオリンピック開幕までちょうど1ヵ月となりました。ブラジルはBRICSの一員として2001年頃からロシアやインドなどと共に著しい経済成長が見込めると注目を集めた国ですが、今年もマイナス成長と景気後退が続き政治の混乱も起きています。果たしてオリンピックを乗り切れるのか。肝心の競技場の準備など進捗状況を現地と生中継で報告します。

《中継:リオデジャネイロ/新藤隆富記者》
いまオリンピックの開催都市リオデジャネイロに来ています。実はこちら南半球ということで冬なんですが、日中は気温が30度近くまで上がって非常に暑いです。今は20度ぐらいと過ごし易いので、外でビールを飲む人などもたくさんいるという感じですね。

--見た感じ、景気が悪そうには全然見えないですが、オリンピックに向けて盛り上がっているという感じなんですか。
そうですね。徐々に盛り上がりを見せてきているという感じです。例えばそこにある白い建てものは公式グッズの販売店です。「 Megastore RIo 2016 」とう名前です。夜10時まで開いているので、かなり遅くまでお客さんでにぎわいを見せているんです。では肝心の競技などの施設の工事はどうなのか。その進捗状況を街を歩いて取材してきました。

南米で初めて行われるオリンピック。美しい海岸として知られるコパカバーナはリオ市民や観光客で最もにぎわうビーチです。ここにもオリンピックの競技場が新たに建設される予定です。しかし・・・
リオで有名なコパカバーナビーチ沿いに現在もまだ工事中なのが、ビーチバレーのコートです。週末にもかかわらずたくさんの人が来ていて、急ピッチで作業が続いています。果たして間に合うのでしょうか。
1万2000人の観客席を備えるビーチバレー用のコートは2週間後の完成を目指して、普段は作業の無い週末も工事が続きます。ただ未だに観客席は骨組みだけ。設置する1万席以上が搬入されたまま地面に置いてありました。一方でオリンピック公式グッズの店はオープンしたばかり。店内は地元の客や観光客でにぎわっています。人気商品は公式キャラクターの人形です。小さいものでも115レアル(約3500円)と高めです。一方リオ市内のあちこちに散らばる競技場。市民の新たな足として活躍するのが新型の路面電車です。先月初めに開業したばかり。初めて路面電車に乗ったリオ市民は「初めて乗るけど綺麗で乗り心地もいい」と好評。車体はフランスのメーカーですが、鉄道運営には日本の三井物産などが出資しました。未整備のインフラが多いブラジルはビジネスチャンスも多く、オリンピックが世界中から投資を引き寄せています。
《ブラジル三井物産交通プロジェクト部/藤田洋平副部長》
「ブラジルは交通インフラを含め非常に遅れている。チャンスがあればそこに対応していきたと思っている。ブラジルに関してはまだまだ成長すると確信している。」

--ところで町の景気は本当にいいんでしょうか。
オリンピック景気は市民の多くの恩恵をもたらしているとは言い切れません。ただマーケットには明るい兆しも出てきています。
市内の山間に立ち並ぶ貧民街「ファベーラ」。リオの人口600万人の3分の1に当たる200万人が暮らしています。犯罪率が極めて高いため、境界では警察官が複数張り込み、住民以外が入らないようにしています。この地域の住民はオリンピックを歓迎していないようです。
《ファベーラの住民》「私たちはブラジル政府に忘れられた存在なんだ。」
閉塞感は貧民街だけでは成りません。市内にある町の商店街でも、リオ市内の買い物客は「オリンピックのせいで物価が上がっている。早く終わってほしい。」と不満を漏らす。ブラジルのインフレ率、失業率はともに10%前後です。(インフレ率:9.3%、失業率:11.2%)。景気後退でも利下げできない状況で、景気後退からの出口が市民にはまだ見えていないのが現状です。
一方、今年に入り株価(ボベスパ指数)は20%上昇していて、ブラジルの専門家は先行きは明るいと言います。
《ガイド・インベスチメントス/大間知ラファエル氏》
「ブラジル投資はブレグジットの悪影響を避けるための投資先になる。世界各国で高まるブレグジットの影響はブラジルでは既に収まり始めている。さらに最近の為替の動きを見てもブラジルは外国人投資家には魅力的だ。」
株式市場では期待が高まっていますが、今回の取材で多くのリオ市民が口々に指摘していたのが、政治への不信でした。大統領が職務停止となるなど、政治の混乱(国家会計の不正疑惑でルセフ大統領が職務停止中)が経済の低迷に拍車をかける中、ブラジルがこの祭りの後に成長路線を取り戻すことができるのか、世界が注目しているのはむしろオリンピックの後ということが言えそうです。以上リオデジャネイロから中継でお伝えしました。




■今日の予定

中国6月非製造業PMI(財新)
オーストラリア中銀政策理事会
ユーロ圏5月小売売上高
米5月製造業新規受注





■ニュース

「英GDP最大4.5%減」
IMF=国際通貨基金のラガルド専務理事は、イギリスのGDP=国内総生産はEUからの離脱により2019年までに最大で4.5ポイント押し下げられる可能性があるとの見方を示しました。これはフランスの新聞「ル・モンド」へのインタビューに答えたものです。ラガルド専務理事は「状況にもよるが、イギリスのGDPは1.5ポイントから4.5ポイント低下するだろう」とした上で、「イギリスとEUとの離脱に向けた交渉にどれだけの時間がかかり、どんな結果となるのか見当もつかない」と述べました。



スイス中銀 大規模介入明らかに
スイスの中央銀行にあたるスイス国立銀行がイギリスのEU離脱決定を受け、スイスフランの急騰を防ぐために実施した為替介入が、2015年1月以来最大規模だったことが4日、明らかになりました。これはスイス中銀の預金がイギリスの国民投票後におよそ63億スイスフラン増えたことで分かったものです。



英“離脱派”独立党党首が辞意
EU離脱派の急先鋒だったイギリス独立党のファラージ党首が4日、党首を辞任する意向を明らかにしました。ファラージ党首はEUへの拠出金を社会保障に回すとした、国民投票前の公約を撤回したことなどから批判を浴びていました。兼務していたヨーロッパ議会の議員は任期いっぱい続けるとしています。
《ファラージ党首》「なすべきことはやった。国民投票以上の成果は達成できないだろう。だから党首を辞任する。」



伊大手銀に不良債権削減要求
ECB=ヨーロッパ中央銀行は4日、経営難に陥っているイタリアの大手銀行、モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナに対し、今後3年で、不良債権を4割削減するよう求めました。モンテ・パスキの不良債権比率は41%とイタリアの銀行の中で最も高く、ECBは2018年までにこれを20%に減らす経営計画の提出を要求しています。モンテ・パスキの4日の株価は、終値ベースで上場以来最安値を付けました。



ダッカ襲撃日本企業の対応
バングラデシュの首都ダッカで起きたテロ事件を受けて、現地に進出している日本企業が駐在員への安全対策を始めています。ユニクロを展開するファーストリテイリングは現地の日本人スタッフ10人に対して自宅待機を指示しています。今後は外国人客が多い店のセキュリティー強化も検討する方針です。また、バングラデシュに販売拠点を持つロート製薬は駐在員に一時帰国を命じたほか、現地でインフラ事業を請け負っている大林組は14人の駐在員に対して自宅待機を指示し、情報収集に努めるとしています。



ファーウェイPC市場参入
中国の通信大手、ファーウェイが日本のパソコン市場に参入します。タブレット端末としても使えるノートパソコン「HUAWEIMateBook」を15日に発売します。基本ソフトに「ウィンドウズ10」を搭載し重さがおよそ640グラム、厚さはおよそ6.9ミリです。タブレット兼用のパソコンはマイクロソフトなど各社とも力を入れており商戦が激化しそうです。



三菱自 軽生産を再開
三菱自動車は、燃費データの不正を受け停止していた軽自動車の生産をおよそ2ヵ月半ぶりに再開しました。自宅待機していた従業員1,300人のうち、およそ900人が出勤し、試験的に5台の軽自動車を完成させました。本格的に工場を稼働するのは20日ごろになる見通しです。



出光社長 創業家と協議へ
出光興産の創業家が昭和シェル石油との経営統合に反対している問題で、出光の月岡隆社長と創業家の出光昭介名誉会長が直接会談することが分かりました。会談は東京千代田区の出光本社ビル内で来週早々の方向で調整していて対立打開に向けた妥協案の協議が焦点となります。



ワコール海外事業を強化
ワコールホールディングスは2019年までの中期経営計画で海外展開を加速させると発表しました。成長が見込めるインドやミャンマーでの販売を強化し、売上高で16年3月期に比べて6%の増収を目指します。またイギリスのEU離脱問題を受けて、在庫を保管する拠点をイギリスからフランスに移転する可能性があるとことを明らかにしました。



犠牲者7人が無言の帰国
バングラデシュの首都ダッカの飲食店が襲撃されたテロ事件で犠牲になった日本人7人の遺体が先ほど遺族とともに無言で帰国しました。ダッカに入ったのは犠牲者の遺族とけがをした渡辺玉興さんの家族、計18人です。一部の遺族は事件があった飲食店で花束を捧げて犠牲者を追悼しました。この事件を受けて昨夜安倍総理大臣は日本と同じく多くの犠牲者を出したイタリアのレンツィ首相と電話で会談し、互いに哀悼の意を表明したほか15日からモンゴルで開催されるASEM=アジア・ヨーロッパ会議でテロ根絶に向けた強いメッセージを出すことで一致しました。




■【リーダーの栞】近畿大学 塩﨑学長
今回のリーダーは世界初となるクロマグロの完全養殖に成功し、企業との連携を積極的に進める近畿大学・塩﨑学長です。紹介する本は「何のために生きるのか」。著者の直木賞作家=五木寛之氏と実業家=稲盛和夫氏が敗戦により貧しく苦労した子ども時代を振り返りながら「いのちの軽くなった」現代日本が失ったものを浮き彫りにしていく1冊です。塩﨑学長は世の中の役に立てるような人間性豊かな人材を育てるという近畿大学の建学の精神に通じるものがあるといいます。

ピーチ・アビエーションは近畿大学の開発したのうなぎ味のなまずごはん(1350円)を機内で販売する。一方、菓子メーカーのUHA味覚糖は、近代マグロの希少なコラーゲンを使った化粧品を2月に発売、美容事業に参入した。近畿大学(東大阪市)は研究成果を生かし「稼ぐ大学」の代名詞となった。音楽プロディーサーつんく♂さん演出する派手な入学式も話題となり、一般入試の志願者数は3年連続日本一になった。何かと注目を集めるこの大学を4年前から率いているのが塩崎均学長だ。
近畿大学の塩崎均学長のおすすめ本は、「何のために生きるのか」(致知出版社)。直木賞作家の五木寛之氏と京セラを創業し日本航空の再生にも尽力した実業家の稲盛和夫氏。1932年生まれの二人が敗戦により貧しく苦労した子供時代をふり返りながら、いのちが軽くなった現代日本が失ったものを浮き彫りにしていく一冊だ。
--「何のために生きるのか」というタイトルはかなり重たいテーマだと思いますけれども・・・
「近大の建学精神は実学教育と人格の陶冶(とうや)。自分たちのやっている研究を世の中に出して人のためにならないと意味がないと思っているので、そのためには人格の陶冶(人格形成)が必要で、人間性がしっかりしていないとできない。実学教育だけがクローズアップされ、人格の陶冶ということがちょっと置き戯れにされていると考えていたので、『何のために生きるのか』『生きがいを持って生きるとはどういうことなのか』と・・・」
人材育成が何よりも大事だとする塩崎学長。4月に開設された国際学部の教育課程にもその姿勢は表れている。ポスターには「1年次から全員海外追放」とのコピー。効率よく語学力が身に付くよう、受験勉強で一番英語力が高まっている1年生の後期から1年間の海外留学を学部生全員に義務づけた。そこにはこの本が指摘する西洋文化に根付く魂を留学先で感じ、生きることの意味を在学中にじっくり考えてほしいとの思いがある。
《塩崎学長》
「言葉はあくまでもツールであって、絶対必要だがそれだけができればいいのではない。日本人というのは一体何かということを分かって欲しいし、何のために生きているのかといことを自分自身の中で持っていないと、グローバルな世の中に出て行ったら対抗できない。」
--海外に出て行ったらやはり違いますか。
「もう明らかに違いますよ。芸術にしても・・・。私は医学系の大学に留学したが、みんな楽器を演奏したり、音楽をやる。」
--それは人生を豊かにするということですか。
「豊かですよね。勝てないなと思った。」
--それは何のために生きるかというヒントになりますね。
「グローバルというのはそういう意味の人間をつくっていくことですね。」

塩崎学長は人間性を磨く教育ということをおっしゃっていましたが、そのためにはまず、教職員の方の意識付けが大切だとおっしゃっていまして、毎年メッセージを所にしたためて教職員の方々に発表しているそうです。それで今年のひと言は「熟考果断責任感」。果敢に攻めなければいけいが、その場合この本に指摘されていたように、必ず世のため人のためになるように責任を持って行うことが大切だというメッセージだそうです。






■ビジネス書最新ランキング
紀伊國屋書店調べ(6月27日~7月3日)のビジネス書最新ランキングを発表。

1位 「自分を操る超集中力」 DaiGo
2位 「型破りに生きる」 小栗成男
3位 「嫌われる勇気」 岸見一郎/古賀史健
4位 「マンション管理組合理事のための大規模修繕成功の秘訣」 藤井金蔵
5位 「自分の時間」 アーノルド・ベネット





■日経朝特急

①特許切れ薬売却へ
日本の製薬会社が特許切れ薬を相次ぎ売却する。塩野義製薬が外資系製薬に感染症薬などを売る方針を固めたほか、アステラス製薬は消化器病薬などの売却に向け調整に入った。特許切れ薬は特許期間の終わった薬と同じ有効成分でつくる後発薬より価格が高く、医療費抑制を狙う政府は後発薬の利用を促進している。製薬大手は特許切れ薬を売却し、研究開発に資金を回す。



②47国民年金基金、合併へ 19年4月メド 管理コスト削減 
自営業者などが加入する国民年金基金は、2019年4月をメドに47都道府県にある地域別の基金を一本化し、統合する方向で検討に入った。加入者の減少による財政難が背景で、各基金の管理部門を集約し合理化を進める。25ある職業別の基金も一部が合流する見通しだ。合併により加入者の引っ越しなどに伴う手続きなどが簡単になり、使いやすくなる。



③IT・金融・縮む時価総額
世界の主要企業の株式時価総額は今年上半期に明暗が分かれる動きになった。ITや金融など景気変動で業績がぶれやすい景気敏感業種で時価総額が落ち込んだ一方、日用品や通信など不況に強い業種はむしろ増加した。グローバル景気への根強い不安感を映し出している。



④マネー潤沢・上がらぬ物価
日銀が供給するマネーの総額が先月末に初めて400兆円を超えた。日銀は資金供給を増やせば脱デフレが実現できると主張するが、足元の物価は前年の水準を下回り、日銀が目指す2%の物価上昇は遠い状況だ。市場の一部では追加緩和期待もくすぶる一方、金融政策の限界も近づきつつある。





■日刊モーサテジャーナル

①世界で相次ぐテロ、イスラム国思想に危機感
米各紙はトルコ、バングラデシュ、イラクとここ数日に世界中で3回も大規模なテロが起きたことについて懸念を伝えている。ワシントンポストは「1週間ほど前、イラク治安部隊がイスラム国の活動拠点ファルージャを制圧したが、イスラム国というイデオロギーの広がりこそが支配地域の拡大よりはるかに脅威だ。」と報じている。記事は、「イスラム国はシリアやイラクの支配地域を失うなか、海外でのテロ攻撃を急速に進めるだろう。」という見方を掲載し、「ローマなどヨーロッパのシンボル的都市への攻撃をほのめかしている」と伝えている。またニューヨークタイムズは、「2年以上までにイスラム国が欧米諸国へ送り出した戦闘員のネットワークが着実に広がっていて、各国政府はイスラム国に空爆するより、市民を標的にしたテロをいかに防ぐのかが優先事項になってきている」と指摘する。



②「米国240年前の英国との訣別を祝おう」(ニューヨークタイムズ)
米国は独立記念日について、独立で獲得した自由、毎年恒例の花火に加え、今年はブレグジットがテーマだという社説を掲載。つまりブレグジットという誤った決断をした英国から、米国は240年も前に独立し訣別したことを改めてお祝いしようと主張している。英国にとってブレグジットはEUからの独立のようなものだが、記事は、「米国が英国から独立したこととは意義が異なる。」と指摘。EUは当時の大英帝国のような専制主義ではないし、ブレグジットの原動力は未来への希望ではなく、グローバリズムに取り残された白人の高齢層のノスタルジア、美化された過去の追求だと手厳しく非難している。記事は、今年、自由や多様性といった精神に背を向けた英国からの独立をもう一度高らかに宣言しようではないか、と訴えている。



③【MLB】迫る3000本安打・イチロー選手の原動力は(ニューヨークタイムズ)
リオデジャネイロ五輪に出場する米国選手の動向に加えて、MLBマーリンズのイチロー選手が3000本安打目前の記事。先月、日米通算ヒット数でピートローズの記録を抜いたときは、その正当性を巡って議論になったが、今回は誰も文句が言えない数字の達成に近づいている、と報じている。メジャーに来た当初、「1年も続かない」と言われたことを振り返るイチロー選手について、そうした懐疑的な見方が彼の原動力になったのだろう、と分析。また最多安打記録を批判したローズ氏について、イチロー選手が「逆に受け入れてくれたように感じ嬉しかった」と発言したことを受けて、ローズ氏の言葉がヒット量産の新たな原動力になるのでは、と伝えている。