エピトープ(epitope)のページを更新
- エピトープ(epitope)は、抗原決定基(antigenic determinant)とも呼ばれ、免疫系、特に抗体、B細胞、T細胞によって認識される抗原の一部である。抗体は、病原微生物や高分子物質などの抗原と結合する際、その全体を認識するわけではなく、抗原の比較的小さな特定の部分のみを認識して結合する。この抗体結合部位を抗原のエピトープと呼ぶ。エピトープは抗原性のための最小単位である。 特定抗原の侵入により生成された抗体は,その抗原と同一あるいは類似のエピトープを持つものとしか反応しない。通常、複数のエピトープが1つの抗原に含まれている。エピトープに結合する抗体の部分はパラトープ(paratope)と呼ばれる。エピトープは通常、非自己タンパク質であるが、(自己免疫疾患のように)認識できる宿主由来のゲノム配列もエピトープである。
タンパク質抗原のエピトープは、その構造やパラトープとの相互作用によって、配座エピトープと線状エピトープの2つに分類される。配座エピトープと線状エピトープは、そのエピトープが採る三次元立体配座(関与するエピトープ残基の表面の特徴と、抗原の他のセグメントの形状または三次構造によって決定される)に基づいてパラトープと相互作用する。配座エピトープは、不連続なアミノ酸残基の相互作用によって決まる三次元的立体配座によって形成される。対照的に、線状エピトープは、連続したアミノ酸残基の相互作用によって決まる三次元的立体配座によって形成される。したがって線状エピトープは、関与するアミノ酸の一次構造だけで決まるわけではない。そのようなアミノ酸残基に隣接する残基や、抗原のより遠くにあるアミノ酸残基は、一次構造残基がエピトープの三次元立体配座をとる能力に影響を与える。
<出典:Wikipedia>