箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

晩秋の森の営みに・・・!

2020-08-26 | *編集・冬/12月

晩秋の森の営みに・・・!

 久しぶりにウツギ谷へ入りました。

箕面 「外院(げいん)バス停で降りた所の 「外院二丁目」の信号を北方・・・

つまり山に向かっての集落に入ります。

右方へ右方へ行くとやがて山道に入ります。

 

イノシシ防止柵を開いて中に入り、真っ直ぐ道なりに進みます。

すぐに右方のあたごの森に入る細い山道がありますが,それを上ると古参道

から旧参道を経て勝尾寺への山道に続きますが、今日は真っ直ぐです。

左側の民家が途切れたあたりから左下方にサラサラサラ・・・と渓流の音が

聞えてきて、杉木立の森の中に入っていきます。

ここからがウツギ谷です。

 

風向きのせいでしょうか・・・ 急に獣の匂いがしてきました。

昼間はリス以外は余り見かけませんが、昨夜もイノシシ鹿、タヌキ、

テンなど、いろんな森の動物達が活動したことでしょう・・・。

 

ウツギ谷の山道は枯れ葉でいっぱいです。

杉木立に混ざってコナラ,クヌギ、クリ、ブナ・・・などの落葉大木があり、

ひと吹きの風で沢山の枯れ葉や木の実がハラハラハラ・・・バラバラバラと

落ちてきます。

山道は積もった枯れ葉でフワフワとしてクッション性があり、歩くたびに

ザクザクザク・・・と、こ気味いい音がしています。

 

水量が少なくなったもののサラサラサラ・・・と 谷川の流れる音色に、小鳥の

さえずりがメロデーをつけて・・・ これが今日の森の新曲です。

ゆっくりといつもの浸り歩きを楽しみながら私は上っていきました。

やがて奥の池を左に見ながらすぐに二差路にさしかかります。

道なりに右方へ行くとウツギ池から旧参道に合流しますが、私はいつも左方

豊能自然歩道へ入ります。

 

ここを歩くと思い出します。

以前、自転車に乗った小学生3人の冒険少年達の事が目に浮かびます。

 

ここはいつも太陽が林床まで届かない深い森の中に入ったような感じが

します。

薄暗い細い山道を上っていくと 時々バリ・・・バラバラ・・・ドン・・・バリ!

と、山の斜面で音がしてドキ! とします。

なんだろう?

しかし、立ち止まって冷静に見ていると何か大きな木の実? が落ちて 

それが枝葉にあたりながら下へ落ちている感じです。

が木を揺さぶっている様子は無く 自然落下のようですから確かめに

斜面を登る事はしませんでした。

 

細いけもの道が谷から山裾・尾根へ向けて何本もついているのがはっきりと

分かります。

今頃、この先の森の中で動物達は寝ている事でしょう・・・

一度、長谷山から広目天の石蔵へ向かう尾根道で、寝ている鹿たちの後ろを

知らないで通り抜けた時、ビックリした彼らがものすごい勢いで山を下って

いった事がありましたが・・・。

 

 

日増しに風が冷たくなってきました。

薄暗い森の中ではひと吹きする度に寒さが身にしみます・・・

服の襟をたて、はじめて手袋をはめました。

 

やがて中腹に差し掛かったときでした。

すぐ先の少し開けた所がそこだけ林床が明るいのです・・・  なに?

近づいていくとそれは鮮やかな明るい黄色の落葉でいっぱいでした。

見上げると大きなイタヤカエデの木が杉の大木に負けじと幹を天に精一杯

伸ばしていました。

きれいな色の艶やかなカエデの落葉です。

所々に紅色に美しく頬を染めたカエデもあって、まるで見事なパッチワークの

ようです。

 

感激して見ていると背中が温かくなったかと思うと、急に薄暗い森に明るい

が差し込んできました。

そして更にイタヤカエデの群落の上にそのスポットがあたりました・・・

光に当たって葉の色が浮かび、さらに明るく映えてものすごくきれいです・・・

思わず我を忘れて見とれてしまいました・・・ まさに感動ものです!

 

後ろを振り向いて見上げると、杉木立の少し開けた天空から燦燦と太陽

降り注いできたのです。

見事に鮮やかな黄色葉が浮かび上がりました。

想像もつかないダイナミックな大自然の見事な演出です。  

すごいものです!

 

私は温かさを求めてまるで主人公のようにそのスポットライトの中に入り、

照り映えるカエデの葉の上に座って太陽を見上げながらゆっくりと目を

閉じました。

 

寒く冷たくなっていた体がポカポカと温かくなってきました。

薄暗い森の中でここだけの太陽を全身に浴びながら私はこんな至福の

一時天国、極楽!と言うのだろうか・・・と思っていました。

足元のきれいなカエデを手にとってじっとその美しさを眺めていると、

なんだか更に葉先が紅色になったような気がしました。

 

この間 約15分ぐらいでした。

やがて太陽は移動していき再び森は薄暗くなり再び冷たい風が吹いてき

ました。

 

 

私は現実に戻り、そこからやがて尾根道に出ました。

樹木の間から真っ青な空が見え、そこにたわわに実った大きなヤマガキ

木があり、その青空と黄紅色の実の対比がとても美しく映え、実に見事な

秋の光景です。

先程のあの斜面での何か落ちるような音は、このような大きな柿の実の

落下だったのかもしれません。

 

茶園谷に入ると大きなイノシシヌタ場(イノシシのお風呂)があり、近くの

杉の木の根元には体に泥をつけ、それをこすりつけた所があちこちに見受け

られました。

ヌタ場の泥土には、まだ朝方入ったばかりの爪あとが沢山残っていました・・・

今頃はどこで寝ているのかな・・・?

 

茶園谷から自然4号路に入って突き当りを西方へ・・・

山道を下ったところのカエル池にロープが張ってあり、通行止め・・・の

表示がありました。

よく見るとこの先にスズメバチの巣があり危険に付き東海自然歩道へ

迂回してください・・・ の旨。

しかし、日付は一ヶ月前のものです・・・

 

私の勝手な判断で もういないだろう・・・? とロープをくぐって入っていき

ました。

しかし、やがてその場所と思われるところに来て耳をすませていたら・・・

ブ~ン   ブ~ン

ん!  

見あげるとスズメバチの偵察隊が数匹、頭上を旋回しているではありま

せんか・・・

あっ!  しまった!   ごめん ごめん・・・!

私は早々に通り抜けて退散しました・・・

 

せっかく親切に警告してくださっているのに箕面V・Cの方々・・・

申し訳ありませんでした・・・。  

恥ずかしながら大いに反省いたしました。

 

 

 

箕面の森の中にも日々いろんな自然の営みがあります・・・。

 

私は今日も森に生きる動物・植物・昆虫・・・生きとし生けるもの全てと・・・

人智を超えた自然の営みに畏敬の念を抱きつつ、ゆっくりと至福の散策

楽しむ事ができました。

 

 

「 老い枯れ葉 新芽の春を 見あげてる 」

「 けもの道 この先々に 寝てる森 」

「 谷間にも スポットライト 届け来る 」

「 至福どき 心委ねる 森のなか 」          (花詩)

 '11 12/16

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