箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

一年の暮れ

2020-08-26 | *編集・冬/12月

一年の暮れ

 今日は朝から快晴の青空!

抜けるように澄み切った冬空です。

 

ポカポカと暖かな小春日和に、家で絵を描き始めていたものの、

外のもったいないようなお天気に、山里を歩きに出かけました。

 

   ペッタン  ペッタン!

 

歓声と共にもちつきの音が聞えてきます。

そういえば、昨年も今頃にこの光景を見ました。

里の畑の中で、老若男女が賑やかにお正月の準備を

しています。

 

新稲の里の葉ボタンやお正月用の花などは、もうとっくに出荷を

終え、たまに畑で近隣の方々へ直売もされているようです。

畑の畝にはまだ立派な葉ボタンも残っていますが、それらは

タネでも採るのかな?

 

この新稲の里は、昔から箕面川や西の石澄川よりも高地の為に

水を引きにくく、その為に今も残るタメ池を利用してきた

ようですね。

厳しい米作から、昭和の初期には果物、花作り、植木、造園と

変化し、戦後は食糧難から農作物を一時生産したものの、

やがてまた花、植木などの土地に合う植物を育て、今日に

至っていると聞きました。

 

秋のコスモス畑もきれいですね!

廃牛舎もあって、牧歌的なのどかさを残しています。

 

クリスマスの時期、御堂筋の知事肝いりのイルミネーションは

話題ですが、あの御堂筋の立派で見事な銀杏・イチョウ並木は、

昔、この新稲の里の造園業・三宝園が植えた木だと聞きました。

 

山裾に寒桜が何本も咲いています。

その内の一本の寒桜に、からむようにして真っ赤なナンテンの

実が裾を飾り、後方のヤマガキの残り柿が顔を出し、

真っ青な空を背景にして・・・

まるでお正月を迎える為の立派な生け花のようです。

しばらくの間、自然のその見事な構図、造形美に見とれて

しまいました。

 

山里の散歩のつもりで、全くの手ぶらで来たものの、

足は自然と森の中へ向ってしまいます。

小川口からイノシシ防止柵を開いて森に入ると・・・

 

何と気持ちのいい事でしょう・・・

深呼吸をして、森の新鮮な空気を胸いっぱいに入れ、

心も幸せ感で満たします。

冬枯れの木立の中に、まだ残葉をつけたコナラやクヌギなども

あり、時折 ヒラ ヒラ ヒラと舞い踊りながら落葉しています。

 

山道に積もった枯れ葉の上をザク ザク ザクと音を立てながら

歩いていると、国木田独歩の「武蔵野」をなぜか思い出しました。

 

憩いの丘をすぎ、北へ向かい急斜面の手前で一休みしていると、

前方の松の木の上で何かが動いている・・・?

       すばしこい!

よく見ると、尾の長いホンドリスのようです。

早足で地上に下ると、枯葉で埋まった林床で木の実を探して

いるのか? 時々とまっては口をモグモグさせています。

そのリスの仕草の可愛いこと・・・自然と笑みがこぼれます。

 

 

「わくわく展望台」 に着きました・・・ 

快晴の青空の下に広がる大阪圏を眺めていると、

この一年間のいろんな出来事が走馬灯のように浮かんできます。

年をとると、一年がものすごい速さで過ぎていくように思います。

 

養老さんの本によると・・・

定年後の人たちが山を歩いたり、自然観察で森に入ったりして

自然とのかかわりをもとうとするのは・・・

 

    「自然に還る準備をしている・・・」

 

のだそうですよ?

なにか淋しいような?

しかし、私には実に納得のいく言葉です。

 いつ自分の体が自然に還ろうとも・・・

心は千の風になって再び森の中で浸っていたい!

 

小さな残り柿の実を、賑やかに鳥たちがついばんでいます。

山裾には赤いヤブツバキ、山椿の花がきれいに花を

咲かせています。

 

新しい年はどんな年になるのでしょうか?

 

一年間、このつたない箕面の森のエッセーをお読みいただきまして

ありがとうございました。

 どうぞよいお年をお迎えください。

'13  12/26

 

 

       


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