絵本展の間、わしはまいにち電車で吉祥寺まで通うとったけん。
でも、電車の中はウンザリする出来事ばっかりじゃけん。
土曜日の夜じゃが、わしは幸運にも車両の中央よりの席に座れたけん。
そこに、腰のまがったおばあちゃんが乗ってきたんじゃが……、
そこが優先席の前だったにも関わらず、だれひとり席をゆずろうとせんけん!。
見るに見かねてわしが席をゆずったんじゃが、これじゃあなんのタメの優先席かわからんけん……。
その憤りもおさまらんときじゃ……、
乗り換えで列の後ろに並んどったんじゃがのう……、
白い杖をついた視覚障害者さんが乗り込もうとして、ドアにぶつかったけん。
ちょっと手を貸してあげたり、声をかけるだけでいいはずなのに、みんな見て見ぬ振りじゃ……。
彼はなんとか自力で乗り込んだんじゃが、なんだかわし納得いかんかったけん!。
その翌日には、目の前に妊婦さんが立っとるのに、席に座っとる少年はスマホに夢中ときとる……。
……、
こんな世の中でホントにいいんじゃろか?。
立場の弱い人やハンデを背負うとるひとをいたわるキモチは持ち合わせんのじゃろうか……。
井の頭線はこの時期アジサイが見ごろなもんで、運転席のドアにへばりついて眺めとったんじゃがのう……、
乗り込んできた女の子が窓を見たそうにしてたんで、場所をゆずってあげたけん!。
その子とママがすんごく喜んでくれて、こっちも嬉しうなったけん。
ひとに優しうすると、とってもキモチようなるのに、どーしてそれに気づかんかのう……。