やさすぃけん

熊本　浮島神社　平和で穏やかな国になるよう願ってやみません。

　ニッポンに住むちきうじんの多くは、くまもん県のひとにどーゆーイメージもっとるんじゃろう。

やっぱりゴーケツでゴーカイ、乱暴な酒豪っちうトコロかのう……。

実際コトバ使いも荒っぽいし、押しの強そうなカンジじゃなぁ。

でもわしの知る限りは、他人に気遣うてやせ我慢する気質だと思うけん。

それがようわかるんが、すき焼きとか鍋とか複数でハシをつつくときじゃけん。

最後の一口をみんなで譲り合うて、それがずーっと残っとるけん。

コレを”肥後のいっちょ残し”ちうて自虐ネタにしとるんが、くまもんじんの実像じゃけん。

実際、被災地におると「お宅は無事かぁ？」いうんがアイサツ代わりになっとるんじゃが〜……、

「いや、もっとタイヘンなひとはおるけん」

「生きとるだけ幸運だったけん」

とかのう、ときには東日本やエクアドルを例に出して、むこうはもっとひどかったじゃろうちう答えがだいたい返ってくるけん。

コレは震央に近い浮島熊野坐神社を訪ねたときじゃ……。

神主さんにいろいろハナシを聞いたんじゃが、この神社は池に浮かんどるような場所にあるんで、地盤が緩むと大きな木が根っこを引っ張られるように崩れていくそうじゃけん。

そんなとき、チェーンソーを持ってやってきた親子がおってのう、大きな枝や幹をきってくれたそうじゃ。

きけば遠く人吉からきた林業関係者で、こーゆーカタチで被災地支援をしとるボランティアらしいけん。

この後も安全のタメに被災地の木を切ってまわるというて去ったそうじゃ。

人吉ちうのも市役所が全壊する被害がでとるのに、長距離走って無償でやっとるそうじゃ。

あんまり知られとらんコトじゃが、こんどの地震で倒壊した”ジェーンズ邸”は日本赤十字発祥の場所じゃけん。

そーゆー土壌はあるんじゃな。



浮島神社の神主さんも、鳥居が倒れたり社殿が傾いとるのに氏子さんや多くの被災者の心配ばっかりされとったけん。

みんなやさしい被災者たちばかりじゃけん……。