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「がんばれ!わたし。」

本来怠惰な自分が頑張るために。

「恐れていたことが・・・(7)」

2007-12-30 22:37:40 | うちの年寄り
「お婆ちゃんが急変しました。すぐに来て下さい。」
息子の運転で主人が預金講に向かう携帯電話に慌てて連絡。
「お父さん!婆ちゃん急変。すぐ病院へ向かって!」
この時間、町の婦人会会長を担っている私はお正月のお花を生けると言う活動を企画していたため段取りだけでも整う用意をしなければならなかった。
段取っている間に主人から婆ちゃん逝去の訃報が私の携帯に。
一人の会員に事情を話し病院へ急いだ。
主人:「間に合わんかった。」
看護婦さんが気付いた時はすでに心停止していたらしい。
死因は痰を切る体力なく窒息死とのこと。
骨折で入院して肺炎、心不全を併発。
手術前に先生から年寄りの骨折に対してのこれから起きるであろう症状を説明され書類にハンコを押した。
皮肉にもその通りになるとは・・・。
「婆ちゃん、また来るね。」
無邪気に手を振って見せると手を振り替えしてくれたのが前日のこと。
私は爺ちゃんばかりに気を取られ婆ちゃんのことは病院に頼っていた。
歯科医院に連れて行く時の駐車場で車椅子から車に移る時に抱き合ったまま身動き出来ずにお互い笑ったことが思い出される。
雪が降ったらどうして歯医者に通院しようかと悩んでいたのに・・・。
葬儀の間中、親戚の方達に労われ感謝される度後ろめたさにさいなまれる。
爺ちゃんのことでどれだけ婆ちゃんを責めたか。
決して感謝されるに値しないことは神様はお見通し。
婆ちゃんの遺影を持つ手が汗ばむ。

婆ちゃんは幼いときに両親・妹に死なれ一人で親戚を転々として来た。
今頃、婆ちゃんは幼子になってお父さんお母さんに抱きしめてもらっていると信じたい。幼い妹をだっこしてお姉さんをしているのかも。

婆ちゃん。爺ちゃんのこと、私の構える範囲に協力してね。
もうしばらくは婆ちゃんは子供でいていいんだから。
爺ちゃんは呼ばんでもいいよ。

「がんばれ!わたし。」

糞じじい 対 鬼嫁

2007-12-26 00:38:34 | うちの年寄り
私:「じいちゃん。おはよう。朝ごはんやよ。」
風邪気味の爺ちゃんにいつものように食事を持って行きました。
爺ちゃん、昨日手伝って着ていたはずのパジャマは畳の上に脱ぎ捨てられてました。
分厚い防寒着に婆ちゃんの編んだ細めのマフラーを巻き毛糸の帽子をかぶって寝てました。
周りを見渡すとちょっと変です。
婆ちゃんの洋服や下着が所々に固まって置いてあったり掛かっていたり。
また出して夜中に遊んでいたのだと思いました。
しかし、甘かった!
なかなか起きない爺ちゃんにいつものイヤ~な感が働きました。
やっぱりです。
放置されたパジャマはたっぷり濡れてます。
私:「爺ちゃん。何着て寝とるんや。」
おでこに手を当てて熱を計りました。
あるようすは無し。
お越しがてら布団をまくってズボンの又を確認しました。
ずぶ濡れです。
私:「爺ちゃん。よ~け濡れとるよ。早よ着替えよ。」
爺:「待てま。今、辛てかんのや。」
なかなか、起きようとしません。
その間に着替えを用意しようと取りに(大事な洋服や下着は徐々に私が管理してました。)部屋を出ました。
戻ったらグチャグチャと音のしそうな過半身で動き回ってました。
あ~あ、畳が・・・・!
爺ちゃんを静止して着替えさせました。
手伝う私の手に力が・・。
口調も強くなり、顔も般若になっていたに違い有りません。
脱がしたら婆ちゃんの股引を3枚も重ねて着ていて脱がせ辛いったらもう!
私:「何を履いとるんやいね!」
爺:「もっと優しいできんかいや。わしを殺す気か!」
私:「爺ちゃんの為に人殺しなんかになりとうないわ。」
爺:「もう死ぬんやさかいきつうすんなまいや。」
私:「風邪ひいとるんやさかい早う着替えないかんやろ!」
もう言うことを聞かずてこずりました。
歩き回らないようにするのに腕をつかむ手に力が入ります。
それでも被害は広範囲に及びました。
布団から畳からどぼどぼ。
主人が仕事に出掛けた後でよかった。
濡れた布団を茶の間に運び温風ヒーターの前に椅子を利用してかざしました。
ボアーシーツはかさ張ります。
こればかりは一度に洗えません。
先に洗濯機のスイッチを入れその間に畳を拭きに行く。
コタツに入って食事をしている爺ちゃんを確認しながら拭きまくる。
私:「爺ちゃん。歯、入れんかいね。」
爺:「そんなもんいらん!」
(勝手にせ~!)
洗い場に戻って洗剤を入れる。
下洗いした婆ちゃんの股引3枚・爺ちゃんの物一式・パジャマを放り込む。
ボアーシーツは水に浸けておく。
爺ちゃんの所に戻り薬を飲ませる。
あ~疲れた~!
この勝負はどっちに軍配が・・・。

「がんばれ!わたし。」

爺ちゃん 妻を思う

2007-12-16 11:57:59 | うちの年寄り
前日、検査入院から帰ったばかりなのに翌日は科の違ういつもの診察日です。
「心の病院」からのお返事も先生の所に着いている筈です。
受付をしてもしばらく時間があります。
私:「爺ちゃん。婆ちゃんの所行こうさ。」
爺:「婆、ここにおるんか。」
婆ちゃんの情報はやっぱりリセットされてました。
私:「爺ちゃん、婆ちゃんにしっかり歩けるようになって帰って来るようハッパかけてま。しゃべる事もせんのやよ。」
爺:「あいつは昔っからそんな奴や。な~もせん。自分で何かせないかんと思わんのや。ワシもあいつの考えとること分からんわ。」
おお、爺ちゃん言うじゃありませんか。

婆ちゃん、眠ってました。その姿を見て
爺:「婆、死んどるんないけ。死んだんてな顔しとる。」
確かに白くまた一段と小さくなったような。
私:「寝とるんやがいね。しばらく居るか?」
そんな私達の気配を感じたのか目を覚ましました。
爺:「婆。まだ辛ぇんか。起きれんのか。いつまでこんな事しとるんやいや。」
婆ちゃん、じっと爺ちゃんを見つめてます。
爺:「わからんのか。わかるんやろ?」
婆:「帰りてぇ。」
か細い声で答えました。
爺:「早う帰って来いや。ワシ、待っとってやるさかい。そやけど歩けにゃいかんぞ。ワシ、面倒みれん。自分のことだけやし。ワシも服着て立っとるやろ。おめも立てねかん。えや。」
いいぞいいぞ爺ちゃん。言うとる言うとる。
病室を出てまともっぽくなっている爺ちゃんに
私:「婆ちゃん、わかったかなぁ。」
爺:「分かるわけないがいや。ありゃ、ちょっとボケとるわ。」
ズルッ!ボケとるって。
診察を終えて薬を新しく処方してくださることに。
来週また診察です。
そのとき、爺ちゃんにはまた婆ちゃんに夫の威厳を発揮してもらいましょう。

「がんばれ!わたし。」

検査入院

2007-12-14 07:50:33 | うちの年寄り
朝9時受付。
朝から水も口にする事を禁じられて爺ちゃんの検査入院です。
5人部屋に案内されました。
すでに4人おられて奥の窓際のベットが空いてました。
病衣に着替えて落ち着くのも束の間、爺ちゃんの試練が始まりました。
2リットルぐらいあったでしょうか、腸を洗うための下剤液が・・・。
私:「爺ちゃん。こんだけ飲まないかんのやと。」
爺:「こんに飲めるかいや。人ダラんにした。」
励ますやらだますやら。
でも、その間前日の下剤が効いてきたのか紙パンツは間に合わずオムツに変更。
ヘルパーさんの手当も空しくあまりの量でウンコの海。
ベッドのシーツ、病衣、上下の下着ウンコ色。
総替えします。
ヘルパーさんのプロ意識を傷つけたようで私にとても恐縮しながら水洗いした下着を持って来てくださいました。

私:「爺ちゃん。私、仕事やし行くけど全部飲まないかんよ。頑張って!一人で居れるね。婆ちゃん3階に居るさけ。」
爺:「ねんねと違うわ。」
それを信じて会社に戻りました。
ところが30分もしない内に看護婦さんから電話が。
看護婦:「すみません。来て頂けませんか?点滴の針を抜いてしまいおしっこもしてしまいました。協力して頂けず治療が進みません。」
私:「申し訳有りません。30分内に行きます。」
やりかけの仕事を急いで切りを着けて戻りました。
戻ると看護婦3人が爺ちゃんを諭してました。
私:「爺ちゃん。どうしたんや。看護婦さん困っとるがいね。」
爺:「こいつらがワシを好きなようにするんや。勝手に!」
爺ちゃんパニックになってました。
私と爺ちゃんのやりとりは看護婦さんを安心させたようです。
看護婦:「たのもしいです。お嫁さん大変ですね。」
私:「本当はもっと可愛らしい嫁さんやったんです。こんなキツウなってしもて。」
翌日の退院までの付き添いを覚悟しました。
水の様な便が色をなくすまで確認します。
しかし、爺ちゃん後コップ1杯が飲めない。
ゲボゲボ言ってます。リタイヤ。
最後の手段。浣腸!

無事検査終了。
ベッドに戻り点滴が始まりました。
どうしても気になるのか抜こうとします。その度いさめて。
何度も何度も繰り返します。
私ってこんなに辛抱強かったかなぁ?

夕食が出ました。
お粥と大根・人参・絹さや・鶏肉の煮物、お麩の味噌汁。
美味しそうに完食。爺ちゃん食欲復活です。
そうそう、入れ歯は私が居ない事を想定して家に置いて来ました。
何処かやっちゃうと大変なんで。
いつもの食後の薬をのませました。
食器を指定の場所に届けて戻ると同室の患者さんがヘルパーさんに食べさせて貰ってます。
それを見て。
爺:「ワシは飯あたらんのや。」
始まった。これは肯定でいこうか否定でいこうか・・・。
私:「爺ちゃん食べたよ。美味しい言うとったよ。薬も今飲んだやろ。ほら。」
薬の空き袋を見せました。
爺:「食べたかいや。忘れてもうた。」
ああよかった。おとなしく引き下がってくれた。

夜中、やっぱり寝ません。
この際付き合う事にしました。
私:「爺ちゃん。ゆっくり寝ようさ。疲れたやろう?」
爺:「おう。」
9時に消灯です。
暗くなると寝られない事を告げると枕元に明かりを取り付けて下さいました。

一晩中永遠しゃべりっぱなし。
誰かがそこにいるんです。
相手がそこにいるんです。
誰だろうとじっと伺ってみても訳わかりません。
合間に私が居ることをときどき確認します。
少しのうたた寝。
また、おしゃべりが始まります。
その繰り返し。
名前が出てきました。
主人の名前です。
爺:「なっ、○男。自分の思うようにすればいいんやさかい。えや。」
優しい声で呟くように。確かにその時父親でした。
どんなシチュエーションなんでしょうか。
主人に聞かせてやりたい。
でも、私の口から言っても伝わらないだろうなぁ・・・って。
爺ちゃん、90歳。徴兵の経験有り。
とても濃い人生を送ってます。
私にとっても爺ちゃんの魂を感じる一夜でした。
そんな爺ちゃん、私がいないとパニックになるとは・・・。
センターの職員さんが言った事を思い出しました。
「環境が変わることがとてもストレスを産みます。徐々に変えて行きましょう。」
仕事の都合で月曜日から土曜日までお願いしたいところを金曜日までが限界。
どうしてもと言う時に土曜日をお願いすると言う事に。
無理をして登校拒否のような症状が出ると何にもならないと言う事らしい。
翌日、精算してセンターに送ってから家に戻り空腹を満たして会社に出勤しました。
何食抜いただろう。前日昼・夕・翌朝。水一滴口にしてなかったです。
体重減ってない。これ、どう言うこと?

「がんばれ!わたし。」



ウンコまみれ

2007-12-12 13:12:04 | うちの年寄り
爺ちゃんの検査入院が決まりました。
3日間の入院を言って来ました。
爺ちゃんの「要介護1」は皆さんのご負担が多いと言うことを告げました。
そうしたら急遽一泊二日の入院になりました。それも、必要になったら付き添いを付けると言う条件です。
病院から下剤と検査食のセットを渡されました。
二日前の就寝前に水溶性の下剤を飲ませました。
前日の朝になっても平気な顔をしてます。
朝食から検査食のみ与えます。
私:「爺ちゃん。これ、病院からもらった食事やからお薬やと思うて食べてや。」
爺:「うもねんな。」
食べ終わるまで見てます。いつもの薬を飲ませて朝食終了。
その日は日曜日。贅沢にも主人は朝風呂です。
遅い朝食の用意をしているとお風呂から上がった主人がウンコまみれのズボン下とパンツを高く垂らしながら台所に入って来ました。
主人:「おい。こんなの捨てればいいやろ。洗わんやろ。」
私:「どうしたん。」
主人:「便所の前に盛ってあった。」
ウン?ってことは本体はどうなっとるんやろ?
イヤな予感。
朝食の用意は後回し。緊急事態発生で優先順位が変わりました。
バタバタと座敷に走ります。
私:「爺ちゃん。ウンコ出たんか。」
爺:「出たかもしれん。」
布団の上に座ってました。
私:「ズボンの下。何か履いとるか?ちょっと見せて。」
ウンコの付いたままの下半身は私の想像を裏切りませんでした。
私:「爺ちゃん。こりゃいかんわ。ズボンにウンコ付いとる。お風呂入ろうさ。」
あったかい湯船があることに感謝。
爺ちゃんをしゃがませ、たっぷりのお湯を掛けタオルで流しました。
爺:「痛てがいや。」
失礼。ちょっと大事な所を丁寧に流しすぎたか?
微妙に臭い。手も洗いゆっくり浸からしました。
爺:「さぶいがいや。」
私:「ゆっくり浸かんねぇね。ぬくいさけ。」
石鹸で全身ウォッシュ!
ウンコの臭い無し。ヨシ!
私:「爺ちゃん。ウンコ出るお薬飲んどるさかいゆるうなっとるんや。ちびってもズボンにひびかんように紙パンツ履こうさ。汚れたら捨てれるんや。婆ちゃんも履いとるんやよ。」
爺:「ほう~。」
爺ちゃんはさっぱりしたもののトイレは爺ちゃんとウンコが壮絶な戦いをした痕跡が残ってました。
ワオゥ!
何でかなぁ。男子トイレにまで戦場になっていたみたい。
一応シルクロードならぬジジイロードを拭きまくる。
お~っと、畳のウンコ見~っけ。
私はトイレの掃除もウンコパンツの洗濯も手袋なしの素手派です。
キレイキレイの殺菌ソープは欠かせませんが引き続きの主人と息子の朝食はさぞ美味しかったと思います。

はい。第2弾が待ってました。
夕方、買い物から帰って玄関に着いた途端、爺ちゃんが下半身スッポンポンでしゃがんでます。
玄関に買い物袋を置いたまま爺ちゃんを覗いたら小便器の中から床一面に水溶性ウンコが広がってました。それを爺ちゃんがご丁寧に左官屋のごとくスリッパで伸ばしてました。
私:「爺ちゃん。寒いしズボン履こさ。そこ後でいいのにするさけ。」
急いでタライにお湯を張りタオルをしぼって爺ちゃんを拭きました。
バタバタと騒ぐ様子に主人が茶の間から出て来ました。
主人:「臭せがいや!」
と言って玄関と庭をこの寒いのに全開です。
せめて爺ちゃんがズボン履くまで待っとってくれても・・・。
新しい紙パンツを履かせながら気が付きました。
ウンコで溢れているであろう紙パンツが見あたらない。
私:「爺ちゃん。履いとった紙パンツは何処にあるんや?」
爺:「捨てたかもしれんぞ。覚えとらんわ。」
やっかいな事を言いなさる。
主人がクンクン臭いを嗅ぎながらジジイテリトリーを捜索しましたが見つかりません。
全~部片付けて買い物袋を台所に持って行くと茶の間に居る主人と目が合いました。
親子です。爺ちゃんを若くしたよく似た主人の顔。
思わず噴き出しゲラゲラ笑ってしまいました。
主人:「笑い事んねぇわ。どもならん。」

そうだ。笑い事ではありません。あのウンコパンツは何処にあるのでしょうか。
恐怖です。怖~い。

翌日の検査のため、また下剤を飲ませました。
爺ちゃん、しばらくウンコまみれです。

「がんばれ!わたし。」

受難つづき

2007-12-08 13:27:00 | うちの年寄り
「こころの病院」にいたときから腹痛を訴えていた爺ちゃんでしたが続けて診察に行きつけの病院へ行く気力が無くそのままセンターに帰りました。
会社に戻って仕事をしているとセンターの方から爺ちゃんが腹痛を訴えている旨の報告が入りました。
仕事も溜まっていたのでお願いして寝かせて頂くことにしました。
迎えに行くと寝てましたが起きれません。
センターの職員が病院に行くことを勧めて下さいます。
5時30分になってなかったと思います。
まだ、間に合うかと病院に連絡すると専門医がいないとのことで他の病院を紹介されました。
すでにセンターの職員2名が爺ちゃんを車に乗せて向かっていたので急遽紹介された病院に変更するよう連絡してもらいました。
紹介された病院で連絡もしないでいきなり尋ねたことをきつく注意されながらただただ頭を下げてお願いするしかありません。
センターの職員も低姿勢で病院と対応してくださいました。
職員:「ちょっとキツイ婦長さんですが帰れるならお爺さんを車に乗せて頂くのを手伝ってもらって下さいね。そこまではお願いしてもいいのですから。」
スケジュールが詰まっている職員さんにそう言われ身内側にたっていてくださることに感謝しました。
後ろ髪を引かれながらセンターに戻っていかれましたが強い見方を得た思いでした。
緊急の処置もすることなく、本人が落ち着いて歩けるようになったので帰ることができました。
帰宅できたのが9時前でしたでしょうか。
明日、行きつけの病院へ連れて行かなければ・・・。

「がんばれ!わたし。」


こころの病院

2007-12-06 09:19:14 | うちの年寄り
爺ちゃんは脳外科に通ってますが夜寝ないこと、幻聴・幻覚の症状が出て来たことなどをお話したら「こころの病院」の紹介状を書いて下さいました。
午前9時に受付をしてお昼過ぎに帰れました。
診察の前の問診は本人では応対が皆無で私が答えました。
診察室で爺ちゃんと先生の会話は殆どちんぷんかんぷん。
先生:「今、都合の悪いとこ、苦しいとこないですか?」
爺:「こん歳になったら全部都合悪なるわ。」
また、始まった。横柄な態度。
先生:「今、何月何日ですか?」
爺:「分からん。」
先生:「今、季節はいつですか?春・夏・秋・冬。いつですか?」
爺:「夏やがいや。」
ずるっ!
先生:「長袖着ていて夏だと暑くないですか?」
爺:「ほや、着たらいかんもん着てきたかもしれん。どうでもいいわ。」
こんな会話が5分もあったでしょうか。
後は本人を診察室から出して私と先生です。
もちろん、動けなくなったこともお話ししました。
薬の明細を持参したので2種類の薬の服用をやめるように言われました。
寝ない寝ないとその薬を続け過ぎて蓄積していたようです。
年寄りには恐ろしいことです。
お陰で、夜寝ないで布団を上げたりパジャマの上に服を着たりすることに「爺ちゃん復活!」と変に安心している私です。

「がんばれ!わたし。」

爺ちゃん。立って!

2007-12-03 13:01:38 | うちの年寄り
「おーい。ちょっと!」
夜中、12時近く爺ちゃんの部屋を覗いてから就寝するつもりだった主人の声。
行けばこたつの付近で爺ちゃんがべったり腹這いになってました。
こたつのコードを抜こうとしていたのでしょうか。
私:「爺ちゃん。手ついて四つん這いになってみて。」
爺:「できんのじゃ。辛いんじゃ。ああ、辛ぇ。」
どうしてしまったのでしょう。幼虫のように身体をくねらすことしかできません。
足はつぱって曲げる様子はないし、腕も立てようとはしません。
トイレに行きたがる爺ちゃんを主人がかかえます。
トイレに立たしても下ろした下着を上げようとします。
主人:「下ろさな小便できんやろが!上げんなまいや。」
何度も繰り返します。らちが明きません
私は下半身を脱がしました。下着はパジャマごとすでに濡れてました。
その晩は爺ちゃんに付き添うことにしました。
朝になるまでトイレに5回通いました。
その度に失禁してました。
もう、下着がありません。
「紙おむつ」買って来なきゃ。
明るくなってから溜まった洗濯物を洗っていると人影が・・・。
爺ちゃんです。
(よかった。歩いてる。)
この日は日曜日です。センターはお休み。
朝食は残しました。「喰いとねぇわ。」
昼食は朝、食べてないからか小丼の「おじや」を完食。
夕食は残しました。御飯をふた口食べただけです。
布団は敷いたままで1日中寝たり起きたりでしたが立とうとしても立てなかったりで症状は一定ではありませんでした。

一晩の徹夜と洗濯、パンツ式の紙おむつの買い物。
日常の家事にプラスして私の体力がイエローカードです。
主人:「爺ちゃんにばかり構とれん。会社の仕事もしてもらわないかんし・・・。」
確かに私も会社にとってどうでもいい仕事をしているのではありません。
しかし、余裕のない家計からどうやって施設に預けるだけの経費が捻出できるのでしょう。一人10万円は掛かると言います。年寄りの蓄えは微々たるものです。
主人は私に好い方法がないか調べろと言うことでしょうか。
私は親を連れて嫁いだ訳じゃない!あんたの親でしょうが!
その言い方、迷惑そうな顔。ちょっと勘違いしてませんか!

「がんばれ!わたし。」

もう!次から次と!

2007-11-30 18:03:24 | うちの年寄り
携帯電話に爺ちゃんのセンターから連絡がありました。
「お爺さんの下の義歯が折れてしまいました。」
爺さんが何やら不振な行動をとってゴミ箱に捨てようとしていたそうです。
確かめて見ると折れた義歯だったそうです。
落として折れたのか、いじっていて折れたのか、どうでもいいことでしょうが・・・。
要は、簡単に直るものかどうかです。
「半年内にまた義歯を作られるときは保険は利きません。」
思い出しました。



爺ちゃんの歯医者さんに連絡しました。
「ご本人と義歯を持参していらして下さい。」
爺ちゃんと翌日出かけました。
「綺麗に折れているので針金で補強して直します。二日後ご本人さんといらして下さい。」
なんや、歯だけでよかったんかい!

「がんばれ!わたし。」

爺ちゃんのテリトリー

2007-11-27 13:12:44 | うちの年寄り
爺ちゃんのセンターに行く時間です。
コタツでこっくり居眠りをしています。
「爺ちゃんお出掛けするよ。」
何か異様に着ぶくれてます。
「何着とるんや。寒いんか?」
よく、パジャマを重ねて着ていることが多く確かめました。
ズボンを3本重ねて履いてました。
上は夏物の半袖のニットの下から長袖の薄手のシャツが。
ポロシャツ2枚、黒のハイネックのセーター、ネル地のシャツ。
はいでもはいでも玉ネギかい!
いやな予感がしました。
整理してあった引き出しの中はどの段も何が何だかぐちゃぐちゃです。
おまけに靴下が1足も見あたらない。
またか。
半日掛けて整頓したのに・・・。
私:「情けない。いったいどうなっとるんや!」
つい、口に出てしまった愚痴が。
爺:「情けないって誰に言うとるんじゃ!」
私:「そう思わんけ!」
だんだん険悪になって来ました。
脱がしながらのことでベルトを握り締めた爺ちゃんの手が振り上がってます。
私がひるむ訳がありません。
私:「それ何のまね!?」
爺ちゃん、嫁に小馬鹿にされて身体が震えてます。
私も戦闘態勢で興奮真っ最中。
爺ちゃん、訳の分からない汚い言葉をあびせて来ます。
脱がしながら、片付けながら、それでも行動はまともに整頓の方へ徐々に進んでます。
しかし、お互い吐くことばがバトル。
爺:「そんにワシが憎いんならどっかやれや!」
私:「爺ちゃん、お金持っとらんから行くとこ無いの!」

私:「早よ行くよ。車に乗って!」
後は無視して車に乗せセンターへ。
車にちゃ~んと乗るのがおかして!

センターに着き、職員さんに今までの出来事を話しました。
職員さん:「命にかかわる事でなければ自由にさせてあげてはどうでしょう。
     傍におられるご家族も最低限の関わりで好いと思います。
     ご家族が構い過ぎてもご家族の方が参ってしまいます。
     もっと、ゆったりして下さい。」
にこにことゆっくり諭して下さる若い女性の職員さんでした。
そうです。何枚着ようが息が出来なくなる訳じゃない。
引き出しがぐちゃぐちゃになって都合が悪いのは私であって爺ちゃんじゃない。
引き出しは爺ちゃんのテリトリーでした。
我が物顔でしゃしゃり出て来たのは私でした。
爺ちゃんが変な恰好で出掛けることを気にするのも私の都合。
嫁の評価を気にしてのことと反省しました。
評価は他人さんじゃなく爺ちゃん本人から受けるものでした。

あちゃ~。

「がんばれ!わたし。」