初めて仕事を断った日の話

とある夏の初めの日の出来事・・・

きなままは初めてきなちゃんのお仕事を断りました。



きなこは有るお仕事にエントリーしてましたが、落ちてしまいました（良くある事です）
すると、マネージャーさんが違う仕事を薦めてきて下さいました



此処からはマネージャーさんの台詞を青色で表現していきます

そしてもう一度言います。季節は夏です

きなこちゃん、スケジュールOKとの事でしたので明日雑誌の仕事なんですが・・・

ありがとうございます

明日、〇〇県の〇〇公園ですが行かれますか？

はい！大丈夫です

時間は朝の9時半～1カット、5時間後に1カットの合計2カットです

5時間？！空くんですか

あ、はい。でも駐車場で待ってて構わないので・・・

5時間・・・駐車場で・・・車の中で待機ですか？！

はい。駐車場なのでエアコン付けて待機して頂いて構いませんので・・・？

私は言葉を無くしました。。。２カットを撮る為に５時間（時間が押せばそれ以上）車中待機・・・明日が晴れるかどうかも微妙だし、晴れたら地面が暑いのでエアコン掛けっ放しで５時間も車中に居なければなりません。雨ならばきなこを濡らせないのでトイレに出してからの手入れが大変です泥ハネなんて以ての外アイドリングで駐車場で５時間待機って。。。人間だって辛いのにワンコは・・・？

・・・その５時間、先に一緒にとる事は出来ないのでしょうか？

あちらの意向なので・・・。

そう淡々と話す言葉にどうしても思いやりを感じ取る事が出来ませんでした。

以前、タレント犬のお友達に言われた事が有ります『断る勇気も必要だ』と。。。
やはり過酷なお仕事だったその子は待ち時間、かなり大変な思いをされたそうです。

そして、きなままが出した答え。。。

すみませんがお断りさせて頂きます

え？何か問題ありますか？

申し訳ありませんが５時間はちょっと・・・その日、他の予定も有りますので・・・

え？何でダメなんですか？車の中で待ってて良いんですよ

ここで決定的な価値観の違いを感じた気がしました
彼らにとってはきなこはやはり小道具でしかないのだと。。。

・・・すみません・・・用事があるので・・・。

それじゃぁきなこちゃんは夏場の撮影は無理って事ですか？！

飛躍し過ぎです

別にそういう訳では・・・

そういう事になりますよね？

・・・では、そう捉えていただいて結構です



・・・・・・・とまぁ、こんなやり取りでした

きなままだって、実際現場に行って、結果がそうなったのであれば仕方が無いとは思います

・・・ですが、最初からそんなとんでもない内容でお受けする事は出来ません
きなこはタレント犬です。。。でもその前に私の大事な娘です。



この仕事を続けているのは娘を自慢したいからではないんです

きなこの大好きな『人と関わる』事を楽しみながら、この子と一緒に思い出を形にしていけたら・・・そんな思いでやっている事なんです。
きなこが辛いと分かっている事を受ける事は出来ません

ずいぶん偉くなったものだね

そう言う方も居られるかも知れません。



誰にどう思われようと、きなままはきなこに無理はさせません
高く飛べなきゃいけないのなら、どんな凄いCMだって棄権します（棄権しました）
私の見ていない所で何百回も繰り返し無理をさせたりしないよう現場には絶対付いて行き私が指示します
寂しい思いや辛い思いをさせるくらいならお断りもします

だって私の娘ですから

・・・て事で断ってからはお仕事が来なくなっちゃいましたが、それはそれで構わないと思っています。
だってもう沢山の良い思い出を作れたんですもの
きなこもあと３ヶ月で９歳です。世代交代の時期かもしれませんね
そしたら今度は本当にやりたかった方向を頑張ってみようかな？

そんな風にも思っているきなままなのでした


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