「猫目小僧」の印象に残ってるエピソード。
細かい部分で少し違うところがあるかもしれませんが、
だいたいこの通りだと思います。
ある日、少年が夢を見たんです。
お母さんが地獄に落ちそうになる夢。
落ちる寸前に、少年が手を伸ばして
お母さんの手か腕をつかみます。
そこで目が覚めると、少年は実際に手を
握りしめてたんです。
その日以来、少年はその手を開こうとせず、
ずっと握りしめたまま過ごします。
この手を開くと、お母さんが死んでしまう、と。
しかしある日のこと、大雨か何かで
川が洪水になって、少年はその川に
奇怪な少年が流されてるのを見かけます。
奇怪な少年というのは猫目小僧なんですが、
猫目小僧は洪水の川で溺れそうになってて
少年に助けを求めました。
少年は手を握っているのでためらったんですが、
だがしかし、その手をついに開いて
猫目小僧をつかんで岸に引き寄せます。
少年は嘆きます。
こんな奴を助けるために手を開いてしまったと。
すると、川にまだ体半分浸かったままの猫目小僧が、
もうちょっと引き上げてくれ、早くしろ!と頼みます。
引き上げてみると、猫目小僧は女の人を
つかんでいたのです。
それが、少年のお母さんだったんですね。
川で溺れた女の人(少年のお母さん)を猫目小僧が
助けようとしたんですが、
流れがひどくて自分まで溺れてしまったんですね。
少年が手を貸さなかったら二人ともオダブツだった、
恥ずかしいから誰にも言うんじゃないぞ、と言い残し、
猫目小僧は去っていくんですね。
見た目で悲しい目に遭うのは、
妖怪人間べムもそうですね。
ベロはイイ奴なんですがね。
人は見かけじゃないんです。
猫目小僧もべムも「人」じゃないかもしれませんが。