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ゴキ研

ゴキゲン中飛車研究ノート

定跡の基本から最前線まで詳しく紹介。

ゴキゲン中飛車▲5八金右超急戦【▲1一龍△7二玉▲3三角②】

2009年11月29日 17時09分40秒 | ▲5八金右超急戦
私事ですが、最近ポケモンにはまっています。^^;



ポケットモンスター ハートゴールド
ポケットモンスター ソウルシルバー

そんな暇があったらブログを更新しろと言われそうですが、
今日カントーのバッジを全部獲得しました。^^;
序盤でスロットを地道にやってコインを沢山貯め、引き換えにミニリューを入手しました。
序盤戦はどのポケモンもHPが低いので、「りゅうのいかり」(ダメージ40固定)が最強でした。^-^
カイリューに進化させれば四天王もチャンピオンも、カントー制覇も楽勝です。
皆様もやる機会があったら参考にして下さい。^-^


超急戦も「りゅうのいかり」を浴びない様に気を付けたいものです。(笑)

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さて、今回の▲5八金右超急戦研究は、前回第3図から▲4三成桂の進行です。
これをテーマ図10として研究します。



この▲4三成桂はBONANZA 3.0 Commercial Editionが見つけた手です。
私にはこの手を咎める事ができなかったので、
以降の指し手もBonanzaに検討させました。

純粋な私の研究という訳ではありませんが、ご容赦頂ければと思います。
(と言っても、Bonanzaには見つけられない手を私が見つけて
後手優勢となる事もしばしばありますよ。^^;)
▲5八金右超急戦【▲1一龍△7二玉▲3三角①】のC図など)

ちなみに、動作環境と設定は以下の通りです。

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OS:Windows Vista Business SP1
CPU:インテル Intel Core i7-920
マザーボード:GIGABYTE GIGABYTE マザーボード Socket1366 IntelX58 GA-EX58-UD4
メモリー:3.00GB
Windows エクスペリエンス インデックス:5.9
思考時間:59秒程度(最長)

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テーマ図10からの指し手
△5四飛▲1二龍△7二金(第1図)



◇飛車は浮いて捌きに行く

飛車は浮かせて手を渡します。
こうしてみると、案外先手も後続手段がないものです。
先手もそのままでは3一銀・4一金の防波堤が強力で龍が使えないので、
▲1二龍は当然でしょう。
対して後手は△7二金。
端攻めが無いですし、先手の成桂から遠ざかって美濃よりも効率的です。

第1図からの指し手
▲4八銀△8八角▲2五歩(第2図)



◇先手有効な手無し

先手はすぐに攻める手も無いので、▲4八銀と受けるくらい。
それを見越して△8八角。ぼんやりとしているようでも、△7九角左成や、
△9九角成~△8九馬、△6六角成~△5六飛といった手段があります。
そこで、先手も▲2五歩と催促します。
ここで後手には2つの方針があります。
①△3五角と②△6六角成です。
まずは①△3五角から。

第2図からの指し手①
△3五角▲3六銀△6二角▲3三香△9九角成▲3一香成△同金▲6一銀△5一香(第3図)



◇徹底的に受けに回る

以前も言いましたが、超急戦のゴキゲン側は徹底的に受けるべきだと思います。
それを良く表しているのが第3図までの進行でしょう。
△3五角~△6二角で強力な防波堤を築き、香車→桂馬と拾える展開に持ち込みます。
先手の▲6一銀も急所を突いていますが、△5一香がしっかりとした受け。
この香が後々利いてきます。

第3図からの指し手
▲5五歩△8四飛▲7二銀成△同玉▲5二金△8七飛成▲5三成桂△同角▲同金
△4二歩▲同金△同金▲7八角△同龍▲同金△8九馬▲4二龍△5二金(第4図)



◇攻めを間に合わせる受け

▲5五歩と飛車の利きをずらして▲5二金。
先手も後手の攻めを引っ張り込んでいるのでギリギリです。
これも丁寧に受けている効果ですね。

▲5二金には△同香とは取らないのが肝心。
▲同成桂となると成桂を手順に引っ張り込んでしまいます。
そこは手抜いて△8七飛成が賢明です。
▲5三成桂は詰めろなので△同角は仕方が無い。
▲同金に△4二歩が利くのが大きい。
以下、バラしあってから△5二金とがっちり受けて、先手を取って受ける事ができています。


第4図からの指し手
▲同龍△同香▲6九金△5一香▲2二飛△3八銀▲5八玉△4九飛▲7九金打
△9九馬(結果図1)



◇先手は攻防見込みなし

第4図は龍と金が当たりになっていて忙しくなっています。
両方は受けられないので龍を切ってから▲6九金。
▲7九金打では△9九飛が気になるところか。
対して後手はここでもがっちり△5一香。
以下は危なげない形になり後手の勝ちになりました。

次は②△6六角成を見ていきましょう。

第2図からの指し手②
△6六角成▲同歩△5六飛▲5八香△2六飛(第5図)



◇角を犠牲に飛車を捌く

第2図からの△6六角成はBonanzaの進行を見て私が考えた手。
▲6六同歩△5六飛▲5八香に△5七歩も良さそうに見えますが、
▲2五歩と取られて戦果が挙がりません。
ここは角を見捨てても、△2六飛と歩の裏に回り込んで飛車を成込むのを確実にします。
▲1八角なら△2五飛で十分でしょう。

第5図からの指し手
▲2四歩△2九飛成▲3九銀△1九龍▲2三角(第6図)



◇ゴキゲン中飛車ピンチか!?

▲2四歩△2九飛成▲3九銀は妥当な進行でしょう。
ここで決める!!とばかりに△2七桂は▲3八角があるので一度落ち着いて香車を取りましょう。
ここで形勢判断をすると、駒割は角金交換でそれほど損せず進行できた事がわかります。
しかも、攻めては△6七香や△2七桂があり、受けては鉄壁の囲い+金駒2枚の防波堤。
最後は△9四歩と突いて逃げ切る…という切り札もありそうです。
こうなれば後手優勢に見えます。
しかし、先手も▲2三角という切り札を放ってきます。
形勢的に考えて、これさえ凌げば勝利が見えてくるところです。
ここでBonanzaの放った受けの決め手は…。

第6図からの指し手
△2二金▲4一角成△1二金▲3一馬△6七香(第7図)



◇受け切り模様

△2二金が先手を取る受けの決め手。
以下、▲4一角成△1二金▲3一馬で待望の手番が回ってきます。
なお、▲同龍△同銀▲4一角成も同じ様な展開で良いでしょう。
ここで△6七香が入り体が入れ替わります。

第7図からの指し手
▲7九金△2七桂▲2八銀打△3九桂成▲同銀左△3八飛(第8図)



◇強手△3八飛!

金を無条件に取られては苦しいので(△6九香成~△6七飛)、▲7九金は仕方ないでしょう。
続いて△2七桂と狙いの両方が実現。
先手も必死の受けで龍を追い詰めたようですが、△3八飛が鬼手でした。
私は△3八銀を読んでいましたが、▲4八玉で攻めが細いんですよね。^^;


第8図からの指し手
▲4九金△2八飛成▲同銀△同龍▲3八飛△2四龍▲7八金△4六歩(第9図)



◇ついに急所を突く

▲4九金と2枚換えに甘んじますが、他に適当な受けがないので仕方ありません。
ここでついに駒割は角桂と銀2枚の交換で差は無くなりました。
4枚の攻めどころか5枚の攻めなので切れる心配もありません。

先手も自陣飛車から▲7八金と受けに回ります。
これを手抜いて△5三成桂などなら△8八銀が痛打。(A図)
以下、▲7八金△8九銀不成▲6七金△7八銀成で左辺が封鎖されます。
また、▲4六角が怖そうですが、△3五歩(B図)で問題なしです。
龍の利きで桂打ちは無効です。

仕方ない▲7八金に△4六歩が急所の一撃です。



第9図からの指し手
▲4八飛△2九龍▲6七金△4七歩成▲同飛△3八銀▲4六飛△4七銀打
▲3九香△4九銀成▲6八玉△4八成銀(結果図2)



◇受けと捌きの勝利

△4七歩成を無条件では許せないのですが、▲同歩は△4七銀で話になりません。
▲4八飛に△2九龍と再進入してもう先手に抵抗する手段はありません。
以下はコンピューターらしい流れるような収束で後手が快勝です。

いかがでしたか?
①△3五角の変化は受けに自信のある人向け。
②△6六角成は捌きに自信のある人向けと言ったところでしょうか。
未知の局面に飛び込みたい人は③△7九角左成なんていう手もあるでしょう。

次回は、最も気になるであろう変化。
基本図から▲1一龍△7二玉▲7五角△5一飛▲3一龍(テーマ図11)の
研究に移りたいと思います。




コメントもじゃんじゃんお待ちしています。^-^

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日曜日はNHK杯テレビ将棋トーナメントで▲藤井猛九段-△近藤正和六段という
興味深い対局がありましたね。
この2人は「藤井システムの創始者」vs「ゴキゲン中飛車の創始者」という事で
以前から注目していました。

ゴキゲン党として近藤正和六段を応援して見ていて、近藤正和六段も駒音高く気合入っていましたが、
端から手を作った藤井猛九段が勝ちました。T^T

勝ち残っている棋戦はもう無い様なので残念ですが、順位戦に全力を注いで頑張ってほしいです。

また、今週の週刊将棋に近藤正和六段のインタビューが載っています。^-^
それによると、今期のゴキゲン中飛車の勝率がなんと5割4分に達しているそうです!!
ゴキゲン党は必見です。^^

ゴキゲン中飛車▲5八金右超急戦【▲1一龍△7二玉▲3三角①】

2009年11月25日 14時16分31秒 | ▲5八金右超急戦
今日は会社はお休みです。^-^
(2週連続で土曜出勤になりますが…^^;)

この間公開した新手△9五角は不発のようです。
長文に付き合って頂いた皆様、申し訳ございません。
テーマ図8に対する修正案を考えているところです。
また、有力な変化が見つかり次第、乗せたいと思います。



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今回紹介するのは、テーマ図9です。
つまり、基本図から▲1一龍△7二玉▲3三角です。



狙いは単純、▲6三桂成~△8八角成。
ここで△8九馬は▲2三歩とされて、香車は拾えずと金攻めを受けてだめでしょう。
そこで私は別の手を考えました。

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テーマ図9からの指し手
△8二玉(第1図)



◇子龍一身都是膽

上の言葉は、曹魏漢中攻めので、敵軍に囲まれた黄忠趙雲が救出した際、
趙雲空城計(城をわざと無防備に見せて、空堀に潜ませていた射撃兵で撃退)
で、曹魏を撃退したのを劉備が聞いて言った言葉。
意味は「趙雲は全身が肝っ玉だ」だったと思います。^^;

△8二玉は▲6三桂成と攻められるものなら攻めて来いという手。
以下、△3三馬▲5二成桂△同金右(A図)で、先手の攻めを撃退。
これぞ「空城計」って感じじゃないですか?^-^



第1図からの指し手
▲4三桂成△3三馬▲同成桂(第2図)



空城計成功

左がダメなら右に成るのも考えられ、こちらの方が正着でしょう。
▲4三桂成△3三馬▲5二成桂はA図よりも6筋に傷がない分後手が得。
▲3三同成桂で先手の攻撃兵を撤退させる事に成功です。
ここから後手も反撃です。

第2図からの指し手
△5七歩▲同金△2四角▲6六角△6五銀(第3図)



◇行き場のない角

△5七歩が後手期待の反撃。
先手も▲6八金寄と避ける手も考えられますが、玉頭に拠点を残すのはいかにも味が悪い。
△5六飛▲4五角△5三飛(B図)が一例で後手良しでしょう。



よって、▲5七同金はこの一手ですが、△2四角が急所の一撃。
金を引けば△3三角が竜香の両取り。▲4三成桂は△5七角成▲5二成桂△3八銀!(C図)が炸裂。
以下、▲6八金△4七銀成▲5七金△同成銀▲2八飛△5二金右(D図)。
詰めろの連続で迫り、成桂を払えてどうでしょうか。
4枚の攻めは切れないを実現できているので後手良しだと思います。



よって、▲6六角が最善の受けでしょうが、△6五銀でどうか。
以下は、いつもの様にコンピューターを相手に指してみました。
最強 東大将棋 デラックスは、①▲3四成桂。
BONANZA 3.0 Commercial Editionは②▲4三成桂を選択。

今回は、①▲3四成桂の実戦を載せたいと思います。

第3図以下の指し手①
▲3四成桂△6六銀▲同金△5七角成▲4八銀△6六馬▲同歩△5六飛(第4図)



◇飛車が世に出る

▲3四成桂はどうも疑問な様で、▲4三成桂が勝るようです。
以下、手順に▲6六金を払って飛車を世に出すことに成功します。
こうなると、玉の安定度の差ではっきり後手良しですね。

第4図以下の指し手
▲6八玉△6六飛▲6七香△2六飛(第5図)



◇飛車成が確定

▲6八玉に一度△6六飛として玉頭を無防備にしてから△2六飛。
先ほどの△5七角成によって銀が吊り上げられている為、飛車成が受からなくなっています。

第5図からの指し手
▲1二龍△2二歩▲1八角△2八飛成▲3九銀打△1九龍▲6三角成△5二金右(第6図)



◇遠い後手玉

後手も手順を尽くして馬を作りますが、後手の受けが手厚く崩れません。
仮に▲1二龍△2二歩の交換が入っていなければ、△5二歩で良いでしょう。
本譜は歩切れにならないように頑張った受け方。
しかし、先手に後続手段がないのがわかると思います

第6図以下の指し手
▲4五馬△2九龍▲5三歩△同金▲6一香成△6二香(第7図)



◇受けの好手△6二香

▲4五馬△2九龍で次に△3八歩があり、先手は忙しくなっています。
そこで、▲5三歩~▲6一香成と攻め込みますが、△6二香が受けの好手。
▲同成香は続かないので▲6三歩から歩を連打する事も考えられます。
以下、△同香▲6四歩△同香▲6五歩△同香▲6六歩△同香▲6七歩△5四金
(E図)▲同馬△同金▲7一成香△6七香成▲同玉△4五角▲5六香△6五金
▲7二金△9二玉▲5七銀打△6六歩▲7七玉△8五桂▲7八玉△7六金(F図)。
長手数進めましたが、歩切れの先手は受けがありません。
ここまで進めれば後手勝勢でしょう。



第7図以下は、参考棋譜を参照して下さい。

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最強 東大将棋 デラックス四段-△私

▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △5四歩 ▲2五歩 △5二飛
▲5八金右 △5五歩 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △5六歩
▲同 歩 △8八角成 ▲同 銀 △3三角 ▲2一飛成 △8八角成
▲5五桂 △6二玉 ▲1一龍 △7二玉 ▲3三角 △8二玉
▲4三桂成 △3三馬 ▲同成桂 △5七歩 ▲同 金 △2四角
▲6六角 △6五銀 ▲3四成桂 △6六銀 ▲同 金 △5七角成
▲4八銀 △6六馬 ▲同 歩 △5六飛 ▲6八玉 △6六飛
▲6七香 △2六飛 ▲1二龍 △2二歩 ▲1八角 △2八飛成
▲3九銀打 △1九龍 ▲6三角成 △5二金右 ▲4五馬 △2九龍
▲5三歩 △同 金 ▲6一香成 △6二香 ▲6六歩 △5四角
▲5六馬 △7六角 ▲7一成香 △同 玉 ▲7八金 △6五歩
▲7九玉 △6六歩 ▲6八歩 △6五香打 ▲7二歩 △同 玉
▲4六歩 △6七歩成 ▲同 歩 △同香成 ▲6三歩 △同 香
▲6八歩 △7八成香 ▲同 玉 △8六桂 ▲7七玉 △5八角成
▲6七香 △6六歩 ▲8六歩 △6七歩成 ▲同 歩 △6六歩
▲7九桂 △3九龍 ▲同 銀 △6七歩成 ▲同 桂 △6六歩
▲6五歩 △同 香 ▲6八歩 △6七歩成 ▲同 馬 △同香成
▲同 歩 △6八銀 ▲8七玉 △9五桂 ▲7六玉 △8七角
▲7五玉 △6五金 ▲8五玉 △8四金

まで112手で後手の勝ち

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最近真・三國無双5 Specialを買いました。^-^



PS3のをやった事があったので、内容はほとんど同じなのですが、
無双モードで新たに馬超や、月英曹丕張郃凌統太史慈が加わっています。
現在、馬超伝をやりましたが、とても面白かったです。^-^

通勤時間の暇つぶしにはもってこいです。
皆さんも是非、購入することをオススメします。^-^

ゴキゲン中飛車▲5八金右超急戦【▲1一龍△7二玉▲7五角】

2009年11月15日 21時43分42秒 | ▲5八金右超急戦
今回は、私の新研究を披露したいと思います。
私の新手がどう評価されるか正直期待と不安が入り混じっています。
一応、最強 東大将棋 デラックス四段を相手に試して咎められなかったので、
悪手ではないと思いますが、皆様の評価を聞いてみたいものです。

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基本図以下の指し手②
▲1一龍△7二玉▲7五角(テーマ図8)



◇難敵の▲7五角

▲1一龍に△7二玉はこの▲7五角と打たれたテーマ図8が好手で、
先手が指せるとされているようです。
しかし、ここで遠山雄亮四段の考案した新手があります。

テーマ図8からの指し手
△5一飛▲2三歩△7四歩▲6六角△同馬▲同歩(第1図)



◇遠山新手△5一飛

△5一飛が遠山雄亮四段の暖めていた新手。
飛車の利きで△3一銀を守る構想です。
対して▲2三歩が当然ながら厳しい一着で、後手も忙しくなっています。
▲2二歩成を許してはいけないので、△7四歩として目障りな角を消しに行き第1図。

新手に入る前に、この将棋の基となった
C級2組順位戦 ▲室岡 克彦七段(当時)-△遠山雄亮四段の進行を追っていきます。

第1図以下の指し手①
△4四角▲1二龍△5二飛▲2二歩成!(第2図)



◇「▲2二歩成を喫したのが全てでした。」

上の一言は遠山雄亮のファニースペースに載っていたご本人の感想。
そう、わずか33手目にして後手不利なのです。
ちなみに、最強 東大将棋 デラックス四段を相手に試すと、わずか数分で同じ局面に誘導するんですね。^^;

このと金を払う手段は3通りです。
まず、①△2二同飛は▲同龍△同銀▲6三桂成△同玉▲6五香(A図)で寄り形。
②△2二同銀はもちろん▲4三桂成(B図)の飛車角両取りで敗勢。
という事で、実戦は③△2二同角を選択されましたが…。



第2図以下の指し手
△2二同角▲4三桂成△5六飛▲5七歩△2六飛▲2七歩△1一銀▲2二龍△同飛
▲5五角(第3図)まで先手優勢。

◇先手陣は付け入る隙なし

△2二同角▲4三桂成に△5六飛と飛車を捌きに行きますが、
▲5七歩~▲2七歩(△同飛成は▲2八香)とがっちり受けられて
付け入る隙が無くなってしまいました。
以下は壁銀を強要して、玉のコビンを攻められて寄せられてしまいました。

この将棋の棋譜は以下のリンクを参照して下さい。

棋譜でーたべーす

ここで、遠山雄亮四段のコメントを思い出してください。

「▲2二歩成を喫したのが全てでした。」

では、その前のどこかで違う変化を考える必要があります。
私は必死に考えました。


△5一飛は恐らく最善手。

しかし、▲2三歩~▲2二歩成はかなり早い。

といって、平凡に△3二金と受けたら▲5四香△同飛▲2二歩成△同銀▲6三桂成
△同玉▲6一龍で憤死する。



△3二金が利かないなら、やはり角は追い払うべきか…。

△7四歩▲6六角。ここで桂馬拾って△8九馬では▲4三桂不成でサヨウナラ…。

そういえば、基本図から▲1一龍△9九馬の将棋で△2四角(D図)というのがあったな。
(銀河戦▲佐藤紳哉六段-△豊島将之四段(当時)など)
これを応用できないだろうか…?



…ん?待てよ。△7四歩をほぼゼロ手で指している。
これを利用する手があるではないか!!


こうして発見したのが、私のこれから披露する新手です。

第1図以下の指し手②
△9五角(第4図)



◇「黄忠の矢」△9五角

△9五角が私の発見した攻防の新手。
直前に指した△7四歩によって自陣の守りに良く利いていると思います。
しかも、この手は王手なので、実質ゼロ手で受けの駒を増やしています。

この手を見ると、蜀漢五虎大将軍黄忠が矢を放つ姿が甦る様ではありませんか?
以下は手が広いので、▲最強 東大将棋 デラックス四段-△私の将棋を進行を基に見ていきましょう。

第4図以下の指し手
▲4九玉△3二金(第5図)



◇今度は△3二金が成立

▲4九玉では▲8六香や▲6八金上もありそうで、どれも善悪は微妙。
▲8六香は貴重な攻めの切り札を使っているので攻めが細くなりそうですし、
▲6八金上も将来△5七歩~△4五桂と言った攻めに対して当たりが強くなる恐れがあります。

本譜は▲4九玉に△3二金。

先ほどの▲5四香が気になりますが、今度は先手の角が睨んでいないので
△5三歩(E図)で受かります。
以下、▲6三桂成には△同飛で受かっています。
わずかな形の違いでC図の進行と大違いです。



こうしてみると、先手の攻めが切れ模様ですね。

以下の進行には研究の余地があるので、私の棋譜を参考として
終わりにしたいと思います。

研究がまとまり次第、紹介したいと思います。


最強 東大将棋 デラックス四段-△私

▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △5四歩 ▲2五歩 △5二飛
▲5八金右 △5五歩 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △5六歩
▲同 歩 △8八角成 ▲同 銀 △3三角 ▲2一飛成 △8八角成
▲5五桂 △6二玉 ▲1一龍 △7二玉 ▲7五角 △5一飛
▲2三歩 △7四歩 ▲6六角 △同 馬
▲同 歩 △9五角 ▲4九玉 △3二金 ▲6五香 △5四銀
▲6三桂成 △同 銀 ▲同香成 △同 玉 ▲6七金 △2四香
▲1八角 △5四歩 ▲4八玉 △3五桂 ▲9六歩 △7三角
▲3八銀 △2八香成 ▲6五銀 △1八成香 ▲同 香 △4五角
▲7五歩 △同 歩 ▲7四歩 △8二角 ▲6四香 △5三玉
▲6一香成 △同 飛 ▲3六金 △同 角 ▲同 歩 △2八角成
▲3五歩 △3六香 ▲3七桂 △同香成 ▲同 銀 △3八金
▲5七玉 △3七馬 ▲3四歩 △6四歩 ▲同 銀 △同 飛
▲2二歩成 △5九銀 ▲7七金 △4八金 ▲6七玉 △4七馬
▲5九金 △同 金 ▲7八玉 △7六桂 ▲同 金 △同 歩
▲6五銀 △6九馬 ▲8八玉 △7八銀 ▲7六銀 △8六金

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いよいよ明日マイコミ将棋BOOKS 遠山流中飛車持久戦ガイド (マイコミ将棋ブックス)
が発売ですね。^-^
同時に新・東大将棋ブックス 定跡道場 一手損角換わりVS早繰り銀
も発売されます。

しばらく研究はお休みになってしまいそうです。^^;



次回は一応、テーマ図8から▲3一龍△同金▲4三桂不成の変化を研究予定です。

ゴキゲン中飛車▲5八金右超急戦【▲1一龍△7二玉▲2三角】

2009年11月14日 20時08分04秒 | ▲5八金右超急戦
皆様は三国志をご存知でしょうか?

私は基本図を見て定軍山の戦いを連想してしまいます。

そう、天王山に布陣した▲5五桂が定軍山に構える猪将軍夏侯淵に見えるのです。



基本図からの進行は、▲1一龍△5四歩(参考図)が流行しましたが、
△5四歩は最善手ではないと私は思っています。
この手は▲6三桂成△同玉▲9六角(参考図2)の羽生新手で難しい戦いになります。
なお、この将棋はマイコミ将棋BOOKS アマの知らない最新定跡で詳しく解説されています。




他にも、▲1一龍には△9九馬とする変化もありますが、
この戦型は後手が△7二玉として徹底的に受けてに回れば相当手厚いと思います。
そうして馬で桂香をゆっくり拾える展開に持ち込むのが得策だと私は考えます。
では、早速△7二玉をめぐる戦いを見ていきましょう。

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基本図からの指し手①
▲1一龍△7二玉▲2三角(テーマ図7)



◇玉頭狙いの▲2三角
先手は▲1一龍は香車を取って手渡し、対して後手も△7二玉と玉を深く囲って手渡し。
超急戦の様な激しい戦いでも、一度緩めることも大切です。
▲2三角は単なる金取りの為に打ったのではなく、将来的に4三・6三を狙いにした手です。
どう対処すればいいのか見ていきましょう。

テーマ図7からの指し手
△5一金右▲3四角成△5四銀▲6六香△6二銀▲2四歩△2二歩▲1三龍
△3二金(第1図)



◇後手完封模様

長手数進めましたが、基本は玉頭をしっかり守る事。
なお、▲6六香と▲3四角成は手順前後しても同じように進めて問題ありません。
基本図から△9九馬と進めた将棋の参考図3と比較して下さい。
△7二玉と△6二銀が反対になっただけで大分安全なのがわかると思います。
第1図は先手に攻めの手掛かりがないのがわかると思います。
以降はどう指しても1局なので、続く変化は下に掲載した参考棋譜を参照して下さい。



参考棋譜

▲石井豊-△今泉健司

棋譜でーたべーす

最強 東大将棋 デラックス四段-△私

▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △5四歩 ▲2五歩 △5二飛
▲5八金右 △5五歩 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △5六歩
▲同 歩 △8八角成 ▲同 銀 △3三角 ▲2一飛成 △8八角成
▲5五桂 △6二玉 ▲1一龍 △7二玉 ▲2三角 △5一金右
▲3四角成 △5四銀 ▲6六香 △6二銀 ▲2四歩 △2二歩
▲1三龍 △3二金 ▲6三桂成 △同銀引 ▲4五馬 △7一桂
▲5五歩 △9九馬 ▲7九金 △2五香 ▲3八銀 △2八香成
▲4九銀 △1九成香 ▲3八銀 △2五香 ▲5四歩 △2八香成
▲4九銀 △2九成香寄▲6三香成 △同 桂 ▲6九玉 △3九成香寄
▲6四銀 △6一桂 ▲6三銀成 △同 銀 ▲6四桂 △6二玉
▲5二桂成 △同 金 ▲4八銀 △4九成香 ▲3五馬 △4四桂
▲5七銀 △8八香 ▲5三歩成 △同 金 ▲6八金上 △8九香成
▲6六歩 △8八馬 ▲6七金右 △7九成香 ▲5八玉 △3八成香
▲4六馬 △7八成香 ▲6五歩 △6八成香 ▲同 金 △5四桂
▲8二飛 △7二銀打 ▲7七香 △8九馬 ▲6七金 △7九馬
▲6八金 △6六歩 ▲同 銀 △5六金 ▲同 馬 △同 桂
▲6九金打 △6八桂成 ▲同 金 △6六桂 ▲5七玉 △5五銀
▲5六歩 △6八馬 ▲同 玉 △7九角

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次回は、基本図から▲1一龍△7二玉▲7五角の将棋を研究します。

ゴキゲン中飛車▲5八金右超急戦【基本変化】

2009年11月11日 22時01分50秒 | ▲5八金右超急戦
さて、今回から▲5八金右超急戦の研究に突入する訳ですが、
その研究で使用した相棒を紹介します。

最強 東大将棋 デラックス



これはPSPのソフトなので、通勤時間の研究には最適。
PSPのソフトとしては最強将棋 BONANZAの方が強いのですが、
何と言ってもボナンザは①遅すぎる。②指定局面から指し継げない。

どちらも序盤研究には致命的。^^;
特に①が酷くて1手に7分位考えてくるんですね。^^;
1手考えている間に2駅位進んでしまうんです。

さて、東大将棋デラックスの長所ですが、何といっても
「定跡の伝道師」こと所司和晴七段の定跡講座。
書籍の東大将棋シリーズの変化を網羅しているので、
書籍を購入するよりもかなりお得です。
視覚手に定跡を学べるので、定跡書よりもわかりやすいです。
(東大将棋は詳しいけどわかりづらいで有名ですからね^^;)

他にも「女流棋士に挑戦」や、「終盤力ドリル」、「棋力認定」などなど
対局、定跡、問題集どれも充実していてオススメの1本です。

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初手からの指し手
▲2六歩△3四歩▲7六歩△5四歩▲2五歩△5二飛(途中図)▲5八金右
(第1図)



◇超急戦への第一歩
第1図の▲5八金右が超急戦への第一歩。
次に▲2四歩からの歩交換を狙いにしており、△5六歩からの交換が
王手にならないのがメリット。
▲6八金の超急戦もありますが、振り飛車側に持久戦を志向されると、
玉形の差が大きいのであまり指されていません。
ここで超急戦を後手が回避するなら△6二玉(A図)がありますが割愛します。
下記リンクの棋譜を参考にして下さい。

棋譜でーたべーす



第1図からの指し手
△5五歩▲2四歩△同歩▲同飛△5六歩▲同歩△8八角成▲同銀△3三角(途中図)
▲2一飛成△8八角成▲5五桂(第2図)



◇▲5五桂に秘められた狙い

後手も超急戦を志向するなら△5五歩。
ここで居尾車側が超急戦を恐れ▲4八銀なら5筋位取り中飛車にできます。
▲2四歩からの交換に△5六歩なら超急戦。△3二金(B図)で超急戦を回避する事もできます。
途中図の△3三角は、飛車銀両取りで受からないので▲2一飛成は必然。
△8八角成▲5五桂となって第2図。
ここで「桂先の銀定跡なり」で△5四銀は、▲3三角が痛打。
以下△6二玉▲6三桂成△同銀▲8八角成(C図)で馬を素抜かれて必敗です。
では、どうすれば良いかと言うと…。



第2図からの指し手
△6二玉(基本図)



◇△6二玉までが基本

△6二玉(基本図)が冷静な一着。▲3三角は△8九馬で一局。
この変化は東大将棋デラックスの定跡講座にも載っています。

次回からはこの局面を基本図として、▲1一龍△7二玉を本線として研究します。

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マイコミ将棋BOOKS 遠山流中飛車持久戦ガイドの発売日が決まりましたね。
11/17(火)です。
今から楽しみです。^-^