ゴキ研

ゴキゲン中飛車研究ノート

定跡の基本から最前線まで詳しく紹介。

ここ最近の超急戦ブームを考える

2014年02月24日 23時28分13秒 | ▲5八金右超急戦
毎度の事だが、久々の更新になる。

予め断っておくが、今回は研究の公開ではない。
掲題の通り、ここ最近頻繁に指されている超急戦の背景について
私なりに考えた事を述べたいと思う。

時系列で見て行こう。

2013/12/5 順位戦B級2組▲稲葉陽七段△戸辺誠六段戦



図の▲3三香は都成新手と呼ばれ、アマの知らない マル秘定跡に載っている新定跡だ。

戸辺六段は△2二銀打と受けたが、▲3一香成△1一銀▲4一成香と進み、
二枚換えとなり打った銀は遊んでしまった。

下図の様に飛車を打ち込み攻めているが受けに不安が大きい。



最後は肉薄したが足りなかった。

何よりアマチュアにこの金駒の防壁を崩すのは容易ではない。

戸辺六段だからここまで迫れたと見るべきか。


2014/1/7 王位戦予選▲豊島将之七段△久保利明九段

都成新手の熱が覚めやらぬ中迎えた予選決勝の大一番。

対策も定まらぬところに超急戦の意思表示▲5八金右。

久保九段は相手の研究を外す思惑もあっただろう。
△6二玉の回避策を選択したが罠が用意されていた。



この▲2六角も都成新手。

この時記録係を勤めていた都成三段はどういう心境であっただろうか。

久保九段は持ち角を残す受けの△5二玉を選択したが、
以下下図の様に進み3筋が受からなくなってしまった。



この対局に勝った豊島七段は大きな王位リーグ入りを果たした。


2014/1/8 順位戦C級1組 ▲斎藤慎太郎△阪口悟五段戦

1箇月ぶりに超急戦都成新手の局面を迎える。

今度は△2二銀打▲3一香成△同金として自陣に金駒を残したが、
下図は▲6五歩が好手で分かっていても次の▲6四歩が厳しい。



残念ながら結果は出なかった。


2014/1/24 新人王戦 ▲石田直裕四段△上田初美女流三段

今度は超急戦回避の都成新手の局面を迎える。

△3五角と近くから受けたがあっさり角交換されて伸び過ぎた位となってしまい、
下図の様に進んで桂頭に不安が残ってしまった。



結果は負けで、▲5八金右に4連敗となってしまった。

ここまで関西若手居飛車党の名前が多いのに気が付いただろうか。

この背景には久保利明九段の存在があると私は思う。

現在、関西所属のA級棋士は久保九段と谷川浩司九段の2名であるが、
その谷川九段もA級陥落が決まり、
降級の可能性を残す久保九段が残留争いの中で孤軍奮闘状態である。

その久保利明九段が現在の関西トップと言って差し支えないだろう。

各棋戦の予選はトーナメントで行われるが、
東西の所属に別れて組まれる。

ここが大きなポイントである。

関西の若手棋士にとって、予選を勝ち抜いた先に立ちはだかるのは久保九段である。

実力者相手に捻じり合いの勝負に持ち込ませずに勝つ方法、
それは研究にハメてしまうのが最も効率的である。

集団研究で情報を共有するメリットとして、
研究仲間が早いラウンドで実力者を倒す可能性も大きい。

早期敗退は翌年のシードにも影響を及ぼす。

(現状で予選に出ている七大タイトル戦は王位王座だけだが他棋戦もある)

関西では多勢に無勢の状況で久保利明九段と菅井竜也五段を中心に知恵を振り絞っている。

Twitterの西遊棋アカウントで菅井竜也五段が登場しないのは
そうした状況では馴れ合いは出来ないという意識があるからではないだろうか。
(仲が悪いとかそういう話ではないので念のため)

和気藹々としている様に見えて、裏では熱い火花を散らしているのではないだろうか。

巷では振り飛車の分が悪いと言う見方が多いが、
居飛車党の割合に対して振り飛車党の数が少な過ぎて
新しいアイデアが出て来ないのが大きな原因だと思う。

決して振り飛車自体がダメになった訳ではない。

この状況を打破する起爆剤として
アマチュア振り飛車党のアイデアを汲み取ってもらいたい。
数に数で対抗する手段となりうると私は思うのである。

古くは立石流。
最近では角交換四間や中飛車左穴熊などが指されている。

ノーマル三間飛車を使うプロは少ないが、
タップダイス氏考案のトマホークシステムの様なユニークなアイデアもある。

皆が知らないだけで埋もれている構想はあるはずなのだ。

今は色々な作戦に分散させて居飛車に的を絞らせない事を考えるべき時期が来ている様に思うのだ。

どれが有力かはあとから統計を見ればわかる。

ちなみに、先日の棋王戦で渡辺二冠が指した△7二玉は当ブログでも書いたことがあり、
最近の研究では振り飛車が指せると思っていた所であったので驚いた。

いずれ皆様に紹介したいと思う。

最後に、アマチュア振り飛車党の研究にスポットライトが当てられる日がくる事を切に願う。


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ゴキゲン中飛車の急所と超急戦【最新型の実戦】

2011年12月23日 01時44分50秒 | ▲5八金右超急戦
今年も終わろうかと言う師走の真っ只中だが、唐突にゴキゲン中飛車関連の興味深い書籍が2冊も発売された。


久保利明の最強振り飛車戦略―角交換振り飛車の久保システム

まず1冊目は、来月の王将戦を皮切りに棋王戦とのW防衛戦を控える久保利明二冠の書籍。

先手、後手ゴキゲン中飛車と、先手石田流、その他角交換振り飛車として2手目△3二飛と先手向かい飛車を扱っている。

まだ今日買ったばかりだが、出版社の木本書店の経営理念である「ベストセラーよりロングセラー」に沿ってか、
今後何年も普遍的な常識として通用するであろう基本的な変化に終始している様に感じた。

石田流1つに絞るのであれば、久保の石田流と大差ない内容であるので、こちらを買った方が良いかもしれない。

しかし、これから石田流、ゴキゲン中飛車の現代振り飛車を中心にスタイルチェンジを考えている人にはとても良い教材であると私は考える。

基礎をしっかりと学べ、棋界最強の振り飛車の名手の実戦譜で感覚を養えるからだ。


            ゴキゲン中飛車の急所

ゴキゲン中飛車の急所は、後手ゴキゲン中飛車に対する

(1)▲5八金右超急戦
(2)超速
(3)その他(▲7八金型、居飛車穴熊、丸山ワクチン)

を扱った書籍。

どの章も重ねられてきた工夫を古い順に紹介されており、
「どうして現在の定跡はこうなっているのか」、「なぜ指されなくなったのか」
がわかる様に構成されている。

ゴキゲン中飛車の歴史を感じる事が出来る一冊だ。

そう遠くない過去に速攻!ゴキゲン中飛車破りという書籍も販売されているが、内容は重複する部分があるものの、
超急戦、超速ともにゴキゲン中飛車の急所が詳しい。


            速攻!ゴキゲン中飛車破り

遠山流中飛車急戦ガイドの超急戦部分と速攻!ゴキゲン中飛車破りの超速部分を合わせてもまだお釣りが来る程の出来だ。

超速においてゴキゲン中飛車の急所が勝る理由として、現在主流となっている△4四銀型相穴熊を解説している点を挙げたい。

正直、まだ実戦例も多くない▲7七角~▲6八金寄が紹介されているとは思わなかった。

また、当ブログで超力戦として紹介した変化も見事に先手有利の順を示してくれている。

文句ナシでゴキ研推奨の一冊だ。

ただし、△4四銀型における先手の急戦策は扱われていないのでゴキゲン中飛車を使う人には注意が必要だ。

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さて、11月の事になるが、私の実戦において超急戦の最新型を指す機会に恵まれた。

対局場所は将棋の国際対局サイト81dojoで、月間の成績上位者に与えられるBig-4の称号を得る強豪が相手だ。

第1図はゴキゲン中飛車の急所でも紹介されていた局面で、ここから▲3六歩(第2図)と指された。



書籍によると、奨励会の三段リーグ最終日に指されていたと言うから驚いた。

この手は▲6三桂を△同角成と取れない様に角筋を遮断している。

しかし、△同角成は先手玉への脅威が緩和されるのでこの2手の交換は後手の損になる。

書籍では第2図以下、△6六飛▲7九玉△8七銀成(A図)が一例として示され難解とされている。



私は少考で別の手段を選択した。

第2図からの指し手
△6六飛▲7九玉△6八歩(第3図)



実はこの△6八歩は速攻!ゴキゲン中飛車破りで紹介されている手なのだ。

その後の進行は考えていなかったので、ここからが本当の闘いだ。

第3図からの指し手
▲5九金△6二金!(第4図)



第3図では本譜の▲5九金の他に(1)▲6三桂、(2)▲5三角、(3)▲7八金が考えられる。

(1)▲6三桂は、△同飛▲同成香に△6九歩成(B図)と、ボロっと金が取れるのが大きい。
以下、▲同玉△3六角成(C図)と成る手が、成香に当てつつ、△4七馬を見せつつ、持ち歩二枚を持てば
▲7四香と▲5三角に歩合いが利く一石三鳥の好手で後手相当だろう。



(2)▲5三角には△6二金打(D図)とガッチリ受ける。
▲同成香△同金▲3一角成なら△6九歩成▲8八玉△6八飛成(E図)以下、送りの手筋で詰む。



(3)▲7八金なら△6九歩成▲8八玉△6八と(F図)で手順にと金で攻める事が出来る。
以下、▲6三桂くらいだが、△同飛▲同成香△7八と▲同玉△8六桂▲同歩△8七金▲6九玉
△6八歩▲同玉△6七金(G図)で一枚も駒が余らずに詰む。



従って、本譜の▲5九金は最善だろう。

ノータイムで応じたあたり、研究があったと容易に想像できる。

しかし、5分(310秒)の考慮で捻り出した△6二金が強烈な受け。

後手の持ち駒が金香歩であれば先手玉に△7八金▲同玉△6七飛成▲7九玉△7八歩▲8八玉
△8七龍▲9九玉△9八香の詰みが生じるので、香車はわたせない。

しかし、ここで後手を引く訳には行かないので、先手はここで一気に攻め切るしかない。

第4図からの指し手
▲7四香△7三金▲同香不成△8二玉▲7二香成△同玉▲7四香△6一玉▲4三角△5二香
▲5三桂△6二玉▲4一桂成△7二金(投了図)



▲7四香と繋いで先ずは後手の応手を問う。

持ち駒が金と歩では先手玉に迫れないので△7三金▲同香不成△8二玉。

ここで▲7二香成△同玉▲7四香と香を一段下げる手筋で先手は迫ってきた。

△8二玉は▲5五角の王手飛車で飛車を抜かれて大逆転してしまう。

△6一玉▲4三角には△5二香と、先程の成捨てで得た香で合駒が出来て
後手玉の不詰めがはっきりした。

最新型で強豪を破ったと言う事で私自身とても印象に残る一局であるとともに、
超急戦最新型の後手有利の変化が示せたのではないかと思う。

【参考棋譜】

#KIF version=2.0 encoding=UTF-8
開始日時:2011/12/10
場所:81-Dojo (ver.2011/12/20)
手合割:平手
先手:
後手:mus_musculus
手数----指手---------消費時間--
1 2六歩(27) ( 0:2/)
2 3四歩(33) ( 0:2/)
3 7六歩(77) ( 0:1/)
4 5四歩(53) ( 0:1/)
5 2五歩(26) ( 0:1/)
6 5二飛(82) ( 0:1/)
7 5八金(49) ( 0:1/)
8 5五歩(54) ( 0:2/)
9 2四歩(25) ( 0:1/)
10 同 歩(23) ( 0:1/)
11 同 飛(28) ( 0:1/)
12 5六歩(55) ( 0:1/)
13 同 歩(57) ( 0:1/)
14 8八角成(22) ( 0:1/)
15 同 銀(79) ( 0:1/)
16 3三角打 ( 0:1/)
17 2一飛成(24) ( 0:1/)
18 8八角成(33) ( 0:2/)
19 5五桂打 ( 0:1/)
20 6二玉(51) ( 0:1/)
21 1一龍(21) ( 0:1/)
22 9九馬(88) ( 0:24/)
23 3三角打 ( 0:5/)
24 4四銀打 ( 0:2/)
25 同 角成(33) ( 0:1/)
26 同 歩(43) ( 0:1/)
27 6六香打 ( 0:1/)
28 7二銀(71) ( 0:2/)
29 8二銀打 ( 0:2/)
30 2七角打 ( 0:1/)
31 9一銀成(82) ( 0:1/)
32 5三香打 ( 0:1/)
33 8一成銀(91) ( 0:1/)
34 5五香(53) ( 0:1/)
35 同 歩(56) ( 0:1/)
36 8一銀(72) ( 0:1/)
37 6五香打 ( 0:1/)
38 7一玉(62) ( 0:1/)
39 6三香成(65) ( 0:2/)
40 5五飛(52) ( 0:3/)
41 7三成香(63) ( 0:1/)
42 6六馬(99) ( 0:34/)
43 同 歩(67) ( 0:2/)
44 5七歩打 ( 0:5/)
45 6七金(58) ( 0:1/)
46 5六香打 ( 0:7/)
47 同 金(67) ( 0:1/)
48 同 飛(55) ( 0:4/)
49 6八玉(59) ( 0:1/)
50 7五桂打 ( 0:59/)
51 同 歩(76) ( 0:2/)
52 7六銀打 ( 0:3/)
53 3六歩(37) ( 0:3/)
54 6六飛(56) ( 0:9/)
55 7九玉(68) ( 0:2/)
56 6八歩打 ( 0:9/)
57 5九金(69) ( 0:1/)
58 6二金(61) ( 5:10/)
59 7四香打 ( 3:47/)
60 7三金(62) ( 0:48/)
61 同 香(74) ( 0:6/)
62 8二玉(71) ( 1:31/)
63 7二香成(73) ( 6:11/)
64 同 玉(82) ( 1:10/)
65 7四香打 ( 0:3/)
66 6一玉(72) ( 1:56/)
67 4三角打 ( 0:16/)
68 5二香打 ( 0:32/)
69 5三桂打 ( 0:39/)
70 6二玉(61) ( 0:10/)
71 4一桂成(53) ( 0:19/)
72 7八金打 ( 0:8/)
73 投了 ( 0:11/)

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ゴキゲン中飛車vs▲5八金右超急戦【最新研究一部披露】

2011年01月23日 02時47分02秒 | ▲5八金右超急戦
今回は久々にゴキゲン中飛車vs▲5八金右超急戦の研究を公開しようと思います。^^

以前紹介したテーマ図8を覚えているでしょうか。



プロの実戦では△5一飛と指して負けており、当ブログでは△6四銀を推奨していました。

しかし、▲6四同角△同歩▲6三銀△8二玉▲5二銀成△同金右▲6一飛△5一歩(テーマ図16)の局面で、
▲3三香と打たれるとどうも芳しい手が無く先手有利の様でこれまで研究を公開出来ずにいました。



しかし、テーマ図8で画期的な新手を考案しました。^-^

それはこの後順を追って解説するとして、テーマ図8において知っておくべき基礎知識があります。

テーマ図8からの指し手①
△8七馬▲6三桂成△同玉▲6六香(第1図)まで、先手勝勢。



◇すぐの△8七馬は利かない

△8七馬は▲3一角成△同金▲同飛成に△8六馬(A図)を用意した手ですが、
▲6三桂成~▲6六香で早くも壊滅してしまいます。



香車を持っていると単純に引く手は利かないのです。

この局面で悩みぬいた結果、次の手を思い付きました。^-^

テーマ図8からの指し手②
△6四歩!(テーマ図29)



◇大駒は近付けて受けよ

△6四歩が玉のコビンを自ら開ける為、盲点になっていた一手。

①▲6四同角となれば角が邪魔になり、△8七馬以下第1図の様な変化が無くなる仕組みです。

勿論、これを取らずに②▲3一龍や、③▲3三香もあるところですが全てやれると踏んでいます。

まだ研究段階なので詳細を明かす事は出来ませんが、参考棋譜を以下に載せておきます。

どちらも私が81-Dojoで指した実戦なのですが、1号局を負けたのはとても悔しかった。T^T

途中の▲8八歩を取れば後手がやれると思います。

このゴキ研新手△6四歩(テーマ図29)で革命が起こせるのではないかと期待する次第です。^-^


【1号局】

開始日時:2011/01/15
場所:81-Dojo (ver.2011/01/01)
先手:
後手:mus-musculus

▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △5四歩 ▲2五歩 △5二飛
▲5八金右 △5五歩 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △5六歩
▲同 歩 △8八角成 ▲同 銀 △3三角 ▲2一飛成 △8八角成
▲5五桂 △6二玉 ▲1一龍 △7二玉 ▲7五角 △6四歩
▲同 角 △8七馬 ▲8八歩 △7六馬 ▲7七香 △6五馬
▲3一角成 △同 金 ▲同 龍 △5七歩 ▲6三金 △8二玉
▲6一龍 △5八歩成 ▲同 金 △6二金 ▲7二金打 △同 金
▲5二龍 △6二歩 ▲7二金 △同 銀 ▲6二龍 △6一金
▲6五龍 △2七角 ▲2二飛
まで51手で先手の勝ち

【2号局】

開始日時:2011/01/23
場所:81-Dojo (ver.2011/01/22)
先手:
後手:mus-musculus

▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △5四歩 ▲2五歩 △5二飛
▲5八金右 △5五歩 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △5六歩
▲同 歩 △8八角成 ▲同 銀 △3三角 ▲2一飛成 △8八角成
▲5五桂 △6二玉 ▲1一龍 △7二玉 ▲7五角 △6四歩
▲同 角 △8七馬 ▲3一龍 △同 金 ▲6三銀 △8二玉
▲5二銀成 △同 金 ▲8四歩 △同 歩 ▲6一飛 △5七歩
▲同 金 △6九馬 ▲同 玉 △4九飛 ▲5九香 △6八歩
▲同 玉 △7九銀 ▲7七玉 △5九飛成 ▲8三歩 △7二玉
まで48手で後手の勝ち

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ゴキゲン中飛車超急戦【プロ棋界に見る現状2】

2010年09月26日 19時07分58秒 | ▲5八金右超急戦
ゴキ研もいよいよ明日9/27に、1周年を迎える事となりました。^-^

これも皆様の励ましのコメントがあってこそです。

最新型の研究を追及して皆様にとって有益な情報を配信し続けていきますので
これからもどうぞよろしくお願い致します。^-^

さて、この1年間を振り返ると居飛車側の対策も
流行の移り変わりも激しかった様に思います。

☗7八金型≪丸山ワクチンに代わる持久戦として定着≫

 ↓ ↓

居飛車穴熊≪豊島ショックの衝撃が大きく流行≫

 ↓ ↓

☗3七銀急戦≪郷田真隆九段により☗5八金右の省略など改良が加えられ見直される≫

 ↓ ↓

☗3七銀急戦超速攻≪☗7八玉、☗6八銀の二手までも省略する大胆発想が大当たり≫


☗3七銀急戦超速攻は相変わらず指し続けられていますが、
どの対策にもしっかりと免疫を付けて対抗しているのは頼もしい限りです。

☗3七銀急戦に関しては、当ブログで書籍並みの内容で書けていると自負しています。

1年間活動してきた中で最も誇れる点です。^-^

今後も充実した内容の記事が書けるように邁進していきたいと思います。

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さて、1周年を飾るのに相応しいのは、やはり☗5八金右超急戦ですよね。^-^

ゴキゲン中飛車超急戦【プロ棋界に見る現状1】の続きを述べたいと思います。



前回の第4図。

ここから久保新手☖7一玉、戸辺新手☖7四銀、杉本新手☖5一桂は
どれも後手に不満の残る展開でした。

しかし、2010.6.15 順位戦C級1組☗岡崎洋六段☖遠山雄亮四段戦にて新手が出ました。

☖6六馬☗同歩☖5六香☗5七香☖同香成☗同金(第5図)☖5六歩(第6図)



◇遠山新手☖6六馬

☖6六馬と根元の香車を払うのが駒損ながら先手の攻めを緩和しており、
直ちに☖5六香と打てて先手が取れるスピード感ある手順。

先手は☗5七香と合わせて受けますが、☖同香成☗同金と金を上ずらせて第5図。

ここで☗岡崎洋六段☖遠山雄亮四段戦は攻めの☖5六歩でした。

第6図からの指し手
☗同金☖6七銀☗5八香☖5六銀成☗同香☖5七金☗6八金☖5六金(第7図)



◇実戦は勝ちだが…

☖5六歩を☗6七金では、☖5七桂が角と連動して厳しすぎるので☗5六同金と取りますが
☖6七銀が厳しく、☗5七金は☖5六香で参っている様に見えます。

しかし、今月発売されたライバルに勝つ最新定跡によると、第6図から
☗同金☖6七銀☗2八歩☖5六銀不成☗2七歩(A図)以下、後手苦戦の様です。



この戦型では、2七の空間を歩で埋められない事が肝心です。


      ライバルに勝つ最新定跡

従って、後手にはどこかで変化する必要性がありますが、それは第5図です。

2010.7.9 第41期新人王戦準々決勝☗澤田真吾四段☖菅井竜也四段戦の進行から。

第5図からの指し手②
☖7一玉(第8図)☗7五桂☖7二銀打☗5四香☖同飛☗同歩☖5五香(第9図)



◇菅井新手☖7一玉

早速ですが、久保新手☖7一玉(参考図)と菅井新手☖7一玉(第8図)を見比べて下さい。



6三への利きの数が第8図では1つ減っている為、☗6三香成が無いのがわかると思います。

久保新手☖7一玉も次に☖6六馬と切るので、手順前後であったと言えそうです。

さて、実戦は菅井新手に☗7五桂☖7二銀打の交換を入れた為、
後手玉が固くなり☖5五香(第9図)に合駒がなくなりました。

しかし、この交換を入れずに☗5四香も、☖同飛☗同歩☖5五香☗5六桂
☖5四角成(B図)で後手優勢です。

先手の攻めは切れています。



しかし、菅井新手に対しても互角に持ち込む手がライバルに勝つ最新定跡に示されています。

ここで載せてしまうとパクリになってしまいますので、
興味のある方は、そちらを参考にされると良いでしょう。


そして、今後実戦に登場する可能性があるのが第10図。
(2009.8.14 棋聖戦一次予選☗村山慈明五段☖遠山雄亮四段戦)



☗3六歩は村山新手ですが、ライバルに勝つ最新定跡によると考案者は阿部健治郎四段。

意味は、C図と比べれば良くわかります。

C図は村山新手☗3六歩を出す前ですが、ここから単純に☗8一銀不成☖同銀☗6三桂成
☖同角成☗同香成☖同玉☗7五桂☖6二玉☗6三角(D図)に、☖7二銀で受かります。

そこで、☗3六歩に☖3六同角成ならば☗3二歩と手裏剣を放ち、
金銀で取れば☗3三歩が激痛。

従って、☖同飛の一手ですが☗8一銀不成☖同銀☗6三桂成☖同馬☗同香成☖同玉☗7五桂
☖6二玉☗6三角(E図)は飛車がいない為、金銀両取りになる仕掛けです。



そこで実戦は、第10図から☖5三香☗4三桂成☖5一飛☗1二龍☖2二歩☗4八玉と
進行しましたが、最後の☗4八玉が疑問で☗5三成桂☖同飛☗5五香が最善で
一局だったようです。

遠山雄亮四段も遠山流中飛車急戦ガイドを出版していますが、
この変化の見解はどちらの書籍でも一致している様です。


      遠山流中飛車急戦ガイド

さて、この記事の中でも出てきた書籍ですが、どちらか一冊を購入するので迷っていると言われれば
遠山流中飛車急戦ガイドを私は勧めたいです。

と言うのも、ライバルに勝つ最新定跡は最新定跡に特化して書かれており、
基礎的な変化を知らずに読んでも理解が深まらない為です。

遠山流中飛車急戦ガイドは☗7五角が指されなくなった裏事情や、
GPS新手(厳密には昔からあったが…)の対策、その他裏定跡も載っており、
基礎を押さえるには充実の内容です。

遠山流中飛車急戦ガイドを読んで理解を深めてから、ライバルに勝つ最新定跡の順をお勧めします。

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さて、ゴキゲン中飛車超急戦大全ですが、ようやく☗3三角に対する結論が見え始めました。

まずは基礎編として今年中には出版できそうです。^^

そして、続きの応用編では☗1一龍対策一本に絞って行こうと考えています。

と言うのも、☗7五角対策は最前線物語〈2〉や、遠山流中飛車急戦ガイドで網羅されている為です。

これで大全という名を付けて良いものか疑問もありますが、パクリはまずいですからね。^^;



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ゴキゲン中飛車超急戦【プロ棋界に見る現状1】

2010年08月21日 22時43分12秒 | ▲5八金右超急戦
丸々2か月ぶりの更新になりますね。^^;

ゴキゲン中飛車超急戦大全(仮)の制作状況ですが、現在停滞気味です。

と言うのも、最近は仕事でトラブルが多く、余計な仕事が増えて気力を使い切っている事が
大きいです。

ようやく全てのトラブルが解決したので、また製作を再開したいと思っています。

そして、気になるであろう、これまでの制作状況を報告します。

現在書き終えた内容は…、

・超急戦回避策
・超急戦における先手玉の寄せ方

超急戦回避策は、鈴木大介八段が著書で推奨している☖9四歩から9筋の歩を突き越す
指し方や、☖6二玉から向かい飛車にする指し方が何故悪いかを示しました。

この項目はかなりうまくまとめられたと自負しています。^-^

また、最近新たな回避策を思いついたので、提案として追記したいと思います。

超急戦の寄せは、桂香の飛び道具と馬を中心としたものが多く、他の戦型に比べ特殊な
部類にあると思います。

実戦に出現しそうな数種類の想定局面を用意し、それぞれの寄せ方を示しました。

これから超急戦の後手を持とうと思っている方には良い教材となるでしょう。

そして、厄介なのが対☗3三角型で、これの結論が未だに出せていません。

プロが指さないので先手が悪いのかと思っていたら案外そうでもなく、
むしろ後手が悪い変化が多くて大分困りました。^^;

現在代替手を検討中で、あと対☗2三角型をまとめたら、一度上巻として出版しようかと
考えています。

今しばらくお待ち頂きます様、お願い申し上げます。^^

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さて、ここしばらくの間にゴキゲン中飛車超急戦も数局出現し、動きがありました。

以前、ゴキゲン中飛車vs▲5八金右超急戦【プロ棋界の最前線を探る旅】という記事で
解説した現在主流の第2図から第3図の将棋(☗1一龍☖9九馬型)。



この進行の中で多くの新手が飛び出しました。

その流れを時系列を追って見ていきたいと思います。

第3図からの指し手
☗8一成銀☖5五香☗同歩☖8一銀☗☖6五香打(第4図)



◇ここをどう凌ぐか

第4図は2010.3.16の王将戦第6局☗羽生善治王将☖久保利明棋王(共に当時)で
初めてお目見えした局面です。

ここから☖7一玉として久保利明棋王が勝ち奪取に成功しましたが、その後の研究では
後手が悪いと結論付けられており、後手に新対策が必要となっていました。

そして迎えた2010.6.1の王位戦挑戦者リーグ白組プレーオフ☗羽生善治名人☖戸辺誠六段戦。

戦型は戸辺誠六段のゴキゲン中飛車に対し、羽生善治名人は超急戦応戦しました。

王将を奪取された超急戦を採用したのですから、羽生善治名人も自信があったのでしょう。

ここは、戸辺誠六段がどこで手を変えるかに注目が集まりました。

第4図からの指し手①
☖7四銀☗1三龍☖5一桂☗5七香☖2二銀☗1五龍(途中図)☖8九馬☗5四歩☖同角成
☗同香☖同飛(第5図)



◇戸辺新手☖7四銀

戸辺誠六段は☖7四銀と、新手を出して応戦しました。

以下、☗5七香と打たれて見ると☗5四歩~☗5三歩成がとても厳しい攻めで
後手は苦しい展開です。

☖2二銀と龍の利きを逸らしましたが、これも玉頭攻めに使われてしまいます。

本譜☗5四歩に☖同角成と応じたところでは☖同飛も考えられ、
☗同香☖同角成☗4六桂☖6五馬(A図)(中継解説は☖3二馬)はどうだろうか。
以下、☗同香☖同銀☗同龍☖6四香となれば後手もやれそう。



しかし、先手には☗5四歩のところで☗2六龍(B図)と変化する手段があり、
仮に☖4五角成☗4六歩☖5五馬☗同香☖同飛☗2二龍(C図)は王手の先手。



現状、戸辺新手☖7四銀は厳しい情勢となっています。

そして、間も開けずに2010.6.4の順位戦B級1組☗豊川孝弘七段☖杉本昌隆七段戦。

第4図の局面が出現しました。


第4図からの指し手②
☖5一桂☗7五桂☖7四銀☗5七香☖7二銀☗1三龍☖2二銀☗1五龍(第6図)



◇杉本新手☖5一桂

さて、第6図はどこかで見た事のある様な局面ですね。

そう、第5図に至る途中図に☗7五桂と☖7二銀の交換が入った計算です。



これは、先程の様に☖8九馬と進めた時に、

①☗5四歩は☖同飛☗同香☖同角成(D図)で☗4六桂が打てない。
②☗2六龍は☖4五角成☗4六歩☖3五馬☗同龍☖同歩(E図)で、
 玉頭がノンプレッシャーなので、☖7七桂☗6八金上☖7九飛と言った攻めが早い。



実戦は第6図で☖6五銀として悪くなりましたが、後手良しだった様です。

☗7五桂と☖7二銀の交換だけで評価が一変するので恐ろしいものです。

しかし、杉本新手☖5一桂には☗3三桂と打つ変化があり、以下一例ですが、
☖3二金☗4一桂成☖2二銀☗5一成桂(F図)や、
☖3二金☗2一桂成(G図)と言った進行が予想されます。



どちらも難解な変化が予想されますが、F図は☖5一同飛☗同龍☖同玉でどうか。
G図は☖4二銀☗2二成桂☖同金☗同龍☖6六馬☗同歩☖5六香(H図)。



☗2七龍は☖5七歩☗4八金☖3五桂☗3八龍☖5五飛が厳しく取りきれないでしょう。


ここまで見て来た戸辺新手☖7四銀、杉本新手☖5一桂は共に後手に面白い変化では
無かったかと思います。

しかし、9日後の2010.6.15 順位戦C級1組☗岡崎洋六段☖遠山雄亮四段戦にて、
この戦型において現状最善と思われる新手が出ました。

その手について、次回取り上げたいと思います。



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