ゴキ研

ゴキゲン中飛車研究ノート

定跡の基本から最前線まで詳しく紹介。

自戦記【遠山流9筋位取り穴熊】

2010年11月29日 01時05分12秒 | 居飛穴対策
久々に良い内容の将棋が指せたので自戦記を書こうと思います。^-^

舞台は以前にも紹介した将棋の国際対局サイト81-Dojo

相手はイギリスの方でした。


初手からの指し手
▲7六歩△3四歩▲2六歩△5四歩▲2五歩△5二飛▲5八金右(第1図)
△5五歩▲4八銀△3三角(第2図)



◇超急戦か!?

後手番となり当然ゴキゲン中飛車へ。

▲5八金右(第1図)とされて超急戦かと思いましたが、
先手から回避して穏やかに進みました。

第2図からの指し手
▲6八玉△6二玉▲7八玉△7二玉▲6六歩△4二銀▲6七金△8二玉▲7七角(第3図)
△9四歩▲8八玉△9五歩▲7八金△9二香(第4図)



◇遠山流9筋位取り穴熊へ

超急戦を先手から回避した以上、▲3七銀急戦は選びにくい。
(詳しくはゴキゲン中飛車▲3七銀急戦【郷田流の思想】参照)

第3図は居飛車穴熊が濃厚なので、こちらも潜るのですが
ここは△9四歩と突いて以前に紹介した遠山流9筋位取り穴熊で対抗しました。

それにしても、海外に住んでいてこの居飛車穴熊をどこで勉強したのですかね。^^;

第4図からの指し手
▲9八香△9一玉▲9九玉△8二銀▲5九銀△7一金▲6八銀右△5四飛(第5図)
▲4六歩△3五歩▲1六歩△3四飛▲2六飛(第6図)



◇固さvs模様

相穴熊となりスラスラと進んで第5図。

先手はガチガチの4枚穴熊に固めるのに対し、後手は浮き飛車から揺さぶりに掛かります。

ここで▲4六歩は大事で、手抜くと△4四飛~△4五飛が受かりません。
(詳しくは棋書紹介&次の一手のクイズ参照)

対して、△3五歩~△3四飛の石田流に組み換え、3・5・9筋に位を張って模様で対抗しました。

固さでは劣るものの、左銀と左金を保留している事で飛車の打ち込みに強いのがポイント。

△7四歩に代えて△7一金と連結良くまとめているのが実戦例からの工夫です。

さて、第6図では機敏な一着がありました。


第6図からの指し手
△1四歩▲8八銀△5二金▲6五歩△5三銀▲4五歩△5四銀▲8六角(第7図)



◇逸機…

第6図では△3六歩がありました。

飛車交換は後手に隙が無いので▲同歩ですが、△4四角(A図)で後手が捌ける展開でした。



本譜は固め合いになり、角筋を通されたところでは損をしたと感じていました。

▲8六角と角成を見せられて忙しく見える第7図。

ここで踏み込みます。

第7図からの指し手
△4五銀▲7九銀右△4四角▲6六飛△3六歩▲6四歩△同 歩▲3六歩△5六歩
▲6四飛△3六飛▲4六歩△同 飛▲5六歩△4八飛成▲4六歩△同 銀▲4四飛
△同 歩▲2六角(第8図)



◇罠

ここで△4五銀が強手でした。

▲3一角成には△3六歩(次に△4四角)▲2一馬△3七歩成▲6六飛△4七と(B図)
という切返しを用意していました。



本譜はこの狙いを看破して△7九銀右でしたが、△4四角以下好調な捌きで優位に立ちました。

▲4四飛~▲2六角(第8図)も読み筋で用意の切返しがありました。

第8図からの指し手
△7八龍▲同 銀△2八飛▲4四角△7八飛成(第9図)
▲7一角成△同 銀▲6八金打△6七龍▲同 金(第10図)



◇斬り合い

△7八龍~△2八飛と豪快に先手の金銀と飛車の二枚換えに成功して優勢に。

▲7一角成~▲6八金打は見えておらず焦りましたが、△6七龍と金を剥がして第10図。

金銀計8枚のうち6枚持っていれば優勢、7枚ならば勝勢という格言もあり、
駒割も飛車と金銀の交換で優勢だと思います。

この後は、相穴熊特有の張り付く寄せで勝てました。^-^

遠山流9筋位取り穴熊の優秀性をご理解頂けたと思います。

皆様も是非試してみて下さい。^^


【参考棋譜】

開始日時:2010/11/28
場所:81-Dojo (ver.2010/11/28)
先手:
後手:mus-musculus

▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △5四歩 ▲2五歩 △5二飛
▲5八金右 △5五歩 ▲4八銀 △3三角 ▲6八玉 △6二玉
▲7八玉 △7二玉 ▲6六歩 △4二銀 ▲6七金 △8二玉
▲7七角 △9四歩 ▲8八玉 △9五歩 ▲7八金 △9二香
▲9八香 △9一玉 ▲9九玉 △8二銀 ▲5九銀 △7一金
▲6八銀右 △5四飛 ▲4六歩 △3五歩 ▲1六歩 △3四飛
▲2六飛 △1四歩 ▲8八銀 △5二金 ▲6五歩 △5三銀
▲4五歩 △5四銀 ▲8六角 △4五銀 ▲7九銀右 △4四角
▲6六飛 △3六歩 ▲6四歩 △同 歩 ▲3六歩 △5六歩
▲6四飛 △3六飛 ▲4六歩 △同 飛 ▲5六歩 △4八飛成
▲4六歩 △同 銀 ▲4四飛 △同 歩 ▲2六角 △7八龍
▲同 銀 △2八飛 ▲4四角 △7八飛成 ▲7一角成 △同 銀
▲6八金打 △6七龍 ▲同 金 △7八銀 ▲6一飛 △7二金
▲6八金 △8九銀成 ▲同 玉 △6七歩 ▲同飛成 △6六歩
▲7七龍 △6七金 ▲同 金 △同歩成 ▲同 龍 △6六歩
▲7七龍 △6七金 ▲7九龍 △5七銀成 ▲6九銀 △7七桂
▲同 銀 △同 金 ▲同 角 △6七歩成 ▲1一角成 △6八歩
▲6一飛 △6九歩成 ▲同 龍 △6八歩 ▲7九龍 △6二金左
▲同飛成 △同 銀 ▲6四桂 △6九歩成 ▲同 龍 △7八銀
▲同 龍 △同 と ▲同 玉 △5八飛 ▲7七玉 △6八飛成
▲8六玉 △8五銀 ▲同 玉 △8四飛
まで124手で後手の勝ち

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遠山流9筋位取り穴熊

2009年12月26日 00時48分10秒 | 居飛穴対策
遠山雄亮四段が虫垂炎で入院していたそうですね。

棋聖戦でも本戦まであと1勝となっているので心配でしたが、
無事に退院されたそうで何よりです。^-^

今回は、遠山雄亮四段の退院を祝して遠山流9筋位取り穴熊を紹介します。

これは、大流行のゴキゲン中飛車対居飛穴の対抗形のひとつで、
相穴熊のゴキゲン側が9筋の位を取って戦う構想。

これを指しているのは、私の知っている限りでは
遠山雄亮四段だけで、独自の構想なのでしょう。
手元にある棋譜も2局だけです。
(ゴキゲン中飛車の2勝!)

私も実戦で指してみたのですが、居飛車側がのんびり指していると手詰まりになりやすく、
終盤でゴキゲン側にだけ端攻めの権利が生じて紛れを求める事ができます。

しかし、基本的に千日手でも良い後手番なので可能な指し方です。
先手で指すと、こちらから打開する必要性が出るので注意して下さい。

今回は、遠山雄亮四段の実戦の進行を追いながら解説したいと思います。

まずは、第1号局と思われる第68期順位戦C級2組大石直嗣四段戦を紹介。

次に、第18期銀河戦Eブロック3回戦中川慧梧アマとの一戦を紹介。

先手の方針にどう追随すれば良いか解説できればと思います。

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初手からの指し手
▲7六歩△3四歩▲2六歩△5四歩▲2五歩△5二飛▲4八銀△5五歩▲6八玉
△3三角▲7八玉△6二玉(途中図)▲5八金右△7二玉▲6六歩△8二玉
▲7七角△4二銀▲8八玉△9四歩(基本図)



◇潜る前に端を打診

途中図は何度も紹介した形ですね。
ここで▲6八銀なら郷田流などの急戦調の戦いになります。

今回は相穴熊なので▲5八金右からの持久戦模様。

お互い玉が8二と8八に来たタイミングで△9四歩。
これが本戦法の骨子です。

基本図からの指し手
▲9八香△9五歩▲9九玉△9二香(第1図)



◇欲張って行こう!

第1図で端を受ければ、美濃囲いで済ませて4筋の位を取る
参考図の指し方で端の交換がある分得をします。



これは、マイコミ将棋BOOKS 遠山流中飛車持久戦ガイド
詳しく解説されているので割愛させて頂きます。

従って、先手は端の位を取らせて戦うのですが、
そこで△9二香と穴熊を見せて第1図。

後手の陣容は、5筋と9筋の位取りに穴熊と
かなり欲張った指し方ですね。

こんな指し方が通用すれば痛快だと思いませんか?^-^


第1図からの指し手
▲6七金△7四歩▲7八金△9一玉▲5九銀△8二銀▲6八銀右△5四飛(第2図)



◇1号局は浮き飛車を選択

1号局はこの戦型ではすっかりお馴染みとなった浮き飛車でした。

後手が端に2手掛けた分、先手も▲5九銀~▲6八銀右と
右銀を玉に寄せて左辺に隙ができた為当然に見えます。

第2図からの指し手
▲2六飛△5三銀▲8八銀△7一金▲7九銀右△6四銀▲8六歩(第3図)



◇先手は玉頭の厚みを築く

後手の浮き飛車には▲2六飛として受ける一手。

そこで、後手は△5三銀と出ますが、このタイミングで▲8八銀と上がられると
7筋の歩を交換するのが甘くなります。

具体的には△6四銀▲8六歩△7五歩▲同歩△同銀▲8七銀(A図)。

以下、△7六歩にはあっさり▲同金△同銀▲同銀(B図)で厚み負けしています。

B図は次に▲4五銀と打たれると激痛です。



本譜に戻って、△6四銀に変えて△4四飛(C図)と仕掛ける手はどうだったか。



流石に飛車交換は先手に打ち場所が無いので後手有利。
これはゴキゲン側の△4一金が輝いています。

従って、▲4六歩△1五角▲1六飛△5一角▲6五歩△7三角に

①▲6六金△5四銀(D図)
②▲5六歩△5四飛(E図)



一度△1五角を利かせます。

対して▲3六飛は△3五歩▲同飛△4六飛と進めると、やはり△4一金が輝きを増します。
なので、▲1六飛の利かされは仕方ない。

そこで△5一角▲6五歩とされたときに、△6四銀型でない為銀に当たらないのが主張。

なので△7三角の応援が間に合い、▲6六金には△5四銀でD図。

D図は後手に△3五歩~△3四飛~△3三桂があって先手忙しい。

▲5六歩△5四飛ならばE図。

▲5五歩△同角▲同角△同飛▲5六歩△2五飛となっては勝ち目ありません。

と言って、▲4五歩もじっと△4四歩で△3三桂を誘発している感もあります。

実戦ではこの変化になりませんでしたがどうだったのか。

本譜はこの後、端の位を逆用されてしまいます。


第3図からの指し手

△5二金▲8七銀△4四角▲2八飛△3三角▲4六歩△3五歩(第4図)



◇石田流に組むが…

△4四角▲2八飛△3三角に▲2六飛は千日手なので先手が打開する必要があります。
そこで、▲4六歩に△3五歩で石田流の基礎ができます。

しかし、ここで先手には幸便な仕掛けがあります。


▲8八銀△6二金左▲9六歩(第5図)
△同歩▲同銀△3四飛▲8七銀△9八香成▲同玉△9二香▲9六歩(第6図)



◇9筋の位を逆用される

先手は▲8八銀と万全の構えを築いてから▲9六歩と仕掛けます。
以下、端の攻防の収まった第6図を見ると、後手は歩を手持ちにしているのに対し、
先手は香を手落ちにしています。

後手不利とは言いませんが、あまり後手としては面白くありませんね。

やはり、C図の仕掛けをするべきだったか。

しかし、終盤の7図では△9五歩と利かせる事により、飛車の進入が厳しくなっています。



詳しくは、遠山雄亮のファニースペースの2009.10.21の記事を参照して下さい。
(書いてもパクリになってしまうので^^;)

この歩が利いたのも、序盤で9筋位取りをした効果です。


では、そのまま第2号局に移りたいと思います。

序盤は飛ばして再掲基本図から話を進めますがご了承ください。



再掲基本図からの指し手
▲7八金△9五歩▲6七金右△9二香▲3六歩△9一玉▲5九銀△8二銀▲6八銀右
△7四歩▲9八香△5三銀▲9九玉△6四銀(第8図)



◇浮き飛車警戒には銀の進出

説明が重複する部分があるので長手数進めましたが、


先手が浮き飛車を警戒して▲3六歩の一手を入れている。

   ↓

△5三銀に▲8八銀が間に合っていない。

   ↓

後手は7筋からの仕掛けが成立している。


というのがポイントです。


第8図からの指し手

▲3七桂△7一金▲8八銀△7五歩▲8六角(第9図)



◇先手は角で反発

先手は▲8八銀が間に合わないので、先程の銀冠穴熊作戦はできません。
ただ7筋を交換されるのは癪なので、▲8六角と反発します。


第9図からの指し手
△1五角▲2七飛△4二角(第10図)
▲2四歩△同歩▲6五歩△同銀▲7五歩△8四歩▲7四歩△7五歩(第11図)



◇玉頭の制空権争い

ここでも△1五角の幽霊角が働きます。これが後になって利いてきます。

ちなみに、先手がこの幽霊角を押さえようと1筋を突き合うと
△1五歩の仕掛けを与えてしまいます。

この形では△4一金型でなるべく待つ事が急所で、△1五歩▲同歩△同香▲同香
△同角▲1八飛△3七角成▲1一飛成とできても△3一金で受かるのです。

本譜の先手は▲6五歩~▲7五歩と手筋を駆使して押さえ込みから反発しますが、
△8四歩から角頭を攻められると忙しい。

この形では先手の角が働かないというのが主張なので、▲8六角型で安定されては
面白くないのです。


第11図からの指し手

▲7三歩成△同銀▲7九銀右△8五歩▲6八角△5一角▲5六歩△同歩▲2四角
△6二角▲4六角△2六歩▲2九飛△8二金(第12図)



◇後手の模様が良い

先手も▲5六歩~▲2四角という非常手段ともいえる仕掛けで強行突破を図りますが、
△6二角~△2六歩が先程の幽霊角の効果で飛車当たりになっています。

冷静に先手の攻めを受け止めた第12図は後手が大模様を張っていて優勢と言えるでしょう。


以上で、遠山流9筋位取り穴熊の紹介を終えます。

大作でさすがに疲れました。^^;

次回の更新内容は未定です。

そろそろ超急戦か郷田流の豊島新構想が紹介できれば良いのですが、
なかなか奥が深くてまとまりません。^^;

こちらはしばしお待ち下さい。

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12/24に池袋の本屋に行ったら、マイコミ将棋BOOKS 必ず役立つプロの常識
麻雀のコーナーに大々的に置かれていました。^^;(笑)

阿久津さんの本はAmazonで既に注文しているので買いませんでしたが、
すでに絶版となった新・谷川浩司全集〈4(平成15年度版)〉が置いてありました。^^



渡辺明竜王も修行時代に、谷川浩司全集シリーズで勉強したそうなので、
私も年末に読んで勉強しようと思います。^-^


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棋書紹介&次の一手

2009年11月18日 20時12分18秒 | 居飛穴対策
昨日ついにマイコミ将棋BOOKS 遠山流中飛車持久戦ガイド
が発売しましたね。^-^



タイトル:マイコミ将棋BOOKS 遠山流中飛車持久戦ガイド
著者:遠山雄亮

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序章  基本図までと本書の概要
第1章 先手中飛車・5筋&角交換編
第2章 先手中飛車・5筋交換編
第3章 先手中飛車・5筋位取り編
第4章 後手ゴキゲン中飛車・5筋位取り編
第5章 後手ゴキゲン中飛車・角交換編
第6章 自戦記

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発売して間もないですが、一通り読んだので
各章の特徴と感想を述べたいと思います。^-^

第1章 先手中飛車・5筋&角交換編



第1章では、先手中飛車の破壊力を紹介する為に、
5筋と角交換に成功した場合を解説しています。

第1図では、①▲5五同銀、②▲5五同飛、③▲7一角の3通りの攻めを紹介しています。
①や②は、これまでの定跡書でも紹介されているので、形に明るい方ならご存知でしょう。
③▲7一角が新しい手。それぞれ相手のわずかな形の違いによって成否が変わるので、
全部知っていると得をできます。



第2図では、従来紹介されなかった▲6八金型からの8筋逆襲を紹介しています。
▲7八金型も併せて紹介されているので比較しながら読み進められます。

第2章 先手中飛車・5筋交換編



第2章では、第3図の仕掛けから相手の3通りの受け方と、
居飛穴に組ませてからの捌き、新研究の相穴熊戦という構成になっています。
特に、相穴熊の戦いは一見の価値ありです。

第3章 先手中飛車・5筋位取り編



第3章では、流行中の居飛穴や対銀冠に袖飛車からの仕掛けを取り上げています。
皆様は第4図からの次の一手がわかるでしょうか?
是非、本書を手にとって続きを読んでください。
きっと驚かれる事でしょう。

第4章 後手ゴキゲン中飛車・5筋位取り編



第4章では、現在大流行中のゴキゲン中飛車対居飛穴の戦いを取り上げています。
現在の流行形という事で最もページ数が割かれており、読み応え十分です。
内容は、居飛穴対後手の袖飛車、美濃囲いからの4筋位取り、相穴熊の対抗形。
先後の違いで袖飛車が通用しない事が本書に詳しく書かれています。
第5図はよくある相穴熊の戦い。ここから新構想が紹介されています。

第5章 後手ゴキゲン中飛車・角交換編



第5章は丸山ワクチン。
佐藤(康)流対遠山流の攻防(第6図)。
本書は初の遠山流の定跡書となっており、それだけでも一読の価値ありですが、
2筋の逆棒銀からの逆襲や、3筋からの手作りといった手筋が載っています。

全部読んだ私の満足度は100点満点中95点です。^-^
残りの5点はこれから紹介する手筋のうち、9図~C図の仕掛けが載っていないから。
このブログを読んだ方は、これから紹介する手筋を覚えて
きっと100点満点の評価になるでしょう。^-^

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第7図からの指し手
△4四飛▲4八飛△4五飛(A図)



◇基本の手筋

これは本書でも載っている手筋。
第9図を紹介する為の予備知識として載せました。
A図は△2五飛が受からず、後手良しです。



第8図からの指し手
△4四飛▲4八飛△1五角▲4九飛△4五飛(B図)



◇幽霊角の好手
これも本書に載っている手筋。
同じように△4四飛▲4八飛△4五飛は▲3七桂で一応受かっています。
以下、△1五角▲4五桂△4八角成は、①しなくてもよかった飛車交換。
②手番が先手。③手順に桂馬が捌かれて後手は桂馬が拾えない。
という事で失敗です。
以上を基礎知識として踏まえ、第9図を考えて下さい。
今度は▲1六歩が入っているので、△1五角はありません。



わかりましたか?
答えは下にあります。^-^


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【正解】

↓ドラッグするか、Ctrl + Aでハイライトして下さい。

第9図からの指し手
△4四飛▲4八飛△3五歩▲同歩△4五飛(C図)



正解は3筋を絡める仕掛けです。
手順前後もOKですが、局面が変わると突き捨てが放置される恐れもあります。
局面を見極めて使い分けて下さい。^-^