ゴキ研

ゴキゲン中飛車研究ノート

定跡の基本から最前線まで詳しく紹介。

思い出の飛車落ち研究

2016年12月18日 16時27分01秒 | ゴキ研流駒落ち
昨日は戸辺誠七段の将棋教室へ参加して来た。

忘年会もありとても参加人数が多かったのだが、
何よりも井道千尋女流初段がレギュラー講師をご退任される
という事で最後に指導を受けようと来た人も多かったと思う。

私が到着した時には席が埋まってしまい
残念ながら指導を受ける事は叶わなかった。

とは言え、最後という事で気合を入れて勉強したのが良かったのか
他講師陣から角落ちで3連勝する事が出来た。

今度はゲストとして着て頂ける様なので
またの機会にご指導頂きたいと思う。

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今回は飛車落ちについて書いてみようと思う。

井道先生には飛香落ちから教わり
特に飛車落ちで指した経験が私の相振り戦のベースになっている。

飛車落ちなのに何言ってんだこいつ頭沸いてるのか
と思われるかもしれないがそれは順を追って説明する。

最後に書いた寄書きにこの事を書いたのだが、
もしかすると角落ちと間違えて書いたかもしれない(汗)

ご本人には伝わらないと思うので痛恨のミスをしたなと泣きたい気持ちだ。

「錯覚いけないよく見るよろし」(錯覚ではない)

初手からの指し手
△3四歩  ▲7六歩  △4四歩(第1図)
▲7五歩  △4二銀  ▲7四歩(第2図)



飛車落ちと言えば上手が普通に指した場合、
角交換をしてしまうと金銀で盛り上がる指し方ができなくなるので
角道を止めて第1図となる。

ここで▲4六歩とする右四間飛車が定跡として有名だが
振り飛車党がこれをやって磨きたいスキルを伸ばせるかは疑問に思う。

ゴキ研では▲7五歩△4二銀▲7四歩(第2図)と
仕掛けるのをオススメしたい。

△7四同歩と取ると▲5五角(A図)で早くも受からない。



もちろん、これで潰れる様な奇襲を狙っている訳ではない。

第2図からの指し手
△8二銀  ▲7三歩成 △同 銀(第3図)
▲7八銀  △7二金  ▲7七銀(第4図)
△5二金  ▲7六銀  △6四歩  ▲6六歩
△6三金  ▲7七角  △6二玉  ▲6八飛(第5図)




△8二銀▲7三歩成△同銀で収まり第3図は
なんと下手の駒が1手も動いておらず5手損。

普通は駄目としたものだが、
今回の場合は上手の駒配置を限定させた意味がある。

続いて▲7八銀△7二金▲7七銀の第4図では
△4五歩がありそうだが▲6六歩と一度止めて問題ない。

当初は角道を止めてから銀を繰り出していたのだが
一気に銀を繰り出す構想は井道先生に使ったのが最初。

角道を止めないので▲6六角~▲8八飛と使う事も出来る。

場合によっては▲7五歩と位を取ってしまう狙いもある。

第5図まで進んで狙いが見えたと思う。

上手の飛車がいないが相振り飛車の矢倉崩しに
組みあがっているのがわかるだろうか。

飛車がいないので上手の受け対下手の攻めの構図になっている。

相手の角道を止める振り飛車に三間で対抗すると
向かい飛車+矢倉に組まれて似た様な形になる。

今回紹介した手順は相振り飛車で攻め切るという
テーマを持って指導を受ける事ができるのだ。

ただ定跡書に書いてある通りに指しても上達しない。

自分が何を磨きたいかと言うのを明確にして指導を受ければ
上達の助けになると思う。

講師に指導を受ける前に相談するのも良いだろう。

第5図までの手順は飛香落ちで指したそのままのものである。

流用すれば端攻めの反撃が無いのでより攻めに専念できる。

ここで紹介した手順が気に入れば試して頂ければ幸いだ。

最後に私が飛車落ちを卒業した思い出の棋譜を載せて結びとしたい。

改良を重ねた研究の集大成としてここに残したいと思う。

開始日時:2013/07/07
終了日時:2013/07/07
棋戦:平塚七夕まつり将棋大会指導対局
手合割:飛車落ち
下手:ゴキ研
上手:井道 千尋女流初段

△3四歩 ▲7六歩 △4四歩 ▲7五歩 △4二銀 ▲7四歩
△8二銀 ▲7三歩成 △同 銀 ▲7八銀 △5二金左 ▲7七銀
△4三銀 ▲7六銀 △8二銀 ▲8六歩 △6二玉 ▲8五歩
△7二玉 ▲6六角 △6二金上 ▲8八飛 △3三角 ▲7七桂
△7三歩 ▲4八玉 △1四歩 ▲1六歩 △3五歩 ▲3八玉
△3四銀 ▲5八金左 △4三金 ▲8四歩 △同 歩 ▲同 飛
△8三歩 ▲8六飛 △9四歩 ▲9六歩 △5四金 ▲4八金上
△4五銀 ▲7五銀 △3六歩 ▲同 歩 △同 銀 ▲9五歩
△同 歩 ▲9二歩 △同 香 ▲9三歩 △同 香 ▲8五桂
△3七歩 ▲同 桂 △6五金 ▲7四歩 △6六金 ▲7三歩成
△同 桂 ▲9三桂成 △同 銀 ▲7四歩 △3七銀成 ▲同 金
△4五桂 ▲7三歩成 △同 金 ▲8五桂 △3七桂成 ▲同 玉
△2五桂 ▲4八玉 △8四銀 ▲7三桂成 △同 銀 ▲6六飛
△4五歩 ▲6一銀 △8二玉 ▲7二金 △9二玉 ▲9三歩
まで84手で下手の勝ち


【ゴキ研流二枚落ち定跡】5筋交換中飛車

2012年07月23日 00時27分01秒 | ゴキ研流駒落ち
最近、駒落ちで指導対局を受ける機会に恵まれている。

まずは、神奈川県平塚で行われた七夕将棋まつり。

大会に参加したのだが、ひどい内容で午前中に早々と敗退。

結果は残念なものではあったが、敗退者はプロ棋士の方に
指導対局をして頂ける企画があったので参加した。

私は少年時代、関根紀代子女流六段に六枚落ちと四枚落ちで
指導を受けた経験があった。

全然勝てずに途中で辞めてしまい勿体ない事をしたが、
当時は意識が低かったので仕方がない。

従い、四枚落ちより上の手合いでは経験が無いので
即興で作戦を考えて臨んだ。

二枚落ちの定跡では、銀多伝や二歩突っ切りが有名だと思う。

うろ覚えではあったが、これらの定跡の定跡の出だしは
△6二銀▲7六歩△5四歩▲4六歩(A図)と進むのを記憶していた。



この3手目までの上手の動きを利用して、現代振り飛車の定跡の様に進められないか考えた。

初手からの指し手
△6二銀▲7六歩△5四歩▲5六歩△5三銀▲5八飛(第1図)



その作戦とは、ゴキ研のトレードマークでもある中飛車。

上手の出だしを利用して、5筋の歩を交換して下段に飛車を引いて使おうという趣旨だ。

目指す陣形は参考図1や2の先手中飛車をイメージしていた。



後で調べてみると、駒落ちの書籍として有名な【決定版】駒落ち定跡では、他の手合いにおいて中飛車の定跡が載っていたし、
少し前に高橋道雄九段がNHK将棋講座でやっていた駒落ち講座のまとめ本棒銀と中飛車で駒落ちを勝て!にも中飛車は載っていた。

興味のある方は参考にされると良いと思う。




【決定版】駒落ち定跡




棒銀と中飛車で駒落ちを勝て!



ちなみに、この時の相手は瀬川晶司四段でした。

最後は1手違いできっちりと負かされた。

即興で考えた作戦であった為か、「力戦形でこれだけ指せればお強いです。」と言うお言葉を頂いた。(笑)

しばらくは駒落ちを指す機会は無いだろうと思っていたが、縁あって月1回の将棋教室に参加する機会を得た。

少年時代の低い意識で臨む訳には行かない。

希少な上達の機会を生かすも殺すも己次第なので、毎回テーマを持つ事が重要であると考えた。

瀬川四段に負かされたばかりなので、きっちり作戦を考えて二枚落ちを攻略するつもりで臨んだ。

今回の定跡講座の題材として指導棋士の先生との対局の棋譜を使用させて頂こうと思う。

さて、第1図からいつでも5筋の歩を交換できるが、そのタイミングがゴキ研流1つ目のポイントだ。

第1図からの指し手
△6二玉▲4八玉△3二金▲6八銀△4四歩▲5五歩
△同 歩▲同 飛△5四歩▲5九飛(第2図)



第1図から直に5筋の歩を交換すると飛車を5九へ引けない。

従って、▲4八玉は当然の一手だが、もう一つ▲6八銀を入れておくのが工夫だ。


第2図からの指し手
△4二銀上▲5七銀△4三銀▲5六銀(第3図)



5筋を交換する前に▲6八銀を入れた効果で
2手で銀を前線へ送り出す事が出来る。

▲5六銀型を築いた事で、上手は4~6筋に模様を張る事が出来ない。

これが2つ目のポイントだ。


第3図からの指し手
△6四歩▲3八銀△5二金▲3九玉△3四歩▲4六歩
△3三桂▲3六歩△2四歩▲2六歩(第4図)



第3図から下手の理想としては高美濃に組んで左辺は軽く指したい。

まず、▲3八銀として下手の早い動きに対して銀を送り出せる態勢を築く。

△3四歩には▲4六歩と突いて、次に▲4五歩を見せて△3三桂を強要する。

そうして、▲3六歩と突けば3筋の位を取られる事は無い。

最後に、第3のポイントとして△2四歩には▲2六歩と突いて玉頭に主張を作らせない。

ここまで進めると、上手に主張できるポイント(位取り)が無い事がわかると思う。

ここまで来れば、先手中飛車の対持久戦を指す要領で進めるだけだ。


第4図からの指し手
△1二香▲2八玉△7四歩▲1六歩△1四歩▲5八金左
△6三金▲4七金△7三桂▲9六歩△9四歩▲6六角(第5図)



高美濃に組み上げ、下手が万全の態勢を築いたところで
上手の△7三桂により陣形に綻びが出来た。

▲6六角により、次の▲9五歩△同歩▲9三歩からの端攻めが受からなくなっている。

これにより、上手が動かざるを得ない状況に持ち込む事が出来た。

結果論ではあるが、上手は△5二金と動かした手が良くなかったかもしれない。

最後は▲7三歩成が決め手で、取れば自陣に構わずに▲5四飛と走って寄りとなる。

全体的に序盤から終盤まで緩み無く内容のある将棋が指せて
意義のある指導を受ける事が出来た。

今後も徐々に手合いを上げるにつれて作戦を用意して臨みたいと思う。

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開始日時:2012/07/21 20:51:22
終了日時:2012/07/21 21:20:48
手合割:二枚落ち
下手:ゴキ研管理人
上手: 指導棋士の先生

△6二銀 ▲7六歩 △5四歩 ▲5六歩 △5三銀 ▲5八飛
△6二玉 ▲4八玉 △3二金 ▲6八銀 △4四歩 ▲5五歩
△同 歩 ▲同 飛 △5四歩 ▲5九飛 △4二銀上 ▲5七銀
△4三銀 ▲5六銀 △6四歩 ▲3八銀 △5二金 ▲3九玉
△3四歩 ▲4六歩 △3三桂 ▲3六歩 △2四歩 ▲2六歩
△1二香 ▲2八玉 △7四歩 ▲1六歩 △1四歩 ▲5八金左
△6三金 ▲4七金 △7三桂 ▲9六歩 △9四歩 ▲6六角
△6五歩 ▲4八角 △6四銀 ▲9五歩 △同 歩 ▲9三歩
△4五歩 ▲同 歩 △4四歩 ▲3七桂 △4五歩 ▲4六歩
△同 歩 ▲同 金 △4四銀 ▲4五歩 △5五銀左 ▲同 銀
△同 銀 ▲同 金 △同 歩 ▲同 飛 △5四歩 ▲5八飛
△3五歩 ▲7五歩 △3六歩 ▲7四歩 △4六金 ▲7三歩成
△同 玉 ▲7四歩 △6二玉 ▲7五桂 △3七歩成 ▲同 銀
△3六桂 ▲同 銀 △同 金 ▲3八銀 △3七歩 ▲6三桂成
△同 玉 ▲7三歩成 △5二玉 ▲4四桂 △4三玉 ▲3二桂成
△同 玉 ▲5四飛 △4二桂 ▲5二飛成 △3八歩成 ▲同 金
△2七銀 ▲同 金 △同 金 ▲同 玉 △3五桂 ▲3六玉
△4七銀 ▲3五玉 △3四銀 ▲4六玉 △5六金 ▲3七玉
△4五桂 ▲2八玉 △4八銀不成▲2二金 △3三玉 ▲5三龍
△4三銀 ▲4四銀
まで116手で下手の勝ち

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