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つなぎの英語 ~NY NY 10016~

旅するように生活したニューヨーク。このまちで使い慣れた英語表現を紹介しながら、「NY的なるもの」への熱い想いを綴ります。

ニューヨーク・スタイル「つなぎの英語」NO. 112

2007-11-18 18:32:04 | ニューヨーク
 むかしむかし、小西得郎というNHKのプロ野球解説者がいました。私が子どものころよく、ラジオのプロ野球中継でその名調子を聞いたものです(はい、私の年齢がだいたいわかりますね)。
 ”ウィキペディア”Wikipedia で小西得郎さんを調べたら、次のようにありました。

 「1950年代後半からNHKでプロ野球中継の解説者として活躍し、『まぁ、なんと申しましょうか』というおなじみの台詞と、志村正順アナウンサーとの名調子でファンからの絶大なる信頼を集めた」
 「1955年6月7日の後楽園球場での巨人対中日戦で巨人の打者・藤尾茂が杉下茂の内角への鋭いシュートを股間に受けた際に、『なんとこともあろうに藤尾のキ…』とうっかり放送禁止用語を喋りそうになって言葉に詰まった志村アナウンサーを尻目に、『まぁ、なんと申しましょうか…藤尾君のいまの痛さばかりはご婦人方には絶対にお分かりになられない痛みでして』の名言でその場をつないだ逸話も有名」

 この『まぁ、なんと申しましょうか』(おっとり、間のびした調子で言います)はまさに話の”つなぎ”ですが、これを英語で言うと、Well, what should I say ...でしょうね。
 さて、この Well, what should I say ... で本題に戻ります。

 “あいづち”や“合いの手”もまた、有力なコミュニケーションの道具。会話のキャッチボールをスムーズにする“つなぎ”でもあります。欧米人の会話を聞いていると、このあいづち・合いの手がバラエティ(念のため、発音はヴァライアティ)に富んでいることに気がつきます。今回はそうした英語でのあいづち・合いの手の表現集です。

●What would you say ...

 前出のように、What should I say ... は「なんと言うべきかなぁ」で、ことばに詰まったとき合いの手のようにつなぎに挟みます。同じように、What would you say ...「(こんなときあなたなら)なんと言いますかねぇ」もよく使います。疑問文というわけでもなく自問自答的なつなぎのことばです。

●I see. / Uh-huh. / Oh, yeah?

 あいづちと言えば、I see.「なるほど」「ハイハイ」(ハイは一つでいい!)。see のほうを強く発音すると「あぁ、そういうことか」と、とくに納得する表現になります。くだけた言い方だと、Uh-huh.(発音はアーハー)「うんうん」、Oh, yeah?(発音はオ~イエア)「あ~、そう?」とかもありますね。

●It is. / Yes, it really is. / Me, too. / So do I / Neither do I.

 It is beautiful.「まぁきれい」に対して、It is.「そうですね」、「えぇ、ほんとうにそうですね」は Yes, it really is. となります。

 なお、Is it? と答えると「そう?(きれい?)」ということ。Your eyes are so beautiful. に「そうかしら?」と答える場合は、Are they? と複数形(eyes に対応)になることに注意。そういう単複の変化がとっさにはむずかしいところですが。

 I like it.「それ、好き」に対して、Me, too.「私も(好き)」。I play tennis.「テニスするのよ」に対して、So do I.「私もするの」…… do と I の位置が逆になることで do (play) が強調されます。I don't play tennis.「テニスしないよ」に対して「私もしない」なら、Neither do I. です。

●Not necessarily so. / Not always.

 曖昧に否定する合いの手に、Not necessarily so.「そうでもないんだなぁ」があります。Not always. もその手。Are you going to marry her?「彼女と結婚するの?」…… Not necessarily so. Time will tell.「成り行き次第かな(時のみぞ知る)」。

●I'm with you. / I'm on your side.

 相手の考えや話に積極的に同意・肯定するときは、I'm with you. や、I'm on your side. が洒落ています。いずれも「あなたとともに私はある、私はあなたの側に立つ」となります。
 この二つはさらに愛情の表現(男女間だけではなく親子、親友など広く)でも使えます。I love you. ばかりでは食傷気味という方、たまには I'm with you, always. と変化球で迫ってみてはいかがでしょう。




ニューヨーク・スタイル「つなぎの英語」NO. 111

2007-11-11 19:07:48 | ニューヨーク
 前回からちょっと間があいてしまいました。でももちろん、また Come back ですよ。まだまだ続けますから、お付き合いください。

 この「つなぎの英語」ですが、紹介する表現も回数も、”つなぐ”ことを意識して続けています。でも今回は、ちょっと間があいたこともありますから、”つながない”ことをテーマにしてみましょうか。つまり、「話変わって……」という表現(ははは。こじつけっぽいかな?)。

 これまで話していたことはちょっと忘れてもらって……冗談はさておいて……というときの表現です。

●Don't give it another thought.

 「聞き流して、受け流して、深く考えないで」と言いたいときは Don't give it another thought. です。直訳すると“そのことに別な考えを与えるな”となってややこしいのですが、second thought「もう一つの考え方」も使います。

 最近、別な医師の診断 second opinion を求めることが定着してきましたが、それもこの類の表現です。

●By the way, ...

 受け流して……話題を変えたいときは、By the way, ... でも結構。「それはそうと、さて」。How is it going? You and him.「あなたと彼の関係どうなってるの?」、Nothing much. By the way, how's you and him?「どうってことないわ。ところであなたと彼は?」と“切り返し”にも使えます。

●Joking aside, ...

 冗談を言ったあとでまじめな話に話題転換しようというとき、「冗談はさておいて」と言いますね。英語も同じで、Joking aside, ... とつないで本題に入ります。aside は「横に(置く)」の意味。

 Ha, ha, ha! Well, joking aside, let's get to work.「ははは! ふぅ~、冗談はさておいて、仕事にかかるか」。なお、Let's get back to work. ですと「仕事に戻ろうか」になります。

●That reminds me.

 「あぁ、そう言えばそうだった」……相手の話に触発されて思い出したことがある……というときは、That reminds me. がぴったり。Can you lend me ten dollars? I'm broken.「10ドル貸してくれない? スッテンテンなんだ」に対して、That reminds me. You still owe me five dollars!「それで思い出した。きみはぼくにまだ5ドル借りがあるだろ!」。

 I'm broken. は「破産状態。文無し」です。

●Talking about it, ...

 Talking about it, ...「その話をすれば……」これもなにかきっかけがあって、新しい話題(噂など)が展開することになります。

 Believe me, I really saw a ghost last night.「昨日の夜、ほんとうに幽霊を見たんだよ、信じて」、その反応が、Talking about a ghost, did you see a movie "A Ghost"? That was a fantastic movie!「幽霊と言えば、『ゴースト』見た? すてきな映画だわよねぇ!」、とか。

●Something's coming up to my mind, ...

 以前、He is really something.「彼は大物だ」といった使い方を紹介しました。この something は便利です。Something's coming up to my mind.「思い当たることがある」……なにか頭に浮かんできた、というふうにも使えます。

 Something's coming up to my mind for the next lesson.「次の回(「つなぎの英語」)用にアイデアが浮かんできましたよ」。





ニューヨーク・スタイル「つなぎの英語」NO. 110

2007-10-27 21:39:12 | ニューヨーク
 先週末に北海道旅行しました。知床まで行ってきました。紅葉がすばらしかった! そのため、このシリーズをお休みにしてしまい、失礼しました。明日もちょっと出かけますので、本日土曜日ですが、記事をアップしておきます。

 「つなぎの英語」の主旨は、会話をキャッチボールのように生き生きとつなげましょうということ。私の経験から言うと、会話がとぎれるのは詰まるところ話題がとぎれるからなんですね。話したい話題があれば会話はなんとかつながっていくものです。話題がないと、いくら英語ができても話はとぎれてしまうことになる。では、話題を用意しましょう。

 話題はなんといっても好奇心から生まれます。単純に言えば、質問を続けておけば会話が絶えないことになりますから、質問のアイデア(その表現)をどんどん仕入れておけばいいわけです。ただし、NO.106 で失敗したように質問責めではやっぱりまずい。相手に投げかけた同じ質問について自分も答える準備をしながら話を進めると、自然なやりとりになると思います。

●May I have your name again? / Call me Joe.

 お互い初対面同士ですと、まず、Nice to meet you.「はじめまして(お会いできてうれしい)」を交わしますね。それから My name is ... と名乗ります。相手の名前が聞き取れない場合は、May I have your name again?「お名前をもう一度言っていただけます?」。そうすると相手はスペルアウトしたりして繰り返してくれるでしょう。それが面倒だと Call me Bob. とか愛称で呼んでくれと言ってきます。なお、Bob は Robert の愛称です。

 こちらも、My name is Joe Odagiri.「小田切 譲です」(alias, false name=偽名、仮名)……相手はやっぱり一度では聞き取れなくて、ジョー……アダギャリ?とか口ごもっています。で、こちらも Call me Joe. と返します。Hi, Joe. Hi, Bill. うちとけた関係成立の瞬間(!)です。

●What are you doing? / I work for ...

 名前の次はなにをしている人なのか知りたいですね。相手の仕事を知ると話の展開がしやすくなります。自己紹介で自分から職業や仕事内容を説明することはふつうですが、こちらから聞き出しても失礼には当たらないでしょう。

What are you doing, Bob?「なにしてるんですか、ボブ?」とか、What do you work for?「なにを仕事にしていますか?」。この場合、どこに勤めているかと具体的に会社名を聞くのはやめておいたほうがいいでしょう。どういう仕事に従事しているかという幅広い問いにします。

返事はたとえば、I work for a computer company. I'm in charge of sales.「コンピュータの会社に勤めてます。営業の仕事です」。work for や in charge of ...「~を担当している」の使い方を覚えましょう。

 私の場合は、I'm a self-employed editor.「自営業で編集やってます」とか、I'm a free-lance editor.「フリーランスの編集者です」と自己紹介します。I specialize in the New York attractions.「ニューヨークのアトラクションが専門です」(当時はそうでした)。self-employed は、自分で自分を雇うから「自営業」、free-lance の lance は元は「槍(やり)」ですが「自由契約で働く人」の意味、槍騎兵……日本語で言えば“傭兵(ようへい)”ですかね…… free-lancer とも言います。

●Where are you from?

 レセプションなどでは、相手の出所(?)も話題を提供してくれます。Where are you from?「どこから来たの?」……観光とか出張で海外から一時的にやって来たのであれば、I'm from New York.「ニューヨークから来ました」、駐在で日本にいるのであれば、I'm from Roppongi. という答えもあります。

●How do you like Japan?

 初対面の話題は当り障りのないものが安全です。How do you like Japan?「日本、いかがですか?」は、別に日本の問題とかを論じようというのではなく、日本生活を楽しんでいますか、といった程度の意味。「どう?」「お蔭さまで……」といった、意味のない、でも会話の潤滑油といったやりとりと同じ。

 ですから答えも、I love it!「気に入った!」が返ってくると思っていていいでしょう。でも、I really hate it! だったら、とたんに手ごわいやりとりになってしまいます……そんなことは、まずあり得ませんけどね。




ニューヨーク・スタイル「つなぎの英語」NO. 109

2007-10-14 18:43:02 | ニューヨーク
 前回は“悪態”をついてしまいました。知り合いの女性から「下品ですわねぇ、おほほ」という感想をいただきました。らしくない……と。

 はは、彼女に嫌われたくないので再度言い訳……私が自分でそういうことばを発するのではなくて、相手とかだれかが悪態ついたときに状況判断するための参考例でした。ご容赦のほどを。ご感想・ご叱責・ご鞭撻、いつでも歓迎しますのでよろしく。

 今回は、“あれ、そうなの?”と、私たちから見れば意外な言い回しや単語の使われ方の例を紹介してみましょう。そうした表現の背景にある文化の違いにも想像をめぐらしていただければ、と思います。

●lemon / apple

 レモン lemon といえば、さわやか柑橘系で私も好きです。I like tea with lemon.「私、レモンティーが好き」。余談ですが、主婦対象のあるアンケート調査の結果、好きな紅茶葉の第1位はダントツでダージリン Darjeeling だったそうです。このダージリン、マスカットに似た香りの爽快さから紅茶のシャンペンと呼ばれるそう。ちなみに以下、アールグレイ、アップル、セイロン、アッサム……私は最近、フルーツのフレーバーティーに凝ってますけど。

 あ、lemon の話でした……この lemon、なぜかスロットマシンでレモンの絵が混じって出るとはずれなんです。実は lemon には「不良品、きずもの」という意味があって欠陥車とかによく言います。なぜでしょうね。レモンの青っぽい、固いっぽい印象と酸っぱさからでしょうか。

 ついでにリンゴ apple は、He is an apple polisher.「彼はゴマスリだ(リンゴを磨く人)」という使い方があります。でも、ニューヨークでリンゴといえばなんてったって、Big Apple です。

 リンゴはニューヨークの特産でもあるのですが、ニューヨーク市観光局が市に Big Apple という愛称をつけて観光プロモーションをしたのがきっかけで知られるようになりました(わりと最近、たしか80年代に入ってからと記憶しています)。Bite a Big Apple!「大きなリンゴ(ニューヨーク市)にかぶりつこう!」。

 なお、これもみなさんよくご存知の "I LOVE NY" ロゴマーク、こちらは州の”仕掛け”だそうです。大成功ですよね。〈この項、10月15日に訂正・更新〉

 ちなみに私も an apple polisher かもしれません。I'm polishing a Big Apple.

●It's not fair!

 前回、Liar!「うそつき!」という表現が“罵倒”に近い表現だと紹介しました。日本語感覚で「ウッソー!」のつもりで You liar! なんて言わないように……念のため。

 アメリカ人は fair「フェア=公平、対等、公明正大」であることも重視しますので、It's not fair!「フェアじゃないよ!」という表現も強い意味を持ちます。この表現には、断固として受け入れられない、抗議するという意志も含まれます。自由・平等・独立の建国スピリットがこのことばに息づいているように思いますけど、どうでしょう。

●It sounds reasonable. / inexpensive

 fair か unfair かが大切なように、reasonable かどうかも気にするのがアメリカ人。海外旅行での買い物で「安い!」というとき、日本人旅行者はつい Cheap! と言いがちですが、cheap には「安もの」というニュアンスがあります。安もの買いじゃなくて本当は「値ごろ感がある」と言いたいんですよね。それなら reasonable を使いたいところ。

 The price sounds reasonable, I'll take it.「その値段なら安そうだ、買った」。reasonable の反対語は unreasonable です。

 A hundred dollars for a fillet of Kobe beef? That sounds unreasonable!「神戸牛一切れ100ドルだって? そりゃないんじゃないの!」とたいていのアメリカ人は驚きます。

 “安い”は「高くはない」という言い方もできますね。It's not expensive. または It sounds inexpensive. となります。expensive の反対語は inexpensive(発音はイネクスペンシヴで“ペ”にアクセント)なので注意。

 なお、sounds は前にも出てきたと思いますが、英語らしく響きますね。You sound like a real New Yorker.「ニューヨーカーみたいな話しぶりだね」。




ニューヨーク・スタイル「つなぎの英語」NO. 108

2007-09-30 19:26:15 | ニューヨーク
 思わず口に出るのが dirty word「下品なことば、悪態」。悪態をつく、って言いますね。あ、私はせいぜい「クソッ!」「チクショー!」ですね……ましてや英語では。みなさんもそうでしょう?(でもなかったりして……ワオッ!)。

 でも、相手とか周りのだれかが悪態をつくことがありますね。そういう現場に居あわせたら一応状況を把握しておいたほうがいい。で、今回は“悪態の英語表現”です。

●Shoot!

 Shoot! は悪態とまでは言えませんか。日本語だと「チェッ!」が近いけど、チェッ!より「ツゥー!」「ッタクゥー!」という感じの舌打ちでしょうか(はは、少しは上品な感じ)。「あらやだ!」「しまった!」です。

 Shoot! I miss the train by seconds.「ツゥ~! 数秒の差で電車に乗り遅れた」。

●Christ! / Jesus!

 Christ! と Jesus! はよく聞く“悪態”。Christ はキリスト(発音はクライスト)、Jesus はジーザス(ジーザスが名前でキリストは称号らしい)ですが、「なんてこった!」というときに口をつくことばです。救世主の名前がなぜか悪態(?)。Christ! She dumped me.「まいった! 彼女にふられた」。

●Liar!

 さて、このあたりからホント(?)の悪態になります。悪態というよりケンカを売るという感じなので、ま、私たちは使わないほうがいい悪態集です。

 まず、Liar!「うそつき!」。アメリカ人はうそつき呼ばわりされるのが強烈にこたえるみたいです。よほどのことがない限り、Liar! は使わないほうがいい。

 もっとも状況によりけり。You told me you would come to me last night. You liar ...「昨日の夜、来るって言ったじゃない。うそつき……」と、女性から手をつねられるというケースは、別な話。

●Coward! / Chicken!

 これもアメリカ人にはこたえる(効く?)悪態。Coward!「臆病者!」。Coward は辞書の原義どおりですが、同じ意味のスラングで、Chicken! があります。chicken は「ニワトリのひな」ですが、かわいいけれど頼りなげで動作がおどおどして見えるせいで、ひよこにとっては不名誉な悪態用語になってしまいました。

 なお、turkey「七面鳥」は「おばかさん」だそうです。

●Jerk!

 Jerk! ……これはわりと聞きますね。発音は“ジャーク”で「ばか、とんま!」。jerk は「ぐいと引く、押す、突く」の意味。重量挙げのジャークは胸から頭上へ反動で押し上げる挙げ方。これが悪態になったのは、筋肉けいれんと関係がありそう。う~、痛そう!

●Idiot! / Stupid! / Fool!

 日本語の「ばか野郎!」は英語ではいろいろ、Idiot! だったり、Stupid! だったり、Fool! だったり……辞書の意味どおりです。

 You idiot! というふうに、それぞれ you を頭につけて表現することも多い。

●Shit! / Asshole! / Fuck you!

 この三つはこっちからは言わないほうがいいですよ(せいぜい内心でつぶやいてください)。思わず口にしたらあなたの品性が疑われます。

 Shit!「くそったれ!」、Asshole!「けつの穴め!」、Fuck you!「すけこましたるで!」……オット、失礼いたしました。