涙と笑いのHIV奮闘記III

自分とは無関係と思っていた病気の闘病を続けるオヤジの日記。
日に日に進行する物忘れとも戦っています。

壽初春大歌舞伎

2020-01-16 21:30:44 | 歌舞伎

今日の昼の部の演目は

一、お秀清七 九十九折

   上の巻 木谷屋の中の間の場
       四條磧の場
   下の巻 芸者雛勇宅の場

  幕末の京都、諸家御用達の木谷屋は、勤皇派に金を融通した罪を犯しますが、手代の清七がその罪を被り身を隠していました。清七の忠義に感激した主人の仙右衛門は娘のお秀を嫁がせると約束するも、5年後、いざ清七が京に帰ると所司代の吉井作左衛門の甥である新造が婿養子になっています。木谷屋は事件収拾を吉井家に協力してもらう条件として養子を迎えていたのです。清七が帰参すると都合が悪い仙右衛門は、清七に手切れ金として300両を渡して頭を下げます。失意の清七が酒に酔い四條磧(しじょうがわら)を歩いていると、お秀と瓜二つの芸者、雛勇と出会い…。

 お金に翻弄される悲恋を描いた物語をご堪能ください。

う~ん、なにか後味の悪い演目でした。

さて、この演目が終わると30分の幕間。

お弁当は髙島屋で買ってきたお弁当です。

 

次の演目は

二、大津絵道成寺
     愛之助五変化

 近江の三井寺で行われている鐘供養で外方が酒宴を始めると、藤娘が鐘を拝ませてほしいと頼みに来ます。藤娘は舞を求められ披露しますがいつの間にか消え、鷹匠、座頭、船頭がかわるがわるやってきます。各々が去ると藤娘が再び姿を見せますが、鐘の中に身を消してしまいます。弁慶が祈ると、藤娘が入ったはずの鐘の中からは鬼が現れ、駆け付けた矢の根の五郎が祈り伏せるのでした。
 江戸時代、庶民の間で流行した大津絵に描かれた人物5役を、一人の役者が踊り分ける演出がみどころの賑やかな舞踊です。

京鹿子娘道成寺がベースとなった舞踊ですね。
聞いたか坊主ではなかったり、傘踊りがなかったり、鞨鼓がなかったりかなり違いました。
手ぬぐい蒔きも所化の分がなくて、藤娘が振り向きざまに投げるだけ。

なかなかたのしい舞踊でした。

舞踊の時に、舞台、そして花道に所作台を敷くのですが、
幕間に花道の所作台を回収です。

スッポンの部分の所作台が最後に回収されます。

 

 三、艶容女舞衣 酒屋

 大坂で酒屋を営む茜屋半兵衛の息子半七は、お園という妻がありながらも家に寄り付かず、女舞の芸人三勝との間にお通という子どもまでもうけています。見かねた半兵衛は半七を勘当し、お園も父の宗岸に実家へと連れ戻されてしまいます。しかし悲しむ娘を見た宗岸は思い直し、お園を連れて茜屋を訪れ、復縁を頼みます。半兵衛は勘当した息子に嫁などいないと跳ね返しますが、実は、人殺しの罪を犯した半七の命を1日でも長く延ばすために、半兵衛自らが代わりに縄目にかかっていたのでした。するとそこへ…。
 それぞれの親心と、お園の一途な思いが胸を打つ、上方らしい情緒あふれる世話物をお楽しみください。

自分の故郷五條市の五條新町にはこの演衣のモデル茜屋半七の生家跡があり、櫻井寺には三勝と半七の比翼塚も建てられています。

今頃は半七様どこにどうしてござらうぞ。
今更返らぬことながら
私といふ者ないならば
舅御様もお通に免じ、
とくにも呼び入れさしやんしたら、
半七様の身持も直り御勘当もあるまいに、

というお園のくどきが有名ですね。

そもそもお園は坂田藤十郎が何度も演じた役ですが、今回は息子扇雀。
藤十郎は今回は三勝を演じる予定でしたが開幕から体調不良で休演。
代役は扇雀です。

昼の部が終わり、一旦劇場をでます。
国立文楽劇場の様に夜の部のチケットを持っていれば劇場内に残れることはないです。

 

近くのスタバで時間を過ごし、また劇場に入ります。

 

夜の部

一、義経千本桜 川連法眼館の場

 吉野の山奥にある、川連法眼の館に匿われている源義経のもとへ家臣の佐藤忠信が一人で訪ねて来ます。ほどなく静御前も到着しますが、ともに旅をしてきたはずの二人の話が、まるで忠信が二人いるかのように食い違います。詮議の命を受けた静御前が初音の鼓を打つと忽然と現れる忠信。実はこの忠信こそ、鼓の皮に用いられた狐の子で、両親を慕い、忠信の姿に化けて鼓と静御前に付き添い旅をしていたのでした。
 義太夫狂言三大名作のひとつ『義経千本桜』の四段目の最後で「四の切」の通称で親しまれるひと幕です。狐の術を様々な趣向で見せるケレン味にあふれた華やかな作品をご覧ください。

 

次回の文楽公演はこの義経千本桜の通しです。
同作品でよく出るのが渡海屋・大物浦の段、椎の木の段、小金吾討死の段、すしやの段、そしてこの段ですね。

いろいろなケレンがあって初心者にもわかりやすい。

後の初老の男性もどうも初心者の様で、お~っ、ひゃ~っ、は~っなどとちょっとうるさいくらい。

狐忠信の両親を思う愛情に、毎回涙が出ますね。

 

二、夕霧名残の正月 由縁の月

 病によってこの世を去った遊女、夕霧の四十九日。彼女の恋人であった藤屋伊左衛門は、放蕩の末に家を勘当されたうえに、借金を抱え、夕霧の死に目にも会うことができませんでした。 すっかり落ちぶれていた伊左衛門は、夕霧の死を知り、起請を香華の代わりに手向けようとするところ、気を失います。そこへ在りし日の姿の夕霧が現れ、喜ぶ伊左衛門は夕霧との逢瀬を楽しみますが、やがて夕霧はその姿を消すのでした。
 地唄の「由縁の月」などをもとに書かれた舞踊劇をご覧いただきます。

初春文楽公演で出た「曲輪文章」と同じ「夕霧」ものですね。

夕霧が死んでいた、というのが大きく違うところ。

舞台上に舞台が設置されていたのも面白い。

 

この後30分の幕間。
買ってきた弁当はこれですね。

 

三、熱いご要望にお応えして再上演
「鳰の浮巣」より 大當り伏見の富くじ お稲荷様ご神託より霊験あらたか「抜け雀」まで

 元は質屋の紙屑屋幸次郎は、潰れた店を再興しようと一所懸命働いていますが、遊女の鳰照太夫に見惚れてしまい、うっかり犬を踏みつけ、すねを噛まれるような不運さが玉に瑕。それでも頭は鳰照太夫のことでいっぱいです。そんなある日、幸次郎は一攫千金を夢見て、伏見稲荷の富くじを買うことにしました。その富くじが何と大当たり。しかし本当の札は…。
 平成24(2012)年の初演で好評を博し、このたび皆様の熱いご要望にお応えして再演します。笑って笑って、ほろっと泣ける、歌舞伎の新しい喜劇をお楽しみください。

う~ん、全くよくわからない。これって歌舞伎?
笑って笑ってって、吉本以下のドタバタギャグ。まったく笑えない。
(例の後のおじさんはゲラゲラ笑っていましたが)
ほろっと泣けない。

最後にこんな演目・・・

夜の松竹座。

 

夜の道頓堀。

 

やはりグリコのネオン(いや今はLED?)広告は外せませんね。

道頓堀には観覧船。

 

土産に551豚饅を買って帰ろうと戎橋筋を南下。

ジャガーの鞄ディスプレイ。

 

旧新歌舞伎座。

歌舞伎をしない歌舞伎座として有名だった「新歌舞伎座」。
老朽化などのため2009年6月に閉館され、
2010年に大阪上本町駅南側の近鉄劇場跡地「上本町YUFURA」の6階に場所を遷し、2代目「新歌舞伎座」がオープン。

そしてその後には隈研吾氏設計のホテルロイヤルクラシック。

 

帰ってから551蓬莱で買ってきた海鮮粽を。


京都四条南座

2019-09-12 15:15:00 | 歌舞伎

朝起きると、昨夜遅くに雨が降ったのか、東は少し雨雲の残る曇り空。

朝食をとって洗い物を済ませ、西の空には秋を感じさせる雲と青空。

涼しい朝となっています。

今日は京都南座での九月花形歌舞伎を観劇に行きます。
てっきり夜の部を予約していたと思っていたら、昼の部でした。

京都文化博物館→京都国立博物館→南座と計画していたのに、今日は南座で終わりそうです。

近鉄で丹波橋まで、そこから京阪電車に乗り換えて祇園四条で下車。

南座の西側に「阿国歌舞伎発祥地の碑」があります。

平成3年に改修工事が行われ、平成30年にも耐震補強工事が行われています。

その時、南座の顔見世はそれぞれ祇園甲部歌舞練場、先斗町歌舞練場とロームシアター京都で開催されました。

近代建築に桃山風の意匠を取り込んだ地上4階地下1階の建物は国の登録有形文化財となっています

 

 

 

劇場建物に足を踏み入れると、すぐに劇場。

 

 

 

 

 

今日の演目は「通し狂言 東海道四谷怪談」。
時間の関係上完全な通し狂言ではないですが。

関西での東海道四谷怪談は26年ぶりだとか。

 

完全通しではないため、「舞台番」として片岡亀蔵があらすじの紹介をしておられます。

今年の顔見世興行のちらしができています。

堀川波の鼓、確か昭和最後の顔見世興行にも出たような記憶。
先代の仁左衛門と梅幸が出ていいた記憶があります。

 

 

 

 

 


双蝶々曲輪日記

2019-08-11 20:09:31 | 歌舞伎

今日も朝からよく晴れています。
天気予報によると一日中よく晴れて、予想最高気温が37℃

窓から外を見ると、まだ朝8時だというのに陽射しがギラギラ。

平城宮跡の大極殿、手前に東院庭園の建物の屋根と隅楼の上に乗る黄金色の鳳凰像。

 高円山。

御蓋山と春日山。

若草山。

窓辺で育てているサンスベリアに芽が出ています。

3年前に今の植木鉢に植え替えたので、そろそろ少し大きい鉢に植え替えるか、株分けをする必要がありますね。

夜は当然熱帯夜。
エアコンを使わないと眠れないけれど、
温度を下げすぎると翌朝体がだるくなるので、29℃設定で扇風機併用。

夏は夜中も汗を少しかいてしまうので、毎朝下着とシーツを洗濯しています。

朝から洗濯機を回してベランダに干します。

 

朝食兼昼食は外食することにして、少し早めの昼食はさん天さんの「すだちおろしと海老づくし天丼」。
それに焼きバラ海苔のみそしるを追加オーダーです。

 

部屋に戻るともう洗濯物は乾いています。
取り入れて畳んでタンスにしまい、今朝の朝刊を読みますと、そこに中村鴈治郎の写真。

「双蝶々曲輪日記」の記事です。

この演目自分が初めて南座の顔見世興行で歌舞伎を観た時の演目。

この濡髪長五郎を演じたのが故中村富十郎、放駒長吉を片岡我當
お早を故澤村宗十郎、お幸を故上村吉弥
南与兵衛・南方十次兵衛を中村扇雀(現坂田藤十郎)でしたね。

 

このまえ届いた「もう少し浄瑠璃を読もう」に、この演目の解説があったので、昼から読んでいると、
夕焼けが始まりました。

 

その本であと残っている演目は
小栗判官、出世景清、曾根崎心中、夏祭浪花鑑、摂州合邦辻、一谷嫩軍記、伊賀越道中双六の7作品です。


大阪松竹座七月大歌舞伎夜の部

2019-07-25 22:00:13 | 歌舞伎

夜の部は

「芦屋道満大内鑑」葛の葉

女房葛の葉/葛の葉姫  時蔵
安倍保名  萬太郎 
信田庄司  松之助
庄司妻柵  吉弥

 陰陽師の安倍保名に命を救われた白狐は、保名の許嫁である葛の葉姫に化けて夫婦となり童子という子をもうけます。しかしある日、本物の葛の葉姫とその両親が訪ねてきたことで、葛の葉は身を引く決心をします。そして葛の葉は、泣く子をあやしながら、家の障子に「恋しくばたづね来てみよ和泉なる 信田の森のうらみ葛の葉」という歌を書き残して、古巣の信田の森へと帰って行くのでした。
 信田の森の葛の葉狐の伝説と安倍晴明の伝説をもとにした、早替りなどの技巧に富む親子の情愛あふれる作品です。

身を引く決心をしてから葛の葉の手の動きが狐のそれになります。
そして「恋しくば~」を障子に書く時には右手で書き、下から上に書いたり、
左手で書いたり、筆を口にくわえて書いたり。

以前堺市で勤務していたとき、支店が高石市にあってそこへ時々行ったのですが、
車で数分のところに「信太森葛葉稲荷神社」ってのがあって、見に行ったことを覚えています。
JRで行くなら「北信太」駅で下車。
葛葉町なんてのもありますよ。

 

次の演目は「関西・歌舞伎を愛する会 結成四十周年記念 弥栄芝居賑」 道頓堀芝居前の場

 

 浪花の名所、五座の櫓も華やかな芝居街道頓堀。幹部俳優達が一堂に並び、関西・歌舞伎を愛する会 結成40周年を寿ぎ、歌舞伎の末永い繁栄を祈念し、これを祝います。
 歌舞伎らしい、華やいだ雰囲気に満ちたひと幕をお楽しみください。

途中で手拭巻が行われます。
なので、ちょっと観にくいけど前から5列目の席を今回予約しました。

期待通り自分ととなりの5名はそろってゲットできていたようです。

 

最後の演目は「上州土産百両首」


正太郎  芝翫
牙次郎  菊之助
宇兵衛娘おそで  壱太郎
みぐるみの三次  橋之助
亭主宇兵衛  猿弥
勘次女房おせき  吉弥
金的の与一  彌十郎
隼の勘次  扇雀

 すりの子分の正太郎は、ある日、ドジだが愛嬌のある幼馴染の牙次郎と再会します。すりの性で思わず、牙次郎の財布をすった正太郎でしたが、家に帰ってから自分の財布もすられていることが分かり、牙次郎もすりだと気付きます。そこへ牙次郎が訪ねてきて正太郎に詫びを入れ、互いに足を洗おうと意見します。これに同意した正太郎は、世話になった与一の元を離れ、牙次郎と10年後の再会を約束します。時は流れて10年後、上州館林の料亭で板前となった正太郎は、放浪の身の与一と三次に再会します。正太郎は旅の資金として金を差し出しますが、与一はそれを断ります。しかし、三次が金をねだり短刀を抜くので、正太郎も包丁で身構えるのでした。一方、牙次郎は岡っ引きの勘次の子分になっていましたが、未だに手柄がなく、今夜こそ100両がかかった罪人を捕まえたいと願掛けしています。そして、今日は満願の日。遂に再会を果たす二人でしたが…。
 悲しい結末を辿る皮肉な運命の中に描かれた、男の友情が胸を打つ作品です。

初めて観る演目でした。
しっかりものの正太郎を芝翫、ちょっと間抜けで正直者の牙次郎を菊之助。
この人たちのニンにピッタリ。

憎たらしい嫌な掏り師の三次を芝翫の息子の橋之助がいい味をだしていて、
彌十郎の一本筋の通った掏り師の親分をこれまたいい味を出しています。

涙腺が弱いやじはもう涙なしでは観ることができませんでした。

芝居が終って近鉄電車で帰ってきました。

そういえば夕食食べてないし。

で、帰り道にあるラーメン屋で豚骨ラーメン。

帰り道アスファルトが濡れています。
大阪では雨が降っていなかったのに、奈良では降ったのかなぁ?

帰ってネットを観たら、奈良市に凄い雨が降ったようですね。

 

「奈良県奈良市で7月25日、猛烈な大雨が降り道路が冠水するなどの被害が出ています。一部地域では浸水している模様。
発表によりますと7月25日夕方から、奈良市などで非常に強いゲリラ豪雨が降ったということです。」
→ https://breaking-news.jp/2019/07/25/049939


大阪松竹座七月大歌舞伎昼の部

2019-07-25 15:15:19 | 歌舞伎

昼の部の演目は、まず、

「色気噺お伊勢帰り」

香川登枝緒 作
米田 亘 補綴
わかぎゑふ 演出

左官喜六  鴈治郎
喜六女房お安  扇雀
大工清八  芝翫
遊女お紺  梅枝
清八女房お咲  壱太郎
遊女お鹿  猿弥
油屋女将おかつ  秀太郎

です。

 間の抜けた左官の喜六と二枚目の大工清八は、お伊勢参りから大坂への帰り道に、精進落としと称して、古市の油屋で廓遊びをしてから家路に着きます。その道すがら、日頃から女房お安の尻に敷かれている喜六は、お安にやきもちを焼かせるため、清八に「喜六が油屋一番の遊女お紺に惚れられて困っていた」とお安に伝えてほしいと頼みます。実は、お紺は清八の相手だったのですが、情に厚い清八はこれを引き受け、長屋に帰ると、言葉巧みに語り、お安を煙に巻くのでした。しかし、お紺が清八の前に現れて…。
 喜六と清八、そしてお安の軽快なやりとりがみどころの、松竹新喜劇の名作を歌舞伎として新たに再構成した舞台をお楽しみください。

松竹新喜劇らしい舞台でした。
伊勢参り帰りの精進落としでの古市の油屋の美人のお紺、お鹿、とくれば「伊勢音頭恋寝刃」ですが、
この演目のお紺は・・・

おかつは人間国宝となった秀太郎。雰囲気が抜群ですね。

この後30分の休憩。
弁当は高島屋で買ってきた牛肉の弁当。

 

「厳島招檜扇」日招ぎの清盛

 栄華を極めた平清盛は、厳島神社で開催される遷座の式を差配します。一同が祝いの言葉を述べ、仏御前と祇王が奉納舞を踊るところ、突然、仏御前が清盛に斬りかかろうとしたので、清盛はこれを檜扇で撃ち落とします。一方、今宵が遷座にも関わらず、大経堂の修理が間に合っていないことを知った清盛は、中国の故事を引き合いに出し、祈りとともに檜扇で西海に入ろうとする夕日を招きます。すると不思議なことに夕日が昇り始め、一同は清盛の威勢に驚くのでした。
 歌舞伎の様式美にあふれた豪華絢爛なひと幕をご堪能ください。


平相国清盛  我當
内大臣宗盛  進之介
祇王  壱太郎
小松三位維盛  中村福之助
仏御前実は源義朝息女九重姫  時蔵

歌舞伎の様式美をみるだけの(といえば言いすぎですが)お芝居。
時蔵と壱太郎綺麗~、我當立派~っていうお芝居ですね。

それにしても我當は弱弱しくなり、進之介は相変わらずの・・・ですね。

 

さてその次が今回の一番の楽しみの
「義経千本桜」渡海屋、大物浦

なにせ、知盛を演じる仁左衛門が「関西ではもう今回が最後になるかもしれない、それぐらいの意気込みで勤めたい」、
とインタビューに答えているので。

渡海屋銀平実は新中納言知盛  仁左衛門
女房お柳実は典侍の局  孝太郎
源義経  菊之助
入江丹蔵  猿弥
武蔵坊弁慶  彌十郎
相模五郎  鴈治郎

 兄、頼朝の追手から逃れるため九州へ向かう義経一行は、大物浦の船問屋である渡海屋で船出を待っています。そこへ鎌倉方の追手の相模五郎と入江丹蔵が現れ、船を出すように迫りますが、渡海屋の主人銀平と女房お柳に追い返されます。まもなく船出の時刻となり、義経は家臣と共に渡海屋をあとにすると、鎧姿の銀平が現れます。実は銀平は壇ノ浦の合戦で死んだはずの平知盛。女房お柳は典侍の局、娘お安は安徳帝であり、義経を待ち伏せしていたのです。知盛は船出した義経一行を襲いますが、返り討ちにあってしまいます。典侍の局は義経に帝を託して自害すると、それを見た知盛も体に碇綱を巻きつけ、壮絶な最期を遂げるのでした。
 平家再興を願った武将の末路を描いた、重厚感あふれる義太夫狂言屈指の名作にどうぞご期待ください。

 

銀平が娘お安として守ってきた安特天皇帝に諭された瞬間、憑き物が落ちたように、かかえる苦しみや戦いの虚しさを語るります。
そして今までの敵(義経)に安徳天皇を託し、『(安徳天皇を)守るから安心しろ』と言われたときの解放感、戦い続けてきた知盛の哀れさ、安徳天皇からは「われを供奉し、介抱せしは知盛が情け、きょうまたわれを助けしは義経が情けなれば、仇に思うな知盛」と諭され、
典侍の局が自害をするのを目の当たりにし、実は安徳天皇は姫宮であり、それを知盛たちの父平清盛が外戚になりたい望みで男宮と偽って皇位に就けたので天照大神の罰があたったのだと述懐し、潔く海へ消えていく、

何度観ても涙なしに見ることのできない悲劇です。

この演目だけのちらしがあります。

 

そして左右それぞれのポスターが販売されていて、1枚3000円・・・