裁判所に行ってきました。
東京地方裁判所です。
ちなみに高等裁と知的裁判所(知裁って略すの?)も同じ建物に入ってます。
なんで行くことになったかというと…
今年履修している講義の中に”憲法”があるんですが、
商学部ということもあって、履修者がとても少ないんです。
そのため、プチゼミ化。
内容はほとんど雑談なんですけどね^^;
何故履修したか…それはもちろん公務員試験と被っているから。
定期試験に合わせて右往左往しなくていいなんて、素晴らしすぎる。
それでですが、講義の中で、
「憲法に関わる場所や資料館、建物、省庁など、とにかく『どこか』に行ってくる事」
という課題が出されてたんです。
裁判所だ!
迷うことなく、決めました。
一度実際の裁判の流れを見てみたかったんです。
”見てみたい”で停滞してたので、ちょうどいいと。
早速情報を得ようとネットで検索。
裁判 でググると・・・逆転裁判ばっか出てきたorz
裁判 傍聴 でググると…きたきた、素晴らしいページ発見!
事前知識を得ると、その後は素早く、早速霞ヶ関へ。
目的地は、霞ヶ関駅A1出口出て徒歩15秒のところにありました。
入り口では物々しく金属検査が行われています。
日常から外れた場所なんだなーと、改めて思う。
インフォメーションにおかれたファイルで法廷開始時間と公判内容から、
違法金利で逮捕されたヤミ金業者の裁判を傍聴することに決める。
傍聴自体はなんの手続きもなくできます。
物々しいのは入り口だけなんですね。
さて裁判です。
被告人は二人。
ヤミ金業者のトップの、30台後半辺りの人当たりのよさそうなおっちゃん。
ナンバー2の、同時にクラブのホステスもやっていたという、スレンダーで美人な女性。
検察官の冒頭陳述から始まります。
淡々と、且つ長時間、事実確認が行われる。
いや、これがほんと長い…
この起訴状の朗読の間だけで10人居た聴衆のうち3人出ていっちゃったよ。
続いて、被告人・弁護人の陳述となります。
ただし、今回の刑事事件に関しては被告人は全面的に罪状を認めていました。
そのため弁護人は被告人から、裁判官が「被告人は反省している、再犯可能性は低い」と
思わせるための下地となり得る様な発言を引き出すことに終始してました。
興味深かったのが、更正後、どのような仕事をして生活設計をしていくか、
具体的に言わせていたことですね。
更正後の道筋を示さないと、弁護人は被告人の弁護を続けることが
できないと言わざるを得ない、と言って。
対して、検察官は被告人を多彩な角度から追い詰めていきます。
論理的でしかも突飛な追求をする超圧迫面接、というのがしっくりくるかも((-_-;))
男性は再犯ということもあって終始落ち着き払ってましたが、
女性のほうは検察官の追及に言葉が詰まって泣き出してしまいます。
検察官が鬼に見えますが、もっと多くの人が泣いて、
被告人の羽振りの良い生活が成り立っていたことを思えば、同情なんかできません。
前科がつくことの意味、社会的制裁の重さ、外からはわかりませんよね。
男性は再犯なので恐らく情状酌量の余地はないでしょう。
求刑懲役4年6ヶ月、併科で罰金1000万が要求されてました。
子ども3人もいるらしいってのに…
ただ、落ち着き払って、まるで暗記でもしてきたかのように流暢に喋る男性には、
素人目にも反省している様子は見受けられませんでした。
どう転ぼうが、かなり重い刑が課されることになるでしょう。
女性は、初犯ということもあり、求刑は男性に比べれば大分軽いものでした。
前回の公判では田舎から両親がわざわざ証人、監督人としてやってきたそうで、
更正可能性、情状酌量ともかなり斟酌されることになると思います。
正直なところを言うと、同じ案件なのに、検察官・弁護人どちらの
陳述にも大きく頷けてしまいました。
やはり会話のプロですねえ…。
傍聴がこんな簡単にできるものだとは露知らず、良い体験でした。
憲法で尊重されている「裁判を傍聴する自由」は、しっかり享受できたろうと思います。
ふと、こんな、何の関係もない若造に裁かれる姿をを見られるなんて
俺なら絶対嫌だろうな、とか考えたんです。
でも、それが犯罪を起こすということ、なんですよね。
興味本位なのか、学術的見地なのか、自分でもわかりませんが、
判決の下る次回公判もできれば見に行いきたいと思います。