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ウルトラマン・シャドウアート

2022年06月08日 | ウルトラ関連


 ウルトラマン・シャドウアート

 
 ウルトラマンの主題歌の背景映像に表示される影絵 (シャドウアート)。

 この怪獣のシャドウアートは、東宝撮影所の光学作画技師だった飯塚定雄氏が円谷英二監督に頼まれて描いたものです。

 「庵野秀明セレクション『ウルトラマン』4K」の公開を記念して、影絵の謎に迫ります――。





 
 第1話~第11話


 ウルトラマンの主題歌に出てくる怪獣の影絵は、第1話から第11話までが、ネロンガ、M1号、ペギラ、カネゴンの4種類で、ネロンガが2パターンあります。
 

【ネロンガ①】

 『ウルトラマン』第3話「科特隊出撃せよ」に登場する透明怪獣ネロンガの尻尾。


 



【ネロンガ②】
 
 『ウルトラマン』第3話「科特隊出撃せよ」に登場する透明怪獣。ツノが前を向いて雷撃を発する時の状態になっています。







【M1号】

 『ウルトラQ』第10話「地底超特急西へ」に登場する人工生命。ゴローにも見えるが、撮影時のコンテにはM1号と記載されています。







【ペギラ】

 『ウルトラQ』第5話「ペギラが来た!」に登場。

 影絵はツノが1本で耳が無いペギラですが、このシルエットだけだと『ウルトラマン』第8話「怪獣無法地帯」に再登場するチャンドラーにも見えます。







【カネゴン】

 『ウルトラQ』第15話「カネゴンの繭」に登場するコイン怪獣。








 第12話~第39話


 第12話から第39話 (最終話) までは、カネゴン、ゴーガ、ゴルゴス、アントラー、マグラー、ギャンゴ、ガラモン、バルタン星人の8種類。


【カネゴン】

 『ウルトラQ』第15話「カネゴンの繭」に登場するコイン怪獣。祖師ヶ谷大蔵のウルトラマン商店街に、カネゴンのデザインマンホールがあります。







【ゴーガ】

『ウルトラQ』第24話「ゴーガの像」に登場する貝獣。







【ゴルゴス】

 『ウルトラQ』第7話「SOS富士山」に登場する岩石怪獣。

 飯島定雄氏によると、「イラストっぽく」という要望だったため、わざとギザギザに描いて全体的に切り抜きの様なデザインにしたそうです。








【アントラー】

 『ウルトラマン』第7話「バラージの青い石」に登場する磁力怪獣。祖師ヶ谷大蔵のウルトラマン商店街に、アントラーのデザインマンホールがあります。







【マグラー】

 『ウルトラマン』第8話「怪獣無法地帯」に登場する地底怪獣。







【ネロンガ】

  『ウルトラマン』第3話「科特隊出撃せよ」に登場登場する透明怪獣。ツノが前を向いて雷撃を発する時の状態になっています。







【ギャンゴ】

 『ウルトラマン』第11話「宇宙から来た暴れん坊」に登場する脳波怪獣。







【ガラモン】

 『ウルトラQ』第13話「ガラダマ」に登場する隕石怪獣。

 上から降りてくるシャドウアートの尻尾の先端が上に反っているのでガラモンと判断できます。(ピグモンは尻尾が下に垂れ下がっている)







【バルタン星人】

 『ウルトラマン』第2話「侵略者を撃て」に登場する宇宙忍者。ウルトラマン商店街のデザインマンホールに採用されています。








 ウルトラマンの歌


 ちなみに『ウルトラマンの歌』の録音バージョンは、第1話~第7話、第8話~第30話、第31話~第39話の3パターンあります。

 第1話から第7話までは「わーれらーの」という歌い方で、みすず児童合唱団の歌唱はややおとなしめ。

 第8話から第30話までが「われらーの」という歌い方で、みすず児童合唱団の歌声が大きくなっています。

 第31話から最終話までが「わーれらーの」という歌い方に戻り、男性コーラスが無くなっています。




 編集後記


 1966年3月16日に『ウルトラマン』がクランクインした際、主題歌のタイトルバックのことを誰も考えていなかったことが判明したそうです。

 そのため、監督を最初に務めた飯島敏宏氏が撮影監督を担当することになりました。

 セットに平台を敷いてドライアイスを流し、照明を吊っている天井部分に監督と撮影クルーが上って俯瞰で撮影する手法がとられました。

 そして、飯島監督のかけ声のタイミングで照明部が色フィルターを差し込んで撮影したため、音楽と色の変わりが微妙にずれています。

 飯塚定雄氏による影絵の怪獣は全部で11種類ですが、その半数以上の6種類がウルトラQに登場する怪獣になっています。

 なお、飯塚氏はスペシウム光線なども描きましたが、勤めていた東宝撮影所が副業禁止だっため、主題歌のタイトルバックに名前は載っていません。

 飯塚氏は、夜8時過ぎに東宝撮影所の仕事が終わると、歩いて円谷プロに通っていたそうです。




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