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「釧路湿原国立公園」

2013年10月25日 | 釧路


釧路湿原国立公園

 2012年7月31日に、国立公園に指定されてから25周年を迎えた釧路湿原。25周年を祝して、釧路湿原についてまとめてみました――。



国立公園

 釧路湿原は、釧路町、鶴居村、標茶町、釧路市の1市2町1村に跨る日本最大の湿原。

 東西に約17km、南北に約36km、面積は26,861haにもなり、東京都がすっぽり入ってしまうほどの大きさで、東京ドーム約6000個に相当する。


       


 釧路湿原の自然保護は、1935年に釧路丹頂鶴繁殖地として、2700haが国の天然記念物に指定されたことに始まる。

 その後、次第に貴重な生態系の残っている自然環境として認知され始め、1980年に日本初のラムサール条約指定湿地に指定された。


          


 1987年には、日本で28番目の国立公園に指定され、釧路湿原国立公園となった。

 全国の湿原が水田や市街地となって消失していった中で、傑出した自然の風景地としての資質を保っていたことも、国立公園指定の大きな理由となった。

    
           


 国立公園の4分の1は、特に厳しく保護される特別保護地区に指定され、タンチョウやイトウなどの貴重な野生生物の生息地となっている。


        



釧路湿原の起源 

 釧路湿原の始まりは、約2万年前のヴュルム氷期の最盛期。

 当時は、今の時代よりも気温が10度位低くて、海面も100mほど低かったため、北海道はシベリア大陸と陸続きだった。


               


 長い氷河時代が終わると気温は徐々に上昇し、氷河は解けて海面が上昇し、内陸は海水で満たされていき、今から約6千年前に湿原全体は海で覆われ、古釧路湾となった。

 その後、気温が徐々に低下して海水が引き始め、堆積した泥炭の上に植物が生え、3000年前の縄文時代後期にほぼ現在の地形、陸地になった。


        



湿原の霧

 釧路湿原は夏に霧が多量に発生するため、全国の気象観測点の中で1年の平均気温が最も低く、6~8月の日照時間も全国で最短。


        


 湿原に隣接する釧路市では霧は年間100日以上発生し、夏場の海霧の発生が多いのが特徴。

 釧路付近の太平洋には、夏でも水温の低い寒流の千島海流が流れ、そこに暖かい南風が流れ込むと気温と水温の差で霧が発生し、湿原にも流れ込む。


        


 秋には放射冷却による放射霧、冬の冷え込んだ朝や夜には川から発生する蒸気霧などが発生し、湿原を深い霧で包む。

 こうした霧が、冷涼な気候を好む湿原の動植物を守り育ててきた。


        


 また、湿原が濃い霧に覆われるために稲作ができず、水田開発を免れてきたことから、霧によって釧路湿原は守られてきたともいえる。



細岡展望台


      


 数ある釧路湿原の展望台の中で、最も雄大な景観が見られるのが細岡展望台。


      


 釧路湿原を見渡す展望ポイントの中で最も人気がある展望台で、大観望とも呼ばれ、夕日の名所としても知られている。


      


 展望台からの眺めは釧路川の蛇行を前景に、原始の面影を留めている釧路湿原が眼下に広がっている。右手には雌阿寒岳と雄阿寒岳を望める。


      


 夏に青々と広がっていた湿原の草原は、秋になると黄金色に染まる。


      



サテライト展望台


      


 釧路市湿原展望台に併設されている約2.5kmの遊歩道の先にある展望台で、サバンナの様な雄大な風景を堪能することができる。


      


 左周りのコースはアップダウンも無く、15分ほどでサテライト展望台に到着できる。


      


 展望台から湿原を眺めていると、大地全体から力強い生命力がみなぎっているのを感じるので、ある意味パワースポットなのかも。


      


 右回りのコースで遊歩道の入り口まで戻ると20分ほどかかり、アップダウンも激しくてかなり疲れるので、来た道をそのまま戻るのがベスト。


      



二本松展望地


      
        

 二本松橋の手前の丘の上にある二本松展望地。すぐ目の前を蛇行しながら流れる釧路川と雄大な湿原のパノラマが広がる穴場の展望スポット。


      


 名称は、展望地近くに2本のトドマツが生えていることに由来する。遠い昔、釧路川を渡ろうとしたアイヌの神様がこの場所で休憩中に植えたという伝説も。


      


 展望地の裏側に林へ通じる道があり、その道を数分歩くと崖に差し掛かる。そこから、眼下に蛇行して流れる釧路川を見渡すことができる。


      



コッタロ湿原展望台 


      


 釧路湿原の中でも太古の自然を彷彿とさせる景観で、特別保護地区に指定されている地域。


      


 コッタロ湿原展望台からは、ヨシ・スゲ湿原の広がりや蛇行するコッタロ川と無数の小さな沼が散在する様子をみることができる。 


      

        

岩保木水門


      


 釧路湿原を流れる旧釧路川にかかる水門で、1931年に完成した。現在はその役目を終え、歴史的建造物として保存されている。


          


 上流で開墾した材木等を船で運搬をする際に水門を空けて輸送を行なう予定だったが、釧網本線開通で鉄道運搬が可能になったため、1度も使われたことがない。


      


 水門付近に展望地があり、低い視点から湿原を見渡することができ、草原と遠く雄阿寒岳と雌阿寒岳を望むことができる。


      



サルボ展望台

 コッタロ湿原展望地へ続く道に入らずに、国道391号線をそのまま進んですぐの所にある展望台。


      


 ここからは釧路湿原だけでなく、左側には塘路湖、右側にはマクントー、エオルト沼、ポントーなどの湖沼が一望できる。


      


 サルボ展望台のサルボとは、アイヌ語でサル(葦原、湿原)、ボ(子)、つまり小さい葦原(湿地)という意味。


      



サルルン展望台

 サルボ展望台との分岐点を左方向に500mほど歩いた場所にある展望台。


      


 林道を歩いている途中、エゾシカと遭遇することもある。サルルン展望台からは、サルボ展望台から見た景色をサルルン沼側から見ることができる。


      



キラコタン岬

 釧路湿原が海に覆われていた頃に岬だった場所で、チルワツナイ川の蛇行を眺めることができる。


      


 キラコタン岬は天然記念物区域で民有地であるため、展望地への立ち入りには事前に文化庁と地主の許可を得る必要がある。


      


 手続きは、鶴居村ふるさと情報館の教育委員会(TEL:0154-64-2050)が代行してくれる。許可証は郵送か、鶴居村を訪れて入手のこと。


               



宮島岬

 チルワツナイ川の蛇行を見渡せる展望地。宮島岬に行くためには原生林を約5km歩かなければならず、片道に約1時間かかる。
 

      


 現在、宮島岬は釧路プリンスホテルの敷地になっているため、ホテルに宿泊して宮島岬プランに申し込む必要がある。


      



くしろ湿原ノロッコ号

 春から秋にかけて釧路駅から運行される日本一遅い電車で、電車の車窓からは、釧路湿原の景色をゆっくりと眺めることができる。


       


 2008年8月13日に累計乗車人数が100万人を突破し、2009年で運行20周年を迎えた。


       




編集後記

 眺望する場所によって色々な表情を見せる釧路湿原。

 眺望No.1はやっぱり、釧網線で20分ほどの所にある釧路湿原駅で下車して歩いて10分くらいの所にある細岡展望台

 初めて見た時は、その雄大さに度肝を抜かれてしばらく立ち尽くしてしまった。

 次に、釧路市湿原展望台の遊歩道の先にあるサテライト展望台。ここも、細岡展望台に匹敵するくらい雄大な風景を堪能できる。

 3番目は二本松展望コッタロ湿原展望台から見る景色も独特で見応えがある。岩保木水門の低い目線から見る釧路湿原も、新鮮でなかなか良い。

 釧路湿原の雄大な風景を見て感動することは心の癒しにもなるので、未見な方は夏の釧路を訪れて、心のデトックスをしてみてはいかがでしょうか?

 なお、岩保木山展望地という所もあるけど、林道や稜線にヒグマの足跡や糞があって危険ということで、今回は紹介しませんでした。。




【記事引用】 「釧路湿原国立公園」 「サルボ展望台」 「鶴居村を巡る旅」 etc..
【画像引用】 「釧路河川事務所」 「裸心プロジェクト」 「MAPPLE観光ガイド
       「釧路愛好会~くしろよろしく~」 etc..
 
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17 コメント

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釧路湿原 (siawasekun)
2007-09-18 04:47:59
釧路湿原には、学生時代の遠足の時に、何度も行かれたのですか、・・・。
良かったですね。。

釧路湿原について、素敵なショット、いろいろ分かりやすい説明、ありがとうございました。

生きているうちに、一度、行ってみたくなりました。
機会をみて、是非、・・・・・。

素敵な紹介、ありがとうございました。
コメントありがとうございます (iyasaca)
2007-09-18 05:40:03
はじめまして。コメント残してくださいましてありがとうございます。釧路の湿原に行ったのはしばらく前になりますが、今でも強く印象に残っています。画像はどうぞお使いください。でわ。
Re:siawasekunさん (mitamura)
2007-09-19 00:16:22

 以前、『もしもツアーズ』という番組で釧路湿原の特集をやってたんですが、釧路湿原の雄大な景色に出演者全員、感動していました。

 「アマゾンのジャングルみたいだ‥」と言って感動してるのを見て、「そうだっけ?」と思いながら、何度も行っているのにも関わらず、また行きたくなりました。

 釧路湿原には、地元の人には見えない何かがあるようです。

Re:iyasacaさん (mitamura)
2007-09-19 00:23:06

 ありがとうございました。塘路湖の写真、引用させて頂きました。

 jyasacaさんのブログに掲載されているお写真には、その場の雰囲気を切り取るセンスが感じられます。写真の構図にも独特なこだわりが感じられ、引き込まれます。

 またご訪問します。

はじめまして (Mint)
2007-09-19 22:56:15
TBありがとうございました。
北海道出身なのですね。
しかも学生の頃の遠足が釧路湿原だったということは道東にお住まいだったということでしょうか。
Mintも以前は道東に住んでいました。
道東に住んでいたことがあるのに釧路湿原には行ったことがないんです。
今回道東を旅行してきましたが湿原には行きそびれてしまいました。
ただ釧路からJRに乗って遠矢・釧路湿原・細岡・塘路・茅沼などの駅を車窓からですが見てきたのですが
それだけでも結構感動するものがありました。

Re:Mintさん (mitamura)
2007-09-19 23:29:59

 私は道東の釧路出身です。上京して故郷を客観的に見てみると、北海道の良さを改めて実感します。

 当時は小中学生だったこともあり、釧路湿原の良さを全く理解できなかったので印象にも記憶にも残っていないのが心残りです。

 環境破壊による地球温暖化や、京都議定書の第一約束期間が来年からスタートするなど、環境保全活動に対する意識が高まっている今、釧路湿原の良さが改めて見直される時期に来ているように思います。

こんばんは (たぁ)
2007-09-23 00:35:27
コメントありがとうございました。

わたしも「もしツア」で釧路湿原を見て、釧路湿原に
行ってみたいと思い、先日足を運びました。

写真を引用したいなんて言ってもらえるのは光栄
なのですが、残念ながらご指摘の写真はコッタロ
展望台で撮った写真なのです。

いい写真が見つかるといいですね。
Re:たぁさん (mitamura)
2007-09-23 10:05:35

 あの写真はコッタロでしたか。。残念です。

 北斗展望地の画像はネット上にあるにはあるんですが、コントラストが変だったり、解像度が悪かったりして使用に耐えないので、未だ捜索中です。

 わざわざのコメント有難うございました。

TB、ありがとうございました。 (しゅーまん)
2007-09-25 00:52:30
先日はTBをいただき、ありがとうございました!
なかなか書き込む時間が取れず、お礼が遅くなり、すみません。
釧路湿原の写真、どれもキレイですね。
内容もかなり充実していて、そうなんだと新たな発見をすることもありました。
その他の記事も見させていただきましたが、なかなか興味深いテーマも出ていたりして、こちらも良いなと思いました。
過去の記事の分を含め、これからちょくちょく見させてもらおうかと思います。
よろしくお願いします!
Re:しゅーまんさん (mitamura)
2007-09-26 01:06:59

 私も、釧路湿原の写真を更新していて、北海道の良さを再認識しました。

 写真のほうは、「ぶぶぶフォトギャラリー」の滝田さんという方が撮影された写真を活用させて頂きました。

 機会があれば、そちらのフォトギャラリーのほうにも足を運んで下さい。いい写真がたくさんありますので。

 灯台下暗しとはよく言ったもので、地元の土地のことを改めて勉強してみると、新たな発見がたくさんあって自分の無知さに気付かされました。

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