偶にバッハの音楽について考えることがあります。平均律クラヴィーア曲集については以前簡単に書いたことがある気がしますが、インヴェンションとシンフォニアについて書いたことなかった気がします。
◆インヴェンションとシンフォニア
インヴェンションは2声部の、シンフォニアは3声部の短い練習曲集です。バッハは教会の音楽家だけでなくたくさんの弟子への教育も行っていたので、自然と練習曲の作曲が多くなります。それらはまるで随筆が小説へと集結するように作品の基盤となるメロディーの集成となっています。インヴェンションは対位法*の基礎を学ぶための入門的な作品集で、シンフォニアは対位法のテクニックをさらに発展させた作品集ですから、対象はインヴェンションは初学者~中級者、シンフォニアは中級者~上級者向けなのかな。
*複数の旋律が同時に奏でられ、互いに影響し合いながら発展していく音楽の技法
*複数の旋律が同時に奏でられ、互いに影響し合いながら発展していく音楽の技法
◆楽器は何を選ぶ
クラヴィーア曲集なので鍵盤楽器なら何でも良いのでしょう。が、バッハが生きていた頃はピアノが登場したてな頃ですから、ハープシコード(チェンバロ)が適切なんだと思います。ピアノとハープシコードでは構造が違いますし表現が全く違うものです。ハープシコードは、ピアノに比べて音が乾いており、装飾音やアーティキュレーションが際立ちます。音を鳴らす構造も鍵盤の数・色(黒鍵・白鍵が逆な場合が多い)・段数も違います。ピアノのほうがどちらかというと手軽に入手可能ではありますが(メンテも同様)、出来るならハープシコードでの練習・演奏がおすすめです。
◆どんな曲があるか
先日、富山市電の発車音がメヌエットだった話をちらりと書きましたが、そうメヌエット、それとポロネーズが有名かと思います。ここでいうポロネーズはショパンのものとは違います。「ポロネーズ:ポーランドの、ポーランド人」の意味で、ショパンはポーランド人でバッハはドイツ人です。バッハのポロネーズは、ショパンの華麗なポロネーズとは異なり、力強く勇ましい性格を持っています。例えば、インヴェンション第16番は、ポーランド舞踊のリズムを取り入れた勇敢な曲です。
バッハの音楽は、何度聴いても新しい発見がある奥深いものです。是非この機会にバッハの世界に足を踏み入れてみてください。
◆インヴェンション演奏紹介
Nの音楽室 Sall de musique de "N"
https://www.youtube.com/@salldemusiqueden/videos?view=0&sort=dd&shelf_id=2
Nの音楽室 Sall de musique de "N"
https://www.youtube.com/@salldemusiqueden/videos?view=0&sort=dd&shelf_id=2
ポロネーズ
●過去記事バッハソサイエティ ジャン・ロンドー
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